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肝細胞癌におけるPIVKA-IIの産生機序に関する研究

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Academic year: 2021

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76      (消化器内科)       近藤 由美   〔目的〕肝内胆管癌をCT所見上描出される形態か ら3型に分類し血管造影を含め臨床病理学的に対比し 検討を行った.〔対象〕1985年から1992年までに切除ま たは病理解剖を施行された肝内胆管癌43例を対象とし た.〔結果〕1型は肝実質内に辺縁明瞭な腫瘍として認 められた27例で,DCTでは辺縁の濃:染像を認め, CECTでは内部が低吸収を示しdelayed scanにて辺 縁部または内部に高吸収域がみられた.2型は肝門部 近傍のグリソソ鞘周囲に辺縁不明瞭な腫瘍を認めた13 例でdelayed scanで腫瘍は濃染を示した.腫瘍から連 続する拡大したグリソン鞘が認められ腫瘍の浸潤域に 一致した.3型は拡張した肝内胆管内に不明瞭な隆起 性病変を認めた4例で全例乳頭腺癌であった.1型, 2型には血管造影,臨床像ともに特徴が認められた.  13.ラットclosed duodenal loop(CDD膵炎にお ける胆汁diversionの及ぼす影響     (消化器内科)       西野 隆義  ラットCDL膵炎における膵炎進展に及ぼす胆汁の 役割を明らかにする目的で,胆汁diversionのCDL膵 炎に及ぼす影響について検討した.Wistar系雄牲ラッ トを用い胆汁diversion(BD)群とCDL群につき経時 的に血清膵酵素値,腹水量,膵湿重量,腹腔内脂肪壊 死,組織像を対比検討した.膵酵素の経時的変化では BD群はCDL群に比べ低値を示した.腹腔内脂肪壊死 は,6時間後でBD群で軽度であったが,12時間後以 後両群に差はみられなかった.病理組織学的には,6

時間後まで浮腫の程度はBD群がCDL群に比べて軽

度であったが,12時間後以降,浮腫,出血,細胞壊死 などは両型とも同程度の変化を示した.以上よりラッ

トCDL膵炎において,初期の浮腫性膵炎では胆汁

diversionにより浮腫が軽減したが,出血性膵炎への進 展には胆汁diversionの影響が認められないことが示 された.  14.非定型慢性膵炎の形態と病因に関する研究一画 像解析および免疫学的研究一     (消化器内科)       吉田  泉  〔目的〕特異な経過を呈した非定型慢性膵炎を画像, 臨床および免疫学的に検討する.〔対象・方法〕対象は 病理組織学的に慢性膵炎と確浮した症例で,画像診断 および免疫学的検討(Inixed lymphocyte reaction, リンパ球表面マーカー)を行った.〔結果〕非定型慢性 膵炎は,飲酒歴に関連なく何らかの自己抗体と全例に 高γグロブリン血症を認めた.画像診断では50%に悪 性腫瘍が疑われ,膵癌との鑑別が困難であった.病理 組織像では,リンパ球の浸潤が著明であった.mixed lymphocyte reactionでは健常群,慢性膵炎群と比較 し低下を,リンパ球表面マーカーでは活性化されたリ ンパ球の割合が増加していた.〔結論〕非定型慢性膵炎 は自己免疫の関与が示唆された.  15.B型慢性肝炎に対するインターフェロンの作用 機序に関する考察一HBV特異的キラーT細胞に対す る効果に関して一     (消化器内科)       磯野 悦子  B型肝炎に対するインターフエロン(IFN)の効果の 機序を解明する目的で,HBs抗原およびHBc抗原を コードする遺伝子導入細胞(S6, C4)を標的細胞とし, α一IFN投与中のB型慢性肝炎患者の末梢血リンパ球 を分離しefFector細胞として細胞障害試験を行った. 今回検討した症例中,INF使用により, HBV特異的 CTL活性が低下するという事実は,1例を除き全症例 で認められた.また,α一IFNは,勿θ伽。ではHBV特 異的CTL活性を抑制しなかった.以上の結果より,B 型慢性肝炎に対するIFNの作用は, CTLに直接作用 するのではなく,ウイルスのreplication等に作用し, 間接的にキラー活性を抑制していると考えられた.

 16.肝細胞癌におけるPIVKA・IIの臨床的意義

一病態,予後に関連して一     (消化器内科)       安島 豊子  肝細胞癌(HCC)の腫瘍マーカーであるPIVKA−II はHCCに高い特異性が認められている.しかし,予後 との関係に関する知見は極めて少なく,今回病態とも 合わせ検討した.対象は1987年1月から88年1月の間 に初めて受診したHCC患者54例(男42,女12例)で あった.〔結果〕①PIVKA−II値はHCC発見後生存日 数と有意な負の相関を示し,PIVKA−II陽性群は明ら かに予後不良であった.またAFPは生存日数との相 関が認められなかった.②HCCが被膜形成を示さな い場合および門脈腫瘍塞栓を有する場合は,PIVKA− IIの陽性率が有意に高くなり予後不良であった.この ように,PIVKA・IIはHCCの診断法としてのみでな く,病態の把握,予後の予測にも役立ち臨床的に有意 義な情報をもたらすことが判明した.  17.肝細胞癌におけるPIVKA・IIの産生機序に関 する研究     (消化器内科)       山縣 英晴

 肝細胞癌における特異的腫瘍マーカーである

PIVKA−IIの産生機序について実験的検討を行った. 一1070一

(2)

77  肝癌組織は非癌骨組織と比してvit. K濃度に有意

差はなかった.正常prothrombinの産生のkey

enzymeであるγ一carboxylase活性も基質当量では有 意差はなかった.これに対してprothrombin前駆体の 含有量は肝癌組織では腎癌肝組織と比して有意に増加 していた.また高いPIVKA−II産生能を有する肝癌培 養細胞のhu−H1とhu−H2では,その培養上清中の prothrombin前駆体の濃度は他の肝癌培養細胞の上 清と比して有意に上昇していた.  以上より肝癌細胞ではprothrombin前駆体の過剰 産生が起こっており,これがPIVKA−II産生の主たる 原因になっている可能性が高いと考えられる.  18.Anti禰proliferating  cell nuclear antige聾 antibodyを用いた肝細胞癌の増殖活性の研究一組織 学的異型度との関連を中心に一     (消化器内科)       谷合麻紀子  〔目的〕肝細胞癌(HCC)の増殖活性を知る目的で, 増殖期細胞のマーカーであるproliferating cell nuclear antigen(PCNA)を用いた免疫組織学的検討 を行った.〔対象と方法〕外科的に切除されたHCC 20 例の10%ホルマリン固定パラフィン包埋切片に,抗 PCNAマウスモノクローナル抗体(DAKO)を50倍希 釈して一次抗体とし酵素抗体ABC法にて免疫染色を 行った.PCNA陽性率は任意の500個以上の細胞中の 陽性細胞数を数えて算出した.各標本の連続切片をH

&E染色し,画像解析機(KONTRON)にてnu・

cleocytoplasmic ratio(N/C比)を計測した.〔結果〕 平均PCNA陽性率はEdmondson I(EdI)で10.3, EdlI 25.5%,Edlll 28.4%, EdlV 41.5%と細胞異型の進行 に伴い有意に増大していた.N/C比の増大とPCNA 陽性率は正の相関を示した.  19.小肝細胞癌における生検診断の有用性と限界に 関する研究     (消化器内科)       岡田 祐子  細小肝癌症例における画像診断困難例について,腫 蕩生検の診断能を検討した.  〔方法〕1987年1,月∼1990年12月に各種画像診断に て確診が得られずエコー下腫瘍生検を施行した2cm 以下の69例72結節を対象とし,各画像診断法の描出能, 生検の診断率および偽陰性,偽陽性例についての検討 を行った.  〔結果〕①生検対象となった結節は超音波検査のみ で描出されCT,血管造影では検出されなかった結節 が最も多く50結節(69.4%)を占めた.②生検の診断 率はsensitivity 65.9%, specificity 95.2%, accuracy 75.8%であった.③偽陰性例は腫瘍径の小さい結節や 肝辺縁部に存在する結節に多くみられた.  〔結論〕肝の腫瘍生検は肝細胞癌の診断に有用であ るが偽陰性例も認められ,生検診断が陰性でも注意深 い経過観察が必要と考えられた.  20.食道癌拡大郭清術後再発の検討     (都立駒込病院外科)       室井 正彦・吉田  操・窪田 徳幸  〔目的〕リンパ節拡大郭清術後の再発の特徴を明ら かにし,術後の治療に際して考慮すべき点について検 討した.  〔対象〕拡大郭清を施行した69例(39%)で,再発 群(n=22)と健在群(n=36).台辞2.9%,入院死亡 5.6%であった.  〔結果〕〈深達度〉再発群:sm 1, mp 2, al 1, a2 13,a31,健存群:sm 13, mp 4, a14, a29, a33. 〈転移リンパ節の平均個数〉再発群:7.9±11,1,健存 群:1.1±:1.9,〈再発確認までの期間〉局所再発平均 6ヵ月,遠隔転移型平均8ヵ月,頸部上縦隔リンパ節 再発18ヵ月.  〔まとめ〕拡大郭清術後の再発例は,深達度ではInp 以深の進行癌,転移リンパ節個数は平均7.9個,転移領 域でも平均1.7領域,脈管侵襲も高度のもの.拡大郭清 術後には以上の特色を考慮した術後治療計画が必要で ある.  21.特発性食道破裂に対し非開胸食道抜去術を施行 した1治験例     (谷津保健病院)      小澤 文明・       御子柴幸男・糟谷  忍・平山 芳文・       藤田  徹・宮崎正二郎・永田  仁  67歳,男性.発症後一昼夜で,心停止,呼吸停止に 陥った特発性食道破裂の症例に対し,保存的治療にて 小康を得,発症7日目に非開胸食道抜去法で一期的に 食道再建を行い治癒せしめた.  本症の死亡率は近年約20%以下と低下しているが, いまだに長期の入院を余儀なくされる難治例も少なく ない.特に発症24時間以降のいわゆる晩期症例の治療 法が課題である.ドレナージのみを行う方法,破裂部 被覆法等を含めた縫合閉鎖術,二期的食道再建術,一 期的食道再建術等が選択枝として挙げられるが,その 中で非開胸食道抜去術が治療期間の短縮ならびに安全 性の面から第一選択となる治療法であると考えるので 報告する. 一1071一

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