病理総論試験対策
復習問題2012年度
病理検査室の担当者はだれか？ 1. 病理検査技師 2. 細胞検査士 3. 感染管理看護師 4. 理学療法士 5. 放射線技師
正解：１，２
臨床診断に持いられる検査方法はどれか？ 1. 画像検査 2. 内視鏡検査 3. 生理学的検査 4. 検体検査 5. 病理検査 6. 細胞診検査
正解：以上全て
病理が通常担当しない業務は以下のどれか？ 1. 病理解剖 2. 病理組織診断 3. 細胞診断 4. 画像診断 5. 臨床病理カンファレンス（CPC）
正解：４
術中迅速診断の記述で正しいはどれか? ①凍結切片にはパパニコロウ染色を用いる。 ②凍結切片では脂肪組織は薄切しやすい。 ③組織標本をできるだけ急速に凍結する。 ④クリオスタットの適正温度は－4度である。 ⑤凍結切片作成には包埋材は不要である。
正解：③
誤っている記述はどれか? ①B型肝炎ウイルスは空気感染をきたす。 ②水痘・帯状疱疹ウイルスは空気感染をきたす ③MRSA感染は空気感染をきたす。 ④結核感染は空気感染をきたす。 ⑤プリオンは空気感染をきたす。
正解（誤っている）：①、③、⑤
病理解剖における結核の業務感染防止 について正しい記述はどれか? ①手指消毒は有効な手段である。 ②空気清浄機は有効な手段である。 ③ホルマリン燻蒸消毒は有効な手段である。 ④ツベルクリン反応は有効な手段である。 ⑤微粒子用マスクは有効な手段である。
正解：⑤
病理解剖について死体解剖保存法 で規定されているのはどれか? ①遺族の承諾。 ②解剖の所要時間。 ③解剖を行う場所。 ④標本の保存期間。 ⑤介助者の資格。
正解：①，③
伴性劣性遺伝を示す疾患はどれか？ 1. クラインフェルター症候群 2. マルフォン症候群 3. 家族性大腸腺腫 4. フォン・ヒッペル・リンドウ病 5. 血友病
正解：５
奇形に分類されないのはどれか？ 1. 糖尿病 2. 兎唇 3. 心室中隔欠損症 4. メッケル憩室 5. 馬蹄腎
正解：１
炎症の５徴はどれか？ 1. 発赤 2. 発熱 3. 腫脹 4. 疼痛 5. 機能障害
正解：上記全て
炎症時組織に起こる急性期の変化とし て誤っているものはどれか？ 1. 血流の増加、 2. 血管透過性亢進 3. 機能障害 4. 浮腫 5. 白血球遊走
正解：３
誤っているものはどれか？ 1. 浸出液は蛋白濃度が高い。 2. 肝硬変の腹水は漏出液である。 3. 化膿性胸膜炎の胸水は漏出液である。 4. 浮腫は細胞間液が増加した状態を呼ぶ。 5. 低たんぱく血症は浮腫の原因となる。
正解：３
浸出液は炎症や腫瘍で出現し、蛋白炎症細胞に富む。 漏出液は静脈圧の亢進などで出来る血漿成分に似る。多くの肉芽腫性炎症（特異性炎症）の 共通の特色として見られるものはどれか？ ①ラングハンス巨細胞 ②線維増生 ③乾酪壊死 ④類上皮細胞増生 ⑤好酸球浸潤
正解：④
誤っている組み合わせはどれか? 1.全身性エリテマトーデス 抗ＤＮＡ抗体 2.バセドウ病 抗ＴＳＨ受容体抗体 3.自己免疫性肝炎 抗平滑筋抗体 4.ウエゲナー肉芽腫症 抗好中球細胞質抗体 5.多発筋炎 抗アセチルコリン 受容体抗体
正解：５
自己抗体と自己免疫疾患 関節リウマチ：リウマトイド因子（IgGのFc部分の自己抗体） RAテスト（ワーラー・ローズ反応）：関節リウマチ以外に SLE、慢性肝炎、細菌性心内膜炎で陽性となる。 SLE（全身性エリテマトーデス）：抗核抗体（2本鎖DNA抗体 1本鎖DNA抗体）、抗ミトコンドリア抗体、抗Sm抗体 強皮症（全身性進行性硬化症）PSS（CREST症候群含む） 抗核抗体、抗Scl-70抗体、抗セントロメア抗体 多発性筋炎、皮膚筋炎：抗Jo-1抗体 原発性胆汁性肝硬変：抗ミトコンドリア抗体 バセドウ病：抗TSH受容体抗体 橋本病：抗ミクロゾーム抗体、抗サイログロブリン抗体 重症筋無力症：抗アセチルコリン受容体抗体 リウマチ熱：A群β溶血性連鎖球菌の菌体成分に 対する抗体が心筋の糖蛋白と交差反応を示す。 急速進行性腎炎、Goodpasture症候群：抗基底膜抗体 シェ―グレン症候群：抗SS-A抗体
全身性エリテマトーデスでしばしばみら
れる所見はどれか?
a. 抗核抗体陽性 b. 低補体価 c. γ-グロブリンの減少 d. 白血球の軽度増加 e. LE細胞現象陽性１ a,b,c ２ a,b,e 3 a,d,e ４ b,c,d ５ c,d,e
全身性エリテマトーデスでしばしばみら
れる所見
1. 抗核抗体陽性 2. LE細胞現象陽性 3. 低補体価 4. 血清γ-グロブリンの増加 5. 白血球の軽度減少 6. 貧血 7. 直接クームステスト陽性 8. 梅毒検査生物学的偽陽性誤っている記述はどれか? ①急性肝炎では脂肪変性が起こる。 ②心筋梗塞では凝固壊死が起こる。 ③脳梗塞では融解壊死が起こる。 ④結節性動脈炎では類線維素壊死が起こる。 ⑤肺結核では凝固壊死が起こる。
正解（誤っている）：⑤
進行性病変はどれか。２つ選べ。 1.過形成 2.変 性 3.壊 死 4.萎 縮 5.化 生 細胞障害に対する生体の反応の内 退行性病変とはなにか？ 細胞障害に伴う細胞の変化を呼ぶ。 壊死、アポトーシス、萎縮、物質代謝障害など 進行性病変とは何か? 細胞増殖を起点とする修復の病的状態を呼ぶ 肥大、過形成、化生、再生、肉芽組織、瘢痕形成など。
誤っている記述はどれか? ①肺結核では乾酪壊死が起こる。 ②心筋梗塞では凝固壊死が起こる。 ③脳梗塞では融解壊死が起こる。 ④結節性動脈炎では類線維素壊死が起こる。 ⑤急性肝炎では脂肪壊死が起こる。
正解（誤っている）：⑤
尿酸の代謝異常による疾患はどれか? 1. ネフローゼ 2. ゴーシェ病 3. 骨粗鬆症 4. 痛風 5. ウイルソン病
正解：４
生体色素に分類されないのはどれか? 1. へモジデリン 2. リポフスチン 3. アミロイド 4. ビリルビン 5. ミオグロビン
正解：３
誤っている記述はどれか? 1. 黄疸は生体色素代謝異常に分類される。 2. アミロイドーシスは糖質代謝異常である。 3. 痛風は核酸代謝異常である。 4. ヘモジデローシスは無機物代謝異常である。 5. 黄色腫は脂質代謝異常である。
正解（誤っているのは）：２
梗塞について正しい記述はどれか? ①血管炎は梗塞の原因でない。 ②塞栓は梗塞の原因でない。 ③動脈硬化は梗塞の原因でない。 ④血栓は梗塞の原因でない。 ⑤側副循環は梗塞の原因でない。
正解：⑤
急性心筋梗塞が起こった時、組織におこる 以下の変化を、時間経過の順に並べよ。 1. 線維化、瘢痕形成 2. 心筋の横紋消失、核濃縮 3. リンパ球、マクロファージ浸潤、血管増生 4. 好中球浸潤
正解：２-４-３-１
心虚血時に起こる最初の組織学的変化は心筋細胞核の濃縮、横 紋筋の不鮮明化で、8-18時間程度で表れる。36時間程度で好中 球の浸潤を伴ってくる。その後数週間後には肉芽組織の形成が 始まり、完全な瘢痕組織の形成には3か月以上を要する。出血性梗塞を起こしやすい臓器はどれか。 ２つ選べ。 1.心 臓 2.肺 臓 3.小 腸 4.牌 臓 5.腎 臓 なぜ、血管がつまって、出血するか? 肺：動脈が2系列（肺動脈、気管支動脈）ある。 小腸：動脈の閉塞があっても、側副循環、門脈の 逆流（うっ血）などから、出血性梗塞になる。 出血性でない梗塞は？貧血性梗塞
正解：２，３
傍側（側副）循環に起因する疾患は
どれか。２つ選べ。
1.脳梗塞
2.食道静脈瘤
3.肝硬変
4.肺梗塞
5.痔 核
正解：２，５
31 側副循環による障害 血管の吻合により、 血液が通常と異なる ルートを流れることに よって血流を確保す ること。静脈に多い。 門脈の通過障害 例：肝硬変 ①食道静脈(食道静脈瘤） ②臍静脈(メドュサの頭） ③直腸静脈瘤（痔核） 10
正しい組み合わせはどれか?
2つ選べ
①充血 － 静脈炎 ②出血 － 貧血 ③虚血 － 腹水 ④うっ血 － 動脈硬化症 ⑤側副循環 － 食道静脈瘤正解：２、５
正しい記述はどれか？
1. メッケル憩室は食道に見られる先天異常 である。 2. ヒルシュスプルング病は先天的巨大結腸 症である。 3. 腸重積は麻痺性イレウスである。 4. クローン病の原因は結核菌である。 5. ベーチェット病は先天的憩室である。正解：２
正しい組合せはどれか。 a. クレチン病-フリーT3増加 b.バセドウ病-抗TSH受容体抗体陽性 c.クッシング症候群-血中17-OHCS 低下 d.原発性アルドステロン症-血清カリウム低下 e.副甲状腺機能亢進症-血清カルシウム低下 １ a,b ２ a,e ３ b,c ４ c,d ５ d,e
内分泌機能亢進症を示すのはどれか？ a. アジソン病 b.クレチン病 c. コーン（コン）症候群 d. クッシング病 e. シ―ハン症候群
１ a,b ２ a,e ３ b,c ４ c,d ５ d,e
内分泌機能低下症を呈さないのはどれか？ 1.アジソン病 2.クレチン病 3.ウォーターハウス・フリードリクセン症候群 4.シ―ハン症候群 5.ゾリンガー・エリソン症候群
正解：５
バセドウ病に見られる症状として 誤っているものはどれか？ 1.眼球突出 2.甲状腺腫大 3.徐脈 4.筋力低下 5.多汗
正解（誤っている）：３
血中濃度の増加と疾病の組み合わせで 正しいのはどれか？ a.サイロキシン-バセドウ病 b.トリヨードサイロニン-クレチン病 c.バゾプレッシン-尿崩症 d.ガストリン-ゾリンガー・エリソン症候群 e.コルチゾール-クッシング症候群
１ a,b,c ２ a,b,e 3 a,d,e ４ b,c,d ５ c,d,e
次の選択肢から正しいものを選べ。ひとつとは限らない。 悪性腫瘍（腺癌と扁平上皮癌に共通）の特色を選べ。 （ 1,3,4,6 ） 腺癌によく見られる特色は何か？（ 2,8 ） 扁平上皮癌に多く見られる特色は何か？ （ 5,7 ） 選択肢： 1. 核異型が著明である。 2. 腺管を形成する。 3. 自律性増殖を示す。 4. 転移を形成する。 5. 角化扁平上皮細胞への分化を示す。 6. 増大傾向を示す。 7. 細胞間橋が見られる。 8. 粘液産生を認める。
良性腫瘍と悪性腫瘍を比較した時 良性腫瘍の特色として正しいもの はどれか？ 1.周囲臓器に癒着する 2.拡大増生する 3.転移する 4.浸潤増生する 5.再発する
正解：２
肉眼的性状 性 状 良性腫瘍 悪性腫瘍 発育速度 遅い 速い 発育形式 拡大性 浸潤性 境界 明瞭 不明瞭 癒着 少ない 多い 形態 定形的 不整 硬度 硬い 軟らかい 色調 一様 多彩 転移 ない 多い 再発 少ない 多い
良性腫瘍と悪性腫瘍を比較した時 良性腫瘍の組織学的特色として 正しいのはどれか？ 1. 核異型強い 2. 核分裂多い 3. 分化度高い 4. 腫瘍境界不明瞭 5. 出血壊死多い
正解：３
組織、細胞学的性状 性 状 良性腫瘍 悪性腫瘍 境界 明瞭 不明瞭 腫瘍細胞 少ない 多い 間質 多い 少ない 細胞形態 同大 大小不同 細胞核 同大 大小不同 成熟組織との異同 近い 著しく異なる 分化度 高い 低い 核分裂 少ない 多い 出血壊死 少ない 多い
悪性腫瘍の転移経路について 誤っているのはどれか？ 1. リンパ行性 2. 播種性 3. 血行性 4. 直接浸潤 5. 飛沫感染
正解（誤っている）：５
胃癌で誤っている記述はどれか？2つ選べ 1. 我が国の悪性腫瘍死亡率第1位である。 2. 腫瘍直径２ｃｍ以下のものを早期癌と呼ぶ。 3. ボールマン分類3型は浸潤潰瘍型である。 4. 左鎖骨上窩リンパ節への転移をウイルヒョウ の転移と呼ぶ。 5. 胃癌の組織型は一般に腺癌である。
正解（誤っている）：１，２
腫瘍マーカーの組み合わせで 誤っているのはどれか？ 1. 肺小細胞癌 NSE 2. 前立腺癌 PSA 3. 肝細胞癌 AFP 4. 膵臓癌 HCG 5. 大腸癌 CEA
正解（誤っている）：４
腫瘍マーカーの記述として 正しいものはどれか？ ①絨毛癌ではAFPが腫瘍マーカーである。 ②奇形腫ではPSAが腫瘍マーカーである。 ③莢膜細胞腫ではCEAが腫瘍マーカーである。 ④卵黄嚢腫瘍ではhCGが腫瘍マーカーである。 ⑤漿液性腺癌ではCA125が腫瘍マーカーである。
正解：⑤
誤っている組み合わせはどれか? a. 大腸癌 - CEA b. 肝細胞癌 - AFP c. 甲状腺髄様癌 – サイロキシン d. 前立腺癌 – アルカリフォスファターゼ e. 悪性絨毛上皮腫 – 絨毛性ゴナドトロピン １ a,b ２ a,e ３ b,c ４ c,d ５ d,e
主たる腫瘍マーカー
大腸癌 – CEA 膵癌 － CA19-9、CEA 乳癌 – CA15-3、CEA 肺小細胞癌 － NSE 甲状腺髄様癌 – カルシトニン、CEA 甲状腺乳頭癌、濾胞癌 － サイログロブリン 前立腺癌 – PSA 肝細胞癌 – AFP（αフェトプロテイン）、PIVKA-Ⅱ 卵黄嚢（ヨークサック）腫瘍 - AFP （αフェトプロテイン） 卵巣漿液性腺癌 － CA125 卵巣顆粒膜細胞腫 － エストロゲン 悪性絨毛上皮腫（絨毛癌） – 絨毛性ゴナドトロピン（hCG）腫瘍マーカーＣＥＡが検出されることは 稀とされる癌はどれか？ ①乳癌 ②胃癌 ③大腸癌 ④膵臓癌 ⑤腎細胞癌
正解：５
腫瘍マーカーＣＥＡが高頻度に検出 される癌はどれか？ ①甲状腺髄様癌 ②肺腺癌 ③乳癌 ④膵臓癌 ⑤胃癌 ⑥大腸癌
正解：①－⑥
代表的な腫瘍マーカーと対応する腫瘍名 がん胎児性抗原（ＣＥＡ） 大腸がん，胃がん，肺腺がん 膵臓がん，甲状腺髄様がん アルファ胎児性蛋白（ＡＦＰ） 肝細胞がん，睾丸腫瘍（卵黄嚢腫瘍） ヒト絨毛性ゴナドトロピン（ＨＣＧ） 絨毛がん ＣＡ１９－９ 大腸がん，膵臓がん，胆道がん ＣＡ１５－３ 乳がん，その他の腺がん ＣＡ１２５ 漿液性卵巣腫瘍，悪性中皮腫 免疫グロブリン（Ｍ蛋白） 多発性骨髄腫，Ｂ細胞性リンパ腫 神経細胞特異エノラーゼ（ＮＳＥ） 肺小細胞がん ホルモン（カルシトニン，ガストリン放出ペプチド） 甲状腺髄様がん、肺小細胞ガン サイログロブリン 甲状腺がん 前立腺特異抗原（ＰＳＡ） 前立腺がん
悪性腫瘍の記述として 誤っているのはどれか？ 1. 上皮性のものを癌と呼ぶ 2. 非上皮性のものを肉腫と呼ぶ 3. ３胚葉成分があると奇形腫と呼ぶ 4. 治療しても治癒することはない 5. 病理診断を確定診断とする
正解：４
癌の原因と考えられているも のはどれか？ １：化学発癌物質 ２：放射線 ３：ホルモン ４：ウイルス ５：癌遺伝子
正解：上記全て
ホルモン依存性増殖を示す腫瘍はどれか? a. 前立腺癌 b. 精上皮腫 c. 顆粒膜細胞腫 d. 乳癌 e. 子宮内膜癌
１ a,b,c ２ a,b,e 3 a,d,e ４ b,c,d ５ c,d,e
ホルモン腫瘍マーカー： サイログロブリン：甲状腺癌 カルシトニン：甲状腺髄様癌 hCG:絨毛癌 カテコールアミン：褐色細胞腫 VMA:神経芽腫 セロトニン、ヒスタミン：カルチノイド ACTH:異所性クッシング症候群、下垂体腺腫
ウイルスと腫瘍の組み合わせで正しいの はどれか？ 1. HPV 子宮頸癌 2. EBV バーキットリンパ腫 3. HBV 肝細胞癌 4. HTLV-1(ATL) 成人T細胞リンパ腫 5. HCV 肝細胞癌
正解：１－５すべて
ウイルス感染が原因と推定されている 腫瘍はどれか? ①急性前骨髄性白血病 ②胆管細胞癌 ③肝細胞癌 ④子宮内膜癌 ⑤成人T細胞白血病
正解：③，⑤
人乳頭腫ウイルス（HPV）の記述として 正しいのはどれか？ 1. 性交感染症である 2. RNAウイルスである 3. 子宮内膜癌の原因とされる 4. ワクチンは癌治療に有効である 5. 男子の癌の原因とはならない
