数量化
E
類を用いた間接的調査に関する研究高 橋 武 則 へ 楊 国 林 * *
A S t u d y o n I n d i r e c t E x a m i n a t i o n b y Q u a n t i f i c a t i o n M e t h o d 1 1
Takenori Takahashi and K o u l i n Y oh
要 旨 人間を対象とした調査の多くは原則として調査対象の人聞に直接質問し,回答してもらうこ とが多い。しかし,ときには直接質問することなく,回答を得たい場合がある。もし最終的に得たい情 報が
Yes/No
などの多項分布に従うケースであるならば,その情報に影響のある観測の容易な他の項 目と情報との関係を把握すれば,直接質問することなく目的の情報を得ることができる。本研究では,数量化
E
類を用いて間接的に調査するアプローチを提案する。この具体的な場合として近年注目されて いる顧客満足度をとりあげる。品質とは顧客の満足度であると考えられ,それ故に顧客の満足度を把握 しなければ品質管理(サービスの品質管理)を行うことができない。このため,サービス業の分野では 顧客満足度を調査することが増えてきている。本研究では,顧客満足度の把握を具体例として取り上 げ,間接的に調査する方法を紹介する。1 . は じ め に
近年,顧客満足度
C d e g r e eo f customer s a t i s ‑ f a c t i o n
,以後c s
と表現する)が注目され,客自身による
c s
評価が様々な方法でなされ,屈 の経営に役立てられている。しかしながら,客 に満足度を直接きくということは,以下に示す ようないくつかの間題点を有している。(1) 客に取って答えることは苦痛である。
( 2 )
客に取って答えることは余計な時聞を費 やすことになる。( 3 )
素早く聞かないと忘れたり記憶が不確か になり,信頼性に欠ける。( 4 )
サービス行為中に聞くと,サービスを妨 害する。( 5 )
満足や不満足の原因が分からない。したがって,最終的には顧客によいサービスを 提供するためとはし、え,顧客に直接満足度をき くのは避けなければならない。本研究では,数 量化
E
類を用いて間接的に顧客満足度を把握し*非常勤講師数理統計学
料本学助教授生体情報工学さらに満足不満足の原因を吟味するためのアプ ローチを提案する。
ところで,小売店における商品は,大きく有 形財と無形財に分けることができる。有形財と は,物理的,形態的に存在する物品(取り扱い 商品)のことを言う。無形財とは,物理的,形 態的に存在しないサービスのことを言う。有形 財は,物理的,形態的な変化を施さない時,基 本的提供物として見なすことができる。従っ て,小売庖における特徴は,付加価値(プラス
・アルファー)として提供される無形財(以下 サービスと呼ぶ)にあると言える。このことか ら,サービスは重要な商品であると言える。そ のサービスは,さらに以下の
3
つのサービスに 分けて考えることができる。(くわしくは,第2
章で示す。)1.販売前サービス,
2 .
接客サービス,3 .
販売後サービス上記の分類において,販売員が顧客に提供す る接客サービスは,重要な位置を占めていると 考えられる。なぜ、なら,接客サービスは顧客の 満足を決定づける要因が大きいと言えるからで
ある。
その接客サービスというものに対して,顧客 の満足度を扱う上において,顧客の欲求レベル というものを配慮せずに満足度データを処理す るのは危険である。本研究では,マズローの欲 求
5
段階説1 )
に基づいて顧客の欲求レベルを整 理する。2 .
小売り庖について2 . 1
小売庖の機能小売店とは,流通産業の最終段階であって,
最終消費者のために商品を提供するという機能 であり,消費者のさまざまな愛顧動機を的確に 把握しながら,その要請に応えるとし寸機能で ある
036)
この小売庖に関して,本研究は具体的 な事例として電器小売店に注目し,売り場とし てソフト売り場をとりあげる。2 . 2
小売庖におけるサービス小売庖におけるサービスを考えた場合,第 l 章で述べたように以下の
3
つのサービスに分類 することができる。2 )
なお,図2 . 1
にその内容 を示す。(1) 販売前サービス(ビフォアサービス) 顧客を庖内に導くための看板,庖の外 観づくり,庖内の陳列などのサービ
ス
。( 2 )
接客サービス(コミュニケーションサー ビス)顧客の商品購入の際のサービス。ま た,接客サービスは,顧客が商品を決 定する前と後のサービスに分けられ る。顧客が商品を決定する前のサービ スとは,商品説明などである。顧客が 商品を決定した後のサービスとは,商 品を購入する時のカウンターにおける サービスである。
( 3 )
販売後サービス(アフターサービス) 顧客が商品購入後の苦情などの応対や 処置のサービ、ス。上記のサービスの分類において本研究では,
接客サービス(コミュニケーションサービス) に注目する。
2 . 3
顧客の来庖パターン小売店に来店する顧客は,販売員のサービス を必ずしも受けるとは決っていない。そこで小 売庖に来庖する顧客のパターンは以下に示す
3
つに分類できる。( 1 )
顧客が,目的なしに庖内の商品を見物す るパターン。( 2 )
顧客が,今後購入しようと,思って見物す るパターン。図2
. 1
小売庖のサービスについて来
J
古パターン顧客の図
2 . 2
顧客の来庖パターン( 40 )
数量化E類を用いた間接的調査に関する研究
( 3 )
顧客が,商品を購入する目的で来庖するパターン。
これら
3
つのパターンの内容を図2 . 2
に示す。本研究では,上記の来店する顧客の目的の分 類において,
( 3 )
の顧客が商品を購入する目的で来庖するパターンに注目する。
3 .
サービスに対する顧客の欲求 接 客 サ ー ビ ス に 対 す る 顧 客 の 満 足( C u s ‑ t o m e r S a t i s f a c t i o n )
は,各電器小売店におい て異なる。このことから,顧客の評価基準は,販売員の接客サービスを評価する際,各電器小 売店において異なることが言える。そこで,各 電器小売屈をマズローの欲求
5
段階説4 )
に基づ き,各電器小売庖を段階別に分ける。その内容 を,まず図3 .1
に示す。3 . 1
各段階の電器小売庖への当てはめ 本節では図3 . 1
に示した内容について述べ る。3 . 1 . 1
段 階1
:生理的欲求(実際に商品を 確かめなくてもとにかく購入)生理的欲求とは,人間の全ての欲求の中で最 も基礎的で強力であり,生命維持に関する欲求 である。すなわち,食物,飲食,保護,性,睡 眠,酸素への欲求で、ある。例えば,人聞が空腹
麗雇瓦 (自己実現の欲求) 特別注文による個別サーピス の中で商品を購入する 段階
4
(承認の欲求) 販売員の商品知識の高いレベル の専門店で購入する段階
3
(所属と愛の欲求) 販売員が商品説明をしてくれる 庖で購入する段階
2
(安全の欲求) 商品を実際に確かめることによって購入する
段階 1 (生理的欲求) とにかく商品を実際に確かめ なくても購入する
顧客の欲求と購買レベル
な状態の時を考えると,他のすべての欲求は背 後に押しやられ,意識のほとんどが飢えに占領 され,すべての能力が飢えを充足するために使 われる。この空腹状態を充足したし、とし、う欲求 が,商品を購入する際,実際に確かめなくて も,とにかく購入出来れば欲求は満たされると いうことになる。このような電器小売庖の例を 上げると,以下のものがある。
(例)無展示販売の庖舗(バγタ屋)など
3 .
1.2
段 階2 :
安全の欲求(商品を実際に 確かめることによる購入)生理的欲求が比較的よく満たされてくると,
次いで,新しい一組の欲求が出現する。それ は,我々の社会の平均的大人では,安全で秩序 だった予想できる法則性のある組織された世界 が好まれるのである。そこは,あてになる世界 であり,予期しない扱いきれない混沌としたこ とや危険なことは起こらず,どのようなことが あろうとも強力な親または保護者がいて危害か ら守ってくれるのである。この安全に対する欲 求が,商品を購入する際,実際に確かめること によって購入したし、とし、う欲求になる。このよ うな電器小売店の例を上げると,以下ものがあ る。
(例)コンビニエンスストア,総合ディ スカウントストアなど
3 .
1.3
段 階3 :
所属と愛の欲求(販売員がオーダーメイド ができる電器専 門庖(例:照明灯) 電気専門庖
量百(総販貨合庖庖スーパー) コンビニエンスストア 総合デイスカウントストア 無展示販売の庖舗 各レベルに対応する
電気小売屈の例 図
3 . 1
顧客の欲求と購買レベル商品説明をしてくれる届での購入)
生理的欲求と安全の欲求の両方が十分に満た されてくると,愛と愛情そして所属の欲求が現 れてくる。今だ,かつてなかったほどの友人や 恋人,妻,子供などのいないことを痛切に感じ てくる。全般に,人々との愛情に満ちた関係に 飢えているのである。また,愛には与える愛と 受ける愛がある。この受ける愛に対する欲求 が,商品を購入する際,販売員による商品説明 などのサービ、スを受けたいという欲求になる。
このような電器小売庖の例を上げると,以下の ものがある。
(例)量販庖(総合スーパー),百貨店な ど
3 . 1 . 4
段階4:
承認の欲求(販売員の商品 知識の高いレベルの専門庖での購入)人聞は2種類の承認の欲求をもっている。す なわち,自尊心と他者からの承認である。自尊 心とは,自信,能力,熟練,有能,達成,自 立,そして自由などに対する欲求である。他者 からの承認とは,名声,表彰,受容,注目,地 位,評判そして理解などの概要を含んでいる。
この他者から承認されたいという欲求が,商品 を購入する際,販売員の商品知識の高いレベル での専門庖で購入したし、欲求となる。このよう な電器小売庖の例を上げると,以下のものがあ る。
(例)電器専門庖など
3 .
1.5
段階5:
自己実現の欲求(特別注文 による個別サービスの中での商品の購入)生理的欲求,安全の欲求,所属と愛の欲求,
承認の欲求が満たされたとしても,人は自分に 適していることをしていない限り,すぐに新し い不満が生じ落ち着かなくなる。つまり,人は 自分がなりうるものでなければならない。例え ば,音楽家は音楽を作り,美術家は絵を描くと いうようにである。この自分自身になりうるも のでありたいとし寸欲求が,商品を購入する 際,自分自身に適した個別のサーピスを受けた いとし、う欲求になる。つまり,もし顧客が既成 の商品に納得しなければ,特別注文により商品
( 42 )
を作成できるような電器小売庖である。このよ うな電器小売店の例を上げると,以下のものが ある。
(例)オーダーメイドによる電器専門庖 (例:照明灯)など
3 . 2
オーディオ購入時の各段階における電 器小売届のサービスの違い3 . 1
節で、述べた内容より,本節において,顧 客がオーディオを購入する際の段階 lから段階5
までの各電器小売庖のサービスの違いについ て述べる。また,各電器小売庖の違いを表3 . 1
に示す。[段階
1 J
とにかく商品を実際に確かめなくて も購入する(例)無展示販売の庖舗 庖内にオーディオを展示してないので,顧客 は見て,触って,確かめることができない。ま た販売員によるオーディオの商品説明などのサ ービスが全くなし、。[段階
2 J
商品を実際に確かめることによって 購入する(例)総合ディスカウント ストア庖内にオーディオを展示しているので,顧客 は見て,触って,確かめることができる。
[段階
3 J
販売員が商品説明をしてくれる屈で 購入する(例)百貨店表3 . 1
各段階における電器小売庖の違い; 詩
見 る 触 る 腎 説顧客が行う す販売員が行う明 オーダー るメイド
段階
l X X × × ×
段階
2 。。。 × ×
段階
3 。。。
D×
段階4 。。。。 ×
段階
5 。。。。。
[注]
顧客の場合X:
なし, 0:あり 販売員の場合X
:なし,ム:とりあえずあり, 0:普通レベルであ り
, (¥2):高いレベルであり
数量化
E
類を用いた間接的調査に関する研究 庖内にオーディオを展示しているので,顧客は見て,触って,確かめることができる。ま た,販売員にオーディオの性能,機能などの商 品説明について要求すれば,説明してくれる。
[段階
4 J
販売員の商品知識の高いレベルの専 門屈で購入する(例)電器専門庖 庖内のオーディオの品揃えが豊富であり,顧 客がオーディオの性能,機能などの商品説明に ついて要求すればくわしく専門的に説明してく れる。また顧客に,より適合しているオーディ オを提供してくれる。[段階
5 J
特別注文による個別サービスの中で 商品を購入する(例)オーダーメイドによる電器専門庖
顧客が既成の商品だけでは納得しなければ,
顧客の要求するオーディオをオーダーメイドし てくれる。
3 . 3
本研究で取り上げる事例本研究で取り上げる事例は,東京都内にある 総合電器庖Yである。総合電器庖Yは,近辺 に競合相手が数多く存在する状況にある。その 状況のもとで取り扱っている商品は,他屈でも 取り扱っているケースが多い。つまり,このよ うな状況のもとでは,まさに顧客に満足のいく サービスを行うことが,顧客を引き付ける要因
となるということである。
その総合電器庖
Y
をマズローの欲求5
段階 説にもとづいて対応づけると,各売り場(各フロアー)ごとに異なる。
本研究は,段階2に属するソフト売り場の販 売員と段階
4
に属する家電製品売り場の販売員 における接客サービスプロセスに注目する。まず,段階
2
に属するソフト売り場のサービ スを考えた場合,カウンターごしで金銭と商品 の交換が行われる。つまり,その場が販売員の サービスに対する顧客の満足を決定づける要因 となる。だから,いかにその場において,数秒 間のサービスで顧客に満足のいく接客が出来る かが重要なポイントになると考えられる。段階
4
に属する家電製品売り場のサービスに( 4 3 )
ついては,顧客の要求する商品,または顧客に 見合った商品を選択し提供することが顧客の 満足を決定づける要因と考えられる。
4 .
ソフ卜売り場の位置づけ本研究でとりあげるソフト売り場は,マズロ ーの欲求
5
段階説と電器小売屈との対応におい て段階2に位置付けた。つまり,段階2のサー ビスとはセルフサーピスであり,しかもカウン ターごしのサービスであることから,段階3
に はないサービスである。段階
2
のサービスは,カウンターごしのサー ビスであることから,他の小売庖の例をあげる と書庖,スーパーマーケット,クリーニング屋 などが考えられる。4 . 1
本研究のアプローチ本研究の具体的なアプローチは,以下の通り である。
1) ターゲットとする客層を明らかにする。
2 )
ターゲットの客層から標本(モニター) を抽出する。3) サービス行為をVTRで記録する。
4 )
記録されたサービス行為を,モニターに 総合評価(上,中,下)させる。5 )
各々のサービス行為に対し,モニター全 体としての評価(以下全体評価と呼ぶ)を 決定する。6 )
サービス行為の要素項目(説明変数)を あげ,各要素項目に評価基準を用意する。7 )
全体評価が得られたサービス行為に対し て,専門家が要素項目の0
・×の評価を行う。
8 )
数量化E類によって正判別率の高い,全 体評価(目的変数)と要素項目(説明変数) の線形判別関数を求める。正判別率が低い場合の対応
く1) 要素項目の評価基準を変更する。
く
2 >
新たな要素項目を検討する。く
3 >
サービス行為のシーンを新たに撮る。顧客が評価する 専門家が評価する
<注>点線部は本研究で提案するアプローチ で不要となったことを意味している。
図4
. 1
顧客満足度の推定く
4 >
モニターを検討し,モニターを変え る。9) 線形判別関数によって, VTRで記録さ れた総データの各全体評価を推定する。
以上の内容を図
4 . 1
に示す。4 . 2
数量化E
類に使用するサービスの データについて数量化
E
類に使用するサービスのデータとし て,( 2
章の2 . 3
節でも示したように)顧客が 商品を選択して,カウンターに持って来て購入 するとし、う前提でサービスを受けるケースのみ を取り上げる。(1) 総合評価とは,モニターにサービスのデー タを上,中,下で評価させたものである。
( 2 )
全体評価とは,1
件のデータに関した総合 評価のデータの代表値である。( 3 )
要素項目とは,総合評価を決定する上で参 考にする各項目のことである。分析に使用するデータとしては,要素項目が lつでも観測できないデータは, ビデオの編集
( 44 )
段階で削除した。
4 . 3
モニターの抽出について本研究による総合電器庖Yのソフト売り場 は,顧客のターゲット層として若年層(1
0
代か ら2 0
代)であることが分かる。そこで,本研究 における顧客の代表として2 0
代の男子大学生を モニターとして選んだ。4 . 4
撮影現場について総合電器庖
Y
では,ソフト売り場が6
カウ ンタ一存在するので, 1つのカウンターによる 撮影では,販売員全体の接客サービスについて 管理を行うことができなし、。そこで,本研究で は,3
カウンターを選んで、販売員の接客サービ スを撮影した。その
3
カウンター( 3
フロアー)の具体的な ビデオの設置場所を図4 . 2
,図4 . 3
,図4 . 4
に 示す。( 1 )
ソフトA
館2
階におけるビデオ設置場所 ソフトA
館は,3
階建てである。その数量化
E
類を用いた間接的調査に関する研究じ3 口口
同凶 同凶
回
日目
同凶
商
口叩一一口問一一口叩一一口問
商
商
商4
正 亡 . '
約 シ タ ー 噛
商
出入口 ソフト
A
館2
階の見取図とビデオ設置場所E
回
図 4 . 2
品一岡山山
商 一 回
ソフ卜
B
館1
階の見取図とビデオ設置場所エスカレーター
│
│
エスカレーター図 4 . 3
商
ロ ロ ロ
国国高 国国首
口口口
レストラン
商
同凶
商
口cl 口
本館ソフト売り場
6
階の見取図とビデオ設置場所からカウンターに向かつて撮影を行っ た。なお,ビデオ
B
については,冷暖 房上に設置した。本館
6
階ソフト売り場におけるビデオ設置 場所本 館
6
階のソフト売り場は,全般的なCD
売り場である。図4 . 4
のビデオC
の 設置場所からカウンターに向かつて撮影 を行った。なお,ビデオ Cについては,物置き台の上に設置した。
( 4 )
撮影日数:1 9 9 1
年1 2
月1 2
日(木)から1 2
月2 7
日(金)まで、行った。1 6
日間( 3 )
図 4 . 4
ソフト
A
館の2
階を撮影現場として選 んだ。ソフトA
館の2
階は,ビデオソ フト(映画など)の売り場である。図4 . 2
のビデオA
の設置場所からカウン ターに向かつて撮影を行った。なお,デオAについては,商品の棚上に設置 した。
ソフト
B
館l
階におけるビデオ設置場所 ソフトB
館は,3
階建てであるが,カ ウンターはl階だけしか存在しない。そ こで,図4 . 3
に示すようにl
階のカウン ターを撮影した。ビデオB
の設置場所ピ
( 2 )
表 4 . 1
人員構成 社員ソフト
A
館5
人 ソフトB
館5
人本館
6 階 5
人l
日L
言十1 5
人の内容から,要素項目の見えな いような日, うまく撮影されて なかった臼があったため,以下 の日数をデータとして選んだ。
なお,録画時間は,
AM10:
0 0
からPM6: 0 0
までである。1 2
月1 2
日1 2
月1 3
日1 2
月1 4
日1 2
月1 5
日1 2
月1 6
日1 2
月1 7
日1 2
月1 8
日1 2
月1 9
日1 2
月2 0
日1 2
月2 2
日1 2
月2 4
日1 2
月2 7
日( 5 )
総データ:6 0 0
件( 6 )
人員構成:以下に人員の構成表を示す。な お,網掛けの部分( )は, 全体のアルパイト数における 1日平均の勤務アルバイト数であ る。また,以下の全アルバイト 数の中には,カウンターにおけ
る接客サービスをすることのな い他の仕事を行うアルバイトも 含まれている。
4 . 5
全体評価(目的変数)の決定方法3
カウンター(3
フロアー)におけるビデオ から,それぞれサンプルとして,4 8
件を抽出し た。なお4 8
件の内容は,以下の通りである。ソフト
A
館2
階:1 2
件 販 売 員 数4
人 ソフトB
館l
階:2 3
件 販 売 員 数6
人 本館6
階 :1 3
件 販 売 員 数6
人合計
1 6
人[上記のように選んだ理由]
1) 要素項目が見えやすいデータを選んだた め。
2 )
なるべく販売員全体を抽出するため。( 4 6 )
1
日の平均販売員数9
人8
人9
人2 6
人4 8
件のソフト売り場販売員におけるビデオを1 3
人の男子大学生に見せて,サービスの総合評 価を行った。それぞれの版売員のサービス提供 場面を1 3
人の男子大学生に評価してもらう際,評価にバラツキが生じるため,評価の中で度数 の最も多かったもの(モード,最頻値),つま
り
50%
を越えているケースを全体評価のデータ として扱う。4 . 6
全体評価の未使用データについて 以下に示す場合のデータは,問題のある評価 データであるため全体評価として採用しなかっ た。(1) カウンターにおいて販売員が標準的な行動 を守れないような状態であった場合。
実 カウンターにおいて込んでいるよ うなケース
安直接,顧客が販売員に商品を聞き に来るようなケース
( 2 )
モニター聞の評価が上,中,下に割れた場 合。つまり,モードの度数が50%
を越えな かった場合。( 3 )
モードの度数が50%
を越えていても,中が 少なくて上と下に割れた場合。※
( 3 )
のケースについては,本研究においては存 在しなかった。4 . 7
要素項目(説明変数)について 要素項目(説明変数)を考える上で,以下に 示す3
点は重要である。これらを十分配慮した 上で,実践的な要素項目を選ぶことが必要である。
数量化
E
類を用いた間接的調査に関する研究① 日常管理では個々の細かい項目を繰り す 返して何度も評価する。
② 数 量 化E類で解析するには正判別率を 上げるために評価基準を変化させるこ
とがある。
③ ある一定の基準で評価する。
エキスパートまたは管理者(以後専門家と呼 ぶ)が要素項目を評価することにより,異常点 が検出されたときのアクションと原因追求が容 易になる。
総合電器庖Yのソフト売り場販売員のマニ ュアルについて,以下に示す。なお,顧客がカ ウンターに商品を持って来てからの販売員の動 作のマニュアルで、ある。
1) Iし、らっしゃいませ」と声をかける
2 )
両手で商品を受け取る3 )
商品のレジ入力4 )
代金を顧客に渡す5 )
商品を包装する6 )
金銭を受け取る7 )
トレーの上にl
度金銭をのせる8 )
預かり金額の確認9 )
顧客に商品を渡す1 0 )
釣銭を渡す(釣銭のない時はレシートを 渡す)1
1) メンバーズカードの質問(持っている か,持っていなし、か)12) 会釈をしながら「ありがとうございまし た」と声をかける
以 上 の マ ニ ュ ア ル を も と に , 顧 客 が 評 価 (上,中,下)すると考えられる要因(要素項 目)を以下のように取り上げた。この要素項目 は,プロ(専門家)の方が評価する。
1)接偶の初め
( 1 )
会釈をする( 2 )
声をかける(し、らっし ゃいませ)( 3 )
商品を受け取る2 )接偶の中間 ( 4 )
商品を渡す( 5 )
代金を受け取る( 6 )
釣銭を渡す( 7 )
メンバーズカードを渡( 4 7 )
3 )
接偶の終わり( 8 )
会釈をする( 9 )
声をかける(ありがと うございました) 帥 表 情判 顧 客 の 方 を 見 て い る
4 . 8
要素項目の評価基準について要素項目の評価基準は,目的変数(全体評価) を良く判別するように設定したものである。
1) 接遇の初め
今回取り上げた事例において,接遇の初めは おおむね同じパターンで進行し,順番が変化し たり予想外のアグシデントが発生したりという
ことはない。
表 4 . 2
接遇の初めの要素項目と評価基準五 円
F T ? O(
良い)x
(悪し、)X1
会釈をする 軽く頭を下げ 何もしていな の(接会遇釈)の初め ているのが分L
、かる
X2
声をかける 口が動ヵ:いてい 口が動いてい いらっしゃ るの分かる ないのが分かいませ) る
X3
商品の受け取 両手で受け取 片手で受け取 る っている っている一一
2 )
接遇の中間接遇の中聞においては,販売員の行動パター ンが以下に示す通りの順序ばかりでなく,顧客 の要求によって順序が入れ替わることがある。
表
4 . 3
接遇の中間における要素項目と評価基準五円?ナ O(良い)
x
(悪い)X4
商品を渡す 両手で渡して 片手で渡している いる
X5
代金を受け取 両手で受け取 片手で受け取 る っている っているX6
釣剛を(釣銭手主
銭を渡がすない 両手で渡して 片手で渡している いる
レシート 渡す)
X7
メンバーズカ 両手で渡して 片手で渡して ードを渡す いる いる3 ) 接遇の終わり
「終わりよければすべてよし」とし、うわけで,
専門家は接遇の終わりを重視する。順序が入れ 替わることはないが,気を抜いてはならない。
表4 . 4 接遇の中聞における要素項目と評価基準
五円??
O( 良い) x (悪い)
X8 会 り ( 釈 接 の 遇 会 を 釈 す の 終 るわ ) 軽く頭を下が分
げ何もしていな ているの 、 し
カ ミ る
X9 声(をかけが る 口が動ヵ:いてい 口が動いてい あ ざり とう る の 分 か る ない f こ
L、まし
X10
表情騒あい微笑がみが 軽 ない微笑みが る の 分 か 、 し る
X11 顧客の方が見 顧客の方を見 顧客の方を見 ている ている ていない
総 合 電 器 庖
Yの ソ フ ト 売 り 場 で 得 ら れ た 総 合評価,全体評価,要素項目のデータの一部を 以下に示す。なお,要素項目の評価基準で示し た
O(良い)は,以下の表 4.5 の l に相当し,
x (悪し、)は, 0 に相当する。
4.9 選択された要素項目による判別関数 表 4.5 に示す全体評価を目的変数とし,要素 項目を説明変数として判別関数を求める。
判別関数は,判別分析によるマハラノピスの汎 距離を用いて求めた。判別分析は,説明変数が 量 的 デ ー タ の 時 , 使 用 す る 統 計 的 手 法 で あ る が,質的データとしても使用できる。
表
4 . 5 総合電器庖 Yのソフト売り場で得られた総合評価,全体評価,要素項目のデータ
No
上中 下 評 全 体 価 X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 X8 X9 X10 X11
4 8 中 。 1 1 l 。 1 。 。 。
2 3 9 下 。 l 。。。 1 。。 。 。
3 。 6 7 下 。 1 。。。。。。 。 。
4 。 5 8 下 。。。 1 。。。。 1 。 。
5 。 5 8 下 。 l 。。。。。。 l 。 。
6 2 5 6 × 。。。 l 。 l 。 1 。 。
7 。 5 8 下 。 1 。。。 1 。。 l 。 。
8 7 5 中 。 1 。 1 l 。。 1 。 。
9 。 9 4 中 。 l 1 1 1 1 。。 。 。
1 0 。 1 2 l 中 。 1 1 。 l 1 。 l 。 。
‑‑‑ ‑ 畠
‑‑‑ ‑
一‑‑‑畠 ‑‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
‑‑‑‑ ‑‑‑‑‑h畠 ‑‑
‑ ‑ ー ‑ ‑ ー ー ‑‑ ‑h畠 ‑‑ ‑
‑‑‑‑ ‑
‑‑‑‑ ‑
ー ‑‑ ‑ ‑ ー ‑ ー ー ー ー4 1 。 1 1 2 中 。 l l 1 。 。。 1 。 。
4 2 。 1 1 2 中 。 1 。。 。 1 1 。 。
4 3 。 1 1 2 中 。 l 。 1 。。。 l l 。 1 4 4 。 1 0 3 中 。 l 。。。。 1 l 1 。 1
4 5 。 8 5 中 。 1 l 。 1 。 。 。
4 6 5 8 6 中 。 l l 。。。 1 l 1 。 1
4 7 1 1 1 中 。。。。 1 1 1 。 。
4 8 。 1 0 3 中 。。 1 1 1 。 。 。
( 4 8 )
数量化 E 類を用いた間接的調査に関する研究
表4 . 6 線形別関数 (F IN =F oUT =2.0)
群 上
中 下 F
値要素項目
X ( 1 ) 7 . 1 5 1 9 2 . 1 5 0 7 0 . 3 8 5 0 3 . 8 2 3 2 X ( 3 ) 6 . 9 5 1 0 3 . 4 2 9 1 0 . 2 4 3 0 2 . 8 9 9 7 X ( 4 ) 5 . 5 9 2 2 4 . 1 5 3 5 0 . 9 2 2 8 2 . 2 4 3 3 X ( 6 ) 1 2 . 2 9 1 4 5 . 1 1 0 4
1.8 7 9 9 1
1.9 6 5 1 X ( 7 ) 8 . 2 5 7 8 6 . 0 1 6 0 0 . 4 4 2 9 6 . 0 8 4 9 X ( 8 ) 1 1 . 2 5 4 6 6 . 9 2 8 6 1 . 4 9 6 3 6 . 8 9 5 0 X( l 1 ) 4 . 7 6 2 1 0 . 5 4 2 5 0 . 1 8 8 2 2 . 6 2 2 0 定数項 ‑25.6571 ‑7.4336 0 . 3 8 6 2
表
4 . 7 数量化 E 類による解析の正判別率
群ケース 正 の 判 数別 正判別率 判別の内分け
の数
上中 下
上
8 8 100.0% 8 。。
中 3 0 2 7 90.0% 2 7 2 下 8 8 100.0% 。。 8
4 . 1 0 誤判別が起こる原因と対策
本研究では,誤判別が起こる原因として以下 の 3 つのものを考える。なお,各々の原因に対 する対策についても述べる。
1 ) 管理者またはエキスパート(以後専門家と 呼ぶ)が,要素項目を評価する基準が顧客(モ
ニター)の基準と一致していない。
[対策] 管理者またはエキスパートは,顧客 の評価基準を的確に把握する。
2 ) 専門家が要素項目を評価する際,ある一定 の基準を持ってサービスの状態を評価すべき であるのに,個人的な趣味や,その販売員へ の思し、入れで評価している。
[対策] 専門家が評価する際,一定の評価基 準で評価を行うようにする。
3 ) 取り上げた要素評価項目に顧客(モニター) が参考にしているものがない。
[対策] 評価してもらう顧客に要素評価項目 の意見を聞く。
表 4.8 に変数選択された要素項目を示し,表 4.9 に変数選択されなかった要素項目を示す。
( 4 9 )
表
4 . 8 変数選択された要素項目 時間 選択された要素項目
接 初 遇 めの X X ( ( 3 l ) ) : ・ 会 商 釈 品 を を す 受 け る 取 ( 接 る遇の初めの会釈) X ( 4 ) :商品を渡す
接 中 遇 間の X ( 6 ) :釣銭を渡す
X(7) :メンバーズカードを渡す 接
終遇の X ( 8 ) :会釈をする(接遇の終わりの会釈) わり X ( 1 1 ) :顧客の方を見ている
表
4 . 9 変数選択されなかった要素項目 時間 選択されなかった要素項目
理由接 初 遇 めの X ( 2 ) :声をかける
、らっしゃいませ)
①接 中 遇 間の X ( 5 ) :代金を受け取る
③接
終遇の X ( 9 ) : 声 ( あ を り か が け と るう ございました)
①わり X
(10 )
:表情 ②4 . 1 1 数量化 E 類の未使用データについて モニターから得た評価データ 48 件 数量化 E 類に使用したデータ 46
件未使用データ 2
件データを取りながらも,そのデータが数量化 E 類に使用できない場合として以下の 4 つの場 合がある。
1 ) 標準的な行動とは別の行動をしているた め,評価の対象としてはふさわしくない
(異常値)2 ) モニターの評価が上,中,下に割れたた め,モードの相対度数が 50% を越えない
(判定の多様性)
3 ) 要素項目に観察できていないものがある
(欠測値)4 ) モニターが評価するうえで,他のデータ は撮影されていなかった要素項目が入っ てしまった(ノイズの影響)
本研究においては 1 ) , 3 ) , 4 ) の内容について
は,ピデオの編集段階で
の 内 容 が 本 研 究 の 未 使 用 デ ー タ (
2
件 存 在 ) で ある。5 .
お わ り に本 研 究 で は 数 量 化
E
類 を 用 い て 間 接 的 に 調 査 す る ア プ ロ ー チ を 提 案 し た 。 こ の 具 体 的 な 場 合 と し て 近 年 注 目 さ れ て い る 顧 客 満 足 度 を と り あ げ, VTRを 応 用 す る 方 法 を 示 し た 。 最 後 に , 本 研 究 を す す め る に あ た り , 理 論 開 発 の 段 階 で 協 力 い た だ い た 東 京 理 科 大 学 の 湯 田 芳 生 君 , 原 賀 晃 一 君 , 泉 尾 育 睦 君 と 実 際 の デ ー タ を と る 上 で 協 力 い た だ い た 総 合 電 器 販 売 店Y
社 の 皆 様 に感謝の意を表します。【参考文献/引用文献】
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