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後施工人通孔の修復工法の開発(PDF)

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Academic year: 2021

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後施工人通孔の修復工法の開発

Development of the Repair Technology of the Post-Cast Air Vent

横濱 茂之,張替 亮太朗,横濱 大悟

YOKOHAMA Shigeshi,HARIGAE Ryoutarou,YOKOHAMA Daigo

1. 1. 1. 1. はじめにはじめにはじめにはじめに 2階建程度の既存木造住宅布基礎の防蟻工 事や白蟻駆除工事、結露防止用床下換気扇工 事等で、作業者が通るための後施工の「人通 孔」を設けることが多々見受けられる。この、 人通孔の補強には、補強金物やアラミド繊維 補強 1) が有効であることが報告されている。 一方、ユーザーの中には、補強金物やアラ ミド繊維補強を嫌い、布基礎の立ち上がり部 を元に戻してほしいと要求される方も居る。 本小論では、このような場合の対処方法とし て、折りたたみ型枠と鋼板補強を用いた新し い工法について報告する。 2. 2. 2. 2. 人人人人 通孔設置工事の現状通孔設置工事の現状通孔設置工事の現状通孔設置工事の現状 新築住宅に人通孔を設ける場合には,住宅 金融支援機構の工事仕様書に準拠することが 一般的に行なわれている。しかし,既存住宅 の後施工の人通孔の場合には規定がなく、業 者任せというのが現状である。人通孔は、床 下改め口や点検孔が無い場合に施工される (図-1参照)。この際の問題点として、人通 孔を設けた場合の布基礎の耐力低下がある。 人通孔を設ける場合、上端主筋を切断する ことが殆んどであり、それを放置することが 日常的に行なわれている(写真-1 参照)。上 端主筋を切断すると、人通孔が引張側になる 場合には終局強度が約1/8 程度となり、ほぼ 無抵抗となることが報告されている 1) 。 ユーザーから、基礎の立ち上がり部を元に 戻してほしいと要求された場合、布基礎のコ ンクリートを再度打設し、圧縮主筋を再施工 する必要があり、施工条件的に難工事となる。 一般に想定される方法は図-2の工法であろ う。今、上端主筋をD13、後施工人通孔の幅 床下改め口無し 人通孔 人通孔 人 通 孔 床下改め口無し 背面 背面 背 面 図-1 人通孔を設置するケース 写真-1 後施工人通孔の施工例

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後施工人通孔 上端主筋 下端主筋 上端主筋 下端主筋 40d 40d 後施工上端主筋 はつり幅 後施工コンクリート 一体化用スタッド 図-2 一般に想定される修復工事例 を450mmとすると、上端主筋の重ね継手長さ 40d=520mm より、後施工人通孔一箇所を塞 ぐためには、はつり幅1490mm、コンクリー ト打設量0.06m 3 が必要となる。床下で、こ の作業を数箇所程度行なうだけでも難工事で あり、防蟻工事・白蟻駆除工事・床下換気扇 工事の受注単価を大きく上回ることは容易に 想像できる。さらに、人通孔が、床下改め口 や点検孔が無い場合に施工されることを考え ると、いかにして人通孔背面の型枠を施工す るかが技術的な問題となる。さらに、はつり 幅1490mm を実際に施工すると土台の変形に 伴う床の沈下が予想され、実現性の低い工法 と考えざるを得ない。 3. 3. 3. 3. 提案する後施工人通孔修復工法提案する後施工人通孔修復工法提案する後施工人通孔修復工法提案する後施工人通孔修復工法 提案する工法の作業手順を図-3 に示す。 提案する工法は、図-4に示す人通孔背面用 型枠と前面用型枠で布基礎を挟みつけて保持 し、コンクリート打設後に注入口を閉じて養 生後に鋼板補強を行なうものである。懸案の 人通孔背面への型枠挿入は、図-4 の蝶番の 付いた人通孔背面用型枠を折りたたんで背面 に挿入し型枠連結ボルトを掴んで落下を防ぐ ことで解決できる。人通孔背面用型枠と前面 用型枠を型枠連結ボルトで繋ぎ挟みつけた状 ⑥コンクリート養生 ⑦鋼板固定アンカー位置出し ⑧鋼板をアンカーで固定 ②人通孔背面型枠施工 ④人通孔にコンクリートを打設 ⑤型枠のコンクリート注入口を閉鎖 ③人通孔前面用型枠施工 ①型枠加工 図-3 提案工法作業手順 蝶板 せき板 桟木 型枠連結ボルト 人通孔背面用 折たたみ式型枠 人通孔前面用型枠 人通孔外郭 図-4 提案工法用型枠 況を図-5に示す。コンクリートを注入打設 後養生し、脱枠した状況を写真-2 に示す。

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写真-2 を見ると、プレミックスドモルタ ルに粗骨材を加えた普通コンクリートを打設 しただけで一体化しており、後施工人通孔を 修復するに十分なことがわかる。 提案する工法では、コンクリート養生後に 補強鋼板を施工して布基礎の力学性能の確保 を図る(写真-3 参照)。 人通孔背面用 折たたみ式型枠 人通孔前面用 型枠 コンクリート注入 打設口 図-5 提案工法型枠施工時の状況 写真-2 打設コンクリートの状況 写真-3 補強鋼板の施工 4. 4. 4. 4. 提案する工法の加力実験提案する工法の加力実験提案する工法の加力実験提案する工法の加力実験 4.1 4.1 4.1 4.1試験体試験体試験体試験体 の製作方法の製作方法の製作方法 と特徴の製作方法と特徴と特徴と特徴 提案する工法の構造性能を把握するために、 実物大の布基礎試験体を製作した。また、後 施工人通孔施工の際には、はつり作業時の衝 撃による後施工人通孔周囲へのひび割れの拡 散が考えられる。この為、日常的に、はつり を行い、後施工人通孔を施工している技能者 に実際と同じ方法で施工してもらった。この 後に、人通孔背面用型枠と前面用型枠で布基 礎を挟みつけて保持し、コンクリート打設し て施工できることを確認し、養生後に鋼板補 強を行った。 前述の施工性の確認を経て、後施工人通孔 が圧縮側となる試験体RSC と、後施工人通孔 が引張側となる試験体RST を製作した。各試 験体の配筋と補強鋼板の詳細を図-6 及び図-7に示す。なお、試験体 RSTの後施工人通孔 の幅が前面で 450mm、背面で 470mmとなった。 これは、前述の、はつり作業で背面側が欠け てしまったためである。 試験体に使用した鉄筋の機械的性質を表-1 に示す。コンクリート強度σ B は、18.8N/mm 2 である。 表-1 鉄筋の機械的性質 降伏点 引張強さ (N/m m 2 ) (N/mm 2 ) D10 353 .0 5 09. 9 D13 348 .8 4 99. 8 2. 05 ×1 0 5 ヤング係数 (N/mm 2 ) 2. 05 ×1 0 5 4.2 4.2 4.2 4.2加力方法と加力方法と加力方法と加力方法と 実験結果実験結果実験結果 実験結果 試験体への加力は、スパン中央に集中荷重 を加える単純梁方式とし、一方向加力で試験 体を破壊に至らしめた。試験結果の一覧を表 -2に、試験体の最終破壊状況を写真-4 から 写真-7 に、荷重-変位特性を図-8 に、それ ぞれ示す。 試験体RSC は、曲げひび割れ発生後に下端 主筋が降伏したが鋼板は降伏しないまま曲げ

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表-2 実験結果一覧表 試験体 荷重 変位 荷重 変位 記  号 P 実bc δ実bc P実max δ実max ( kN) ( mm) (kN) ( mm) 3 5.8 8 46 .2 RST 1 3.8 0 .5 2 RSC 3 1.5 0 .5 0 56 .4 4 0.1 1 曲げひび割れ発生時 最大耐力時 圧縮域のコンクリートが圧 縮破壊して最大耐力に達し た。最大耐力以降の挙動も 安定しており理想的な荷重 -変位特性を示している。 なお、鋼板は圧縮力ではな く引張力を負担していた。 一方、試験体RST は、曲 げひび割れ発生後に一時的 に 耐 力 低 下 を 生 じ る も の の 、 荷重は再び上昇に転じ、鋼 板が降伏後に曲げ圧縮域の コンクリートが圧壊して終 局状態に到っている。一時 的な耐力低下の原因は写真 -6を見ると明らかな通り、 後施工人通孔に打設したコ ンクリートと布基礎のコン クリート間の分離、鋼板を 固定するボルト穴と固定に 用いたねじ込み式ボルト (HEA1075)間のクリアラン ス、及び、鋼板継いでいる ことが原因と推定される。 試験体RSC とRST の最大 耐力を比較すると、試験体 RSC の方が大きな値示して いる。これは、試験体RSC は下端主筋に加えて鋼板も 引張力を負担したことに起 因している。 4. 4. 4. 4. 3333実験結果の検討実験結果の検討実験結果の検討実験結果の検討 一般の鉄筋コンクリート造梁の終局曲げ耐 力を日本建築学会の評価式である式(1)で算 定し、単純梁加力時の終局曲げ耐力を式(2) で荷重に変換すると実験値と比較できる。 M BU=0.9 atσyd ---(1) P BU=4MBU/Le ---(2) 3 0 0 3 0 0 3 0 0 3 0 0 300 450 5 0 140 30 0 300 1500 1500 下端主筋 1-D13 上端主筋 1 -D13 肋筋 D10   @300 55 55 600 後施工人通孔 コンクリート修復部 25 25 100 100 200 200 200 10 0 200 200 10 0 100 20 0 200 20 0 200 100 鋼板1 鋼板3 鋼板2 HEA1075 鋼板の寸法 12φ PL-6×50×800(SS400) 800 800 80 後施工人通孔 コンクリート修復部中心 450( 470) 5 0 30 0 肋筋 D10  @300 140 300 1500 15 00 下端主筋 1-D1 3 上端主筋 1-D13 55 55 600 30 0 後施工人通孔 コンクリート修復部 8 0 0 8 00 1 15 後施工人通孔 コンクリート修復部中心 図-6 試験体RSC 図-7 試験体RST

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写真-4 試験体 RSC破壊状況 写真-5 試験体 RSC破壊状況 今、図-6及び図-7の配筋で人 通孔のない状態を考えて式(1)及 び式(2)を適用すると、一般の構 造設計で期待している布基礎立ち 上がり部の終局曲げ耐力が求まる。 図-8 には、その計算結果も示して いる。図-8 によれば、今回の実験 結果は、構造設計で期待している 布基礎立ち上がり部の終局曲げ耐 力の約1.8 倍から 2.2倍あり、強 度上は何ら問題のない事がわかる。 5. 5. 5. 5. 結結結結 論論論論 後施工人通孔を修復し、設計で期待してい る終局耐力以上とすることは提案する工法で 可能である。 提案する工法は、特殊な工具や材料を使用 する必要が無く即現場への適用が可能である。 写真-6 試験体 RST破壊状況 写真-7 試験体RST 破壊状況 図-8 荷重-変位特性 【参考文献】 1)長谷川・横濱・寺崎:アラミド繊維シート を用いた木造住宅布基礎の開口補強に関 する実験的研究、日本建築学会学術講演 梗概集、2010.9 0 10 20 30 40 50 60 0 20 40 60 変位(mm) 荷 重 ( k N ) RSC RST 日本建築学会式

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