博 士 ( 工 学 ) 伊 藤 政 人
学 位 論 文 題 名
ス カ ー ト ・ サ ク シ ョ ン 基 礎 の 貫 入 抵 抗 お よ び 貫 入 後 の 沈 下 予 測 手 法 に 関 す る 研 究
学 位 論 文 内 容 の 要 旨
近年 , 海 洋構 造物の 建設に おい ては, 構造物 の大型 化, 建設地 点の大 水深化 ,構造 物の 高耐震 化 など ,これ まで 以上の 苛酷な条件下でのインフラ整備を余儀なくされている,その一方で,建設コスト の 縮 減 や自 然 生態系 への配 慮など の社 会的要 求は従 来にも 増して 高ま ってお り,こ れらの 要請 に応 え る た め各 機 関では ,海洋 構造物 基礎 の技術 開発が 盛んに 行われ てい る.そ のーっ として 現在 注目 さ れ て い るの が , サ ク ショ ン を 用 い た新 し い 基 礎 形 式「 ス カ ー 卜 ・サ ク シ ョ ン 基礎 」 で あ る ,
スカー卜・サクション基礎は,下部が開口した中空円筒形構造で,この円筒部(スカー卜と呼ぶ)を海 底面に貫入させることにより安定を保つ基il:i 帯告である.スカー卜・サクション基礎の最大の特徴は,振 動や 打撃な どの 押込み カを用 いずに ,スカ ート 内部の 圧カを 静水圧 以下に低下させ,これによって発 生す る基礎 内外 の水圧 差(ここでは静水圧からの水圧低下量をサクションと呼ぶ)を利用して海底地艦 にスカー卜を貫入させることである,このスカート・サクション基礎は,重力式ケーソンなどの海洋構造物 基礎に必要な基礎マウンドや地盤改良が不要となるとぃう利点を持ち,海上作ぢ起が低澗げることにより,
工期 の短縮 ,コ ス卜の 縮減に寄与できるとともに,海洋繊に与える影響も最小限にすることができる,
本論 文では,このスカー卜・サクション基礎に関する研究項目のうち,くD 基礎沈設時のスカート貫入 抵 抗 , ◎ 基 礎 貫 入 丶 後 の 沈 下 予 測 手 法 , の
2つ の 項 目 を 研 究 対 象 と し て い る .
基礎 沈設 時のス カート 貫入抵抗に関する研究では,スカート貫入抵抗予測ヨコル捉三案とその検証を 行っ た.ス カー ト貫入 抵抗予 測式に は,こ れま でサク ション による 有効応カの減少を貫入抵抗の低減 に定 量的に 反映 させた 支持力 公式を 用いた 手法 が提案 されて いる. このサクションによって生ずる地 盤内 の有効 応カ の減少 は,地 艦の透 水陸や 層序 の違い によっ てその メカニズムは異なってくるが,こ れま でのこ うし た地fA 薩
Bi Jの違いによる有効応カの減少メカニズムを反映した貫入抵抗武ま必ずしも 明ら かにさ れて はいな かった.そこで本研究では,スカートが貫入する地盤種別毎にサクションによる
±せ艦内の有効応カの変イヒを明らかにし,多様な地盤構成に遺ひ苦したスカー卜の貫入抵抗予測式を提 案し た,さ らに ニれら 新しく提案した予測式を,屋外模型実験および寶毎域における実証工事における 実測値と比較すること|こよりその妥当´性を検証1 た.
基礎 完成 後を対 象とし た研究 では ,基礎 の沈下・支持力問題に着目1 た研究を行った.スカート・サ クシ ョン基 礎は ,海洋 構造物 の基礎 として 用い られる 基礎構 造であ るが,この基礎を海峡横断道路や 海上 橋梁な どの 基礎に 用いることを想定した場合,これまで用いられてきた油田採取プラットフオーム な ど の 単独 構 造物や 護岸あ るぃも ま鹹 堤など に適用 した場 合に比 べ, 長期的 な沈下 量に対 する 要求
´陸能は厳しくなると考えられる,近年各機関において整備が進められている´陸能照査型設計法では,
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使 用 限 界 状 態 に お い て は 支 持 カ で は な く 沈 下 量 で 照 査 す る こ と が 求 め ら れ , 長 期 鉛 直 荷 重 に よ っ て 生 じ る 沈 下 を 精 度 よ く 予i lr4‑る 手 法 を 確 立 す る こ と が 非 常 に 顫 と 翁 て く る , そ こ で ,A院 で は , ス カ ー 卜 ・ サ ク シ ョ ン 基 礎 の 貫 入時 に 作用 さ せる サ クシ ョ ンカ は, 貫 入終 了 とと も に除 荷さ れ るた め 完成 後 の 荷重 載 荷時 に はプ レロ ー ドと な って い るこ とに 着 目し , この「プレロ ード効果」を 加味,:した 貫入後沈下 量 の 予 測 手 法 に 関 す る 研 究 を 行 っ た , ま た , 粘 土 地 盤 に お い て ス カ ー ト を貫 入 した 際に は ,ス カ ー卜 貫 入 時 の 乱 れ に よ っ て 原 地 艦 の せ ん 断 強 度 よ り も 低 減 し た ス カ ー ト 周 面 抵 抗 が , 貫 入 後 に は 時 間 と と も に 回 復 す る 現 象 に 着 目 し , ス カ ー ト 周 面 抵 拶 〔 の 増 カ 職 と 経 過 時 間 の 関 係 に 関 すIる 研 究 を 行 っ た . 本論 文 の構 成 と内 容を 以 下に 示 す,
第1章 で は , 研 究 の 背 景 と ス カ ー ト ・ サ ク シ ョ ン 基 礎 に関 する 既 往研 究 につ い て述 べる と とも に ,本 研 究 の目 的 を明 ら かにLt.
第2章 で は , ス カ ー ト 貫 入 抵 抗 の 予 測 式 を ス カ ー ト カ 潰 入 す る 地 盤 種 別 毎 (1) 砂 地 盤 ,2) 粘 土 地 鶴 ,3) 上 笥 嚇 土 層 ・ 下 部 砲 帽 の 二 層 地 盤 ) に 提 案 し , そ れ そ れ の 地 盤 種g1に お い て 地 盤 破 壊 か ら 決 ま る 限 界 サ ク シ ョ ン の 算 定 式 に つ い て 明 ら か に し た . ま た , サ ク シ ョ ン に よ っ て ス カ ー ト 先 端 の 有 効 応 カ が ア ン パ ラ ン ス と な っ た 際 の 貫 入 抵 抗 に 関 し て , 支 持 力 係 数 を 補 正 し て 算 定 す る 新 た な 方 法 を提 案 した .
第3章 で は , 屋 外 模 型 実 験 お よ び 実 海 域 で 行 わ れ た 実 証 工 事 に お け る ス カ ー ト 貫 入 抵 抗 の 実 測 値 と 提 案 し た 予 測 式 に よ る 計 算 値 の 比 較 を 行 っ た . 屋 タ 僻 嶷 型 実 験 と の 比 較 で は , 局 所 せ ん 断 破 壊 を 考 慮 し た ¢ の 低 減 や 平 均 粒 径D田 / ス カ ー ト 幅 に よ る 補 正 な ど , 砂 地 盤 に お い て 貫 入 抵 抗 予 測 式 を 実 務 に 適 用 す る 上 で の 留 意 点 に つ い て 明 ら か に し た . 実 海 域 の 実 証 工 事 と の 比 較 で は , 上 部 粘 土 層 ・ 下 部 砂 層 の 二 層 地 盤 に お け る 貫 ス 抵 抗 に 及 ぼ す サ ク シ ョ ン 効 果 を 明 ら か に す る と と も に , 提 案し た スカ ー ト貫 入抵 抗 予測 式 の妥 当 性を 明ら か にし た .
第4章 で は , サ ク シ ョ ン に よ る 「 プ レ ロ ー ド 効 果 」 を 加 味 し た 貫 入 後 沈 下 量 の 予 測 手 法 に 関 す る研 究 に つ い て 述 べ た . 貫 入 か ら 貫 入 後 の 沈 下 挙 動 ま で の 一 連 の 施 工 過 程 を 模 擬 し た 遠 ´ 凵 吏 燃 に よ り , サ ク シ ョ ン カ で 貫 入 し た 場 合 に お い て も 貫 入 荷 重 以 内 で の 沈 下 量 が 小 さ くな る 「プ レロ ー ド効 果 」を 検 証 し た . さ ら に こ の 遠 ´ 心J実 驂 結 果 を , 地 捲 墨 の,c. 、カ ―ひ ず みf難ゑ に 弾塑 陸 モデ ルを 遥 爛し たFEM 解 析に よ ルシ ミ ュレ ーシ ョ ンす る こと に より ,貫 入 時の 荷 重履 歴 を考 慮 する こと で 「プ レ ロー ド 効果」が表 現 可能 で ある こ とを 明ら か にし た .さ ら にこ の研 究 適用 例 とし て ,橋 梁 基礎 にス カ ート ・ サク シ ョン基礎を 用 いた 場 合の 長 期沈 下予 測 角職 噺 膨示 し た.
第5章 で は , 粘 土 地 盤 に ス カ ー ト を 貫 入 し た 際 の ス カ ー ト 周 面 抵 抗 の 増 加 程 度 と 経 過 時 間 の 関 係 に 関 す る 研 究 に つ い て 述 べ た. 3if頃 の 模 型 実 験 ( 小 型 模 型 実 験 , 遠 ´ 凵 史 燃 , 屋 外 大 型 模 型 実 験 ) を 行 っ て , 粘 土 地 盤 に 沈 設 さ れ た ス カ ー ト ・ サ ク シ ョ ン 基 礎 の 周 面 抵 抗 の増 加 程度 と貫 入 から の 経過 時 間 の 関 係 を 明 ら か に し た , さ ら に こ の 研 究 適 用 例 と し て , 基 礎 貫 入 後 に 作 用 す る 上 部 構 造 荷 重 に よ っ て 基 礎 が 過 大 な 沈 下 を 起 こ さ な ぃ た め の 適 切 な 上 部 工 架 設 時 期 の 検 討 事 例 に つ い て 示 し た . 第 6章 は , 本 研 究 の 結 論 で あ り , 得 ら れ た 知 見 と 今 後 の 展 望 と 課 題 に つ い て 述 べ た ,
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