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密教文化 Vol. 2003 No. 211 004川崎 一洋「『幻化網タントラ』に見られる五秘密思想 PL64-L83」

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(1)

『幻 化 網 タ ン トラ』に 見 られ る五 秘 密 思 想

1.は じ め に チ ベ ッ ト大 蔵 経 に お い て無 上 喩 伽 方 便 父 タ ン トラ ・毘 盧 遮 那 部 族 に分 類 され る 『幻 化 網 タ ン トラ』Mayajala-tantraは、 従来、 『秘 密 集 会 タ ン ト ラ」Guhyasamaja-tantra系 の経 典 と考 え られ て きた。 松 長 有 慶 博 士 は、 両 タ ン トラに説 か れ る菩 提 心 偶 お よび曼 茶羅 を比 較 し、 当 タ ン トラを 『秘 密 集 会 タ ン トラ」 の 先 駆 経 典 と結 論 づ け られ た(1)。また、 頼 富 本 宏 博 士、 木 村 秀 明 氏 もそ の 説 を承 けて、 この タ ン ト ラを 「『金 剛 頂 経 』 と 『秘 密 集 会 タ ン トラ」 の 中 間 に位 置 す る密 教 経 典 」 と考 え て お られ る(2)。 と こ ろが、 筆 者 が さ らに この タ ン トラを調 査 した と こ ろ、『理 趣 経 」系 経 軌 に特 徴 的 な、 五 秘 密 思 想 が散 説 され て い る こ とが 明 らか に な っ た。 『理 趣 経 』 は 『一 切 仏 集 会 タ ン トラ』Sarvabuddhasamayoga-tantra を 経 て、 般 若 母 タ ン トラ経 典 類 へ と展 開 す る こ とが知 られ て お り(3)、『秘 密 集 会 』 とは系 統 を異 にす る。ま た、『秘 密集 会』の 中 に五 秘 密 に 関 す る思 想 は ま っ た く説 か れ て お らず、 同 タ ン トラと 『理 趣 経 」 と の関 係 は疎 遠 で あ る。 本 稿 で は、 『幻 化 網 タ ン トラ」 に見 られ る五秘 密思 想 に 焦 点 を あ て、 再 度、 この タ ン トラの 性 格 を 考 察 して み た い。

2.五 秘密思想 とは

﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

(2)

密 教 文 化 五 秘 密 思 想 と は、般 若 と方 便 の合 一 した大 安 楽 に住 す る金 剛 薩唾 の境 地 を、 男 女 交 接 の快 楽 で あ る妙 適(surata)を も って表 し、 さ ら にそ の境 地 に至 る過 程 を、 愛 欲 を 熱望 す る こ と(kama)、 接 触 す る こ と(kelikila)、 愛 念 す る こ と(sneha)、 愛 欲 を 自在 に な した ことへ の慢(garva)の4段 階 に分 け、 そ れ らを順 に金 剛薩 唾 の妃 で あ る欲 ・触 ・愛 ・慢 の 四 金 剛 女 と し、金 剛 薩 唾 を 四妃 が囲 続 す る五 秘 密 尊 と して 象 徴 化 す る思 想 で あ る(4)。 ここ に い う大 楽 金 剛 薩 垣 の境 地 とは、 『理 趣経 』 の説 く煩 悩 即 菩 提、 染 浄 不 二 の教 理 に基 づ き、大 乗 菩 薩 と して の真 言 行 者 が、 密 教 の行 を 実 践 す る こ と に よ って 得 られ る成 仏 の悟 境 に他 な らな い。 図 像 化 され た五 秘 密 尊 は、 右 手 に金 剛 杵、 左 手 に金 剛 鈴 を持 っ金 剛 薩 垣 を中 心 に、 欲 金 剛 女 は花 のっ い た 弓箭 を執 り、触 金 剛 女 は主 尊 金 剛 薩 唾 を 抱擁 し、愛 金 剛 女 は摩 端 橦 を立 て、 慢 金 剛 女 は両 手 に金 剛 慢 印 を結 ぶ 姿 で 表現 され る(5)。また これ らの5尊 は、 「同 一 蓮 華 座、 同 一 円 光 」 に寄 り添 う形 で描 か れ る(図1)。 図1 五秘密尊(補 陀洛 院版)

(3)

3.五 秘密を説 く文献

五 秘 密 思 想 が歴 史 上 最 も早 く説 か れ るの は、 不 空(705-774)に よ っ て 漢 訳 さ れ た一 連 の金 剛 薩 唾 系 儀 軌 類 にお いて で あ る(6)。これ らの儀 軌 類 は 五 秘 密 尊 お よ び、 そ の周 囲 に八 供 養 と四摂 を 配 し た十 七 尊 曼 茶 羅(図2) を 説 き、 そ の多 くが 「広 経 」 で あ る 『普 賢 楡 伽 』 あ るい は 『勝 初 喩 伽 』 か らの 略 出 で あ る こ とを 自称 して い る。 『普 賢 楡 伽 』、『勝 初 喩 伽 』 は 現 在 に 伝 え られ て い な いが、 不 空 の時 代 に は何 らか の形 で存 在 した もの と推 測 さ れ、 五 秘 密 思 想 は そ の中 心 テ ー マ で あ った と思 わ れ る(7)。 『普 賢 喩 伽 』、『勝 初 喩 伽 』 が 説 く五 秘 密 思 想 は、 『理 趣 経 』 と深 い 関 係 を もっ。 不 空 に よ って 漢 訳 され た 『般 若 理 趣 経 』 の註 釈 『般 若 理 趣 釈 」 で は、 五 秘 密 尊 が 「六(五)種 最 勝 成 就」 お よ び 「百 字 の 偶 」に、 十 七 尊 曼 茶 羅 の諸 尊 が 「十 七 清 浄 句 」 に結 びっ け て解 釈 され て い る(8)。 図2十 七尊曼茶羅(曼 茶 羅集) ﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

(4)

密 教 文 化 五 秘 密 尊 と十 七 尊 曼 茶 羅 は、 『理 趣 経 』 の 広 本 と され る 『理 趣 広 経 』 の 後 半 「真 言 分 」 に も説 か れ て い る。 こ こで は十 七 尊 曼 茶 羅 が金 剛 薩 唾、 如 来、 金 剛、 蓮 華、 宝 の五 部 の曼 茶 羅 に展 開 せ られ る(9)。さ らに 『理趣広 経』 の前 半 「般 若 分 」 に は、 十 七 尊 曼 茶 羅 に金 剛 界 の四 仏、 『理 趣 経 』 の 八 大 菩 薩、 外 金 剛 部 の諸 天 を加 え た大 規 模 な曼 茶 羅 が説 か れ て い る(10)。 ま た、『初 会 金 剛 頂 経 』の 釈 タ ン トラ と され る 『金 剛 頂 タ ン ト ラ』vakra-sekhara-tantra 所 説 の 五 部 具 会 曼 茶 羅 で は、 そ の 東 南 隅 に、 同 一 蓮 華 座 に並 ん だ五 秘 密 尊 を描 く こ とに な って い る(11)。 『初 会 金 剛 頂 経 』 「降三 世 品 」 の 釈 タ ン トラ と され る 『降 三 世 軌 」Trai-lokyavijaya-kalpaは、 『理 趣 経 」 と同 じ章 立 て を と る こ と で 知 られ る が、 そ の 「金 剛 手 章 」 に は、 弓箭 を持 つ 四 腎 金 剛 薩 垣 を中 尊 とす る十 七 尊 曼 茶 羅 が 説 か れ て い る。 酒 井 眞 典 博 士 は、 こ の曼 茶 羅 が わ が 国 の愛 染 曼 茶 羅 に 相 当 す る と指 摘 され た(12)。ま た、 漢 訳 『金 剛 王 菩 薩 秘 密 念 諦 儀 軌 』 に は こ れ と同 様 の 曼 茶 羅 が 説 か れ て お り(13)、敦 燵 出 土 の チ ベ ッ ト語 文 献 『金 剛 噂 迦 羅 成 就 法 』 に も これ に類 似 す る曼 茶 羅 へ の 言 及 が あ る こ とが 知 られ て い る(14)。 さ らに 「十 八 会 金 剛 頂 経 」 の第 十 三 会 と され る漢訳 『仏 説 秘 密 三 昧 大 教 王 経』 に も また十 七 尊 曼 茶 羅 が 説 か れ、 「妙 楽 金 剛 秘 密 大 曼 茶 羅 」 と呼 ば れ て い る(15)。 4.『 幻 化 網 タ ン ト ラ 』 に 説 か れ る 五 秘 密 思 想 現存 す る 『幻 化 網 タ ン トラ』 の チ ベ ッ ト訳(16)およ び 漢 訳(17)はと も に10 章 よ り構 成 され、 両 者 の 内 容 は ほぼ一 致 す る。 た だ し漢 訳 は チ ベ ッ ト訳 に 比 して、 音 訳 や潤 色 され た 翻訳、 あ るい は欠 落箇 所 が多 い。 『幻 化 網 タ ン トラ』 に お け る五 秘 密 思 想 は、漢 訳 に お い て欠 落 して い た り音 訳 され た部 分 に の み見 られ、 今 ま で看 過 され て きた。 筆 者 の管 見 の お よ ぶ と ころ、 チ ベ ッ ト訳 『幻 化 網 タ ン トラ』 に は4例 に

(5)

わ た り五 秘 密 思 想 が説 か れ て い る。以 下 に そ れ らの 記 述 を 紹 介 し、そ の 内 容 を分 析 して み た い。 〈例1〉 印 相 大 供 養 儀 品 『幻 化 網 タ ン トラ」 の第6章 「印 相 大 供 養 儀 品」 で は、毘 盧 遮 那 が諸 尊 の印 契 と秘 密 供 養 を 説 く。毘 盧 遮 那 が それ らを説 き終 わ る と と もに、 一 切 諸 仏 は毘 盧 遮 那 の 説 いた 金 剛 乗 の教 え を讃 歎 す る が、 さ らに毘 盧 遮 那 は、 諸 仏 を喜 ば せ るた め の 「金 剛 の 歌」 を詠 唱 す る。 そ の偶 頒 の 中 に五 秘 密 尊 へ の 言 及 が あ る。 チ ベ ッ ト訳 に よ って、 「金 剛 の歌 」 の和 訳 を示 そ う。 楽 よ り生 じた持 金 剛 は、 存 在 と非 存在 の 大 い な る根 源 を了 知 な さ る。 は じめ に毘 盧 遮 那 が、 清 浄 無 垢 な智 慧 に よ って オ-ム 字 にお いて 化 作 され るそ こ に お い て、 多 くの 姿 を理 趣 に よ って 婁 と して転 ず る幻 化 網 よ、 あ なた を 礼 拝 い た しま す。 妙 な るお 言 葉 の 文 字 と して 〔タ ン トラの〕 一 切 に遍 満 す る、 無 戯 論 の お 言 葉 に お い て世 自在 は在 す。 …(1) 三 眼 で女 神 を伴 う者 を調 伏 な さ る幻 化 〔網 〕 は、 多 くの 〔姿 を化 作 す る〕 理 趣 を具 え るだ けで はな く、 大 楽 の 自性 に染 着 す る と こ ろ にお いて、 若 々 しい 〔妃 〕 た ち と と も に お 笑 い に な りつ つ、 右 手 で 金 剛 杵 を抽 榔 し、左 手 で鈴 の 妙 音 を奏 で る。 一 切 の 女 神 た ち を妻 妾 とな す諸 の三 摩 耶 に よ って、 所作 を なす に至 る。 (2) 第 一 は手 で 抱 擁 し、第 二 は染 着 す るが ゆ え に楽 の威 勢。 第 三 は 〔葱 怒 の 面 貌 で 〕 威 圧 して花 婁 を散 じ、第 四 は楽 に よ って箭 を 射 る。 …(3) こ の歌 を歌 う者 た ち は誰 で も、楽 の持 金 剛 と等 し くな るで あ ろ う。 ﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

(6)

密 教 文 化 これ が、 一 切 諸 仏 を喜 ば せ る金 剛 の歌 で あ る。(18) 漢 訳 で は、 こ の部 分 は漢 字 音 写 と な って い る。 そ の音 写 を見 る と、 そ れ が通 常 の サ ンス ク リ ッ トで はな く、 プ ラ ー ク リ ッ トな形 の言 語 で あ る こ と が わ か る(19)。こ の事 実 は、 五 秘 密 の 思 想 が プ ラー ク リッ トを母 語 とす る人 々 に よ って 伝 承 され て いた 可 能 性、 あ る い は五 秘 密 の 思 想 が 深 秘 の教 説 で あ り、 プ ラー ク リ ッ トな 言 語 で 秘 密 裏 に表 現 され て いた 可 能 性 を示 唆 して い るよ うに思 わ れ る。 ア ー ナ ン ダガ ル バ の 『幻 化 網 タ ン トラ広 釈 』(以 下 『広 釈 』 と略 称)(20) お よ び プ ラ シ ャー ン タ ミ トラの 『幻 化 網 タ ン トラ細 疏』(以 下 『細 疏 』 と 略 称)(21)によれ ば、(1)にあ る持 金 剛、 毘 盧 遮 那、 世 自在 の3尊 は、 『幻 化 網 タ ン トラ』 あ るい は 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 にお い て主 要 な 働 き を担 う阿 閾、 毘 盧 遮 那、 阿弥 陀 の三 仏(22)であ る と さ れ る。(1)で は さ らに、 そ れ ら 三 仏 を統 括 す る根 本 仏 と して、 幻 化 網 尊 が説 か れ て い る。 幻 化 網尊 は 「多 くの姿 を理 趣 に よ って婁 と して転 ず る」 と形 容 され るが、 これ は、 曼 茶 羅 の諸 尊 を 出生 し、曼 茶 羅 を化 作 す る こ とで あ る と され る。 (2)では、 幻 化 網 尊 が曼 茶 羅 を化 作 す る だ け で は な く、 「三 眼 で 女 神 を 伴 う者 」(『広 釈 』 に よ れ ば これ は大 自在 天)を 調 伏 す るた め に大 楽 の 自性 に 染 着 し、一 切 の女 神 た ち を妻 妾 と す る三 摩 耶 に よ って教 化 を な す こ とが 示 され て い る。 こ こで、 右 手 で金 剛 杵 を抽 郷 し、左 手 に鈴 を執 る幻 化 網 尊 の 姿 は、 金 剛 薩垣 の それ に一 致 す る。 そ して続 く(3)に挙 げ られ た4尊 の妃 は、 註 釈 も認 め る よ う に(23)、欲 ・触 ・愛 ・慢 の 四 金 剛 女 に他 な らな い。 っ ま りこ こで は、 五秘 密 尊 の 主 尊 大 楽 金 剛 薩 垣 と、 『幻 化 網 タ ン トラ』 の本 尊 で あ る 幻 化 網 尊 が 同 一 視 され て い る ので あ る。 な お、(2)にあ る大 自在 天 教 化 の 逸 話 は、 プ トゥ ンの 『喩 伽 タ ン トラの海 に入 る筏 』 に紹 介 され る 「毘 盧 遮 那 が 妻 妾 に囲 まれ た大 楽 金 剛 薩垣 の身 を 化 現 して 『理 趣 経』 を 説 き、 他化 自在 天 王 を 調 伏 した」 と い う物 語 を彷 彿

(7)

と さ せ、 興 味 深 い(24)。 〈例2〉 観 想 菩 提 心 大 智 品 第7章 「観 想 菩 提 心 大智 品」 で は、 阿 閾、 宝 橦、 無 量 光、 不 空 成 就 の 四 如 来 が菩 提 心 の偶 を説 く。松 長 博 士 が指 摘 され た よ うに、 これ らの菩 提 心 偶 は 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 第2分 に も現 れ る。 「観 想 菩 提 心 大 智 品 」で は菩 提 心 偶 の説 示 に続 き、 さ ら に菩 提 心 修 習 の 次 第 が 述 べ られ て い る。そ こで は菩 提 心 を 月 輪 と観 想 し、om・ah・hum の 三 文 字 で 身 語 心 を加 持 す る。 そ の と き五 相 成 身 観 の証 金 剛 身 の 真 言om vajratmako'ham が唱 え られ る。 次 いで 観 想 に よ る灌 頂 が 行 わ れ、 月 輪 と して 堅 固 とな っ た菩 提 心 か ら、以 下 の よ うに曼 茶 羅 が化 作 され る。 次 い で そ の 後、 仏 の 化 作 を お な しに な る幻 化 〔網 〕 を発 しな さい。 四 つ の部 分 を 中 心 と して 具 え た もの の 十 方 に、 十 葱 怒 を、 慢 女 と、悟 りを 有 す る女 と、器 侯 と、頂 を 持 っ 者 を、 …(1) 幻 化 の種 々 の方 法 で化 作 す るよ うに加 持 しな さ い。 普 く遍 満 す る者 の、 種 々 な る 〔現 れ〕 を 中 央 に安 置 して、 大 真 実 の五 っ の我 性 に よ って 四方 輪 を満 た し、 歓 喜 に よ っ て喜 ば せ る 四 〔尊 〕 を発 しな さい。(25)…(2) 『広 釈』 は、(1)にあ る 「慢 女 と、 悟 り を有 す る女 と、 器 侯 と、 頂 を持 つ 者 」 を、 慢 女=キ リキ ラ(触)、 悟 りを有 す る女:金 剛 愛 女(愛)、 器 侯= 金 剛 器 侯 女(欲)、 頂 を持 っ 者=金 剛 慢 女(慢)の 四 金 剛 女 で あ る と解 釈 して い る(26)。同註 釈 は さ らに 「金 剛 器 侯 女 な ど の 四 〔尊 〕 は、 眼 な ど の 四 〔尊 〕 の 自性 で あ る」 と述 べ、 四 金 剛 女 と、 仏 眼 を は じあ と す る 『秘 密 集 会 』 系 の四 仏 母 とを 同体 視 して い る。 ま た 「十 葱 怒 」 と は 「守 護 輪 と して の ヤ マ ー ンタ カ な ど の十 葱 怒 尊 」 で あ る とす る。 よ って こ こで は、 幻化 網 尊 を 主 尊 とす る五 秘 密 尊 を 中心 に、 十 葱 怒 尊 が そ れ を取 り囲 む曼 茶 羅 が 観 ﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

(8)

密 教 文 化 想 され る こ と にな る。 (2)にあ る 「大 真 実 の五 っ の 我 性 」 にっ いて も、 ア ー ナ ンダ ガ ルバ は 「大 真 実 と は五 女 神 の我 性 で あ り、 五 っ の 我 性 に よ って と は、 五 智 の我 性 を も っ とい う こ とで あ る」 と説 明 す る。 こ こで 「五 女 神」 は五 秘 密 尊 を指 す も の と思 わ れ、 そ れ ら は五 智 を本 質 とす る と され る。 また 『広 釈 』 は、 「歓 喜 に よ って喜 ば せ る四 〔尊 〕」 と は 「眼 な ど、 あ るい は金 剛 器 佼 女 な ど の 四女 尊 で あ る」 と述 べ て い る。 な お漢 訳 『喩 伽 大 教 王 経 』 の 当該 箇 所 は、 「是 時 阿 閣 梨 観 想。 諸 佛 遍 満 盧 室 作 大 神 攣。 復 想 十 方 各 有 明 王部 領 四兵 一 切 諸 佛 及 大 明 王。 各 結 本 印手 持 器 侯。 遍 満 十 方 作 種 種 神 攣。 此 是 五 如 來 演 暢喩 伽 眞 理。 四 諦 六 度 諸 波 羅 蜜 等 如 掲 磨 金 剛。 作 大 利 樂 救 濟 衆 生 」(27)とあ り、五 秘 密 に 関 す る記 述 が 削 除 され、 文 意 が 改 変 さ れ て い る。 〈例3〉 相 応 方 便 成 就 品 第8章 「相 応 方 便 成 就 品 」 は、 さま ざ ま な成 就 法 の集 成 で あ る。 そ の 中 に、 ガル ダ鳥 に よ る降 雨 法 に続 き、五 秘 密 尊 を本 尊 とす る除 雷 法 が 説 か れ て い る。 漢 訳 に は こ の部 分 が 欠 落 して お り、修 法 の最 後 に説 か れ る大 楽 の 真 言 の み が 突 如 と して 記 さ れ て い る(28)。以 下 に、 チ ベ ッ ト訳 に よ って こ の 除 雷 法 を紹 介 しよ う。 〔主 尊 は〕 三 面 で、 秋 の 月 の 色。 四 腎 で、 赤 く輝 き 種 々 に燃 え る光 明 〔を放 つ 〕。 四女 神 た る慢 女 と、 慈 女 と摩 端 橦、 花、 遊 戯 者 に よ って 囲続 され る。 (1) 右 手 で金 剛杵 を よ く抽 榔 し、左 手 で 金 剛 鈴 を魅 力 的 に 〔腰 に〕 置 く。 〔身 体 を〕 わ ず か に くね らせ た媚 態 で遊 戯 す る者 で あ り、 薩 唾 が 生 じ る諸 雲 を増 大 す る。 …(2) 一 切 の相 に よ って飾 られ、 宝冠 の 灌頂 に よ って、

(9)

虚 空 に 落 ち る 雷 を 退 け る。 …(3)

オ ー ム、 大 楽 金 剛 よ、 某 甲 を ジ ャ ッハ と い う こ と と、 ブ ー ム と い う こ と に よ っ て、 安 楽 に 縛 れ、 ブ ー ム、 パ ッ ト。 …(4)

こ の 喩 伽 を な せ ば、 無 上 菩 提 を 増 長 す る で あ ろ う。(29)

な お、 こ の 除 雷 法 が、 後 期 母 タ ン トラ に 属 す る 『サ ン プ タ ・ タ ン ト ラ 』 Samputa-tantraの 第7kalpa・ 第4 prakarapa に、 ガ ル ダ 鳥 の 降 雨 法 と と も に 引 用 さ れ て い る こ と が 判 明 し た。 幸 い に も、 『サ ン プ タ 』 に は サ ン ス ク リ ッ ト原 典 の 写 本 が 多 数 現 存 す る。 多 少 の 文 言 の 相 違 は あ る が、 参 考 の た め 『サ ン プ タ』 か ら 回 収 さ れ た サ ン ス ク リ ッ ト文 を 示 して お く。 当 該 箇 所 は チ ベ ッ ト訳 『幻 化 網 タ ン ト ラ 』 で は偶 文 で 綴 ら れ る が、 『サ ン プ タ 』 で は 散 文 で あ る。

sriparamadyarupam atmanam trimukham catuscaranam catur-bhuj am raktavastrajvalaprabham/gauryadicaturdeviparivrtam

vi-cintya vajrastra vajrakalikila snehavajra vajragarva ca…(1) da-ksine vajrotkarsanasaradharinam vame garvaya katisthitam

dha-nudharinam vicintya/tatah sattvotsargabuddhakrtyameghan…(2) sarvakaravirajitam// daksine 'bhayadayika /

abhisekapataratna-galito gagane vajranivaranam//…(3)

om mahasukhavajreti jahhumkrtasuratabandhenaivam…(4)

bha-sitayoganuttarapadavikasi// (30) (3)(4)の部 分 は狭 義 の 除雷 法 で、(1)(2)の部 分 に五 秘 密 尊 の観 想 法 が 述 べ ら れ て い る。 五 秘 密 尊 が な ぜ 除雷 法 の本 尊 と して 採 用 され た の か に つ いて は 定 か で は な い。 まず 主 尊 の 像 容 につ い て見 て み よ う。 「秋 の月 の よ う な身 色 で、 赤 い 光 明 を 放 つ」 とい う、 五 秘 密 系 経 軌 に お い て金 剛 薩垣 の 相 を形 容 す る際 に し ﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

(10)

密 教 文 化 ば しば現 れ る定 型 句 に よ って説 明 され て い る。(2)に説 か れ る持 物 か ら も、 この主 尊 を金 剛薩 唾 と認 め て よ か ろ う。 た だ し、3面4腎 の姿 を と る こ と が特 異 で あ る。 『広 釈 』 は この主 尊 の像 容 を 「世 尊 は残 余 の 諸 手 に 花 の っ い た箭 と弓 を持 つ」(31)と説 明 して い る。 この よ う に4腎 で 弓 箭 を 執 る 金 剛 薩 垣 は 『降三 世 軌 』 に説 か れ て お り、 『金 剛 王 菩 薩 秘 密 念 諦 儀 軌 』 所 説 の 十 七 尊 曼 茶 羅 の主 二尊金 剛 王(図3)も ま た、4腎 で 鈴 杵 と 弓 箭 を持 物 と す る。 な お多 面 を具 え る こ と は、 『幻 化 網 タ ン トラ』 の 諸 尊 に 共 通 す る 特 徴 で あ る。 『サ ンプ タ』 は、 この主 尊 を 『理 趣 広 経 』 の本 尊 と理 解 し、 「吉 祥 最 勝 本 初 」Srlparamadya と呼 ん で い る。 「吉 祥 最 勝 本 初 」 と は、 イ ン ド ・チ ベ ッ トに お け る 『理 趣 広 経 』 に対 す る呼称 で あ る。 次 に、 四妃 につ い て検 討 しよ う。(1)には、 主 尊 を囲 む 四女神 が 「慢女 と、 慈 女 と摩 端 憧、 花、 遊 戯 者 」 で あ る と示 され て い る。 『広 釈 』 は こ れ らを 「慢 女、 金 剛 器 侯 女、 金 剛 慈 女、 金 剛 キ リキ ー ラ」 の 四 金 剛 女 で あ る と認 め た うえ で、 「摩 端 橦 と は慈 女 で あ り、 花 の 弓 と、遊 戯 に よ る標 幟 と、 金 剛 慢 女 な ど に よ って囲 続 され る」 と説 明 して い る(32)。こ れ に よ って(1)の文 を解 釈 す れ ば、 花=金 剛 器 侯 女(欲)、 遊戯 者=金 剛 キ リキ ー ラ(触)、 慈 図3 金 剛 王(図 像 抄)

(11)

女=摩 端 橦=金 剛 慈 女(愛)、 慢 女=金 剛慢 女(慢)と な ろ う。 四 金 剛女 の 中 に慈 女Byams ma を挙 げ る例 は、 『降三 世 軌 』 「金 剛 手 章 」 や、 敦 煙 出土 の 『金 剛 件迦 羅 成 就 法 』 に見 られ る。 『降 三 世 軌 』 に お い て 慈 女 は愛 金 剛 女 と同体 視 され、 「摩 端 憧 を執 る」 と規 定 さ れ る(33)。ア ー ナ ン ダ ガ ルバ の 「慈 女=摩 端 橦 」 の解 釈 は、 この 規 定 に由 来 す る も の と思 わ れ る。 な お 『サ ンプ タ』 は、 四金 剛 女 の 尊 名 を金 剛 榔 射 女 Vajrastra (欲)、 金 剛 カ リー キ ラー Vajrakallkila (触)、 愛 金 剛 女 Snehavajra (愛)、 金 剛 慢 女 Vajragarva (慢)と して い る。 以 上、4腎 で 弓 箭 を 持 つ 主 尊 の像 容、 四 金 剛 女 の尊 名 か ら、 「相 応 方 便 成 就 品 」 が 『降三 世 軌 」 系 の 五 秘 密 尊 を意 識 して い る こ とが推 測 され る。 〈例4〉 嘱 累 品 第10章 「嘱 累 品 」 は チ ベ ッ ト訳 で は 「一 切 儀 軌 の章 」 と呼 ば れ、 さま ざ ま な トピ ックが 扱 わ れ る。 そ の 「嘱累 品」 の 終 末 部 に 「五 秘 密 」 の語 が現 れ る。 こ の部 分 の記 述 は無 上 喩 伽 的 色 彩 が 強 く、漢 訳 に は欠 落 して い る。 以 下 は、 チベ ッ ト訳 か らの和 訳 で あ る。 慧 と智 の 媚 態 に よ って、 五 秘 密 を我 性 とす る主 を 供 養 しな さ い。 …(1) 一 切 の存 在 は非 存 在 で あ る と 〔知 って〕、十 事 の意 味 を理 解 し、 金 剛 と蓮 華 に よ って 灌 頂 す る ゆえ、 五 甘 露 を も って喜 ば せ る。 …(2) 秘 密 に な す べ き秘 密 の 法 は、 秘 して 隠 しお くべ きで あ る。 五 欲 徳 の相 は、 色、 声、 香、 味、 触 な ど で あ る。 喩 伽 を薩 垣 は行 ず る べ きで あ り、 そ して 〔五 甘 露 を〕 飲 食 す れ ば、 見 と拳 の 相 に よ っ て、 一 切 衆 生 を 自在 に なす。(34) 「印相 大供 養 儀 品 」 お よ び 「観 想 菩 提心 大 智 品 」 で 見 た よ う に、 『幻 化 網 タ ン トラ』 の 本 尊 幻 化 網 尊 は、 菩 提 心 を体 性 と し、五 秘 密 尊 の姿 を と っ ﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

(12)

密 教 文 化 て顕 現 す る。(1)にお け る 「孟 秘 密 を我 性 とす る主 」 が、 幻 化 網 尊 を 指 す こ と は想 像 に難 くな い。 そ して そ の菩 提 心 につ い て、 「観 想 菩 提 心 大 智 品」 で は 不 生 不 滅、 無 相 無 我 で あ る と説 明 さ れ る(35)。す なわ ち菩 提 心 と は空 性 で あ り、 そ れ を 洞 察 す る般 若 の空 智 に立 脚 して 幻 化 網 尊 の内 証 を開 示 した もの が 『幻 化 網 タ ン トラ』 で あ る と いえ よ う。(2)にあ る 「一 切 の存 在 は非 存 在 で あ る と 〔知 っ て 〕」 とは そ の 空智 を 示 し、註 釈 も指 摘 す るよ うに、 「十 事 」 と は 『幻 化網 タ ン トラ』 に説 か れ る10の 主 題 で あ る曼 茶 羅、 三 摩 地、 印 契、 立勢、 坐勢、 念 調、 護 摩、 供 養、 事 業 相 応、 摂 事 の 「十 真 実 」(36)に相 当 す る。 5.『 幻 化 網 タ ン トラ』 と 『秘 密 集 会 タ ン トラ」 の 関 係 上 述 の ご と く、『幻 化 網 タ ン トラ』 に は五 秘 密 思 想 が 明 確 に説 か れ て い る。 しか し、当 タ ン トラを 承 けて成 立 した と され る 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 に は、 五 秘 密 思 想 に関 す る記 述 が ま った く見 あ た らな い。 五 秘 密 の思 想 は 『幻 化 網 タ ン トラ」 に お い て、 そ の本 尊 で あ る幻 化 網 尊 や 菩 提 心 思 想 に も 関 わ る重 要 な 事 項 で あ る。 な ぜ 『秘 密集 会 タ ン トラ』 は こ の思 想 を無 視 し た の で あ ろ うか。 両 タ ン トラの 関係 に つ い て、 漢 訳 『喩 伽 大 教 王 経 』 「嘱 累 品 」 に あ る 「一 切 如 来 身 口意 秘 密 大 喩 伽 教 」 と い う記 述 に今 一 度 注 目 し て み よ う。 松 長 博 士 は この記 述 に対 し、「これ を た だ ち に 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 と は断 定 す る こ とは で きな い」 と され た。 しか し、 チ ベ ッ ト訳 の 当 該 箇 所 は 「一 切 如 来 の金 剛 の身 語 心 で あ る秘 密 集 会 」de bshin gsegs pa thams cad kyi rdo rjehi sku dah gsuh dah thugs gsah ba hdus paと な って お り、 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 の具 名 に ほ ぼ一 致 す る(37)。

そ して この記 述 は、 「一 切 如 来 身 口意 秘 密 大 喩 伽 教」 に お い て 灌 頂 を 受 け た阿 閣 梨 を ど う見 るべ きか、 とい う弥 勒 菩 薩 の質 問 に毘 盧 遮 那 が答 え、 阿 闇 梨 の徳 を讃 え る、 とい う文 脈 に お い て現 れ る が、 これ と ま った く同 文

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の 箇 所 が 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 の第17分 に存 在 す る(38)。『秘 密 集 会 タ ン ト ラ』 の当 該 箇 所 で の弥 勒 菩 薩 の質 問 は、

sarvatathagatakayavakcittavajraguhyasamajabhisikto bhagavan vajracaryah sarvatathagataih sarvabodhisattvais ca katham dras-tavyah/ 世 尊 よ、 一切 如 来 の身 語 心 金 剛 の秘 密 集 会 にお いて 灌 頂 を授 け られ た 金 剛 阿 閣 梨 は、 一 切 の如 来 や一 切 の菩 薩 に よ って、 どの よ う に見 られ る の で し ょ うか。(39) と あ り、下 線 部 が 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 を指 す こ とは 明 らか で あ る。 よ っ て、 『幻 化 網 タ ン トラ』 「嘱 累 品」 に あ る 「一 切 如 来 身 口意 秘 密 大 喩 伽教 」 の語 は 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 を 指 示 す る もの と思 わ れ、 『幻 化 網 タ ン トラ』 が 『秘 密 集 会 タ ン トラ」 よ り、 「『秘 密 集 会 』 に お い て灌 頂 を受 けた 阿 闇梨 の 徳 」 を説 く文 を 引 用 して い る こ と にな る。 こ の 事 実 の み を も っ て 両 タ ン ト ラ の 成 立 順 を 逆 転 さ せ る こ と は早 計 で は あ る が、 『幻 化 網 タ ン トラ 』 「観 想 菩 提 心 大 智 品 」 の 菩 提 心 偶 説 示 の場 面 に、 四 仏 の 一 と して、 『秘 密 集 会 」 に お い て 宝 部 の 如 来 と し て 採 用 さ れ る 「宝 橦 」Rin chen tog の 名 が 現 れ る こ と も(40)、既 存 の 説 と は逆 に 『幻 化 網 タ ン

ト ラ』 が 『秘 密 集 会 タ ン ト ラ」 の 菩 提 心 偶 を 引 用 し た こ と を 示 唆 し て い る よ う に 思 わ れ る。 チ ベ ッ ト訳 『幻 化 網 タ ン ト ラ』 に お い て、 宝 部 の 如 来 と

して は 一 貫 し て 「宝 生 」Rin chen hbyuh gnas/Rin chen hbyuh ba/ Rin chen hbyuh の 語 が 使 用 さ れ て お り(41)、「宝 橦 」 の 用 例 は 「観 想 菩 提 心 大 智 品 」 の 当 該 の1箇 所 の み に 限 られ る か ら で あ る。 6.お わ り に 以 上 に考 察 した よ うに、 『幻 化 網 タ ン トラ』 に は、 随 所 に五 秘 密 思 想 が ﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

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密 教 文 化 述 べ られ て い る。 よ って、 『幻 化 網 タ ン トラ』 の成 立 に、 五 秘 密 思 想 を主 題 と す る 『理 趣 経 』 系 経 軌 が影 響 を与 え た こ と は承 認 され て よか ろ う。 ま た、 『幻 化 網 タ ン トラ』 は従 来 『秘 密 集 会 タ ン トラ』 の 先 駆 経 典 と考 え られ て きた。 両 タ ン トラに は類 似 あ る い は同文 の箇 所 が 多 く、両 者 が近 縁 関係 に あ る こ と は疑 い な い。 しか し、前 者 が 後者 の経 名 を 引 用 す る こ と に よ り、 む しろ 『幻 化 網 タ ン トラ』 が 『秘 密 集 会』 よ り も後 に成 立 した の で はな い か との可 能 性 が 出 て きた。 す な わ ち、 『幻 化 網 タ ン トラ』 は、 『秘 密 集 会』 に 『理 趣 経 」 系 の五 秘 密 思 想 を統 合 す る意 図 の下 に成 立 した 経 典 で あ る と推 測 され るの で あ る。 周 知 の ご と く、不 空 訳 に な る漢 訳 文 献 『金 剛頂 経 喩 伽 十 八 会指 帰』 に は、 『金 剛 頂 経 』 系 に属 す る諸 経 軌 の特 色 が 要 略 され て 列 挙 さ れ て い る(42)。そ の 中 に は、 五 秘 密 思 想 に言 及 す る 『理 趣経 』 系経 軌 の名 がす べ て含 まれ(43)、 ま た第 十 五 会 の経 と して 『秘 密 集 会 』 が紹 介 され て い る。 しか し 『十 八 会 指 帰 』 に お い て、 これ らの経 軌 と深 い 関係 を もっ 『幻 化 網 タ ン トラ』 につ い て は、 ま った く言 及 され て い な い。 この事 実 は、 『幻 化 網 タ ン トラ』 が 不 空 の時 代 に は い ま だ 成 立 して お ら ず、 『理 趣 経』 系 経 軌 や 『秘 密 集 会 』 を含 む 十 八 会 の 経 が 出 そ ろ った後 に、 そ の うち の い くっ か の経 を参 照 して編 纂 され た可 能 性 を物 語 って い る よ う に思 われ る。 註 (1) [松長1960](=[松 長1980]pp.240-244=[松 長1998a]pp.240-244)。 (2) [頼富1990]pp.283-297、[木 村1988a, 1988b, 1989, 1991, 1999]。 (3) [田 中1984](=[田 中1996]pp.195-211)。 (4) [栂尾1930]p.387を 参 照。 (5) 慢 金 剛 女 は、金 剛 慢 印 を 結 ん だ両 手 に金 剛 杵 を執 る こ と、 あ る い は両 手 で 花 婁 を 持 っ こ とが あ る。 補 陀 洛 院 版(図1)で は、慢 金 剛女 が索 を持 っ と こ ろ に特 徴 が あ る。ま た後 述 の十 七 尊 曼 茶 羅 で は、 触 金 剛女 は主 尊 の代 わ りに 大 き な 金 剛 杵 を

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抱 く か、 抱 擁 の 仕 草 を 示 す。 な お、 四 金 剛 女 の 尊 名 は 経 軌 に よ っ て-一 定 し て お ら ず、 十 七 尊 曼 茶 羅 に お い て は 五 秘 密 尊 を す べ て 男 尊 と す る場 合 が あ る。 五 秘 密 尊 の 詳 し い 像 容 に っ い て は、 別 稿 で 論 じ た い。 (6) 大 正Nos.1119-1125。 こ れ ら の 儀 軌 を 比 較 し た 研 究 に[福 田1976](=[福 田 1987]pp.54-67)が あ る。 (7)[田 中1984](=[田 中1996]pp.195-211)は 『普 賢 喩 伽 』 を 「十 八 会 金 剛 頂 経 」 の 第 七 会 に、 『勝 初 喩 伽 』 を 第 八 会 に 比 定 し、 こ れ ら が 『理 趣 広 経 』 の 後 半 「真 言 分 」 に 相 当 す る と す る。

(8)大 正Vol.19, 6l6c(六(五)種 最 勝 成 就)、612a(百 字 の 偶)、608c-609a(十 七 清 浄 句)。 (9)『 理 趣 広 経 』 「真 言 分 」 所 説 の 五 部 の 曼 茶 羅 に っ い て は、 拙 稿[川 嫡 2000]に お い て 論 じ た。 (10)[栂 尾1930]pp.130-140、[田 中1987]pp.182-189を 参 照。 (11)[酒 井1939]p.143(=[酒 井1985]pp.162-163)、[乾1997]pp.18-19を 参 照。 (12)[酒 井1969]pp.9-10(=[酒 井1985]pp.254-257)。 な お 『降 三 世 軌 』 に っ い て は[川 嶋1988]に 詳 し い。 (13)[八 田1985]pp.13-14。 (14)[田 中1994]pp.(33)一(31)(=[田 中2000]pp.140-141)。 (15)[酒 井1956]pp.39-40(=[酒 井1985]pp.299-300)。

(16).Ma:yajala-mahatantraraja(東 北No.466, 大 谷No.102)。 Rin then bzan po訳。

(17)『 仏 説 喩伽 大 教 王 経 』(大 正No.890)。 宋 の 至道 元 年(995)、 法 賢 に よ り翻 訳 され る。

(18) D.Ja, 122a4-b1 (P.Ja, 88b8-89a5).

bde ba las hkhruris rdo rje hchar ba yis // drios po dnos med hbyun gnas chen por mkhyen //

dari po gari du rnam par snarl mdsad ni // dag ciri dri med blos ni om du sprul //

gzugs man tshul gyis phren bas bskor ba yi(P. yis) // sgyu hphrul dra ba khyod la phyag htshal to//

gsun span yi ge kun la khyab pa yi(P. yis) // spros med gsuri du hjig rten dbari phyug bshugs //

mig gsum lha mo dan bcas hdul mdsad pa // sgyu hphrul tshul man ldan pa hgah ma mchis //

gan du bde chen ran bshin rjes chags pa // na churn dag darn than cig bshad mdsad ciri //

﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

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g-yas pahi phyag gis rdo rje gsor nas su // g-yon pahi phyag gis dril bu sgra span hkhrol //

lha mo mthah dag btsun mor gyur pa yi // dam tshig rnams kyis bya ba byas par hgyur //

gcig gi lag pas kun nas hkhyud (P. mkhyud) pa ste // gnus pa rjes su chags phyir bde bahi mthu //

gsum pa mi bzod me tog phreri ba hthor // bshi pa bde ba yis ni mdah yari hphen //

gan shig glu hdi len par byed pa dag // bde bahi rdo rje can daft mnam par hgyur//

hdi ni sans rgyas thams cad mites par byed pahi rdo rj ehi glu yin no/

(19) 大 正Vo1.18, 576c-577a。 嚇 惹 虎 惹 引肇 壼_鯨 詞 烏 鉢 帝 引二婆 引嚇尾 婆 引網 三末 虎烏 鉢 帝 引四惹 馨 吠 武醐 噌 阿 努 五鉢 茶 誤 剛1隷引六戌 駄 尾 戌 提 引七頸 彌 阿没 提 引八末虎 尾 詞 噌微 孕 二合九満 駄 呼 摩 引朗 十鉢 那 摩 詞 當 當+-摩 引野 惹 引朗+二嚇引件 鉢 牛 際引十三恥 烏路 伊 薩 噌十四薩 哩微 引二合遇 規 哩 引盤 引媚 烏 輪 薩 噌 伍 禰 撃 阿努 捺 彌 遇 烏 十六薩 咽 烏 摩 引禰 引微 引十七末 虎 尾 詞 哩 提 十八伊 肇 咽 阿 酷 引微 引十九 穰 咽 遇 肇 曜 引阿 努 二+鯨曜 遇 薩 詞 引吠弓に十一入 舞 二合引尾 壼 遇 薩 腔 引二+二薩 冒 提 遇 烏 婆 引 吠 引二+三那 引咽 肇 喝膿 二+四掲 哩 洗 嚇 儒 仁醐 二伍 嚇引彌 引健 ロモ引曜 尼 阿 鯨 薩 儒 上同二+六薩 阿 濯 禰 引微 引二十七彌 里 阿引嚇 儒 引三 摩 夜 引播 引微 弓に+八割 哩 阿引割 儒 引二十九伊 寄 引陵識 肇三+囎引囎 撃 喝 他 引三+-微引阿 努 曜 引阿肇 三十二鯨 曜 阿 薩 末 他 三+三帝 引阿引酷 引吠引三十四澱 羅i虎摩 引隷 引三伍 但 馨 左 烏 提 引吻 微引切達 壼 計 六蘇 曜 阿 引囎撃 引三+七儒 伊 馨 侃 引三+八伊 馨 儒 引婆 引晩帝 引三十九鯨 曜 阿 嚇 惹 引虎 四+帝引窒 虎 播 引晩 帝 弓1四+_

(20)-Ma:yajala-mahatantraraja-tihahhya(東 北No.2513, 大 谷No.3337)。 (21)-Ma:yajala-tantraraja-panjika(東 北No.2514, 大 谷No.3338)。

(22)毘 盧 遮 那、阿 弥 陀、 阿 閾 の3尊 は、そ れ ぞ れ 身 密、 口密、 意 密 の 三 密 を 司 る。 [松長1992](=[松 長1998b]pp.250-262)、[川 崎1997]を 参 照。

(23)『 広 釈 』:D.I, 245a4-246a正、『細 疏 』:D.I, 304a5-305a2。 両 註 釈 に よ れ ば、 「第 一 」は触 金 剛女、 「第 二 」は愛 金 剛女、 「第 三 」は 慢金 剛 女、 「第 四 」 は欲 金 剛 女 で あ る と され る。

(24)[Lokeshcandra 1968]641-5こ の 物 語 は、[田 中1997]pp.64-66に 紹 介 さ れ て い る。

(25) D.Ja, 124a4-6 (P.Ja, 91a2-4).

de nas de hog sans rgyas kyi // sprul pa mdsad pahi sgyu ma spro // yan lag bshi pahi dbus ldan pahi//phyogs bcur khro bo bcu dag dan// bsnems ma dari ni rtogs(P.rtog) ldan ma//mtshon cha mdah darn rtse mo can//

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sgyu mahi cha byad rnam man po // rnam par hphrul par byin gyis brlab(P. brlabs) //

kun la khyab par byed pa yi // sna tshogs dbus su bshag nas ni // de hid chen po bdag hid lnas // phyogs bshihi hkhor lo khyab byas to // dgah bas dgah byed bshi yarn spro//

(26) D.I, 255a1-255b3。 (27) 大 正Vol.18, 578a。 (28) 大 正Vol.18, 579c。 漢 訳 に は、次 の よ う に説 か れ るの み で あ る。 復 次 眞 言 日 庵 引摩 賀 引鯨 珂 囎 日曜 二合底 囑 件 引 持 講者 諦 此 眞 言 作 金 剛 縛。依 法 観 想。 能 成 就 最 上 利 樂 之 事

(29) D. Ja, 127a3-5 (P.Ja, 94a5-8).

shal ras gsum pa ston kahi zla bahi mdog //phyag bshi hod dmar sna tshogs hbar bahi hod//

lha mo bshi pa bsnems ma byams ma dari// chu srin(P. sprin) rgyal mtshan me tog rol pas bskor //

g-yas pahi phyag gis rdo rje legs gsor shin // g-yon pas rdo rje dril bu sgeg par gshag(P. bshag) //

ldem bag hjo sgeg tshul gyis rol pa ste // sems dpah hbyuri bahi sprin rnams rnam par hphel //

rnam pa kun gyis rnam brgyan ciri // rin chen cod pan dbari bskur bas//

nam mkhah la ni hbab pa yi // thog thog rnam par zlog par byed // om ma ha pukka(P.maha bu ka) badsra / the ge mo dsdsa shes bya ba dari/hum shes bya ba nas/pu ra to bandha(P.ban dha) hum phat/

sbyor ba hdi ni byas pa yis // bla med byan chub rgyas par hgyur//

※漢 訳 と註 釈 に よ り mahasukha と 読 む。

(30) 東 大 写 本 Matsunami No.427, 92b4-7、 同No.428, 73b3-5を 参 照。 な お 写 本 の 解 読 に 際 し、 奥 山 直 司 教 授 よ り ご助 言 を 賜 っ た。

(31)D.I, 255b1。 (32)D.I, 265a6-7。 (33)D.Ta, 27b1。

(34)D.Ja, 134a4-5(P.Ja, 102b6-103a1)。

ses rab dan ye ses kyi hjo tshul gyis gsan ba lriahi bdag nid kyi gtso bo la mchod par byaho/

drios po thams cad drios med par//bshi bcuhi don ni rtog(P.rtogs)*2

﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

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pa dad//

rdo rje pa dmas(P. pad mas) dbarn bskur bas// bdud rtsi bias ni dgah bar byed //

gsan bar bya bahi chos gsari ba // gsari shin sbas to gshag par bya // hdod yon lna yi rnam pa ni // gzugs sgra dri ro reg bya sogs // rnal hbyor sems dpah spyad bya shin// de bshin bzah darn btud byas na //

bltas darn khu tshur rnam pa yis//sems can thams cad dbad du byed//

※1註釈 に よ りgshiと 読 む。 ※2P.のrtogsを 採 用。 (35) D.Ja, 122b6-123a6、 大 正Vol.18, 577b。

(36) 十 真実 は 「嘱 累 品 」に示 され るが、そ こで は、 十 真 実 は阿 閣 梨 に よ って 秘 密、 大 秘 密、智 の三 種 の心 髄 と して示 さ れ、喩 伽、大 喩 伽、 上喩 伽 の 三 種 の 喩 伽 に よ っ て 順 序 通 り釈 され る、 と説 か れ る(D.Ja, 133b5-7、大 正Vol.18, 582c-583a)。 アー ナ ンダ ガ ルバ は この部 分 の 「大 秘 密 」 を註 釈 して 「五 秘 密 の 相 の 大 真 実 と喩 伽 す る曼 茶羅 な どの 十 の秘 密 」、「大 喩 伽 」を 註 釈 して 「五 秘 密 の我 性 の本 尊 の 〔喩 伽 〕 次 第 」 と述 べ て い る(D.1, 285a3-b2)。 (37)漢 訳 『秘 密 集 会 タ ン ト ラ 』 の 表 題 は 『仏 説 一 切 如 来 金 剛 三 業 最 上 秘 密 大 教 王 経 』 で あ り、 サ ン ス ク リ ッ ト本 の 各 分 の 終 わ り に は タ ン ト ラ の 梵 題 が 「srlsarva-tathagatakayavakcittarahasyatirahasye guhyasamaje」 と 示 さ れ る。 (38)相 同 な 箇 所 は、 直 前 に 説 か れ る 四 明 妃 と 四 大 の 対 応(漢 訳 『喩 伽 大 教 王 経 』 は こ の 部 分 を 欠 く)を 含 め、 『幻 化 網 タ ン ト ラ』 チ ベ ッ ト訳:D.Ja, 132b5-133b5、 同 漢 訳:大 正Vol.18, 582b-c、 『秘 密 集 会 タ ン ト ラ』:[松 長1978]p.104, 1.8-p.105, 1.18a (39)[松 長1978]p.104、[松 長1998b]p.191(=[松 長2000]p.191)。 (40)『 秘 密 集 会 タ ン ト ラ』 に お い て、 宝 部 の 如 来 と し て 宝 憧Ratnaketuが 採 用 さ れ る こ と は、[頼 富1990]pp.314-317に お い て 検 証 さ れ て い る。

(41)チ ベ ッ ト訳 『幻 化 網 タ ン トラ 』 に お い て 「宝 生 」Rin chen hbyun gnas/Rin chen hbyuri ba/Rin chen hbyuriの 語 が 使 用 さ れ る 例 は、 D. Ja, 97a7、99b1、 101a2、118b3、123a1、125a4、131a7、132b7、133a7の9例 に の ぼ る。 ま た 漢 訳 で も こ れ ら の 箇 所 は 「宝 生 」 と 翻 訳 さ れ る。 な お 同94x3-4で は 宝 部 の 如 来 に 対 し て 「大 宝 」Rin po che chen po、 同127a6で は 単 に 「宝 」Rin chenの 呼 称 が 用 い ら れ て い る。

(42)大 正Vol.18, 284c-287c。

(43)『 金 剛 頂 タ ン トラ』が 第二、 第 三 会 に、『降三 世 軌 』が 第 四 会 に、『理 趣 広 経 』 が 第 六、第 七、 第 八 会 に、『秘 密 三 昧 大 教 王 経 』が 第十 三 会 に比 定 さ れ る。

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参 考 文 献 乾 仁 志 1997「 『金 剛 頂 タ ン トラ』所 説 の マ ン ダ ラに っ いて(I)」 『高 野 山大 学 論 叢 』32 川 崎 一洋 1997「 『幻 化 網 タ ン トラ』の構 造-曼 茶 羅 を 中心 と して 一 」『密 教 文 化 』198 2000「 チ ャ ンパ ・ラカ ン現存 の 『理 趣 広 経 』「真 言 分 」所 説 の 曼 茶 羅」『高 野 山 大 学 大 学 院 紀 要 』4 川 嶋健

1988「"Trailokyavijaya mahakalparaja"の 研 究 一mulatantraを 中 心 に し て-」 『印 度 学 仏 教 学 研 究 』37-2 木 村 秀 明 1988a「 幻 化 網 タ ン トラ にお け る曼 茶 羅 」『豊 山教 学 大 会 紀 要 』16 1988b「 幻 化 網 タ ン トラの 曼 茶 羅 」『印度 学 仏 教 学 研 究 』37-2 1989「 幻 化 網 タ ン トラ の諸 尊 一 曼 茶 羅 の構 成 尊 一 」『密 教 学 研 究 』21 1991「 幻 化 網 タ ン トラ にお け る灌 頂 」『印 度 学 仏 教 学 研 究 』39-2 1999「 『幻 化 網 タ ン, トラ』第 五 品 に お け る成 就 法 」『密 教 学 研 究 』31 酒 井 眞 典 1939「 金 剛 頂 経 の 第 三 会 に就 いて 」『密 教 研 究 』71 1956「 金 剛頂 経 の 第 十 三 会 にっ いて 」『密 教 文 化 』32 1969「 八 輻 輪 曼 茶羅 」『密 教 文 化 』87 1985『 酒 井 眞 典 著作 集 第三 巻 金 剛 頂 経 研 究 』(法 藏 館) 田 中公 明 1984「 『一 切 仏 集 会 肇 吉 尼 戒 網 タ ン トラ』 とそ の 曼 茶 羅 にっ いて 」『密 教 図像 』3 1987『 曼 茶 羅 イ コノ ロ ジー』(平 河 出版 社) 1994「 敦 煙 出土 の 『金 剛 噂 迦 羅 成 就 法 』」『密 教 文 化 』187 1996『 イ ン ドチ ベ ッ ト曼 茶 羅 の研 究』(法 藏 館) 1997『 性 と死 の密 教 』(春 秋 社) 2000『 敦 煙 密 教 と美 術 』(法藏 館) 栂 尾 祥 雲 1930『 理 趣 経 の研 究 』(高 野 山大 学) 八 田 幸 雄 1985「 三 輪 流 神 道 と理 趣 経 曼 茶 羅-『 神 道 灌 頂 清 軌 』を 中 心 と して 一 」『密 教 文 化 』151 福 田亮 成 1976「 金 剛 薩垣 儀 軌 類 の 考 察 」 『密 教 学 研 究 』8 1987『 理 趣 経 の研 究 そ の成 立 と展 開』(国 書 刊 行 会) ﹃ 幻 化 網 タ ン ト ラ ﹄ に 見 ら れ る 五 秘 密 思 想

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密 教 文 化 松 長 有 慶 1960「 幻 化 網 タ ン トラの性 格 」『印 度 学 仏 教 学 研 究 』8-2 1978『 秘 密 集 会 タ ン トラ校 訂 梵 本 』(東 方 出 版) 1980『 密 教 経 典 成 立 史論 』(法 藏 館) 1992「 三 部 と五 部-『 秘 密 集 会 タ ン トラ』の構 造 に 関連 して-」 『仏 教 文 化 史 論 集I』(成 田 山仏 教 研 究 所) 1998a『 松 長 有 慶 著 作 集 第 一 巻 密 教 経 典 成 立 史 論 』(法 藏 館) 1998b『 松 長 有 慶 著 作 集 第 五 巻 秘 密 集 会 タ ン トラの研 究 』(法 藏 館) 2000『 秘 密 集 会 タ ン トラ和 訳 』(法 藏 館) 頼 富 本 宏 1990『 密 教 仏 の研 究 』(法 藏 館) Lokeshcandra

1969 The Collected Works of Bu-ston Partll (Da), Sata-pitaka Series Vol. 66. New Delhi: International Academy of Indian Culture.

参照

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