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Interleukin-17A plays a pivotal role after partial hepatectomy in mice 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 古屋 信二 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工博 4 甲 第 144 号 学 位 授 与 年 月 日 平成26年3月20日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 先進医療科学専攻

学 位 論 文 題 名 Interleukin-17A plays a pivotal role after partial hepatectomy in mice (マウス肝切除後肝再生におけるインターロイキン17Aの関与に ついて) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 増山 敬祐 委 員 准教授 小口 健史 委 員 講 師 金丸 和也

学位論文内容の要旨

(研究の目的) Interleukin-17A(IL-17A)は Interleukin-17F と共に第 3 のリンパ球サブセットである Th17 より 産生されるサイトカインである。とくにIL-17A はマクロファージや T 細胞を活性化させ、細胞性免 疫や液性免疫を活性化させることにより炎症メディエーターを誘導し、細菌感染や、自己免疫疾患な どに関与すると考えられている。これまで、われわれは、細菌性敗血症や肝温虚血再還流障害発症機 序における IL-17A の役割と関連について研究報告をしてきた。その検討結果より、IL-17A は Kupffer cell の TNF- α 産 生 を 亢 進 さ せ る 事 実 を 報 告 し た ( Journal of Immunology 2011; 187:4818-4825)。一方、TNF-αは肝切除後の肝再生において重要な役割を果たしている。これらの 結果は、IL-17A が Kupffer cell の産生した TNF-αを介し肝再生へ関与する可能性を示唆する。そ こで、今回、IL-17A knockout mouse を用いて、部分肝切除後の肝再生における IL-17A の関与とそ の産生臓器について検討した。

(方法)

生後 8-9 週の雄性 IL-17A knockout mouse (C57BL/6J background, KO)ならびに wild-type mouse (C57BL/6J, WT)を用い、70%部分肝切除モデルを作成した。肝切除前(0)、ならびに肝切除 後1、2 時間と 1、3、5、7、10 日目でマウスを犠牲死させ各種標本を採取した。肝再生の検討項目 として、摘出標本での肝体重比、免疫組織染色検査で BrdU と Ki-67 の陽性細胞数を検討した。さ らに、細胞増殖の指標でもあるCyclin-D1 蛋白の発現を Western blotting で検討した。肝切除後早 期におけて肝再生に重要であるTNF-αと IL-6 の mRNA の発現について肝細胞を用い RT-PCR 法

(2)

で検討した。

また、IL-17A の産生臓器を検討する目的で、肝臓、脾臓および小腸の IL-17A 陽性リンパ球を免 疫組織染色検査で検討した。さらに肝切除後マウスの各臓器(肝臓、脾臓、小腸)よりCD4 陽性リ ンパ球を分離し、flow cytometry で細胞内 IL-17A の発現を比較検討した。

また、脾臓の関与を検討する目的で、部分肝切除の1 週間前に脾臓の摘出を施行する群を作成し、 WT の非脾摘群と脾摘群の血中 IL-17A 濃度の測定と、肝再生等の各種項目を比較検討した。 (結果) 部分肝切除後の肝体重比の回復はWT と比較し KO は有意に遅延した。これを反映し、BrdU なら びにKi-67 の陽性細胞数が WT と比較し KO は有意に減少した。また、肝臓での Cyclin-D1 発現も 同様でKO において、WT と比較し有意に低下した。さらに、肝臓での TNF-α mRNA 発現も KO は、WT と比較し有意に低下したが、IL-6 mRNA 発現は両群間で有意差を認めなかった。WT にお ける脾摘群では、非脾摘群と比較し有意に肝再生が遅延していたが、KO においては、脾摘は肝再生 に影響を与えなかった。WT の非脾摘群の血中 IL-17A 値は部分肝切除後早期に上昇を認めたが、脾 摘群では有意に低下していた。 肝切除後、WT の脾臓内に細胞内 IL-17A の発現増加を認めた。肝切除後の WT より分離したリン パ球の解析において、肝臓リンパ球、小腸リンパ球ではIL-17A 陽性細胞の比率増加を認めなかった が、脾臓リンパ球でIL-17A 陽性リンパ球の有意な比率増加を認めた。 (考察) 部分肝切除後の肝再生がWT より KO で遅延した事実より、IL-17A が肝再生に重要な役割を担っ ていることが示唆された。肝臓でのTNF-αmRNA 発現は KO で有意に低下したが、IL-6 で有意差 を認めなかった理由として、Th17 を誘導させるために IL-6 が必要であるが、KO では Th17 が減少 しているため、negative feedback が引き起こされ強く発現したと考えられた。また、WT のみ脾摘 により肝再生が遅延したこと、部分肝切除後に脾臓内IL-17A 陽性リンパ球の比率増加を認めたこと より、脾臓が部分肝切除後のIL-17A の産生臓器の一つとして重要な役割を果たしている可能性があ ると考えられた。 (結論) 今回の結果より、脾臓由来のIL-17A が肝マクロファージ由来の TNF-α発現を誘導し、部分肝切 除後肝再生の初期段階において重要な役割を果たすことが明らかとなった。したがって、IL-17A は 正常肝における肝切除後の再生を評価する一つの指標として臨床応用できる可能性が考えられた。 しかし、肝硬変を有する肝細胞癌患者の肝切除症例においては、脾摘は反対に肝再生を促す事実は、 IL-17A の肝再生における役割が肝病態により異なる可能性も示唆しており、今後のさらなる追加検 討が必要と考えられる。

論文審査結果の要旨

本論文は、肝切除後早期の肝再生に寄与するサイトカインIL-17A に関するマウスを用いた研究であ

(3)

る。

肝切除後の重篤な合併症である肝不全の発症抑制は、肝切除量を規定する重要な要因のひとつである。 肝切除後の早期再生を促進させることができれば、肝切除量の増大ひいては外科的手術適応の拡大に つながるものであり、早期肝再生は臨床的に重要なテーマであると考えられる。

本研究では、著者らのこれまでの研究から、肝切除後の肝再生に重要な役割を担う TNFαの産生亢 進に関わるサイトカインの候補としてIL-17A に焦点をしぼり、IL-17A knockout(KO) mouse を用 いた検討を行った。70%肝切除モデルを用いて、KO マウスでは wild-type(WT)と比較して肝再生が 遅延したことより、IL-17A が早期の肝再生に重要で、その由来が脾臓リンパ球であることを脾摘群 での検討で明らかにしている。

争点となったところは、実験の方法および考察に関する以下の点である。

筆者は、IL-17A が部分切除後の肝臓の Kupper cell に作用して TNFα 産生が亢進し、肝再生が起こ ったと考察している。しかしながら、TNFα と IL-17A の測定については、TNFα が mRNA レベル で1〜2 時間と早期に、IL-17A は蛋白レベルで 24, 72 時間, 5〜10 日での検討であり、これらの IL-17A から TNFα に至るシグナルカスケードに関しては検討が不十分ではないかと思われる点である。す なわち、IL-17A においても mRNA レベルにおける早期の変動を確認する追加の検討が必要である と思われる。

さらに、KO マウスの系に recombinant mouse IL-17A を投与するモデルを作成検討することにより、 IL-17A の関与がより明確にできる可能性があるものと考えられた。 次に、WT マウスでは脾摘により肝再生が遅延したこと、また、肝臓リンパ球や小腸リンパ球ではな く脾臓のリンパ球でのIL-17A 陽性率が有意に増加したことから、脾臓が早期の肝再生に重要である ことが示唆されると筆者は結論している。しかしながら、実際の肝硬変を有する肝細胞癌患者の肝切 除例においては、逆に脾摘により肝再生が促されるという臨床的事実が存在する。したがって、今回 のIL-17A KO マウスの系での結果は、そのままヒトの肝臓癌症例に当てはまるものとは考えにくい ようである。ヒトにおけるIL-17A の肝再生における役割については、さらなる詳細な追加の検討が 必要であると考えられた。

参照

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