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Purinergic transmission via P2Y6 receptors plays a critical role in bladder storage function 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 吉良 聡 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工博 4 甲 第 136 号 学 位 授 与 年 月 日 平成26年3月20日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 先進医療科学専攻

学 位 論 文 題 名 Purinergic transmission via P2Y6 receptors plays a critical role in bladder storage function.

(P2Y6受容体は膀胱蓄尿機能において重要な役割を担っている。) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 宮澤 恵二 委 員 准教授 奥田 靖彦 委 員 講 師 植竹 智義

学位論文内容の要旨

(目的) ATP はエネルギーの通貨であるが、中枢・末梢神経系において細胞間情報伝達を担う化学伝達物質 として機能している。膀胱でも、ATP は化学情報伝達物質として様々な膀胱機能を制御している。 ATP は非神経細胞からも放出されることが知られ、我々は既に非神経細胞の膀胱上皮細胞が伸展刺 激を契機としてATP を放出し、尿意の伝達や膀胱コンプライアンスを制御していることを明らかに してきた。(Mochizuki, 2009; Nakagomi, 2011; Miyamoto, 2012)また、ATP の受容体である P2 受容体に関しては、平滑筋に存在し膀胱の収縮に関わるP2X1 受容体や(Andersson et al., 2002)、 膀胱末梢知覚神経系に発現し尿意知覚を感知し、上位中枢神経系に伝える役割を果たすP2X2,3 受容 体(Cockayne, et al., 2000)等を代表とする P2X 受容体系に関して数多くの報告がなされている。 一方、GPCR 型の P2 受容体である P2Y 受容体の膀胱機能制御に関する知見は未だ解明されていな い。そこで我々は、P2Y 受容体系の1つである P2Y6 受容体に着目し、膀胱における P2Y6 受容体 の局在やその生理的機能に関して検討した。

(方法)

(1)マウス膀胱上皮、平滑筋、尿道、L6 and S1 DRG, L6/S1 脊髄、脳幹部の各組織、さらにマウ ス膀胱上皮初代培養細胞、2 代目平滑筋培養細胞において P2Y6 受容体が発現していることを mRNA レベル(定量的RT-PCR、in situ hybridization)で確認した。(2)マウス排尿代謝ケージを用いて、 WT と P2Y6 knock out(P2Y6KO)マウスを用いて排尿・飲水行動に関して比較・検討を行った。 (3)徐脳状態にし、無麻酔非拘束下状態における膀胱内持続生食還流下での膀胱内圧測定を行い、WT とP2Y6KO マウスの間で各排尿パラメーターに関して比較・検討を行った。(4)マウス膀胱上皮培 養細胞、平滑筋培養細胞を作成し、Ca-Imaging 法を用いて P2Y6 受容体に選択的なアゴニスト (MRS2693)を投与し、機能的に上皮・平滑筋培養細胞に P2Y6 受容体が存在するかを検討した。

(2)

また、P2Y6KO マウスを用いて同様の2つの培養細胞を作成し WT の結果と比較した。(5)細胞伸 展刺激装置を用いてWT 由来の上皮培養細胞と P2Y6KO マウス由来の細胞に伸展刺激を行った際の 細胞外ATP 放出量を、ATP Photon counting 法にて測定・比較した。(6)オルガンバスシステムにお ける等尺張力実験において、WT と P2Y6KO から膀胱切片を作成し、MRS2693 を用いて収縮、弛 緩反応にどのような影響を及ぼすかを比較・検討した。 (結果) (1)P2Y6 受容体 mRNA は、前述したマウス全組織で認められたが、膀胱上皮・平滑筋における発 現が多かった。また、膀胱上皮・平滑筋培養細胞においても高い発現が認められた。 (2)排尿行動実 験により、P2Y6KO マウスは WT マウスと比較して有意に 1 回排尿量が少なく、排尿回数が多いこ とが明らかとなった。両群とも、総排尿量、飲水量に変化は見られなかった。(3)膀胱内圧測定に おいて P2Y6KO マウスは WT と比較して有意に膀胱容量が小さく、コンプライアンスが悪かった。 (4)平滑筋培養細胞の Ca2+イメージング方による P2Y6 受容体機能解析では、P2Y6 アゴニストに よりWT 由来平滑筋細胞でのみ細胞内 Ca2+の上昇を認めた。膀胱上皮培養細胞においては、機能的 P2Y6 受容体は認められなかった(5)伸展刺激による膀胱上皮細胞の ATP 放出能解析では、WT と P2Y6KO 由来の細胞と間に有意な差を認めなかった。(6)膀胱組織を用いた等尺張力実験において、 P2Y6 受容体の選択的アゴニスト MRS2693 は WT でのみ収縮反応を起こすことが明らかとなった。 弛緩反応に関してはWT と P2Y6KO の間に有意な差は認めなかった。 (考察) マウス排尿に関する経路においてP2Y6 受容体 mRNA 発現を認め、平滑筋においてはその機能的発 現を認めた。一方、上皮細胞においては機能的発現を認めず、伸展刺激によるATP 放出量に関して もP2Y6 受容体の関与を認めなかった。In vivo 実験系における P2Y6KO マウスの著しい頻尿や膀胱 容量の減少、コンプライアンスの悪化等の排尿異常から、P2Y6 受容体は膀胱蓄尿機能に関して重要 な働きを担っている可能性が示唆され、膀胱平滑筋におけるP2Y6 受容体欠損がこの排尿行動に関連 することが予想されたが、in vitro 実験系の結果からは膀胱上皮や平滑筋等の末梢組織の機能異常は 認められず、求心・遠心神経路や脊髄等の中枢神経系のP2Y6 受容体が排尿異常行動に関与している 可能性が示唆された。 (結論) P2Y6 受容体はマウス膀胱、尿道、神経を含む排尿反射に関する経路に発現しており、平滑筋におい ては機能的に存在している。またこの受容を特異的に欠損することで、膀胱蓄尿量を減少させ、排尿 回数を増加させる。その責任部位としては、求心・遠心性神経路やDRG、脊髄といった中枢神経経 路における役割が大きいと考えられた。

論文審査結果の要旨

1. 学位論文テーマの学術的意義 本研究において吉良聡氏は、プリン受容体のひとつであるP2Y6 の膀胱機能調節における役割を解 析した。排尿行動実験においてP2Y6 ノックアウトマウスでは1回排尿量が少なく、排尿回数が多い ことを見出した。しかし、野生型およびノックアウトマウス由来の膀胱上皮細胞、平滑筋細胞初代培

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養系(後者は吉良氏が手法を確立)を用いて検討したところ、機能異常は認められなかった。したが って、P2Y6 ノックアウトマウスの排尿行動異常に関しては、中枢神経系が関与する可能性が示唆さ れた。P2Y6 機能の解明には至らなかったが、過活動膀胱の症状を理解する上で、本研究はすぐれた 学術的意義を有する。 2. 学位論文および研究の争点、問題点、疑問点、新しい視点等。 中枢神経系におけるP2Y6 の機能解析により排尿行動における役割が解明できれば、将来的に、大 きな成果につながることが考えられる。また、このモデルマウスを排尿異常の治療法開発にどのよう に応用できるか、今後に期待したい。 3. 実験およびデータの信頼性 実験に関しては適切なコントロールが置かれており、特に問題は見受けられなかった。 4. 学位論文の改善点、等々。 提出された学位論文には修正すべき細かい点が少々、認められた。修正した論文は委員長が確認の 上、最終的に合格と判断した。

参照

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