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資料 富山消化管撮影研究会 2011text web0810

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(1)

NPO 日本消化器がん検診精度管理評価機構

胃がん X 線検診

技術部門テキスト   2011 年度版

(2)

目次

I 部 撮影に関する基本的なことがら 6

1章 胃がんX線検診における撮影法 7

1.1 日本消化器がん検診学会p新・胃X線撮影法の基準yの概要 . . . 8

1.1.1 対策型検診撮影法(従来の間接撮影法) . . . 9

1.1.2 任意型検診撮影法(従来の直接撮影法) . . . 10

1.2 NPO日本消化器がん検診精度管理評価機構p基準撮影法yの概要 . . . 10

1.2.1 基準撮影法の検査手順. . . 15

1.2.2 基準撮影法1 . . . 16

1.2.3 基準撮影法2 . . . 20

1.2.4 任意撮影と追加撮影 . . . 24

1.2.5 腹臥位二重造影(下部前壁 頭低位)の撮影法 . . . 24

2章 造影剤 28 2.1 陽性造影剤 . . . 28

2.1.1 硫酸バリウム . . . 28

2.1.1.1 硫酸バリウムの粒子. . . 29

2.1.1.2 懸濁液の粘度 . . . 29

2.1.2 水溶性造影剤 . . . 29

2.2 陰性造影剤(空気と炭酸ガス) . . . 30

2.2.1 発泡顆粒による炭酸ガス . . . 31

2.2.2 チューブによる胃内への空気注入. . . 32

3章 撮影装置 34 3.1 装置の構成と名称 . . . 34

3.2 装置種類,組み合わせ,調整 . . . 34

3.3 物理的評価と視覚的評価 . . . 35

(3)

目次 2

3.4 画像観察環境 . . . 37

3.5 装置の保守管理. . . 37

3.6 保守点検の実際. . . 38

3.7 日常点検 . . . 39

3.8 X線装置の自動化に関する留意点 . . . 39

3.9 X(エックス線) . . . 40

3.10 散乱線 . . . 45

4章 被曝に関することがら 48 4.1 放射線とその影響 . . . 48

4.2 低減. . . 49

参考文献 50

II 部 読影に関する基本的なことがら 52

5章 胃の解剖 53 5.1 肉眼的解剖 . . . 53

5.1.1 胃の区分 . . . 54

5.1.1.1 胃癌取扱い規約における胃の区分 . . . 54

5.1.1.2 読影診断における胃の区分 . . . 55

5.2 組織学的解剖9, 10, 12) . . . 59

5.2.1 胃粘膜の萎縮と腸上皮化生 . . . 62

5.3 胃液. . . 63

5.3.1 成分と作用. . . 64

5.3.2 胃液分泌のしくみ . . . 64

6章 読影 65 6.1 胃がんX線検診の標的病変 . . . 65

6.2 X線写真画質 . . . 65

6.3 4大撮影法と読影の着眼点 . . . 67

6.3.1 充盈法 . . . 67

6.3.2 粘膜レリーフ法 . . . 67

6.3.3 圧迫法 . . . 67

6.3.4 二重造影法. . . 68

6.4 読影診断の4要素 . . . 69

6.5 胃の3次元的な理解 . . . 70

(4)

6.6 読影の実際 . . . 71

6.6.1 撮影された順序で読影する. . . . 71

6.6.2 読影の手順. . . 71

6.6.3 X線所見用語 . . . 72

7X線的な質的診断に関して 73 7.1 腫瘍性・非腫瘍性の判定 . . . 73

7.2 上皮性・非上皮性の判定 . . . 74

7.3 良性・悪性の判定 . . . 75

8章 胃癌取扱い規約に関して 769章 胃癌X線診断の取り組み方 79 9.1 記憶画像との比較による診断 . . . 80

9.2 X線・肉眼・組織所見の相互比較に基づいた診断 . . . 80

9.3 癌組織型を基本とした系統的な診断 . . . 81

9.3.1 癌組織型と肉眼ならびにX線所見 . . . 81

9.3.1.1 未分化型癌 . . . 82

9.3.1.2 分化型癌 . . . 83

9.3.2 癌組織型による癌組織発生と生体正着様式 . . . 83

9.3.2.1 未分化型癌について. . . 83

9.3.2.2 分化型癌について . . . 84

9.3.2.3 癌組織型分類に迷う組織形態について . . . 84

9.4 胃癌の体系から眺めた診断. . . 85

9.4.1 中村恭一の“ 胃癌の三角” からみた胃癌臨床診断 . . . 85

9.4.1.1 癌発生の[]から見た胃癌の三角 . . . 86

9.4.1.2 F境界線内部領域の癌 . . . 88

9.4.1.3 F境界線外部領域の癌 . . . 89

9.4.1.4 F境界線近傍の癌 . . . 89

9.5 おわりに . . . 89

9.6 本章の参考文献. . . 90

10章 肉眼的胃癌診断瀑布 91

参考文献 92

(5)

目次 4

III 部 統計に関する基本的なことがら 94

11章 研究・調査方法 95

11.1 臨床研究と実験. . . 95

11.2 バイアス . . . 96

11.2.1 自己選択バイアス(セルフセレクションバイアス) self selection bias 97 11.2.2 リードタイムバイアス lead time bias . . . 97

11.2.3 レングスバイアス length bias . . . 98

11.3 死亡率 . . . 98

11.4 相対危険度 . . . 99

11.5 オッズ比 . . . 99

11.5.1 相対危険度の有意性の検定 . . . 100

11.5.2 相対危険度の100 (1 − α) %信頼区間 . . . 101

11.6 検査の信頼性 . . . 101

参考文献 10412章 データと記述統計 105 12.1 データと統計学. . . 105

12.1.1 現象とデータ . . . 105

12.1.2 データの型. . . 106

12.1.3 数値データの型・データの尺度水準 . . . 106

12.1.3.1 名義データ・名義尺度 . . . 106

12.1.3.2 順序データ・順序尺度 . . . 106

12.1.3.3 間隔データ・間隔尺度 . . . 107

12.1.3.4 比例データ・比例尺度 . . . 107

12.1.4 データの次元 . . . 107

12.1.5 変数 . . . 107

12.2 度数分布 . . . 108

12.2.1 質的データの度数分布. . . 108

12.2.2 量的データの度数分布. . . 108

12.2.3 度数分布曲線 . . . 110

12.3 間隔データの基本統計量 . . . 111

12.3.1 データの「位置」「大きさ」を記述する統計量. . . 111

12.3.2 データの「広がり」を記述する統計量 . . . 112

12.3.3 平均値±標準偏差  . . . 113

12.3.4 中央値とパーセンタイル . . . 114

(6)

12.4 二変数の記述 . . . 115

12.4.1 散布図 . . . 116

12.4.2 相関係数と共分散 . . . 116

12.4.3 分割表 . . . 120

(7)

I

撮影に関する基本的なことがら

(8)

1

胃がん X 線検診における撮影法

胃がん検診の最終的な目的は,胃がん死亡率の減少ないし胃がんによる死亡リスクの低 減を図ることにあり,それには死亡率減少効果が認められている検診法を,しっかりとし た精度管理の下に,正しく行うことが重要とされている.2006年,厚生労働省がん研究 助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班から発表された【有 効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン】1)によれば,現時点で有効性が証明されてい る検診法は,唯一X線検査のみとし,対策型検診及び任意型検診での実施が推奨されてい る.これは,いわゆる胃がんX線検診の役割の大きさを示す結果であり,さらに有効性評 価レベルを上げるには,一層の精度管理と向上に向けた取り組みが必要である.

それには受診者がどの地域でどの検診施設を受診しても,安心し納得できる質の高い検 診を提供できるよう,まず撮影法を標準化・統一化し,次のステップではそのX線画像の 評価・管理体制を構築する必要がある2)3).標準化に向けた動きは以下のごとくである. 2002年には,日本消化器集団検診学会(現:日本消化器がん検診学会)の胃X線撮影法 標準化委員会が新・胃X線撮影法(間接・直接)の基準を作成し最終答申4)がなされてい る.2005年には同学会から,新・胃X線撮影法(間接・直接)ガイドライン5)が刊行さ れている.これにより,新・胃X線撮影法が普及し手技の標準化が進んだ.一方で,造 影剤や発泡剤などの撮影器材,撮影体位や撮影順序に統一性がなく,老朽化した撮影機器 による低画質のX線像が提供されていることが浮き彫りとなり,撮影法の基準化を求め る声が次第に大きくなってきた.そこで,NPO日本消化器がん検診精度管理評価機構で は,手技が簡便で精度管理の基盤となる撮影法(1.1)を構築し,これを基準撮影法と呼 称することとした.その考え方は,当法人が2009年に発刊した胃がんX線検診・新しい 基準撮影法マニュアルテキスト第16)に示されている.厳密すぎるようにも思える撮 影体位や撮影順序の定義は,精度管理の基盤となる撮影法を志向した結果である.これか らは,本撮影法について広く理解を求めながら,技術指導体制を確立する予定である.

一方,日本消化器がん検診学会では,前述した新・胃X線撮影法(間接・直接)ガイド ラインが出版され5年余りが経過したことから,いくつかの改訂すべき問題点が明らかに

(9)

1章 胃がんX線検診における撮影法 8 なったとし,2010年には同学会のガイドライン改訂版編集委員会が改訂作業に着手して

いる.再構築された撮影法は新・胃X線撮影法の基準7)として示され,旧ガイドライン における複数の撮影法が,対策型検診撮影法と任意型検診撮影法の2法にまとめられて いる.

1.1 基準撮影法のコンセプト

1.1 日本消化器がん検診学会 p 新・胃 X 線撮影法の基準 y

概要

撮影法の詳細は,新・胃X線撮影法ガイドライン改訂版(2011)に示されている.旧 ガイドラインには,3種類の間接撮影法と2種類の直接撮影法および1種類のDR撮影法 が呈示されていたが,新・ガイドラインには,新・胃X線撮影法(間接撮影法)を基本と して対策型ならびに任意型検診における撮影法を構築し,A.対策型検診撮影法(従来の 間接撮影法)と,B.任意型検診撮影法(従来の直接撮影法)2つに集約した経緯が記さ れている.

対策型検診撮影法と任意型検診撮影法ともに,二重造影法を主体に組み立てられた撮影 法である.なお,胃部の最初に撮影する背臥位二重造影像は,身体の正面位,あるいは胃 角部小彎の辺縁が重ならないように撮影するいわゆる胃角の正面像のいずれを撮影しても 良いことが明記された.同様に,最後に撮影する背臥位二重造影像は,胃上部大彎を狙っ た第1斜位,あるいは胃上部後壁を狙った正面位のいずれを撮影しても良いとされてい る.表1.1にそれぞれの撮影法と撮影体位を示す.

造影剤については180 − 220W/V %の高濃度低粘性粉末バリウム120 − 150mlを用い ることとあるが,これは旧ガイドラインに呈示されていた数値(1.2)が集約された結果 かもしれない.見方によっては,濃度180W/V %,量120mlも基準内と解釈しうるが, 新ガイドラインの高濃度低粘性造影剤の項には高濃度造影剤製品を200W/V %以上で使 用することを原則とし,胃粘膜全域を360°回転変換で洗浄するには150ml前後の量を使 用することが明記されている.したがって,同濃度と量,すなわち200W/V %150ml を一定の指針と捉えることができよう.勿論,製品毎に最適な濃度があるので,薬剤添付 文書等を参考に仕様を決める必要がある.

(10)

1.1 p新・胃X線撮影法の基準yの撮影法・撮影部位

対策型検診撮影法(従来の間接撮影法) 任意型検診撮影法(従来の直接撮影法)

食道部 1 立位二重造影第1斜位(上部)

2 立位二重造影第1斜位(下部)

1 背臥位二重造影:正面位または正面像 1 背臥位二重造影:正面位または正面像 2 背臥位二重造影:第1斜位 2 背臥位二重造影:第1斜位

3 背臥位二重造影:第2斜位 3 背臥位二重造影:第2斜位 4 腹臥位二重造影:正面位 頭低位 4 腹臥位二重造影:正面位 頭低位

5 腹臥位二重造影:第2斜位 頭低位 5 腹臥位二重造影:第1斜位 6 腹臥位二重造影:第1斜位

胃部 6 右側臥位二重造影: 7 右側臥位二重造影: 8 半臥位二重造影:第2斜位

7 背臥位二重造影:第2斜位(振り分け) 9 背臥位二重造影:第2斜位(振り分け) 8 立位二重造影:第1斜位または正面位 10 立位二重造影:第1斜位または正面位

11 立位圧迫:(体部) 12 立位圧迫:(角部) 13 立位圧迫:(前庭部) 14 立位圧迫:(幽門部)

1.2 日本消化器がん検診学会 旧ガイドラインにおけるバリウム濃度と量について

1.1.1 対策型検診撮影法 ( 従来の間接撮影法 )

基本的な考え方は,旧ガイドラインのA.間接撮影法1.新・撮影法と同じである.胃 部二重造影法による8体位を撮影する.これまでと同じく,撮影前の右回り360°回転を 3回行うことが重要な手技として位置づけられ,撮影ごとの左右への交互変換や回転変換 が必要であるとし,頭低位で撮影する腹臥位二重造影正面位では圧迫用フトンの使用を原 則としている.逆に,旧ガイドラインでは腹臥位二重造影第1斜位(胃上部)の次に,腹

(11)

1章 胃がんX線検診における撮影法 10 臥位二重造影正面位(頭低位)を撮影する方法が図示されていたが,新ガイドラインでは

腹臥位二重造影正面位(頭低位)の次に,腹臥位二重造影第1斜位(胃上部)を撮影する方 法(1.1)に変更されている.胃部後壁,前壁,上部の順に撮影するという原則に立ち 戻った変更点とみなすことができ,覚えやすい.

1.1.2 任意型検診撮影法 ( 従来の直接撮影法 )

食道部,胃部の二重造影法と圧迫法で組み立てられた撮影法である.対策型検診と任意 型検診間に整合性のある撮影法を構築することが,ガイドライン改訂の目的とされてお り,新・胃X線撮影法(間接撮影法)が任意型検診撮影法の構築基盤になったと思われる る.したがって,対策型検診撮影法の胃部撮影体位はすべて任意型検診撮影法の撮影体位 に含まれている.撮影手技は基本的に同じと考えて良い.腹臥位二重造影正面位(頭低位) と腹臥位二重造影第1斜位の両方,ならびに半臥位二重造影第2斜位を撮影する点が対策 型検診撮影法との違いであり,10体位の胃部二重造影像を撮影する.

■ 基準撮影法 これに対してNPO日本消化器がん検診精度管理評価機構は,2007年当時の各施 設の撮影手技を初期の検討材料とし,任意型検診における撮影法の基準づくりが始まっている.経 緯が異なることから,(学会)任意型検診撮影法と(NPO)基準撮影法2には若干の違いがある(表 1.2).新・胃X線撮影法の基準は,撮影法の標準化を企意しているために撮影体位や撮影順序に選 択の余地がある.一方,基準撮影法2は,放射線写真学的ないしはX線画像精度管理の基準を志向 した撮影法であるために,撮影体位や順序が厳密に定められている.

1.2 NPO 日本消化器がん検診精度管理評価機構 p 基準撮影

y の概要

対策型検診では胃部8体位の二重造影,任意型検診では胃部12-16体位(曝射)の二重 造影に食道撮影と胃部圧迫撮影を組み合わせる撮影法が一般的に実施されている.このう ち,任意型検診における問題点は,検査時間や撮影枚数の制約が少ないことから,施設や 撮影者個人の裁量が反映されやすく,撮影法に差異が認められ,結果的にX線画質のばら つきが見られやすいことにあった.同じような指摘は以前からなされており,撮影法を基 準化する必要性が各方面から唱えられていた.

基準撮影法は,胃がん検診の精度指標のうち,画質の安定と更なる向上を目的に規定し たもので,必要かつ最小限の体位()で組み立てられた簡明な撮影法である.基準撮影 法のコンセプトを図1.1に示す.本法では,造影剤と発泡剤の種類や量とともに体位と手 順が基準化されている.検査薬剤には,200-230W/V %150ml前後の高濃度・低粘稠性 粉末造影剤および5.0gの発泡剤を用いる.上部消化管の造影検査法には様々な方法があ るが,胃部二重造影法および胃部圧迫撮影法,および食道二重造影法を主たる撮影法と

(12)

1.2 新・胃X線撮影法の基準 胃部二重造影撮影体位

新・胃X線撮影法の基準 撮影順序

1.* a c d e g h j k

2. a c d e g h j l

3. a c d f g h j k

対策型検診撮影法 4. a c d f g h j l (従来の間接撮影法) 5. b c d e g h j k

6. b c d e g h j l

7. b c d f g h j k

8. b c d f g h j l

1.** a c d e f g h i j k

2. a c d e f g h i j l

3. a c d f e g h i j k

任意型検診撮影法 4. a c d f e g h i j l (従来の直接撮影法) 5. b c d e f g h i j k

6. b c d e f g h i j l

7. b c d f e g h i j k

8. b c d f e g h i j l

撮影体位

a 背臥位二重造影正面位 b 背臥位二重造影正面像 c 背臥位二重造影第1斜位 d 背臥位二重造影第2斜位 e 腹臥位二重造影正面位(頭低位) f 腹臥位二重造影第2斜位(頭低位) g 腹臥位二重造影第1斜位(半臥位) h 右側臥位二重造影 i 半臥位二重造影第2斜位 j 背臥位二重造影第2斜位(振り分け) k 立位二重造影第1斜位 l 立位二重造影正面位

*基準撮影法1 **基準撮影法2

し,撮影体位は被写体自身がとる曝射時の体位で表現し表記することにした被写体を尾側 方向から眺めたシェーマを図1.3に示す.

なお,軽い斜位とは0°-30°程度,強い斜位とは60°-90°程度の角度とみなすことにし た.一方,これまで透視台の傾斜角度については,立位,半立位,半臥位,(背・腹)臥 位の用語で表現されることが一般的であったが,傾斜角度が取り決められていないことか ら,その度合いが施設や撮影者間で異なることが想定される.そこで,傾斜角度の表記法 は馬場ら8)にならい,立位から水平位までの間(90度)を3等分し,水平位(臥位)か ら30度未満の角度を半臥位,30度以上60度未満を半立位とし,基準撮影法のマニュア ル作成作業部会では新たに60度以上90度以下を立位と定義した.

本法は,従来の撮影方式による間接撮影法,直接撮影法の表現用語を用いず,前者を基

(13)

1章 胃がんX線検診における撮影法 12

1.3 体位角度の表現と表記

準撮影法1,後者を基準撮影法2の用語で表現するようにした.近年のデジタル化による 直接・間接撮影機器のボーダレス化に備え,算用数字で区別し呼称したのものである.基 準撮影法1は,対策型検診を目的に地域や職域検診で行われる従来の間接X線撮影,基 準撮影法2は,任意型検診を目的に人間ドックや個別検診で行われる従来の直接X線撮 影が主な対象となる.表1.3にその概要を示す.表1.4にはそれぞれの撮影法における撮 影体位と撮影部位を示した.なお,個々の撮影体位や撮影像は,(1)体位-(2)撮影法-(3) 体位角度の順に表記し,標的部位や透視台角度はカッコ内に注記することとした.

1.3 基準撮影法と検診種

食道撮影 胃部撮影 総曝射数 検診種

二重造影像 立位圧迫法

基準撮影法1 なし 8 なし 8 対策型検診

基準撮影法2 2 10 4 16 任意型検診

“ 胃がんX線検診基準撮影法” とは,NPO日本消化器がん検診精度管理評価機構が胃 がんX線検診の精度管理の基盤として,また技術指導体制を確立する目的から,撮影手順 や撮影体位だけでなく,撮影順序をも明確に取り決めたものである.したがって,これら が全て厳守されたものを基準撮影法とし,これら以外の撮影順序や撮影体位での検査法は 基準撮影法と区別される.ただし,高濃度低粘稠性粉末造影剤を用い,胃部は二重造影法 を主体としておよそ胃部後壁,前壁,上部の順に撮影されたものは便宜上,“ 基準撮影法 に準拠した撮影法” として取り扱う.その際の解釈に混乱が生じないよう,表1.5のよう に用語が定義されている.これらの用語は,他の撮影体位を基準撮影法に組み入れること を制限するために取り決められたものではない.各地域・各施設の撮影法の特徴や利点ま たは欠点を,同一基盤のもとに比較し分析することで胃がんX線検診の精度向上に寄与 する目的で定義された用語である.

用語の例として,基準撮影体位,任意撮影体位での撮影と透視下観察で所見に気づき追 加撮影された胃角部前壁の分化型胃癌を提示する(1.4)

なお,本基準撮影法は,受診者の身体的安全の保全を目的に鎮痙剤(ブスコパンなどの

(14)

1.4 基準撮影法の撮影法・部位

  基準撮影法1   基準撮影法2

食道部 立位二重造影第1斜位(食道上部)

立位二重造影第1斜位(食道下部) 1 背臥位二重造影正面位 1 背臥位二重造影正面位

2 背臥位二重造影第1斜位 2 背臥位二重造影第1斜位 3 背臥位二重造影第2斜位 3 背臥位二重造影第2斜位 4 腹臥位二重造影正面位 4 腹臥位二重造影正面位

(下部前壁 頭低位) (下部前壁 頭低位) 5 腹臥位二重造影第2斜位

胃部 (下部前壁 頭低位)

5 腹臥位二重造影第1斜位(上部前壁) 6 腹臥位二重造影第1斜位(上部前壁) 6 右側臥位二重造影(上部) 7 右側臥位二重造影(上部)

8 半臥位二重造影第2斜位(上部) 7 背臥位二重造影第2斜位(ふりわけ) 9 背臥位二重造影第2斜位(ふりわけ) 8 立位二重造影第1斜位 10 立位二重造影第1斜位

11 立位圧迫 (体部) 12 立位圧迫 (角部) 13 立位圧迫 (前庭部) 14 立位圧迫 (幽門部)

抗コリン剤やグルカゴン)を使用しないこととし構築されている.勿論,検診スタッフや 医療設備が整備されており,検査前の診察や問診票などにより個別の対応が可能な施設に おいてはこの限りではなく,“ 基準撮影法に準拠した撮影法” の範疇である.

1.5 撮影法・撮影体位・撮影像に関する用語

基準撮影法 X線検診の精度向上を目的に,造影剤や発泡剤の種類・量をはじめ, 撮影手順と撮影体位を基準化した撮影法

基準撮影体位() 基準撮影法において規定された撮影体位()

任意撮影法 医療機関ないし撮影者が,個々の考え方に基づいて採用している撮影法 任意撮影体位() 基準撮影法において規定されていない撮影体位()

追加撮影法 基準撮影体位(),任意撮影体位()とは別に,病変粘膜や健常粘膜の X線所見をより明確に表す目的で行われる撮影法.

追加撮影像 追加撮影法により撮影された像

(15)

1章 胃がんX線検診における撮影法 14

症例提供:東京都予防医学協会

a 基準撮影像 腹臥位二重造影第2斜位のX線像 (下部前壁 頭低位) b 任意撮影像 腹臥位二重造影第1斜位のX線像 (下部前壁 頭低位) c 追加撮影像 腹臥位二重造影正面位のX線像 (二重造影第I) d 追加撮影像 腹臥位二重造影正面位のX線像 (二重造影第II)

基準撮影像では,前庭部よりの胃角前壁に不整形陰影斑が描出されている.任意撮影像ならびに 追加撮影像では,辺縁隆起を伴う不整形陰影斑と微細顆粒像が認められ,早期胃癌(分化型IIc)と X線診断された.内視鏡的切除が行われ,最終病理診断は,0 IIcpMtub1-tub225Ö20mm, ly0v0N0であった.

1.4 任意型検診で発見された胃癌

(16)

1.2.1 基準撮影法の検査手順

受診者入退室時の会話や体位変換を指示する際は,過度の精神的緊張をあたえ胃蠕動が 促進されないように,聞き取りやすく,分かりやすい言葉と早さで話すよう心がける.

発泡剤は,全量を20ml以下の水またはバリウムで服用し,ゲップを我慢するよう伝え る.次に,食道が椎骨と重ならない程度の第1斜位で,バリウムを全量飲用させ,食道お よび噴門部を透視下に観察する.撮影の際には,食道が二重造影となり,胃入口部が開口 期となるタイミングを狙う.慌ててバリウムを服用し誤嚥しないよう留意する.透視下観 察や撮影の後には,バリウムが十二指腸に流出しないように第1斜位または左側臥位で透 視台を倒す.

胃部撮影前には背臥位から右方向への360度回転(図1.5左図)を3回行い,背臥位正 面位で二重造影像を撮影する.水平位で素早く回転すると造影効果が向上する.バリウム の十二指腸流出防止を意図しすぎて,常に頭高位で回転すると,胃上中部の造影効果が下 がり,結果的に画質が低下する.さらに撮影体位毎に交互変換あるいは回転変換を行い, 標的部位にバリウムを付着させる.体位変換から撮影までを手際よく,素早く行うことで 造影効果の高いX線像が得られる.また,曝射の際には確実な息止めを指示し,呼吸ブレ のない像を撮影する.

1.5 基準撮影法の検査手順と手技

腹臥位での前壁撮影では,腹壁を圧迫するフトン(以下,圧迫用フトン)の使用を原則 とする.後壁撮影の後,右回りで腹臥位とし,透視台を45°程度におこして心窩部を目安 にフトンを敷く(図1.5右図).この際には,左頬と両肩を透視台につけ,腹部の力を抜く ように伝えると腹壁の緊張がほぐれ,圧迫の効果が高くなる.肩当てを下ろし,手摺りを しっかりとつかむよう伝え,安全を確認しながら頭低位とし速やかに撮影する.落下事故 を防止する為に,逆傾斜角度は30度前後とし,最大でも45度までに留めたい.胃上部の

(17)

1章 胃がんX線検診における撮影法 16 撮影では,基準体位ごとに体位変換を行う.良好なバリウムの付着を得るためには,透視

台を立てすぎないことと,体位変換から撮影までを手早く行うことが肝要である.圧迫撮 影では,ゲップを出し腹壁の力を抜くように伝え,無理な圧迫を行わないようにする.検 査終了後には,めまいやふらつきがないことを確認し,緩下剤内服のしかたなどの諸注意 を伝える.検査全般を通じて,溜まり像,はじき像,粘膜ひだの走行を透視観察する.的 確な観察には,X線診断学の習得が必要となる.異常所見を発見した時は,追加撮影を行 い所見の性状を明らかにする.特に腹臥位前壁撮影や胃上部撮影では,体位変換中に造影 剤の流れが観察しやすい.

1.2.2 基準撮影法 1

1.6 基準撮影法1

胃部二重造影8体位8曝射で構成されており,主に車検診や施設内で行われる職域検 診・住民検診などの対策型検診を対象とした撮影法(1.6)である.1時間15人程度(1 受診者あたり約4分)を時間的な目安とする.なお,基準撮影法1で規定されている撮影 体位は基準撮影法2にもすべて含まれている.

本撮影法は新・胃X線撮影法(間接・直接)ガイドライン5)A.間接撮影法1.新・撮影 法,すなわち東京都予防医学協会で長年にわたり検討と改良が行われた撮影法9)と基本

(18)

的に同じものである.発泡剤で胃が膨らみ蠕動が抑制された数分間のうちに,手際よく主 要な撮影を終わらせることがコツとされる.次表に撮影体位と標的部位,および手技の例 と要点を示す.

基準撮影法1の撮影体位と標的部位 ならびに手技の例と要点

基準撮影体位 標的部位 手技の例と要点 1 背臥位二重造影

正面位

体部から幽門部 の後壁

 水平位で背臥位から右側臥位方向へ3 回転の体位変換を行い,被写体の正面位 で撮影する.広い領域を描出するには, 透視台をやや頭低位にして撮影すると 良い.

 幽門前庭部にバリウムが多量に残らな いように注意する.バリウムの溜まりと はじき,粘膜ひだの走行などを透視下に 観察する.

2 背臥位二重造影1斜位

体部(大彎寄り)か ら幽門部(小彎寄り) の後壁

 水平位で,背臥位から右側臥位方向へ 1回転弱の体位変換を行い,前庭部と十 二指腸が重ならない角度(およそ30°)を 目安に撮影する.幽門部に,バリウムが 残らないように注意する.

3 背臥位二重造影2斜位

体部(小彎寄り)か ら幽門部(大彎寄り) の後壁

 水平位で右側臥位方向へ1回転の体位 変換を行い,頭低位第2斜位(およそ 30°)にして速やかに撮影する. 次頁につづく

(19)

1章 胃がんX線検診における撮影法 18

基準撮影体位 標的部位 手技の例と要点 4 腹臥位二重造影

正面位

(下部前壁 頭低位)

体中部から 幽門部前壁

 背臥位から右側臥位方向へ半回転し, 腹臥位とする.透視台を45°程度に起こ し,圧迫用フトンを心窩部から左季肋部 に敷く.

 落下事故防止のために,受診者の顔を 右に向かせ,肩当てをおろし,「左頬と両 肩を透視台から離さず,手摺りをしっか りと握る」よう指示する.透視台を逆傾 斜させ,速やかに撮影する.逆傾斜の際 には,安易に第2斜位にせず,バリウム が流れ去るところを透視観察して撮影す る.

5 腹臥位二重造影1斜位 (上部前壁)

噴門部小彎から 胃上部前壁

 水平位で腹臥位から左側臥位方向へ1 回転した後に,

腹臥位第1斜位とし,透視台を30°程度 (半臥位)起こして

撮影する.胃入口部が内側に入り後壁側 が表れる程度の軽い第1斜位(およそ 20°)を目安にする.透視台を起こしすぎ て撮影すると造影不良となりやすい. 6 右側臥位二重造影

(胃上部)

噴門部小彎を中心と する前後壁

 水平位で腹臥位から左側臥位方向(右 回転)で背臥位とし,すぐに右側臥位に して撮影する.胃入口部近傍のバリウム の流れを観察し,小彎を中心として前後 壁がほぼ均等に見える位置で撮影する. 撮影時間が長くなりやすいので確実な息 止めを指示する.

7 背臥位二重造影2斜位 (ふりわけ)

体上部を中心と する小彎寄り後壁

 水平位で右側臥位から背臥位に戻し, さらに第2斜位にして撮影する.バリウ ムが,噴門直下の小彎側から後壁側に流 れるように体位と透視台の角度を調節す るとよい.ただし,透視台を起こしすぎ ないよう留意する.

次頁につづく

(20)

基準撮影体位 標的部位 手技の例と要点 8 立位二重造影

1斜位

胃上部大彎を中心と する前後壁

 水平位で背臥位に戻し,左側臥位にし て透視台をたて,十二指腸球部が胃体部 と重ならない角度の第1斜位(およそ 45°)を目安に撮影する.

 透視台を起こし第1斜位にする際に は,透視下に大彎後壁よりのバリウムの 流れを観察する.

(21)

1章 胃がんX線検診における撮影法 20

1.2.3 基準撮影法 2

1.7 基準撮影法2

食道部1体位2曝射,胃部二重造影10体位10曝射,胃部圧迫撮影4部位4曝射の計 16曝射で構成されている(1.7).主に施設内で行われる個人や企業の健康管理として行 われる人間ドックや個別検診の受診者が対象となる.1時間に5から6人程度(1受診者 あたり約10分)の撮影が目安となろう.次表に撮影体位と標的部位,および手技の例と 要点を示す.

(22)

基準撮影法2の撮影体位と標的部位 ならびに手技の例と要点

基準撮影体位 標的部位 手技の例と要点 立位二重造影

1斜位

食道上部 食道下部 胃噴門部

食道が椎骨と重ならない程度の第1斜位 で,バリウム全量を飲用させながら食道 および噴門部の透視観察を行う.食道が 適度に伸展し,胃入口部が開口期となる タイミングをねらい撮影する.撮影の 後,バリウムが十二指腸へ過度に流出し ないように第1斜位または左側臥位で透 視台を倒す.

1 背臥位二重造影 正面位

体部から幽門部の後 壁

 水平位で背臥位から右側臥位方向へ3 回転の体位変換を行い,被写体の正面位 で撮影する.広い領域を描出するには, 透視台をやや頭低位にして撮影すると良 い. 幽門前庭部にバリウムが多量に残 らないように注意する.バリウムの溜ま りとはじき,粘膜ひだの走行などを透視 観察する.

2 背臥位二重造影1斜位

体部(大彎寄り)か ら幽門部(小彎寄 り)の後壁

 水平位で,背臥位から右側臥位方向へ 1回転の体位変換ないしは右左交互変換 を行い,前庭部と十二指腸が重ならない 角度(およそ30°から40°)を目安として 撮影する.幽門前庭部に余分なバリウム が残らないように調節し,腹式呼吸に よって伸展した状態を撮影する. 3 背臥位二重造影

2斜位

体部(小彎寄り)か ら幽門部(大彎寄り) の後壁

 水平位で背臥位から右側臥位方向へ1 回転の体位変換ないしは右左交互変換を 行い,頭低位第2斜位(30°から40°)に して撮影する.頭低位にする際は,落下 事故に注意する.

次頁につづく

(23)

1章 胃がんX線検診における撮影法 22

基準撮影体位 標的部位 手技の例と要点 4 腹臥位二重造影

正面位 (下部前壁頭低位)

体中部から 幽門部前壁

 背臥位から右側臥位方向へ半回転し, 腹臥位とする.透視台を45°程度起こし 圧迫用フトンを心窩部に敷く.落下事故 防止のために受診者の顔を右に向かせ, 肩当てをおろし,「左頬と両肩を透視台か ら離さず,手摺りをしっかりと握る」よ う指示する.透視台を逆傾斜させ,速や かに撮影する.逆傾斜の初期に,僅かな 第2斜位(右腰を上げる)にすると幽門前 庭部にバリウムが残りにくい.

5 腹臥位二重造影2斜位 (下部前壁頭低位)

体中部(大彎寄り) から幽門部(小彎 寄り)の前壁

 水平位に戻し,第2斜位(20°から30°) とし,再度逆傾斜して撮影する.斜位が 強すぎると,圧迫用フトンが腹壁から外 れ,あるいは胃下部の偏位やねじれが生 じるために効果がなくなる.

6 腹臥位二重造影1斜位(上部前壁)

噴門部小彎から 胃上部前壁

 水平位で腹臥位から左側臥位方向へ1 回転後に腹臥位第1斜位とし,30°まで の半臥位で撮影する.胃入口部が内側に 入り後壁側が表れる程度の軽い第1斜位 (20°から30°)を目安とする.

7 右側臥位二重造影

(胃上部)

噴門部小彎を中心と する前後壁

 水平位で腹臥位から左側臥位方向(右 回転)で背臥位とし,すぐに右側臥位(右 真横90°)にして撮影する.透視観察で は,胃入口部が胃上部の中央に位置する 体位,ないしは体部後壁の辺縁線と十二 指腸球部が接する位置を目安とする.軽 く息を吐かせると伸展のよい像が撮影で きる.

次頁につづく

(24)

基準撮影体位 標的部位 手技の例と要点 8 半臥位二重造影

2斜位 (胃上部)

噴門部から体上部の 後壁

 撮影前に背臥位から左側臥位,左側臥 位から右回りで右側臥位の体位変換を行 う(左右交互変換).次に透視台を30°ま での半臥位とし,ゆっくりと第2斜位に 戻して撮影する.透視台の角度と体位変 換のスピードによりバリウムの流れる部 位が変化する.

9 背臥位二重造影2斜位 (ふりわけ)

体上部を中心と する後壁(小彎寄り)

 水平位で,背臥位から左側臥位,左側 臥位から背臥位,背臥位から右側臥位の 体位変換を行う(左右交互変換).最後に 背臥位から第2斜位(およそ20°)にして 撮影する.

10 立位二重造影1斜位 (胃上部)

胃上部大彎を中心と する前後壁

 水平位で背臥位に戻し,左側臥位にす る.透視台をたて,十二指腸球部が胃体 部と重ならない角度の第1斜位(およそ 45°)で撮影する.透視台を立て,大彎後 壁よりを流れるバリウムを透視下に観察 する.

立位圧迫 体部

角部 前庭部 幽門部

 ゲップを出し体の力を抜くよう伝え, 椎骨と胃を挟むように圧迫する.痛みを 伴うような無理な圧迫をしない.胃部二 重造影で盲点となりやすい部位を圧迫撮 影するのもよい.

(25)

1章 胃がんX線検診における撮影法 24

1.2.4 任意撮影と追加撮影

基準撮影法は,画像精度の向上を図る上で,最低限必要な技術レベルと考えられた手技 を中心に組み立てられた.したがって,基準撮影体位に含まれない体位や高度な技術を要 する撮影法は任意撮影法として取り扱うことになる.例えば,高年齢層に対して,身体的 負担を軽減した検査を組み立てる場合や,逆傾斜角度・管球受像器角度の調節が可能な撮 影装置の特徴から,積極的に基準撮影体位以外の体位を採用した場合も含まれる.また, 癌発見成績の分析から,次年度には特定部位を標的とした撮影体位を計画する場合なども 同様である.実際には,体部大彎側を標的部位とする背臥位の強い第1斜位,体部から胃 角部前壁と椎体との重なりを避けた頭低位腹臥位第1斜位,胃上部後壁を標的部位とする 立位正面位で撮影される二重造影があげられよう.立位充盈像や腹臥位充盈像もこれに相 当する.図1.8に任意撮影の例を示す.基準撮影体位に任意撮影体位を追加する場合や, 基準撮影体位を変更した任意撮影法で検診を行う場合には,実際に自施設で行った基準撮 影法と同等ないしはそれ以上の画像精度が維持されていることを客観的に評価し検討する 必要がある.

一方,透視観察下に所見に気づき,病変の肉眼所見をより明確に描出する撮影を追加撮 影とし,その像を追加撮影像と呼称することにした.基準撮影体位と同一体位の撮影でも 撮影時期を変えたものや,空気量が変化した時期の撮影,病変にバリウムを溜めたり流し たりして撮影されるものが含まれよう.図1.9に追加撮影の例を示す.

1.2.5 腹臥位二重造影 ( 下部前壁 頭低位 ) の撮影法

腹臥位での頭低位撮影においては原則的に圧迫用フトンを使用する.フトンで腹壁側を 圧迫することで,船底状の前壁を平らにし,鈎状胃に近い形に整形することができるから である.そうすることで,胃中下部前壁の粘膜面が広く描出される.図1.10にフトンの有 無によるX線像の違いを示す,体位変換(逆傾斜)中は,胃前壁を広く流れ去るバリウム の透視観察ができ,所見の拾いあげにも有効である.

ただし,その大きさや硬さは基準化されていない.被写体の体格や胃の形に応じてその 大きさや硬さを調節した方が良いとする考え方が主流である.しかし,頭低位撮影自体を 行っていない施設や,圧迫用フトンを用いずに撮影している施設も多い.画質格差を解消 するために,圧迫用フトンの規格化を図るとともに本撮影体位の普及をこれからの課題に したいと考えている.

(26)

1.8 任意撮影体位とそのX線像

(27)

1章 胃がんX線検診における撮影法 26

1.9 追加撮影像

(28)

a 圧迫用フトンを使用せず,腹臥位かつ水平位で撮影したX線像 (バリウム230W/V% 150ml, 泡剤5.0g)

b 半立位とし圧迫用フトンを挿入した後に,腹臥位かつ半臥位で撮影したX線像

c 圧迫用フトンを使用せず(aの撮影後),頭低位にして撮影した腹臥位二重造影正面位のX線像 d 圧迫用フトンを挿入し(bの撮影後),頭低位にして撮影した腹臥位二重造影正面位のX線像

aから図eまでともに同一被写体.趣旨を説明し同意を得たボランティア.図bおよび図d中 の四角は圧迫用フトンの挿入位置を示す.フトンにはX線を容易に透過し,写真上に描出されない 素材を用いる.

1.10 圧迫用フトンの有無による腹臥位二重造影正面像の違い

(29)

28

2

造影剤

2.1 陽性造影剤

造影剤とは検査する臓器と周囲組織のあいだにX線透過率の差をつくる物質である. 胃の形態,位置および動きが描出されることで診断が可能となる.ある物質の造影効果は 大体において原子番号の4乗に比例して増加し,X線波長とも関連がある13)

X線吸収率の違いはフィルム上に濃淡の差として表れる.X線吸収率が周囲組織より も大きく,造影剤の含まれる部分が白い陰影として表されるものを陽性造影剤といい,バ リウム製剤やヨード有機化合物がこれに当たる.

2.1.1 硫酸バリウム

管 腔 臓 器 で あ る 消 化 管 で は 造 影 剤 の 使 用 が 容 易 で あ っ た こ と も あ り ,X 線 発 見 の 翌 1896年頃から主に次硝酸ビスマスを陽性造影剤として用いたとする報告がなされている.

1904年には,Rieder11, 12)が次硝酸ビスマスによる胃の充満法を報告しているものの,

他の報告では大量に投与すると亜硝酸中毒などの有毒性が認められていたために少量で用 いられることが多く,胃全体の評価は困難であったとされる.硫酸バリウムについては同 じ頃,Cannon13, 14)により報告され,Bachem15)が報告した1910年頃から,他の物 質に比べてX線吸収率が高く,水に不溶性で化学的に安定で,かつ安価である硫酸バリ ウムが消化管造影剤の主流となった.本邦の医療用造影剤としての年間推計使用者数は約 1,750万人とされる.

バリウムは原子番号56,原子量137.36である.硫酸バリウムの原子量は233.4で,組 成式BaSOで表される.2価の陽イオンであるバリウムイオンと2価の陰イオンである 硫酸イオンからなるイオン結晶性の化合物である.異符号のイオン同士が隣り合いクーロ ン力によって結びつけられ固定されている.

においや味はなく白色粉末または無色の板状あるいは柱状晶であり,空気や熱に対し

(30)

て安定性がある.水には極めて難溶であり,溶解度は18℃で0.22mg/100ml100℃で

0.4mg/100mlである.なお,酸やアルカリにもほとんど溶けないが,塩酸と煮沸すると

一部溶解する.強い結合なのでイオン結晶は融点が高く,硬い性質を持つ場合が多いが, 逆に脆くて壊れやすい性質も持つ.硫酸バリウムは,腸内通過が比較的早く,全分子がそ のまま排泄され,しかも安価であることから消化管用の造影剤として適している.なお, 粘膜に付着しても無刺激性で,胃液分泌を促進しないとされている.

天然には重晶石Bariteと呼ばれる鉱物として大鉱床を形成して存在し,各種のバリウ ム製品の原料として使用されている.

2.1.1.1 硫酸バリウムの粒子

懸濁液は硫酸バリウムが水に溶けた状態ではなく,水に分散した状態であることから硫 酸バリウム粒子の大きさや形が懸濁液の物性に影響を与える.ただし,硫酸バリウムの 粒子径は均一ではなく,種々のものが混在して存在していることから,均一ないしは不 均一性の指標である粒度分布も硫酸バリウムの特性に関与する.硫酸バリウムの比重は

4.47-4.50とされているが,臨床的には,懸濁液100ml中の硫酸バリウムの重量で表され

(w/v%)

2.1.1.2 懸濁液の粘度

粘度とは,流体のねばりの度合いである.流動している液体中で隣接した液体の部分が 異なる速度で流れている場合,速度を一定にしようとする応力が働き内部的な摩擦が起こ る.この内部摩擦力に起因する流体の流れに対する抵抗性を粘性という.細い管を液体ま たは気体が通るとき,管の中央部で最も早く,管壁に近い部分では遅い.流れの方向に1 枚の板があるとすれば,板の面に図2.1のような力F が働くことになり,この力は速度勾 配 dv

dz(zは管壁から中央部にかけての距離)に比例し以下の式で表される.この速度勾配 は,剪断速度またはずり速度ともいわれる.流動を起こすための力Fの単位面積Sあた りの力F

S をずり力という.なお,このときの係数ηを粘度と呼び流体の性質に関係して いる.

F S = η

dv dz

F S = η

dv dz

2.1.2 水溶性造影剤

水溶性造影剤にはヨード化合物が用いられる.Diatrizoateはガストログラフィンとし て消化管の造影に用いられている.本剤は,尿路系,血管系の造影に用いられているウログ

(31)

2章 造影剤 30

2.1 毛管内の流体

ラフィンと同一成分であり,化学的には,N,N’-diacetyl-3,5-diamino-2,4,6-triiodobenzoic acidのナトリウム塩とmetylglucamine塩で,主成分76%を含有する水溶液であるが, これに若干の芳香味料と界面活性剤を添加してある.本剤は消化管からの吸収がきわめて 少ないことから,全身への作用は少ない.透明な水溶液で物理的沈殿はなく,胃液のpH にも左右されず,拡散性がよく,腹腔内に入っても静脈系に吸収されるため,腹膜の癒 着などの障害は残さない.また,循環器系へ入っても,耐容性は高い.本剤は,胃に限ら ず,小腸や大腸などすべての消化管造影に適しているが,とくに硫酸バリウムを用いた造 影検査が禁忌の際に用いられる.例えば,1)穿孔や縫合不全がある場合やその疑いがあ る場合,2)急性出血の場合,3)外科的手術を必要とする急性腹症の場合,4)消化管瘻孔 を造影する場合,5)内視鏡検査前に造影したい場合などに用いると良い.また,消化管内 での通過時間が早く下痢を起こす性質から,消化管内の寄生虫駆除に用いられることもあ る.ただし,硫酸バリウムと比べてX線吸収率が低いことから写真コントラストが低い. また,高価である.

2.2 陰性造影剤 ( 空気と炭酸ガス )

X線吸収率が周囲組織よりも小さく,黒い陰影として表されるものを陰性造影剤とい い,陽性造影剤と同じく周囲組織とのX線吸収の差を利用して診断に用いられるもので ある.二酸化炭素や空気はこれに含まれる.腹部疾患を診断する腹部単純撮影像は,自然 の状態での空気やガスを陰性造影剤として利用する検査法である.陰性造影剤には,原子 番号の低い気体が用いられるが,空気,酸素,炭酸ガス,亜酸化窒素,ヘリウム,キセノ ンなどが属する.なお,二重造影法では陽性造影剤である硫酸バリウムと陰性造影剤であ る空気,ないしは炭酸ガスが用いられる.近年の胃X線検査で一般的に用いられている 発泡剤は,炭酸水素ナトリウム(重曹)と酒石酸の化学反応を利用して炭酸ガスを発生さ せる.重曹や酒石酸は水に溶けやすいため,少量の水で化学反応を起こすことが出来る. 炭酸水素ナトリウム(重曹)と酒石酸が反応して酒石酸ナトリウムと炭酸ガスと水が発

(32)

生する.化学反応式を以下に示す.

2N aHCO3+ C4H6O6N a2C4H4O6+ 2CO2+ 2H2O (2.1)

2.2.1 発泡顆粒による炭酸ガス

陽性造影剤である硫酸バリウム懸濁液投与開始直前あるいは投与開始後に少量の水,ま たは造影剤と共に経口的に投与する.現在一般的に用いられている発泡顆粒1gには,炭 酸水素ナトリウムと酒石酸が一定の割合で含有されている.また,炭酸水素ナトリウムは 胃内pHを瞬時に5.0から7.0程度まで上昇させ,塩酸との反応により炭酸ガスを発生し 二次的に胃液分泌を亢進させる事が知られている.炭酸ガスの発生量は理論上,表2.1と 炭酸水素ナトリウムと酒石酸との化学反応式から算出することができる.

2.1 炭酸水素ナトリウムと酒石酸の化学式量

成分 組成式 式量

炭酸水素ナトリウム NaHCO3 84.007g/mol 酒石酸 C4H6O6 150.09g/mol

■ 発泡顆粒1g中に炭酸水素ナトリウム460mgと酒石酸420mgを含有する製剤Aの場合 表2.1より,発泡剤1gには炭酸水素ナトリウム5.48mmolと酒石酸2.80mmolが含まれ る計算になる(0.46/84.007=0.0054750.42/150.09=0.002798)2.1式より,炭酸水素ナ トリウムと酒石酸が21の比率で反応する場合に最大量の炭酸ガスが発生すると予測で きる.しかし,本剤の混合比率は5.48mmol:2.80mmol(=1.961)であることから,ガ ス発生量は混合比率が低い炭酸水素ナトリウム配合量に規定される.すなわち,発泡剤 1gから炭酸水素ナトリウム5.48mmol(0.46g)に相当する炭酸ガスが発生する.標準状態 (0℃,1気圧)での1molの気体は,22.4リットルの体積を占めるので発生する炭酸ガス 量は122.75ml(22400Ö5.48/1000)であり,本剤5.0gからは613.75mlの炭酸ガスが発生

し,0.6mmol(0.09g)の酒石酸が残余する.なお,気体の体積は環境の温度と圧力によっ

て変化するので,例えば温度25℃,1気圧の環境下では1mol24.8リットルの気体と なり,本剤1.0gからは135.9ml,本剤5.0gからは679.51mlが発生する計算となる.

■ 発泡顆粒1g中,炭酸水素ナトリウム539mgと酒石酸399mgを含有する製剤Bの場合 発泡剤中の炭酸水素ナトリウムと酒石酸の混合比率が異なる製剤もある.例えば,混合比 率が6.41mmol:2.66mmol(=2.411)の製剤,つまり発泡剤1g中に炭酸水素ナトリウム

539mgと酒石酸399mgを配合した発泡剤も市販されている.本剤のガス発生量は,前述

した理由から酒石酸の配合量に規定されると予測され,発泡剤1gにつき酒石酸2.66mmol2倍の分子量に相当する炭酸ガスが発生する.発泡剤1gからのガス発生量は,0℃・1

(33)

2章 造影剤 32

2.2 発泡顆粒の炭酸ガス発生量予測値(ml/1.0g) 反応 製剤A 製剤B 1)炭酸水素ナトリウムと酒石酸 135.9 132.0 2)残余炭酸水素ナトリウムと塩酸 - 27.0

1)+2) 135.9 160.0

25℃,1atm 条件下の予測値

気圧で119.2ml(22400Ö2.66Ö2/1000)25℃で132.0ml(24800Ö2.66Ö2/1000)となる. よって本剤を5g用いた場合には,596ml(0)ないしは660ml(25)の炭酸ガスが発生

し,5.45mmol(0.45g)の炭酸水素ナトリウムが残余する計算である.

た だ し ,以 下 の 式 に 示 す よ う に 炭 酸 水 素 ナ ト リ ウ ム は 塩 酸 と も 反 応 し 炭 酸 ガ ス を 発 生 す た め に ,上 記 の 残 余 分 が 生 体 内 で は 胃 液 (胃 酸) と 反 応 し ,122.08ml(0 ℃ , 22400Ö5.45/1000)ないしは135.16ml(25℃,24800Ö5.45/1000)の炭酸ガスが発生する ので,総発生量は718.08ml(0℃,596+122.08)ないしは795.16ml(25℃,660+135.16) になる.

N aHCO3+ HClN aCl + H2CO3N aCl + H2O + CO2 (2.2)

以上のことから,炭酸ガス発生量は,化学式上は炭酸水素ナトリウムの配合量と酒石酸 との配合比率によって規定されていることが分かる.ただし,胃液(胃酸)が存在する生 体内では最終的に,炭酸水素ナトリウムの配合量に規定されることになるので,製剤Bは 製剤Aと比べて炭酸ガスの総発生量が多く,胃酸の程度によって発泡速度に違いが出や すいと言えよう.理論上は,高酸であるほど早く,低酸であるほど遅いと考えられ,炭酸 水素ナトリウムと酒石酸ないしは炭酸水素ナトリウムと塩酸との反応速度の違いがガス発 生曲線を決定づける.逆に,生体内での炭酸ガスの総発生量が少なく,胃酸による発泡速 度の変化が無い,ないしは少ないことが製剤Aの特徴となる.製剤Aと製剤Bの化学反 応式から算出される炭酸ガス発生の予測値を表2.2に示す.

2.2.2 チューブによる胃内への空気注入

精密検査では,胃内にゴム製の6号チューブなどを挿入し,微温湯や薄いバリウム懸濁 液を用いて胃内粘液の洗浄・排出したあとに適量のバリウム懸濁液と空気を注入・調節し ながら撮影することがある.粘稠な胃内粘液の付着により造影効果が妨げられることが多 い胃上部病変や,バリウム懸濁液と胃内空気量の調節が有効な前壁病変の描出には有用な 方法である.ただし本法では,事前にキシロカインなどによる咽頭麻酔が必要となり,た とえ経鼻的に挿入した場合でもチューブの刺激による受診者への負担がある.場合によっ ては検査に手間取り,逆に造影効果を妨げることもある.そこで,馬場は受診者への負担

(34)

2.2 細径カテーテル法に用いる器具 上:8Frサクションカテーテル 下:ガラス製100ml用注射器

を軽減するとともに,近年の高濃度・低粘稠性粉末造影剤の造影安定性に着目し,かつ陰 性造影剤として空気を用いることの造影上の利点を活用した細径カテーテル法2.214)を 開発した.本法では,8Frのサクションカテーテルの先端を透視下ないしは盲目的に食道 まで挿入し,100mlのガラス製注射器を用いて他端から空気を注入する.本注射器を用い る場合,1回の空気注入量は発泡剤1.0gによる炭酸ガス発生量とほぼ同じ換算となる.咽 頭麻酔は行わないので,細径カテーテル抜去後には経口的に必要量のバリウム懸濁液を適 宜飲用することができる.

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3

撮影装置

(消化管)の検査に用いられるX線装置は,画像診断システムのうちの診断用X線装 置に区分され,さらにX線透視撮影装置と集団検診用X線装置に大別されている16)X 線透視撮影装置には,近接式X線透視撮影装置,遠隔式X線透視撮影装置,多方向X線 透視撮影装置がある.集団検診用X線装置のうち胃の検査に用いられるものは胃集検用 X線装置に分類される.これらには,透視撮影台をはじめ左右動,上下動,前後動など多 くの可動部分があり,その性能は,高圧発生器,X線管球,受像部,検出部,現像処理行 程によって決定される.

X線撮影において考えるべきことは,診断に役立つ情報をできるだけたくさん入手する ことと,同時に受診者の放射線被曝量を適度に抑えることである.受診者の信頼が求めら れる胃がんX線検診においては,システムや装置部品の名称や役割を知り,精度維持と改 善を図りながら安全性と画質の管理を行う必要がある.定期点検や日常点検も重要となろ う.そこで,本章では,撮影装置の構成,保守管理と日常点検およびX線の特性や画像と の関わりについて述べることにする.

3.1 装置の構成と名称

診断用X線装置の分類や構成は,医用X線装置通則JIS Z 4701−1997 やそのガイド

17)に記されている.ここでは胃X線検査に関連する装置とその名称を図3.1に示す.ま た,図3.2上にアナログ装置(フィルム方式),図3.2中と図3.2下にデジタル装置(I.I.DR 方式,FPD方式)の基本構成をしめす.

3.2 装置種類,組み合わせ,調整

X線透視撮影装置の透視撮影台形式には消化管専用装置と称されるUnder Table tube 方 式 と 汎用 性 を 目 的 と し たOver Table tube方式 の2つが あ る .デ ジ タ ル 装 置 で はC-

表 1.1 p 新・胃 X 線撮影法の基準 y の撮影法・撮影部位 対策型検診撮影法 ( 従来の間接撮影法 ) 任意型検診撮影法 ( 従来の直接撮影法 ) 食道部 1 立位二重造影第 1 斜位 ( 上部 ) 2 立位二重造影第 1 斜位 ( 下部 ) 1 背臥位二重造影:正面位または正面像 1 背臥位二重造影:正面位または正面像 2 背臥位二重造影:第 1 斜位 2 背臥位二重造影:第 1 斜位 3 背臥位二重造影:第 2 斜位 3 背臥位二重造影:第 2 斜位 4 腹臥位二重造影:正面位 頭低位 4 腹臥
表 1.2 新・胃 X 線撮影法の基準 胃部二重造影撮影体位 新・胃 X 線撮影法の基準 撮影順序 1.* a c d e g h j k 2. a c d e g h j l 3
表 1.4 基準撮影法の撮影法・部位   基準撮影法 1   基準撮影法 2 食道部 立位二重造影第 1 斜位 ( 食道上部 ) 立位二重造影第 1 斜位 ( 食道下部 ) 1 背臥位二重造影正面位 1 背臥位二重造影正面位 2 背臥位二重造影第 1 斜位 2 背臥位二重造影第 1 斜位 3 背臥位二重造影第 2 斜位 3 背臥位二重造影第 2 斜位 4 腹臥位二重造影正面位 4 腹臥位二重造影正面位 ( 下部前壁 頭低位 ) ( 下部前壁 頭低位 ) 5 腹臥位二重造影第 2 斜位 胃部 ( 下部前壁 頭
表 8.1 胃癌の肉眼型分類   ( 胃癌取扱い規約第 14 版 金原出版  p7 より引用 ) (1) 基本分類        0 型 表在型 癌が粘膜下層までにとどまる場合に多く見られる肉眼形態        1 型 腫瘤型 明らかに隆起した形態を示し,周囲粘膜との境界が明瞭なもの        2 型 潰瘍限局型 潰瘍を形成し,潰瘍をとりまく胃壁が肥厚し周囲粘膜との境界が 比較的明瞭な周堤を形成する        3 型 潰瘍浸潤型 潰瘍を形成し,潰瘍をとりまく胃壁が肥厚し周囲粘膜との境界が 不明瞭な
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参照

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