日紫喜 光良
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チェ ッ ク 項目( 第1 回 骨格系( 1 ) )
• 人体の骨の構成を述べよ
• 哺乳類ではどの骨の数が特に保存さ れてい
るか?
• 骨の構造を述べよ
• 脊柱の湾曲を図示せよ
• 長骨と 扁平骨の例と 構造の違いを述べよ
• 骨折の種類を述べよ
• 骨折の症状を述べよ
• 骨折にはどのよう な合併症がおこ り う るか?
• 人体各部の区分
• 体表から の方向を示す面
• 体表から の方向を示す線と 用語
• 人体の骨の構成( 1 )
• 種間での骨の数の保存
• 骨の構造
• 骨折
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医学概論の目的
– (例)主に下肢の深部静脈(大腿静脈・膝窩静脈 など、体の深部にある静脈)に形成された血栓が 遊離して血流に乗って肺に運ばれ、肺動脈を閉 塞して急性の呼吸循環障害をきたす疾患
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教科書
• 竹内修二 . 新ク イ ッ ク マスタ ー 解剖生理学
( 改訂2 版) . 医学芸術社 . 2005
• 竹内修二 パワーアッ プ問題演習 解剖生理
学 医学芸術社 2 0 0 6 年
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人体大区分の名称( 1 )
• 頭(顔を含む)
– 頭 – 顔
• 頚
• 体幹
– 胸 – 腹 – 背 – 会陰
• 体肢
– 上肢 – 下肢
• 人体は大きく 頭( 顔を含む) 、 頚、 体幹、 体肢
に区分さ れる。 頭は( ①) の部位と 顔の部位に
分類さ れる。 体幹は胸の部位、 ( ②) の部位、
背の部位、 ( ③) の部位に、 体肢は( ④) の部
位と ( ⑤) の部位に区分さ れ、 頚の部位と で9
つの部位に区分さ れる。
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体表から の方向を示す面
• 垂直面( 縦断面)
– 矢状面
• 正中面(正中矢状面、正中縦断面)
– 前頭面(前額面)
• 水平面( 横断面、 横平面)
• 身体の長軸に沿って、垂直に身体を切断したと仮定 してできるすべての面を(①)という。
• 身体を左右に2分する前後方向のすべての縦断面 を(②)という。
• 矢状面のひとつで、身体の正中線を通り、ただ一つ しかない面を(③)という。
• 矢状面に対し直角をなし、身体を前後に2分する左 右方向のすべての縦断面を(④)という。
• 垂直面に対し、直角に切断したと仮定してできる水 平な面を(⑤)という。
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体表から の方向を示す線と 用語( 1 )
• 正中線
• 鎖骨中線
• 乳頭線
• 身体の前面、 後面の中央を走り 、 それぞれ左
右に2 等分する線を( ①) と いう
• 鎖骨の中央を通る垂直線を( ②) と 呼ぶ
• 乳頭を通る垂直線を( ③) と 呼ぶ
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体表から の方向を示す線と 用語( 2 )
• 近位
• 遠位
• 尺側
• 橈側
• 脛側
• 腓側
• 上・ 下肢において体幹に近いほう を( ①) と よ
び、 また遠いほう を( ②) と よぶ。
• 上肢の内側を( ③) と よび、 また外側を( ④) と
よぶ。
• 下肢の内側を( ⑤) と よび、 また外側を( ⑥) と
よぶ。
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人体の骨の数
• 2 0 0 個程度
体幹
体肢
頭蓋骨(15種23個)
脊柱(椎骨(頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨)・・・26個)
胸郭(胸椎、胸骨・・・1個、肋骨)
上肢骨(64個)
下肢骨(62個)
解剖生理学38∼39頁
• 2 6 個の椎骨から 成る
– 頚椎:7個 (C1∼C7) – 胸椎:12個 (T1∼T12) – 腰椎:5個 (L1∼L5)
– 仙骨 – 尾骨
Cervical vertebra Thoracic vertebra Lumbar vertebra
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椎骨
• 椎体: 円柱状
• 椎弓: 椎体と と も に椎孔を囲む
– 棘突起:1個
– 横突起:左右に計2個
– 上関節突起:左右に計2個 – 下関節突起:左右に計2個
– 上椎切痕
– 下椎切痕 解剖生理学43頁図2−9
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胸椎
• 椎体間には椎間円盤 がはさまり、柱状に積 みあがる
• 椎孔が連なり、脊柱管 となる
– 脊髄を入れる。
• 上の椎体の下椎切痕、 下の椎体の上椎切痕 があわさり、椎間孔を つくる。
– 脊髄に出入りする脊髄 神経の通り道になる
船戸和也 Terminologia Anatomica(1998)に基づく解剖学 より
• 環椎: 第1 頚椎
• 軸椎: 第2 頚椎
• 隆椎: 第7 頚椎
– 棘突起が長く、体表から触知できる
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椎骨( 頚椎)
船戸和也 Terminologia Anatomica(1998)に基づく解剖学 より
第3,4,5,6頚椎
第1頚椎(環椎) 第2頚椎(軸椎)
第7頚椎(隆椎)
横突孔:椎骨 動脈が通る
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脊柱の湾曲
• 頚部と腰部:前弯(前に ふくらむ)
• 胸部と仙尾部:後弯(後 ろにふくらむ)
解剖生理学44頁図2−10も参照
頭側 尾側
背側
L3 T10
L2
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種間での骨の数の保存
• 主な脊椎動物の脊椎 の数
– サメ類 約400 – ニジマス 60-69 – ニシン 約55
– ウナギ 最大119
– ホクオウクシイモリ 53 – カエル 9
• カメ 34
• アシナガトカゲ 110
• ヨーロッパヤマカガシ 230
• ボア 最大435
• Archaeophis (化石の ボア) 565
• ナキドリ 35
• ハクチョウ 56
• 哺乳類 50∼64
• ヒト 34
「数値でみる生物学」(R. Flindt著、シュプリンガー・ジャパン) より
• 主な脊椎動物の頚椎の数
– 両生類 1 – ワニ(クロコダイル) 2 – カメ 8 – ナイルオオトカゲ 8 – メキシコドクトカゲ 9
– エラスモサウルス(恐竜) 76
– 鳥類、通常 14∼15 – 哺乳類 7
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哺乳類の頚椎: 7 個
ごくわずかの例外除く
左:キリン
右上:ジュゴン
どちらも頚椎は 7個
Frieston Galis研究員のページ http://biology.leidenuniv.nl/~galis/
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Hoxc-6 遺伝子の発現する場所
ニワトリ マウス
ガチョウ アフリカツ
メガエル
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骨の構造
解剖生理学33頁図2−1も 参照
http://sugp.int-
univ.com/Material/Medicine/cai/text/subject09/no7/html/section1.html
• 骨膜
• 骨質
– 緻密質 – 海綿質
• 骨髄
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骨の形状
• 長骨
– 中が管状(髄腔):骨髄を入れる
• 扁平骨
– 広い髄腔はなく、内外2枚の緻密質の間に海綿 質があり板間層とよばれる。
• ほかに、 短骨、 含気骨
• 骨が折れたりひびが入ること
– 通常は周辺組織の損傷を伴う
• 開放骨折(複雑骨折)
– 皮膚や軟部組織(筋肉や皮膚など)が破れ、 – その傷口から骨折した骨が露出した状態。
– 傷口が泥や細菌で汚染されていることが多い。
• 皮下骨折(単純骨折)
– 骨折部位の皮膚が破れていない状態。 – 単純骨折または閉鎖骨折ともいう。
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骨折の種類: 骨折線の走向による
• 横骨折
– 骨が真横に折れた状態。
• 斜骨折
– 骨が斜めに折れた状態。
• ら せん骨折
– 骨がねじれて折れたときに 起こる。
• 粉砕骨折
– 骨がバラバラに砕けた 状態。
– 交通事故や転落により 非常に大きな外力が加 わったときに起こる。
• 剥離( はく り ) 骨折
– 骨には腱や靱帯と結合し ている部分がある
– その結合部分から小さな 骨片がはがれた状態。手、 足、足首、膝、肩に起こり やすい。
• 圧迫骨折
– 骨が圧力でつぶれた状態。 – 高齢者に多く、おもに椎
体(背骨)に起こる。
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骨折の種類: 部位による分類
• 骨幹部骨折、骨幹端部骨折、 骨端部骨折
– それぞれ、長管骨(腕や脚の 長い骨)の中央部付近、中央 より端の部分、骨の先端部分 で骨折した場合に、このよう に呼ぶことがある。 (例:脛 骨骨幹部骨折、橈骨遠位端 骨折など)
• 関節内骨折
– 関節包内に骨折線がおよん でいる骨折。
• 変形・ 異常可動性
• 内出血
– 骨折すると、骨折部から出血する。
– 骨周辺の軟部組織からも出血が起こる。 – 広い範囲であざができる
– 骨折により大量に出血した場合は低血圧となる ことがある。
• めまいや冷や汗、意識消失などをひきおこすことがあ る。
•
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骨折の合併症( 1 )
• コ ンパート メ ント 症候群
– 骨折や打撲によって筋肉組織が腫れる
– →筋肉内の圧が上昇して血管や神経組織が圧 迫される。
– そのために循環障害が起こることをコンパートメ ント症候群という。
– 症状が進むと、壊死や麻痺が起こることもある。 – 強い痛みが特徴で、腫脹、知覚障害、強い圧痛
などもみられる。
• 肺循環障害
– 骨折部の骨髄から、破壊された骨髄組織や脂肪 が静脈に入り、肺に到達して骨髄塞栓症や脂肪 塞栓症をおこすことがある。
– 血中に入った挫滅組織から放出されたタンパク 質が血栓形成の引き金になり、肺血栓症を生じ ることがある。
– 肺細小動脈や毛細血管の透過性が亢進し、肺浮 腫が生じることがある。
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予習項目
• 脳頭蓋を構成する骨を述べよ
• 頭蓋冠の縫合を述べよ。どの骨の間か?
• 泉門の種類と閉鎖時期を述べよ。
• 眼窩を囲む骨を述べよ。
• 骨盤を構成する骨を述べよ。
• 互いに軟骨結合していたのが成人になって骨結合 して寛骨を形成する骨を述べよ