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i-Path 機能を利用したアプリケーション

G- lambda

3.2 実装および応用

3.2.2 i-Path 機能を利用したアプリケーション

視化するソフトウェアである. 以下ではネットワークの見える化を実現するi-Path機能 が搭載されたルータをi-Pathルータと呼ぶ. i-Pathルータは,テストベッドJGN2plus 上に展開されていたものを利用した[26].

i-Pathルータに保持されている位置情報を取得し, 通信経路についての情報を地図上

に配置し利用者が理解可能な形で表示させるソフトウェアを開発した. 本ソフトウェア はMacOS 10.6上のeclipse 3.5でJava 1.6を利用して構築され,開発されたAPIを利用 し次のような動作を行う.

まず, 送信側ユーザによって選択された通信先に異なるTTLを設定したパケットを 送信し, それぞれのi-PathルータはTTLの値に応じて自らが保持する地理情報(緯度, 経度)を記録する. データが記録されたパケットが通信先に到達した後, 収集されたす べての情報をとりまとめたうえで送信側に送り返される. 送信側ユーザアプリケーショ ンは得られた地理情報を基に, TTLごとに収集された位置情報を地図上に表示する.

取得された情報は,ホップごとに表示されて線で結ばれる. これによってユーザは通 信を行っている経路上に存在するルータの位置情報を地図上に表示された状態で確認 することが可能となった.

図 3.10 i-Path機能を利用した位置情報収集アプリケーション

地理情報の取得は転送したい情報をユーザが適切だと考える経路で転送することに 役立つ. 例としてはビデオオンデマンドなどのサービスでは国ごとに著作権等の取り

扱いが異なるような事情がある場合がある. そこで, i-Path機能を利用してクライアン ト側から通信を行う経路に関する情報を収集することで,適切な経路でコンテンツ配信 が可能となる.

また, i-Pathルータの利用している帯域情報を取得し,各ルータの利用帯域情報を時系 列グラフで表示するソフトウェアを開発した. 本研究は開発したAPIを利用しMacOS 10.6上のeclipse 3.5でJava 1.6を利用してソフトウェアを構築する.

まず, 送信側ユーザによって選択された通信先に異なるTTLを設定したパケットを 送信し,それぞれのi-PathルータはTTLの値に応じてインタフェースのバイトカウン ト値を記録する. データが記録されたパケットが通信先に到達した後に送信側に送り 返される. バイトカウント値をもとに送信側ユーザアプリケーションは1秒ごとの利用 帯域を計算・表示する. グラフは1秒ごとに更新され, 収集された利用帯域情報をグラ フ上で重ねて表示する.

このソフトウェアには実際の帯域測定が行われているか検証する機能が備えられて いる. 具体的には経路上のi-Pathルータにログインし,別の通信を行うことで利用帯域 を増加させる機能である (図3.11). この機能を用いて経路上のi-Pathルータが別の 通信を行うことで, そのi-Pathルータの利用帯域が増加するが,他の経路上のルータに は影響しないことが示される. 結果として各ルータの帯域情報がリアルタイムに取得 していることが示された.

本研究で開発したソフトウエアは開発されたAPIを利用することで, ルータに蓄積 された情報を取得し,ネットワークの情報を視覚的に表現することを可能とした. この ソフトウェアではMacOSXのカーネルの機能拡張を行い, i-Pathで扱われる機能を組 み込み, ネットワーク上のi-Pathルータから情報を取得している. この見える化技術が 提供されたことで, 利用者は通信を行う経路の情報を取得することが可能となった.

3.2.3 移動体通信端末への展開

i-PathはMac OSX, FreeBSD, Linuxで動作するコンピュータで動作するように実装 を行ったが, 移動体通信端末での動作を検証すべく, Linux環境のひとつである移動体 通信端末へソフトウエアの実装を展開した. この背景には, 移動体通信環境においては 通信時のスループットが絶えず変化するため, i-Path機能を利用した輻輳制御, スマー トフォンで取得可能な位置情報を利用したアプリケーションに応用可能と判断したた めである. Linuxの移動体通信端末向けOSのひとつであるAndroidにi-Pathを実装し, 日本通信のネットワーク上で動作することを確認した (図3.13). また, 位置情報と帯域 情報を取得し移動体通信端末上で表示させるアプリケーションを開発した (図3.12).

図 3.11 帯域情報取得機能の検証機構を利用した例

図 3.12 Android端末上のi-Path機能を利用したアプリケーション

図 3.13 Android端末におけるi-Path機能の実証実験環境