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ネットワークトラフィック

G- lambda

2.2.4 ネットワークトラフィック

我が国のインターネットトラフィック

我が国のインターネットトラフィックに関しては長らによるISPでの計測結果に関 して検討が行われている[21]. この研究では国内ISP6社から得られたデータを元にト ラフィック量の増大について報告しており, 契約者あたりのトラフィックの傾向を2005 年と2008年の結果について報告している. この比較は動画共有サービスYoutube [22]

が登場する前後を比較するのに適しており, 比較結果をみるとインターネット利用者は 動画などのリッチコンテンツの利用が増えていることが報告されている.

この研究では日本の総トラフィックの内, 約42%に相当する6社のISPのトラフィッ クに関する研究が行われており,実際の計測にはルータのインタフェースからの情報と

NetFlowを利用しており,マクロなトラフィックの傾向を前者から取得し個別利用者の

傾向を後者から研究している.

6社ISPから得られた情報により, 我が国のインターネットトラフィックは3年間で 平均27%増加していることが報告された. また,インターネットトラフィックの変化は は平日と休日では異なる傾向を示しており, 平日は午後9時から午後11時にピークを 示す一方で, 休日のトラフィックはピーク時刻が同じであるが全体的なトラフィック量 が多いことが特徴として報告されている. また, Youtubeなどの動画共有サイトが登場 する以前の2005年時点のトラフィックの内訳については利用者から利用者に対するト ラフィックが多く, その内容はP2Pアプリケーションによって利用されるものであると 指摘されている. Youtubeの利用が普及した2008年時点のトラフィックではサーバー・

クライアントタイプのアプリケーションが増えたことが報告されている.

個別の利用者の傾向については利用者毎の一日の利用トラフィック量に関して,確率 密度を提示するとともにP2Pの利用の減少を示すとともに, 動画配信などのクライア ント・サーバ型通信を行う利用者の一日あたりのダウンロードトラフィックの最頻値が 2005 年から2008年で32MBから94MBとなったことを報告している.

また, この研究ではクライアント・サーバ型の通信を主に行う利用者とP2Pの通信 を主に行う利用者別に利用されているプロトコル, ポート番号について研究している. 2005年から2008年の間ではReal Time Streaming Protocol (RSPT) の利用頻度が高 くなっており, 動画コンテンツの利用頻度が高くなっていることを示している.

また,トラフィックの利用頻度の確率密度は対数正規分布に近い特徴を持っていると 報告している. そこで, 次の対数正規分布の確率密度と得られたデータを

Levenberg-Marquardt法によって近似し, トラフィックの利用頻度が確率密度分布に従うと想定し

た時の平均E(x),最頻値expμを算出している. p(x) = 1

xσ√

2π exp

(lnx−μ)2 2σ2

E(x) = exp

μ+σ2 2

このモデル化によって2008年時点の一日あたりの利用者のダウンロードトラフィッ クの平均値が94MBと算出され,実測値から得られたデータに近い値を得ていることが 報告されている. しかしながら,実測されたデータとの比較においては大量のトラフィッ クを発生させる利用者の数は非常に少ないことが示されている点については近似でき ていない.

コンテンツのリッチ化

総務省により公開されている,「我が国のインターネットにおけるトラヒック総量の 把握」[23]1によれば,ブロードバンドサービス1契約者あたりの平均ドラフィック量は 年間2割から3割程度で増加していることがわかる(図2.4). 加えてブロードバンド契 約者数も増加していることから, バックボーンネットワークを流れるトラフィック量は 今後も増加し続ける. 一方, ブロードバンドサービス1契約あたりのアップロードトラ フィックは減少傾向を示しており,ブロードバンド契約者は動画視聴などにインターネッ トを利用してダウンロードトラフィックを増加させている一方で, 自ら情報を発信し, ネットワークへのアップロードトラフィックを増加させることはしていないといえる.

アプリケーションによって使用されるコネクション数が増加している. その背景には インターネット上のデータの増大と利用目的の変化がある. データの増大はWebペー ジを表示する際に従来の画面遷移によって行われていた読み込みにかかる通信がAjax 等の動的なコンテンツにより,非同期通信に切り替わることで多数の通信を行なってい ることが要因として挙げられる. また, Web上のコンテンツ自体が大容量化したことも データが増大した要因の一つとしてあげられる. 動的なコンテンツでは大量の情報を 表示するため, 1つのWebページを分割し,個々の部品を取得するために数多くのセッ ションを張ることでデータの取得にかかる時間を短縮しながらデータの取得を可能と している. 具体例としてGoogle Mapなどの地図情報サービスやニュースサイトのバ ナー広告などが挙げられる.

コネクション数はこれらの情報取得をするセッションに加え, 通信状態を確認する

KeepAliveに必要なセッションや, ソフトウエアのアップデートなどの監視のために外

1総務省 我が国のインターネットにおけるトラヒック総量の把握 平成24928http://www.

soumu.go.jp/main content/000177422.pdf

(༓ዎ⣙) (kbps/ subscriber)

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46.0 (*2)

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18.4(*2)

図 2.4 1契約者あたりのトラフィックの推移

部と通信をするセッションもあり, Webページを閲覧していない状態でもコネクション がある状態が続いていることから増加を続けている. 一方で通信状況の確認のために 利用されるセッションは, データをやり取りするセッションとは違った通信を行うこと から, 1セッションでのデータ量は様々な値をとることがわかる.

同一Webページであっても同一ドメインの複数のホストと通信を行い,ページを表示 するものが存在していることや広告等の異なるドメインの情報を同時に表示するペー ジが存在していることから, Webページの構成要素は多岐にわたる. このようなページ を構成する“要素の大容量化”と“1つのページに表示される情報量の増大”はコンテ ンツのリッチ化と呼ばれる. このコンテンツのリッチ化は,ブロードバンドの普及によ

りAjaxやFlashなどを利用したWebサイトが一般的になったことが影響している. 加

えて個人ユーザによる映像コンテンツのアップロード及びダウンロードが容易になっ たことで, 動画共有サイトの利用者が増加していることもコンテンツのリッチ化の要因 の一つとして挙げられる.

このようなコンテンツのリッチ化はHTTPレスポンスサイズの変化に現れている.

Sadreらによるプロキシサーバを経由するデータを収集した研究において, 2000年から 2007 年にかけてのWebコンテンツの変化について研究が行われている[24]. この研究 ではソフトウエアアップデートや映像などのコンテンツの増加から,転送されるデータ の容量が増大していることに加え, Webページが様々なオブジェクトから構成されるこ とより, 多数のサーバと通信することが報告されている. この研究ではHTTP レスポ ンスサイズの経年変化について, 7年間でHTTPレスポンスサイズの平均容量が5.5倍 になったとしている.

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ネットワークユーザーを支援する計測技 術 : i-Path

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