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消費電力の比較

G- lambda

4.7 消費電力の比較

表 4.12 各シナリオの消費電力 Year

Packet & Optical Circuit [TWh/year]

Packet & 

CDN [TWh/year]

Core Replace [TWh/year]

2007 3.126863981 3.126863981 2.926166043 2008 3.248966246 3.248966246 3.040431167 2009 3.056451675 3.23480035 3.108558335 2010 3.37836408 3.605062834 3.441206484 2011 3.637774347 3.916823248 3.709372738 2012 3.888342391 4.226776596 3.965769991 2013 4.167159344 4.575117064 4.245678219 2014 4.480703756 4.969428961 4.55246022 2015 4.79098301 5.367773788 4.844015977 2016 4.899946977 5.545767056 4.918817291 2017 5.033690828 5.756069799 5.006334828 2018 5.191005028 6.002397344 5.108730346 2019 5.362398798 6.28644957 5.228533102 2020 5.52387485 6.605989196 5.368702327 2021 5.639305522 6.95575967 5.53270032 2022 5.680784603 7.334318833 5.724577972 2023 5.650993146 7.751560387 5.949074824 2024 5.580170139 8.22794361 6.211736142 2025 5.504500212 8.787669726 6.519049884 2026 5.451041268 9.45404625 6.878606961 2027 5.435418361 10.24908772 7.299288742 2028 5.465157584 11.19502577 7.791486426 2029 5.543101428 12.31591681 8.367357715 2030 5.669514653 13.63890351 9.041127124

表 4.13 パケット交換方式と各シナリオの電力低減効果

Year Packet & Optical Circuit Packet & CDN Optical Circuit in Core

2009 7.99 % 2.62 % 6.41 %

2010 9.08 % 3.00 % 7.39 %

2015 15.19 % 5.00 % 14.25 %

2020 22.57 % 7.40 % 24.74 %

2025 47.01 % 15.41 % 37.25 %

2030 67.65 % 22.17 % 48.41 %

4.8 まとめ

本章ではネットワークによる消費電力をパケット交換方式と回線交換方式,CDN方 式を組み合わせたシナリオのもとで検討した結果について述べた.本研究の特徴はネッ トワーク構成を考慮に入れた消費電力の見積もり方法と,複数のネットワークを転送す るコンテンツの大きさによって切り替えるシナリオにある.

本研究ではネットワーク構成を考慮したエネルギー消費量の見積もりを行った. ネッ トワーク全体の消費電力を見積もるためには個々のデバイスの消費電力だけでなく,ネッ トワークの構成も考慮に入れなければならない. そこで, 消費電力を見積もるために ネットワークの構成をアクセス回線網,広域回線網,中核拠点網に階層化し消費電力を 見積もった.

ネットワークの消費電力の算出に階層構造を取り入れることによって,単位データあ たりでのエネルギー効率だけでなく,各階層で使用される機器の消費電力, 回線・設備 の状況を考慮することが可能となり, ビットあたりの消費電力を各階層で見積もること ができた. 具体的には,アクセス回線網では回線あたりの利用率が低くトラフィックの 増大に伴う消費電力の増加につながらない点を考慮することができた.

本研究では転送されるコンテンツの大きさによってネットワークを切り替えるシナ リオを想定した. ネットワークを介して転送されるコンテンツの大きさについては,今 後動画などの大容量のコンテンツが増えることを想定し, 過去のデータから今後の動 向を推定した. また, 切り替えるネットワークとしてキャッシュサーバを分散配置する Contents Delivery Network (CDN)と従来のパケット交換方式とは異なる光回線交換方 式の消費電力量の削減量を示した.

インターネット上で転送されるコンテンツは今後, 高品質な画像や動画などの大容量 のコンテンツが大半を占めると想定される. そのため,本研究では既存の研究結果から,

転送されるコンテンツの容量確率密度を推定し, 2030年までの動向を予測した.

CDNの省電力性に関して, CDNは遠隔地に置かれたサーバと通信を行いコンテンツ を転送をするのではなく,近距離に置かれたキャッシュサーバからコンテンツを転送す る. そのため, 従来必要とされた転送に用いるルータの数を削減できることから, 消費 電力が削減できることを示した.

光回線技術の省電力性に関しては, 光回線交換方式は従来のパケット交換方式と比較 してフォワーディングエンジンや, 電気的なファブリックを必要としない. そのため, 光回線交換方式は従来の方式と比較して81.5%の消費電力が削減できると見積もった. 本研究では将来のインターネットアーキテクチャとして大容量の通信を通常の通信 と分けて行うシナリオについて検討した. インターネット上のコンテンツは高品質な 画像や動画などが総トラフィックの大半を占めることとなると予測されており,将来の ネットワークでは消費電力を低減する必要がある. 消費電力を削減したシナリオとし て次の4つのシナリオによる消費電力削減効果を検討した.

現在利用されているパケット交換方式を利用した場合

パケット交換と光回線交換方式を併用した場合

パケット交換方式とCDN方式を併用した場合

中核拠点網を光回線交換方式に置き換えた場合

シナリオにおける消費電力の推定にあたってはインターネット上のコンテンツ分布 の確率密度関数の予測結果から, 一定以上の大きさの通信頻度, トラフィック容量に応 じた消費電力について検討を行った. このコンテンツ分布を予測したことで, しきい値 以上のデータを従来のパケット交換方式以外で転送した場合の消費電力の見積もるこ とができた.

まず現在利用されているパケット交換方式による消費電力を見積もった結果,2030 年時点で日本全体で年間17.49 TWhを消費することがわかった.次にシナリオ検討を 行うためにインターネット上のコンテンツに関する予測を行い,コンテンツ容量の大 小で二極化するとした.

最後にパケット交換方式と比較した場合の消費電力の低減効果について検討を行っ た.その結果,2030年時点で日本全体のネットワークによる消費電力の低減効果は光 回線交換方式とパケット交換方式併用シナリオでは67.7 %,中核拠点網とCDN併用シ ナリオでは22.2 %,中核拠点網を回線交換方式とするシナリオでは48.4 %となり,い ずれのシナリオも省電力化を行うことが可能であった.

本章で提案したネットワーク構成はネットワークのコアの部分において効果を発揮

したが(図4.10)の下部の灰色部分を占めるアクセス回線網については消費電力が削減

されていない. これはアクセス回線網の帯域利用率が低く将来の帯域増に対する余裕 があることに由来している. IEEE 802.3az [43]では低い利用率のリンクにおけるエネ ルギー削減が実現する.これらの採用によってアクセス回線網の消費電力削減も期待 される. 本研究におけるアクセス回線網による消費電力は検討されたシナリオでは大 きく削減されない(図4.10).今後はビットあたりの消費電力に占めるアクセス回線 網による消費電力も課題といえる.この対策として例えばネットワーク不使用時のス リープモードの開発といった新技術の開発が期待される.また,一方で光回線交換技 術は課金制度などの様々な側面を持つ技術であるため,これらの検討も必要である.

また,本研究ではネットワークを切り替えるにあたってコンテンツの容量と使用出来 る回線を端末側が知る必要がある. アプリケーションが回線の種類を知るためには現 在のネットワークでは情報が不足しているが第3章で述べたi-Pathを利用して情報提 供することができる. このとき端末側は, 情報の要求を行う前に回線種別, 通信先を把 握することで,消費電力の少ないインタフェースとして光回線交換方式を採用すること もできる.

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