G- lambda
3.3 実証実験
3.3.3 実験結果
0 20 40 60 80 100
0 200 400 600 800 1000
Download Completion Rate[%]
Time[sec]
Legacy Method Legacy Method Legacy Method i-Path i-Path i-Path
図 3.19 ダウンロード完了時間: 輻輳なし
0 20 40 60 80 100
0 200 400 600 800 1000
Download Completion Rate[%]
Time[sec]
Legacy Method Legacy Method Legacy Method i-Path i-Path i-Path
図 3.20 ダウンロード完了時間: 輻輳状態
0 20 40 60 80 100
0 200 400 600 800 1000
Download Completion Rate[%]
Time[sec]
Legacy Method Legacy Method Legacy Method i-Path i-Path i-Path
図 3.21 ダウンロード完了時間: Seederが少ない時
3.4 まとめ
本章では『ネットワークの見える化』の実現にあたっての基本構想, 実装および応用, 評価について述べた.
i-Pathの基本構想は端末に対するネットワークの状態の提供を通じて, ネットワーク
の『見える化』を実現することとし, 具体的な機能として次のような特徴を備えること とした.
• ネットワークの端末が経路情報を収集できる
• 複数のネットワーク事業者をまたがるマルチドメインで利用可能
• ネットワーク規模,帯域に依存しない情報収集機構を備える
• 情報収集をする際にはネットワーク運用者の情報開示ポリシを尊重する
端末への情報提供について, i-Pathはend-to-end原理に基づいた情報収集機能を備 えて, ネットワーク端末にとっての見える化を実現した. i-Pathではネットワーク端末 が情報を収集することから,情報を収集するサーバ等の機器などが不要になった. また, 端末は通信先までの経路のみに関する情報を収集する. 開示されているネットワーク の内部情報を収集するにあたっては明示的な通信経路情報収集方式として提案された 方式を拡張して実現した. 具体的にはトランスポート性能の最適化として設計された 機能をアプリケーション側からフィードバックが行えるように拡張した. この機能拡張 によって端末側のアプリケーションに対してネットワークの内部情報の提供が可能と なった.
マルチドメインで利用可能, スケーラブルである特徴について, i-Pathによる情報収 集はマルチドメインで利用可能であり, ネットワークの規模によらないスケーラブル な手法となることを示した. ネットワーク端末はi-Path機能を利用して通信経路上の 機器の情報を取得するため,接続先が大規模なネットワークであっても経由するルータ の数だけ情報収集を行う. このためドメインを超えた情報収集も可能であり, 経由する ネットワークの規模や帯域に依存しない情報収集が可能となる.
情報開示ポリシーの尊重について, i-Pathはネットワーク運用者と利用者の情報開示 ポリシを尊重する枠組みを備えている. ネットワーク管理者は開示する情報の指定を 行うことで, 情報開示ポリシに沿った情報提供を行うことができる. また, ネットワー ク利用者も情報取得範囲の設定をおこなうことで情報開示ポリシに沿った情報取得を 可能としている.
i-Pathの基本構想の特徴は,ネットワーク利用者が通信経路上にある機器から情報を 取得することである. これまでのネットワークの内部情報の可視性に関する取り組みで は, ネットワーク管理サーバ等の機器が情報を収集し, 端末に情報を提供していた. し かし, ネットワークの状態は絶えず変化しているため, ネットワーク管理サーバがリア ルタイムに情報を収集しようとすれば管理する情報を更新するため, 各ネットワーク機 器に問い合わせを行い情報を収集しなければならない. さらに, 収集した情報を処理し たうえで端末に提供しなければならないといった煩雑さを伴っていた. i-Path では通 信先の経路上にある機器に対する情報収集を行うことから,必要なときに必要なだけ情 報収集を行える.
この仕組みを利用して,取得した情報をアプリケーションから利用するためのAPIの 開発を行い,実現した『見える化』の効果を示すために具体的なアプリケーションを実 装した. i-Pathは複数の環境で実装され, その動作環境が行われた. また, i-Pathでは 通信性能の向上だけでなく消費電力を削減しながら通信することも可能としている.
i-Pathにおける情報収集ではパケット内にi-Path headerを挿入し, ルータがi-path
header に情報を記録することで情報を収集する. 本研究では情報要求に対してルータ
が情報を記録する機能をの実装を行った. また, ネットワーク端末に対してsocket API を提供することで端末のアプリケーションがネットワークの内部情報を利用すること ができるようになっている. 本研究では開発したAPIを用いて, 帯域情報, 位置情報を 利用するアプリケーションを開発した.
i-Pathを利用したアプリケーションはFreeBSD, MacOSX, Linux上にインストール された. アプリケーションの動作を検証するためテストベッドおよび商用回線上で動 作を確認した. その結果, アプリケーションではi-Pathで得られた利用帯域, 利用して いる機器の位置情報を可視化する機能を実現した. テストベッドにおける検証では日 本国内での検証だけでなく,国外からの日本国内への通信でも情報取得が可能であるこ とを確認した. さらにi-Path機能の移動体通信端末への展開を行い, Android上で一般 の携帯電話ネットワークを用いても動作することを示した. i-Pathの動作確認の結果,
i-Pathはネットワーク利用者に対する見える化を実現し, アプリケーション側から通信
状況を把握できることで,正常時と異常時のネットワークの振る舞いを参照することが できるようになった. この機能は障害の切り分けなどに応用出来る. また, 移動体通信 ではハンドオーバーやハンドオフ等の電波状況によってスループットが絶えず変化す
るため, i-Path機能を活用することで効率的な通信を行う機能に応用出来る.
本研究ではi-Path機能を活用して, 利用者視点で電力効率が良いネットワークを選 択することを提案するとともに,実際に削減が可能と考えらる消費電力についても検討 した. ネットワークの内部情報を取得,アプリケーションにフィードバックすることは
消費電力削減策としての選択肢の一つとなりうる. 具体的な消費電力の検討にあたって は現在のパケット交換方式における消費電力と光回線交換およびCDNを組み合わせた 将来シナリオを仮定し, ネットワーク全体の消費電力に関して比較を行った.
また,輻輳時のi-Pathの機能を用いた帯域の有効活用に関する評価を行った. 評価に
あたってはP2Pアプリケーションにi-Path機能を実装し, 通常の通信状態と輻輳状態 における通信性能の比較を行った. 評価の結果, i-Path機能を用いることで効率的な通 信が行えることを示した. i-Path機能の評価のため, P2Pアプリケーション一種である Bittorrentにi-Path 機能を追加し, 輻輳状況下で性能を試験した. その結果, i-Path機 能を用いたBittorentによる実験から輻輳時のi-Path機能の有効性が示された.
実験ではi-Path機能を用いない通常のアルゴリズムによるダウンロード時間と比較
した場合の輻輳なしの状態で28%,輻輳状態で72%,転送時間を短縮できることが示さ れた.実験結果によって, i-Path機能を利用することで輻輳時に効果的に通信を行える ことが示された.
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コンテンツ分布を考慮した通信方式の採 用による省電力化の評価
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