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HPOFS (High Performance Optical File System)

ドキュメント内 rzam4.ps (ページ 90-93)

HPOFS (High performance optical file system ) は、IBM が開発した媒体形式アーキテクチャーで、i5/OS 上の光ディスク媒体を初期化する際に使用できます。

i5/OS は、HPOFS の WORM ベース・バージョンを使用します。この媒体形式は、WORM 媒体用に設計

され (必須) ていますが、消去可能光媒体を初期化する際にも使用可能です (これはデフォルトです)。

HPOFS は、WORM 媒体形式です。ファイルやディレクトリーを作成および更新するときに、媒体の各セ

クターを 1 度だけ書き込むことができます。決して同じセクターに再書き込みしないというこの固有の特 性によって、各ファイルの前のバージョンをすべて媒体上に残すことができます。この方式の欠点は、ファ イルを更新するにつれて (削除する場合でも)、媒体の使用量が増え続けることです。

この節では、直接接続光媒体ライブラリー用の HPOFS の i5/OS インプリメンテーションについて詳しく 説明します。LAN 接続光媒体ライブラリーの HPOFS 特性は、この節では取り上げません。

直接接続光媒体ライブラリー用の HPOFS の i5/OS インプリメンテーションについての詳細は、『媒体形 式に対する CL コマンド・サポート』に記載されています。

関連概念

90ページの『媒体形式に対する CL コマンド・サポート』

このトピックでは、データの保管および復元のための i5/OS コマンドの使用について説明し、ISO 9660、HPOFS (High Performance Optical File System)、および UDF (universal disk format) 媒体形式に 対する制約事項の一部を紹介します。

HPOFS のボリューム、ディレクトリー、およびファイルの名前:

HPOFS ボリューム ID は最大 32 文字で、英字 (A から Z)、数字 (0 から 9)、ハイフン (-)、またはピリ オド (.) のみ使用できます。

ボリューム ID の先頭文字は、英字または数字にし、ID に組み込みブランクを含めることはできません。

必須ではありませんが、パス名に 1 つ以上のディレクトリーを含めることができます。パスの各要素は最

大 255 文字で、合計最大パス長は 256 文字です。パス名は、16 進 00-3F、16 進 FF、引用符 (″)、アポ ストロフィ (*)、より大記号 (<)、より小記号 (>)、疑問符 (?)、およびスラッシュ (¥) を除いた、任意の EBCDIC 文字で構成できます。

システムは、ディレクトリーおよびファイル名のすべての英字を大文字で媒体に保管します。ファイル名検 索は大文字小文字を区別しません。つまり、大文字または小文字のいずれを使用しても既存のファイルにア クセスできます。

ディレクトリーおよびファイルの機密保護

HPOFS 媒体に対しては、ディレクトリー・レベルおよびファイル・レベルの機密保護はありません。ボリ

ューム・レベルの機密保護は、権限リストを通して使用可能です。

スペースの再利用:

HPOFS は追記型媒体 (write-once read-many (WORM)) 形式ですが、ファイルを更新したり、削除できま す。

ファイルを変更または削除すると、ファイルの新規バージョンが書き込まれ、古いバージョンは媒体上に残 っています。このことは、WORM 媒体と消去可能媒体の両方に当てはまります。古いファイル・バージョ ンは、WORM 媒体上に常に存在し、消去可能媒体には、ボリューム全体が再初期化されるまで存在しま す。ユーザーがファイルを変更または削除した場合、システムは古いファイルが使用していたスペースを再 利用しません。媒体の使用量は、HPOFS 媒体では増え続け、消去可能媒体の場合は、ボリュームを再初期 化するまで増え続けます。WORM の場合、削除されたスペースは再利用できません。

プログラミング・インターフェース (HPOFS):

階層ファイル・システム (HFS) アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) または統合 ファイル・システム・アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) のいずれかを使用し て、HPOFS 媒体上にファイルを作成したり、読み取ることができます。

以下は、アプリケーション開発者が知っている必要がある、HPOFS 媒体形式の i5/OS インプリメンテーシ ョンに固有の項目です。

各国語サポート

統合ファイル・システム・インターフェースは、コード化文字セット ID (CCSID) はジョブに有効 なパスを表しているものと想定します。そこで、システムはパスをジョブの CCSID から内部で使

用される CCSID に変換します。HFS インターフェースは、パスの CCSID についての想定は行い

ません。そのため、システムはパス上で文字セット変換を実行しません。アプリケーションが 2 つの API セットを互換性を持って使用した場合、またはアプリケーションが一方の API セットか ら他方の API セットに使用を変更した場合、不測の副次作用をもたらす可能性があります。

プログラムが HFS を通してファイルを作成し、統合ファイル・システム API を使用して読み取 りを試みることはできません。パス名に使用されている文字によっては、「File not found (ファ イルが見つからない)」エラーになることがあります。アプリケーションがパス名に不変性文字 (例 えば、A-Z 0-9 + = % & ( ) , _ . : ;) のみを使用している場合は、このタイプの問題を回避でき ます。不変性文字とは、すべての文字セットで同じコード・ポイントにマップされる グラフィッ ク文字のことです。

保留光ディスク・ファイル

システムが正常にクローズできない光ディスク・ファイルを作成した場合、システムは保留光ディ スク・ファイルを作成することがあります。保留ファイルは、i5/OS 内部ディスク記憶装置に存在 し、ファイルに書き込まれたデータを含んでいます。その場合、ユーザーは API またはコマン

ド・インターフェースを使用して、保留ファイルを保管または解放することができます。ファイル

を HPOFS 媒体に保存するために失敗した場合にのみ、システムは保留ファイルを作成します。

同期書き込み

すべての書き込み操作の同期を指定することによって、HFS を通して HPOFS 上のファイルをオ ープンできます。これが指定されている場合、書き込み操作は i5/OS 内部ディスク記憶装置 (光媒 体ではなく) と同期が取られます。電源障害が発生した場合、データは保留光ディスク・ファイル から回復可能です。

HFS バッファー・データ強制 API および統合ファイル・システム fsync() API の場合も同様に、

データは強制的に i5/OS 内部ディスク記憶装置 (光ディスクではなく) に書き込まれます。この場 合も、電源障害が発生した場合、データは保留光ディスク・ファイルから回復可能です。

ファイル共用

複数のジョブまたはスレッドがファイルを共用できます。システムは、オープン要求で指定された モードを共有するファイルを完全に認識します。例えば、ジョブが読み取りプログラムのみを共用 するように指定したファイルをオープンすると仮定します。これは、アクセス要求が読み取り専用 のままである限り、別のオープンを実行できることを意味します。

拡張ファイル属性

システムは HPOFS 媒体上のファイルに対して拡張ファイル属性をサポートします。拡張属性は、

HFS ディレクトリー項目属性変更 API および一部の統合ファイル・システム・インターフェース を使用して、ファイルに書き込むことができます。

ディレクトリー構造とパフォーマンス (HPOFS):

HPOFS ボリュームは、ファイルにアクセスするために、二重のディレクトリー構造を持っています。ハッ

シュ構造と階層構造の両方が存在し、ファイル・データへの 1 次パスと 2 次パスを提供します。1 次ディ レクトリー構造が損傷した場合、2 次パスが使用されます。

ハッシュ・ディレクトリー構造は、必要な媒体 I/O の量を減らすように設計されており、ファイル・アク セスのパフォーマンスが向上します。このハッシュ・ディレクトリー構造により、ディレクトリーの深さが パフォーマンスに与える影響は、ディレクトリーを階層式に検索する場合に比べて少なくなります。例え ば、/DIRECTORY1 は 1000 個のファイルを含み、/DIRECTORY2 は 100 個のファイルを含む場

合、/DIRECTORY1 内のファイルの検索時間は、/DIRECTORY2 内のファイル検索より長くないのが一般的 です。これは、システムがハッシュ構造を使用して (階層構造ではなく) 検索を行うからです。

ハッシュ検索は階層検索よりも、ディレクトリーの深さがパフォーマンスに与える影響が少なくなります。

ただし、ディレクトリー全体の深さとボリューム上のファイルの総数は、パフォーマンスに影響を与えま す。一般に、ファイル数の少ないボリュームは、ファイル数の多いボリュームよりも、ファイル・パフォー マンスが良くなります。

LAN 接続と直接接続ライブラリー間の媒体交換:

このトピックでは、LAN 接続の光ディスク・ライブラリーで作成された HPOFS 形式の光媒体にアクセス する方法をリストします。

直接接続の光ディスク・ライブラリーで作成された HPOFS 形式の光媒体は、媒体タイプがサポートされ ていれば、LAN 接続の光ディスク・ライブラリーでアクセスできます。逆に、LAN 接続の光ディスク・

ライブラリーで作成された光媒体は、媒体タイプが WORM または再書き込み可能なら、直接接続の光デ ィスク・ライブラリーでアクセスできます。再書き込み可能媒体として初期化された再書き込み可能光ディ

スク・ボリュームは、LAN 接続と直接接続ライブラリー間で交換可能ではありません。直接接続の光ディ スク・ライブラリーで作成された UDF 形式の光媒体は、LAN 接続の光ディスク・ライブラリー装置では アクセスできません。

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