i5/OS 保管および復元 CL コマンドは、直接接続の光媒体ライブラリー装置、CD-ROM、DVD-ROM、およ
び DVD-RAM スタンドアロン装置をサポートします。
光ディスク記憶装置の最良の用途は、災害時回復保護の一部として使用することです。光媒体の非常に長い 保存期間は、重要なデータを長期間保管するために非常に適しています。永続 WORM 媒体を使用する と、媒体上のデータを変更できないため、さらに保護を強化できます。磁気テープ装置は、日常のバックア ップ機構として最適な場合があります。これは、バックアップするデータの量や、バックアップのために使 用可能なシステム時間の量によって決まります。CD-ROM および DVD-RAM 媒体は、ソフトウェア配布 にも適しています。保管/復元コマンド・インターフェースは、プログラム、データ、およびプログラム修 正のインストール手順の一部として使用できます。CD-ROM および DVD-RAM スタンドアロン光ディス ク装置は、ロード実行 (LODRUN CL) コマンドもサポートします。
関連概念
84ページの『HPOFS (High Performance Optical File System)』
HPOFS (High performance optical file system ) は、IBM が開発した媒体形式アーキテクチャーで、
i5/OS 上の光ディスク媒体を初期化する際に使用できます。
89ページの『ディレクトリーおよびファイルの機密保護』
UDF ボリュームに対しては、ディレクトリー・レベルおよびファイル・レベルの機密保護が使用可能で す。 システムは、3 つのユーザー・グループ (所有者、グループ、共通) の光ディスク・ディレクトリ ーおよびファイルのデータ権限を保守します。ボリューム・レベルの機密保護も、権限リストを通して 使用可能です。
関連資料
保管復元 (SAVRST)
光ディスクの保管と復元の概念
光ディスク装置は、広く使用されている i5/OS 保管および復元 CL コマンドの多くをサポートします。
DVD-RAM スタンドアロン光ディスク・ドライブ装置は、基本レベルで iSeries サーバーの保管/復元操作
用の磁気テープに代わる経済的な代替装置です。 DVD-RAM スタンドアロン・ドライブ装置は、すべての 主要な保管/復元機能をサポートします。自動ライブラリー装置は、ボリューム・リストを必要とする保管 および復元操作を使いやすくします。
保管および復元操作での光媒体形式:
このトピックでは、保管および復元のボリューム・リスト処理に関連した種々の媒体形式についての一般情 報を提供します。
保管および復元のボリューム・リスト処理は、光媒体形式ごとに異なります。ボリューム・リストは、保管 または復元要求で、操作に複数の光ディスク・ボリュームが必要であるため、ボリューム・セットを作成す る場合に使用されます。ボリューム・セット内のボリュームは、すべて同じ光媒体形式でなければなりませ ん。ボリューム・セットは、ISO 9660 を使用してフォーマットされた CD 媒体に対してはサポートされま せん。
タイプが永続 WORM および CCW WORM の媒体は、HPOFS の媒体形式を使用して初期化する必要があ ります。
タイプが再書き込み可能の媒体は、HPOFS または UDF の媒体形式を使用して初期化できます。
DVD-RAM スタンドアロン・ドライブ装置によって使用される DVD タイプの媒体は、UDF の媒体形式を 使用して初期化する必要があります。
光ディスク装置上の保管および復元データの編成:
このトピックでは、パス名の長さ、命名規則、およびディレクトリー・レベルに従って、光ディスク装置上 の保管および復元データを編成する方法について説明します。
光媒体上の保管データは、パス名によって一意的に識別されます。このパス名の形式は、/directory name/subdirectory name/../filename です。必要な個数のディレクトリー・レベルを作成および指定して、ユ ーザーのニーズに合わせて保管データを編成できます。ディレクトリー・レベルが指定されていない場合、
保管データ・ファイルは、指定の光ディスク・ボリュームのルート・ディレクトリーに置かれます。
光ディスク・パス名は、英数字で最大 256 文字の長さにできます。光ディスク・ボリューム名は、英数字 で最大 32 文字の長さにできます。長い名前を使用するときは、多少の注意が必要です。多くの i5/OS 保 管および復元画面、メッセージ、報告書、出力ファイル、およびオブジェクト記述は、最大 6 文字のボリ ューム名と、17 文字のパス名をサポートします。これらのインスタンスでは、これより長い名前は切り捨 てて表示されます。また、一部の自動データ管理ソフトウェアは、長いボリューム名や長いパス名を正しく 処理できない場合があります。
光ディスク記憶への保管操作の実行
i5/OS ライブラリー DEVLIB01 を、ライブラリー装置 OPTMLB02 に含まれる光ディスク・ボリューム
SRVOL1 に保管できます。これは、次の CL コマンドを使用して行います。
SAVLIB LIB(DEVLIB01) DEV(OPTMLB02) VOL(SRVOL1) (’/DEVLIB01’)
保管データを含んでいる光ディスク・ファイル (DEVLIB01 という名前) が、ボリューム SRVOL1 のルー ト・ディレクトリーに作成されます。
光ディスク記憶の保管および復元ファイル情報の表示: 例えば、指定の光ディスク・ボリュームに含まれ る保管および復元ファイルに関する情報を、光ディスクの表示 (DSPOPT) CL コマンドを使用して表示で きます。次の CL コマンドは、光ディスク・ボリューム SRVOL1 のルート・ディレクトリーにあるすべ ての保管および復元ファイルの情報を表示します。
DSPOPT VOL(SRVOL1) DATA(*SAVRST) PATH(/)
OPTFILE パラメーターの使用: OPTFILE パラメーターは、保管および復元コマンド内で、保管データを
入れるのに使用する光ディスク・ファイルのパス名を指定するために使用されます。指定されたディレクト リー名が存在しない場合、システムは動的にそれを作成します。
OPTFILE パラメーターのデフォルト値は (*) です。デフォルトのパラメーター値を使用すると、ファイル
は、VOLUME パラメーターで指定された光ディスク・ボリュームのルート・ディレクトリーに置かれま す。また、SAV 以外のコマンドでは、ファイル名は保管されるオブジェクトを含んでいる i5/OS ライブラ リーの名前になります。
SAV コマンドの場合、OPTFILE(*) は SAVyyyymmddhhmmssmmm 形式のファイル名を生成します。ここ で、yyyymmddhhmmssmmm は、現在日時です。
媒体排出オプションの使用: PowerPC® I/O アダプターによって接続されたスタンドアロン・ドライブ装 置の場合、保管および復元操作の終了時に媒体トレイを自動的に開くことができます。これは、
ENDOPT(*UNLOAD) パラメーターを指定することによって行います。光ディスク・ライブラリー装置の場
合、システムはこのパラメーターを無視します。ENDOPT(*LEAVE) または ENDOPT(*REWIND) パラメー ターは、スタンドアロン光ディスク・ドライブ装置または光媒体ライブラリー装置には影響を与えません。
ボリューム・リストの内容:
ボリューム・リストを使用すると、単一の保管および復元操作で、複数の光媒体を使用して、要求された操 作を完了させることができます。
保管および復元ボリューム・リストの一部である、光ディスク・ボリュームに関連した情報は、光ディスク
の表示 (DSPOPT) コマンドを使用して表示できます。
ボリューム・リスト情報フィールドは、次のとおりです。
v 前のボリュームからの続き (Continued from Previous Volume) フラグ – このフィールドは、UDF 媒体にのみ適用されます。
– このフラグは、保管および復元ファイルがボリューム・リストの前のボリュームから継続されている ことを示します。
– 特定のボリューム上の 1 つだけのファイルが、このフラグをオンに設定できます。
– このフラグを表示するには、DSPOPT DATA(*FILATR) コマンド使用します。
v 次のボリュームに続く (Continued on Next Volume) フラグ – このフィールドは、UDF 媒体にのみ適用されます。
– このフラグは、保管および復元ファイルがボリューム・リストの次のボリュームに続くことを示しま す。
– 特定のボリューム上の 1 つだけのファイルが、このフラグをオンに設定できます。
– このフラグを表示するには、DSPOPT DATA(*FILATR) コマンド使用します。
v IPL 可能 (IPL Capable) フラグ
– このフラグは、保管システム (SAVSYS) コマンドがこのボリュームを作成しており、それを D モー ド IPL に使用できることを示します。
– このフラグを表示するには、DSPOPT DATA(*VOLATR) コマンドを使用します。
v ボリューム・リストの最終ボリューム (Last Volume in Volume List) フラグ
– このフラグは、そのボリュームはボリューム・リストの最終ボリュームであることを示します。
– HPOFS 形式のボリュームの場合、システムは最終ボリューム上にボリューム・リストに関係のない保
管ファイルを置くことを許可しません。残存容量は、この状態に影響を与えません。UDF ボリューム は、十分なフリー・スペースがあれば、無関係の保管ファイルをボリューム上に置くことを許可しま す。
– このフラグを表示するには、DSPOPT DATA(*VOLATR) コマンドを使用します。
v 開始ボリューム ID (Starting Volume ID) フィールド
– ボリューム・リスト内のマルチボリューム・セットの最初のボリュームのボリューム ID は、「開始 ボリューム ID」フィールドで見つかります。UDF 形式のボリュームの場合、ボリューム・リストは いくつかの異なる保管ファイルを含んでいる場合があります。したがって、このフィールドは、セッ トに含まれる特定ファイルの開始ボリュームを指定していません。
– このフラグを表示するには、DSPOPT DATA(*VOLATR) または DATA(*FILATR) コマンドを使用し ます。
HPOFS 形式媒体でのボリューム・リスト:
このトピックでは、HPOFS 形式媒体に固有のボリューム・リスト情報について説明します。