NetBackup for Oracle のファイルベースの処理
ファイルベースの処理は、Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle の処理 で、Oracle のプロキシコピーバックアップおよびリストアが実行されます。ファイルベース の処理では、RMAN によって、バックアップまたはリストアが必要なファイルのリストが、
Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle に提供されます。データの移動は、
Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle によって行われます。
図 7-2 に、ファイルベースのバックアップまたはリストアを示します。
図 7-2 Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle によるファイル ベースのバックアップまたはリストア
ファイルのリスト Oracle データベー
スディスク Oracle データベー
スディスク 制御コマンド
Oracle サーバー
NetBackup
ストレージ
データ データ
Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle
ストのテンプレートまたはシェルスクリプトを使います。テンプレートベースのポリシーは RMAN スクリプトを生成するためにテンプレートを使います。 テンプレートまたはシェル スクリプトは、バックアップまたはリストアの実行時に Oracle Recovery Manager (RMAN) によってクライアント上で実行されるバックアップまたはリストアコマンドを指定します。
指定したオブジェクトのプロキシコピーバックアップは、RMAN の backup proxy コマン ドによって開始されます。プロキシコピー機能を使用してバックアップ可能なオブジェクト は、Oracle のバージョンによって異なります。RMAN によってオブジェクトが物理ファイ ル名に変換され、ファイル名のリストが NetBackup for Oracle に渡されます。
p.181 の 「拡張バックアップ方式でサポートされるデータベースオブジェクト」 を参照して
ください。
エージェントによって、バックアップに使用するポリシーが適切な Snapshot Client 属性 で構成されているかどうかのチェックが行われます。その後、Oracle ファイルのファイル ベースのバックアップが開始され、NetBackup Snapshot Client インターフェースでデー タの移動が行われます。
Oracle によってプロキシコピーバックアップが実行される際、バックアップ対象のデータ ファイルはバックアップモードに設定されます。その後、NetBackup によってファイルの スナップショットが作成されます。スナップショットの作成後、NetBackup for Oracle エー ジェントから Oracle に、データファイルをバックアップモードから解除するように通知され ます。バックアップ対象のデータファイルは、データのスナップショットの作成に要する時 間内だけ、バックアップモードになります。
NetBackup for Oracle のバックアップおよびリストア処理について
バックアップ処理の場合、NetBackup for Oracle エージェントは次の手順を実行します。
■ バックアップするファイルのリストを RMAN から受け取ります。
■ 一意のバックアップファイル名は、NetBackup カタログの各ファイルを識別します。こ の手順を確実に実行するには、format オペランドを使って、各データファイルに一 意の名前を指定します。
■ ポリシーを問い合わせて、Snapshot Client ポリシー属性が指定されているかどうか を確認します。
■ 構成されている数の Snapshot Client バックアップを開始し、ジョブが完了するまで 待機します。
p.181 の 「NetBackup の複数ストリームについて」 を参照してください。
リストア処理の場合、NetBackup for Oracle エージェントは次の手順を実行します。
■ リストアするファイルのリストを RMAN から受け取ります。
■ リスト内のすべてのファイルに対するリストア要求を NetBackup サーバーに送信しま す。
■ NetBackup がファイルリストのすべてのファイルをリストアするまで待機します。
拡張バックアップ方式でサポートされるデータベースオブジェクト
プロキシコピーによってバックアップ可能なデータベースオブジェクトの種類は、Oracle によって制御されます。したがって、Snapshot Client バックアップ方式を使用して
NetBackup でバックアップ可能なオブジェクトも、Oracle によって制御されます。Oracle
では、データベース、表領域およびデータファイルのプロキシコピーバックアップが実行 可能です。Oracle 10g 以上のリリースの場合、アーカイブ REDO ログのプロキシコピー バックアップも実行可能です。そのため、NetBackup では、ファイルベースの Snapshot Client バックアップ方式で、これらのオブジェクトのバックアップを実行できます。
制御ファイルの場合、Oracle RMAN では従来のストリームベースのバックアップだけが 実行されます。 NetBackup for Oracle では、他のデータベースオブジェクトに Snapshot
Client 方式を使用する場合でも、制御ファイルのバックアップはストリームベースで行う必
要があります。
Oracle インテリジェントポリシーはストリームベースおよびファイルベースのコンポーネン トを処理します。 ファイルベースのバックアップとストリームベースのバックアップで必要な 構成は異なります。Snapshot Client バックアップを併用した NetBackup for Oracle を 構成する場合は、ストリームベースとファイルベースのバックアップが可能なポリシーを構 成してください。
NetBackup の複数ストリームについて
最初の呼び出しで、Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle は RMAN に 特殊なエントリを戻し、プロキシコピーがサポートされていることを通知します。また、単一 のプロキシコピーセッションで無制限の数のファイルに対するプロキシコピーがサポートさ れていることも通知します。RMAN の backup proxy コマンドに対して割り当てられる チャネル数によってプロキシバックアップの並列処理数が制御されるわけではありませ ん。RMAN では、固有の構成が指定されている場合を除き、プロキシコピーバックアップ に 1 つのチャネルのみが使用されます。
プロキシコピーで開始されるバックアップストリームの数は、NB_ORA_PC_STREAMS変数に よって制御されます。デフォルトでは、すべてのファイルに対して 1 つのバックアップジョ ブが、エージェントによって開始されます。RMAN の send コマンドによって
NB_ORA_PC_STREAMS が渡された場合、NetBackup for Oracle は、ファイルサイズに基 づいて変数に指定された数のグループにファイルを分割します。このエージェントは、等 しいサイズのストリームを作成するように試み、バックアップを実行するためにいくつの処 理が実行されるのかを判断します。
RMAN の複数のチャネル
RMAN の 1 つのプロキシコピーバックアップセッションに対して複数のチャネルを割り当 てた場合、RMAN では、すべてのオブジェクトのプロキシバックアップに 1 つのチャネル 第 7 章 Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle 181 Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle の動作
ログのストリームベースの (プロキシ方式でない) バックアップに使うことができます。
p.184 の 「プロキシバックアップの例」 を参照してください。
新しい場所へのデータファイルのリストア
Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle では、プロキシによってバックアッ プされたデータファイルを、新しい場所にリストアできます。新しい場所は、リストアを開始 する前に、RMAN の set newnameコマンドまたは ALTER DATABASE RENAME DATAFILE 文を使って指定できます。たとえば、表領域 TEST のデータファイルを新しい場所にリス トアする場合、次の RMAN コマンドを使用できます。
RUN {
allocate channel t1 'SBT_TAPE';
sql 'alter tablespace TEST offline immediate'
# restore the datafile to a new location set newname for datafile '/oradata/test.f' to '/oradata_new/test.f';
restore tablespace TEST;
# make the control file recognize the restored file as current switch datafile all;
recover tablespace TEST;
release channel t1;
}
RMAN での手順は、プロキシによってバックアップされたデータファイルの場合も通常の
手順でバックアップされたデータファイルの場合も同様です。RMAN では、プロキシに よってバックアップされたデータファイルが認識されて、プロキシリストア要求が NetBackup for Oracle に発行されます。データファイルは、NetBackup for Oracle によって新しい 場所にリストアされます。必要な手順については、Oracle のマニュアルを参照してくださ い。
代替クライアントへのリダイレクトリストア
プロキシバックアップを他の宛先クライアントへリストアする手順は、プロキシ方式でない、
ストリームベースのバックアップの場合の手順と同様です。
シンボリックリンクおよび raw データファイル (UNIX)
Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle を使うと、シンボリックリンクと通常の ファイルで構成されたデータファイルのバックアップおよびリストアを実行できます。シン ボリックリンクとファイルの両方がバックアップおよびリストアされます。ただし、[インスタン
トリカバリ用にスナップショットを保持する (Retain snapshots for Instant Recovery)]を 選択した場合は、シンボリックリンクがデータファイルと同じファイルシステムに存在してい る必要があります。インスタントリカバリを使用する場合、シンボリックリンクが、リンク先の データファイルと異なるファイルシステムに存在していると、リストアは失敗します。
Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle を使用すると、raw パーティション に作成されたデータファイルのバックアップおよびリストアを実行できます。
Quick I/O データファイル (UNIX)
Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle を使用すると、Oracle の Quick I/O データファイルのバックアップおよびリストアを実行できます。 Quick I/O ファイルは、領 域が割り当てられた隠しファイルと、その隠しファイルの Quick I/O インターフェースを指 すリンクの 2 つのコンポーネントで構成されます。
バックアップでは、Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle はシンボリックリ ンクをたどり、Quick I/O ファイルの 2 つのコンポーネントであるシンボリックリンクおよび 隠しファイルをバックアップします。
リストアでは、Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle は、バックアップイメー ジから両方のコンポーネントをリストアします。いずれかあるいは両方のコンポーネントが 存在しない場合、Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle は、存在しないコ ンポーネントを作成します。
RMAN の増分バックアップ
増分バックアップで、プロキシコピーバックアップとプロキシ方式でない従来の RMAN バックアップを組み合わせて使用できます。RMAN では、incremental level 0 のプロキ シコピーバックアップを作成できます。このバックアップは、RMAN の後続の従来の増分 バックアップ (level 1-n) のベースとして使用できます。このバックアップの場合、スナップ ショットプロキシコピー (ファイルベース) の level 0 増分バックアップを実行し、次に、
RMAN の従来 (ストリームベース) の level 1-n 増分バックアップを実行します。
Oracle 10g では、変更トラッキングファイルを使って変更されたブロックを追跡することが
できます。変更トラッキングを有効にすると、わずかな量のデータベースオーバーヘッド を生成しますが、増分バックアップのパフォーマンスを大幅に改善します。ALTER DATABASE ENABLE BLOCK CHANGE TRACKING; sqlplus コマンドを使って、データ ベース上のブロック変更トラッキングを有効にします。
次の例では、最初の run コマンドによって、表領域 tbs1 のプロキシコピーバックアップ が開始されます。NetBackup for Oracle では、ファイルベースのスナップショットバック アップを使用して表領域全体のバックアップが実行されます。RMAN では、このバック アップが level 1-n の増分バックアップの対象として指定されます。2 つ目の run コマン ドによって、同じ表領域 tbs1 に対して、プロキシ方式でない従来の level 1 の増分バッ クアップが開始されます。この場合、NetBackup for Oracle によってストリームベースの バックアップが実行されます。
第 7 章 Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle 183 Snapshot Client を併用した NetBackup for Oracle の動作