(Sudden Unexpected Death in EPilepsy)
てんかんと診断されている患者が突然、予測されず死亡し けいれん重積、外傷、薬物、溺⽔による死亡ではない場合。
⼀年で、てんかん患者1000⼈あたり、0-10⼈にSUDEPが起きる。
発作時に⾃律神経機能不全が⽣じ、中枢性もしくは閉塞性の無呼 吸や気管分泌物の増加、肺⽔腫、低酸素が⽣じる機序が考えられ ている。
SUDEPのハイリスク
AEDの⾎中濃度低値
⽉1回以上の発作
20〜45歳
全般性強直間代発作
多剤併⽤
12歳までのてんかん発症
てんかんの罹病期間の⻑さ
ベッドや床上での死亡
習慣性のアルコール過剰摂取
先天的神経障害
精神遅滞
男性
⼀週間以内のAED変更
2018/8/17
けいれんが⽌まらない けいれん重積になる ↓
後遺症を残す可能性が増え ↓ る。
けいれん重積になりやすい状態とは?
臨床的にはけいれん発作が5〜
10
分以 上持続し、短時間に反復する場合には 重積となる可能性が⾼い。最近は
5
分以上をけいれん重積とする 意⾒もある。Shinnar S et al. Ann Neurol2001
Lowenstein DH et al. Epilepsia1999
けいれんの原因(てんかん以外)
低酸素性虚血性脳症 頭蓋内出血 低血糖 電解質異常症 髄膜炎・脳炎 家族性良性けいれん 代謝異常症 脳奇形
血管奇形 頭部打撲 ヒステリー 循環器疾患 代謝異常症 中毒 脳腫瘍 熱性けいれん
胃腸炎に伴うけいれん 髄膜炎・脳炎 電解質異常症 頭部打撲 奇形(脳、血管) 代謝異常症、低血糖 循環器疾患 脳腫瘍 憤怒けいれん
新生児〜乳児期早期 乳児〜幼児期 学童期
今までと違う発作
+
抗てんかん薬の変更なし
↓
てんかん発作ではない可能性
顔⾊不良の時
↓
とにかく早く酸素が欲しい 救急⾞呼んで
(
ダイアップ⼊れて)くだされ!
⻑いけいれんの時
↓
とにかく早くけいれんを⽌めたい。
救急⾞呼んで
(
ダイアップ⼊れて)くだされ!
2018/8/17
今までと違う発作
↓
原因をつきとめたい。
病院を受診してくだされ。
顔⾊不良なし 短いけいれん 今までと同じけいれん 様⼦⾒てくだされ。
ダイアップ座薬について
投与量は体重の半分が目安。
効いてくるのは入れて30分してから、
いちばんよく効くのは90分、
効果は24-32時間。
セルシン、ホリゾンと中身は同じ。
薬剤相互作用は少ない。
副作用は傾眠、分泌物増多。
今⽇の内容
②抗けいれん薬で知っておいていただきたいこと。
テグレトール
(
カルバマゼピン)部分発作の不動のエース 欠点:薬剤との相性がある。
テグレトールと最も相性が悪いのは・・・
2018/8/17
グレープフルーツ
こんなケースは要注意!!
たくさん薬を飲んでいる。
てんかんの薬をもらっている 病院と⾵邪でかかる病院が違う。
テグレトールの濃度を下げる・・フェニトイン、フェノバール、リファンピシン、
エファピレツ、テオフィリン、セイヨウオトギリソウ
テグレトールの濃度を上げる・・マイスタン、イソニアジド、フルボキサミン、ジルチアゼム、
ベラパミル、シメチジン、オメプラール、ミコナゾール、
フルコナゾール、エリスロマイシン、クエチアピン、
アセタゾラミド
テグレトールが濃度を下げてしまう・・デパケン(セレニカ)、ラミクタール、オスポロット、エクセ グラン、トピナ、ボリコナゾール(禁忌)、タダラフィル(禁忌)、イトラコナゾール、パロキセチン、
テオフィリン、アミノフィリン、ベンゾジアゼピン系、トラマドール、三環系抗うつ薬、抗精神病 薬(オランザピン、アリピプラゾール、リスペリドン、ブロナンセリン、クロザピン、パリペリドン)、
ドネペジル、フレカイニド、エレトリプタン、ニフェジェピン、フェロジピン、ニカルジピン、オンダ ンセントロン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、卵胞ホルモン製剤、黄体ホルモン製剤、抗悪 性腫瘍薬、シクロスポリン、タクロリムス、エベロリムス、ドキシサイクリン、HIVプロテアーゼ 阻害薬、ワーファリン、マラビロク、デラビルジン、エトラビリン、プラジカンテル、エプレレノン、
ジエノゲスト、アプレピタント、ジゴキシン、アルベンダゾール、アセトアミノフェン、ダビガトラン エテキシラート
テグレトールと相性が悪い薬剤
(赤字は禁忌薬)(青字は小児でよく使う薬剤)
セレニカ
(
デパケン)部分・全般どちらもOKのスーパーエース。
欠点:溶けにくい
アンモニアが上昇する 食欲亢進作用あり
こんなケースは要注意!!
2018/8/17
チューブが細い。
チューブが良く詰まる
→
注⼊のせいではなく・・・最近ぼーっとしている感じがある。
→
アンモニア⼤丈夫?最近太り気味
…
→
⾷欲亢進してませんか?トピナ
部分発作のスーパーサブ。
欠点:体温が上がりやすい 結石ができやすい。
食欲抑制作用あり。
こんなケースは要注意!!
体温が上がりやすい。
汗をかきにくい。
→副作用の体温上昇か?
血尿が出た。
時折すごく機嫌悪い時がある。
→尿路結石?
食欲がない
→副作用かも・・
リボトリール、マイスタン
切れ味鋭いオールラウンダー。
⽋点:眠くなる。
分泌物が増える。
段々効果が薄れる。
こんなケースは要注意!!
2018/8/17
最近、昼に寝てばかりいる。
→眠気で睡眠覚醒リズムが狂ったかも。
誤嚥性肺炎をよく起こすんです。喉頭離断かな・・・
→副作用による分泌物の増加が原因では?
一時期はよかったけど、最近発作が増えて・・・
→BZPに慣れてきたかも
ラミクタール
寡黙な部分発作仕事⼈。
⽋点:併⽤剤に影響及ぼす。
すぐに増やせない。
⾷欲低下することあり。
こんなケースは要注意!!
最近、けいれんが悪くなった。
→血中濃度が下がっているかも。
発疹が出てきた。あせもかな?かぶれかな
→重大な副作用の可能性あり よく吐く
→しっかり内服できていないかも。
発疹
服薬ちゃんとできていないと 服薬ちゃんとできていないと・・・
2018/8/17
イーケプラ
陽気なてんかん薬のホープ。
⽋点:イライラすることがある。
発熱することがある。
こんなケースは要注意!!
最近、うちの子落ち着きがなくて・・・・
→お子さんのせいではなくて・・・
微熱がさがらなくて心配・・・
→感染症?膠原病?実は・・・
飲んでいる薬剤の副作⽤は把握する。
症状については処⽅を出している医者に相談 する。
→ てんかんピットフォールに注意!!!
てんかんと薬剤
抗てんかん薬はどういう 基準で決めているのか?
2018/8/17
『疾患』『発作型』『脳波』で 決めるのじゃ
どうやって抗てんかん薬をきめるか
けいれん
↓
検査の結果で原因は『てんかん』
↓
年齢、発作型、脳波で診断
↓ ↓
『・・・症候群』 診断できず
↓ ↓
『疾患』で薬剤決定 『発作形』『脳波』で薬剤決定
疾患とは・・・
ドラベ症候群→デパケン ウエスト症候群→エクセグラン・ACTH レンノックス・ガストー症候群→デパケン
ランドクレフナー症候群→デパケン・マイスタン・イーケプラ Jeabons症候群→デパケン・ラミクタール・イーケプラ パナイトポーラス症候群→デパケン
欠神てんかん→デパケン・セレニカ・ザロンチン 若年性ミオクロニーてんかん→デパケン・セレニカ
このパターンはあまり多くない
発作型 第一選択薬 第二選択薬
部分発作 CBZ ZNS、CLB、LEV、TPM、LTG、
VPA、GBP 全般発作
強直間代発作 VPA CBZ、PB、CLB、LTG、TPM、
LEV、ZNS 欠神発作 ESM VPA TPM、CZP、CLB、LTG、
ミオクロニー発作 VPA LEV、TPM、CZP、CLB、LTG 部分か全般か不明 VPA CBZ
発作型から選択する抗てんかん薬
フェノバール(PB)、テグレトール(CBZ)、アレビアチン(PHT)、エクセグラン(ZNS) セレニカ・デパケン(VPA)、 リボトリール(CZP)、マイスタン(CLB)、ザロンチン(ESM)、
イーケプラ(LEV)、ガバペン(GBP)、ラミクタール(LTG)、トピナ(TPM)
薬の特性をざっといえば・・・
・全般性発作が得意 リボトリール
・部分発作が得意
テグレトール、ガバペン、アレビアチン、マイスタン
・どっちもいけます
デパケン、トピナ、イーケプラ、ラミクタール、エクセグラン
・特別な疾患だけ得意
エトクサシミド、ACTH、TRH、ビタミンB6
・最後のとっておき ケトン食療法
抗てんかん薬は飲み始めて いつぐらいから効いてくるの
ですか?
2018/8/17
薬によって違いますが 約1~2週間です
(半減期の5倍)
抗てんかん薬が決まったら・・・
①薬の副作用を説明し、通常量の半量から開始。
(入院中なら通常量から開始)
↓
② 1~2週間後に通常量に増量
↓
③ 1~2週間後に効果判定
良く効いている
そのまま内服継続
全く効いていない 悪くなった 副作用が強い
内服変更 効いているが不十分
血中濃度測定
低いなら増量 問題なければ 2剤目追加
合理的多剤併用療法とは?
単剤治療から多剤治療への変更方法として ある程度有効であった最初の薬剤に2番目の 薬剤を追加する。
2番目の薬剤あるいは3番目の薬剤は
その薬剤の有効性、副作用、相互作用、作用機序 を考慮し選択する。
抗てんかん薬の相互作用
抗てんかん薬は何種類ま で一度に飲めるのですか
基本は1剤。
多くても2~4剤です 種類はなるべく少なくします
2018/8/17
なぜ抗てんかん薬をなるべく 少なくするのか
理由①:種類が多いと副作用も多くなる、強くなる
理由②:抗てんかん薬同士が邪魔しあったり、
強めあったりすることがあり、かえって 発作が悪くなることがある。
ご清聴ありがとうございました。