察することにする。このとき、
Q|j, l > = [J0+J0−−J3(J03−1)]|j, l >
= −l(l−1)|j, l > (4.84)
となるため、 l=j+ 1となっている。また、m <0 のときはJ0+|j, l >= 0 となるとすると Q|j, l > = [J0+J0−−J3(J03+ 1)]|j, l >
= −l(l+ 1)|j, l > (4.85)
となるため、 l=−j−1 となっている。
次にm >0 としたとき、 状態|j, m >に J0− をかけていったときに、zero になる状態がない 場合を考えてみる。このとき、0 ≤m0 <1 としたとき、J0−|j, m0 >が positive norm になるこ とが言えれば、先程の議論より、正負すべての m に対して positive norm になることが言える。
したがって、次のような量を計算することにする。
||J0−|j, m0>||2 = < j, m0|J0+J0−|j, m0 >
= < j, m0|Q+J03(J03−1)|j, m0 >
= [−j(j+ 1) +m0(m0−1)]< j, m0|j, m0> (4.86) この量が正であるためには、
−j(j+ 1)> m0(1−m0) (4.87) を満たしている必要がある。
以上の条件をもとにして、SL(2, R) のunitary 表現を分類することができる。
1. identity表現 I : |0,0>
Q、J03両方についての固有値が 0となるような状態。
2. discrete series (lowest weight )D+ : |j, m >
j≥ −1
2 で、m=j+k k= 1,2,· · ·の状態。J0−|j, j+ 1>= 0となっている。
3. discrete series (highest weight )D− : |j, m >
j≥ −1
2 で、m=−j−k k= 1,2,· · ·の状態。J0+|j,−j−1>= 0となっている。
4. principal continuous series C : |j, m >
j=−1
2 +iν ν >0 で、m=k+m0 k∈Zの状態。
5. complementary series : |j, m >
max{−m0, m0−1}> j ≥ −1
2で、m=k+m0 k∈Zの状態。
次にdescendantも含めた場合について考慮することにする。すぐに分かるようにJ−3n|ψ > の ような状態はSL(2, R) の計量に負計量が含まれていることから、negative norm の状態になる。
したがって、J−3n に対応するU(1)のcurrentで割ったSL(2, R)/U(1) coset 模型を考えることに する。具体的には状態をU(1) current のhighest state だけに制限することに対応している。式 で表すと、
Jn3|ψ >= 0, n≥0 (4.88)
となる。ここでは primary state のとる表現を discrete series D+ にする。後で分かるように discrete series D+ を選んだときに、時空の共形場理論の状態に対応する worldsheet 上の演算子 を作ることができる。このとき、current 代数の levelをk としたときに、j に制限をつけ、
0< j+ 1< k
2, k >2 (4.89)
とした時に状態|ψ >がpositive normのみとなることを示すことができる。su(2)のcurrent 代 数の場合にはlevelk が量子数j によって制限されることが知られていて、sl(2, R) のcurrent 代 数の場合にはその逆の状況が起こっている。
以下で証明を与える。状態|ψ >を持ってきて、J03 の固有値をm とし、L0 のprimary state 以外からの寄与をgradeと呼んだとき、 gradeが N であるとする。このとき、
< ψ|L0|ψ >=
(
−j(j+ 1) k−2 +N
)
< ψ|ψ > (4.90) となることから、式(4.78)の具体的な表式をもちいることによって、
< ψ|ψ >= < ψ|[J0+J0−+∑p≥1(J−+pJp−+J−−pJp+−2J−3pJp3)]|ψ >
[(k−2)N +m(m−1)−j(j+ 1)] (4.91) と書き直せる。
まず、式(4.91)の分母が正であることを示す。N = 0、m > j + 1のときには仮定からもとも との norm は正となっている。k > 2 、m > j+ 1 のときは正になっていることがすぐに分か る。いま、descendant も含めているので、m < j+ 1 の状態も含まれている。primary state は m > j+ 1 の状態になっているが、その状態から J−−n を作用することによって、m の固有値を 一つ下げることができる。ただし、このとき同時にgrade をnだけ上げる。したがって、いつも j+ 1−m≤N が成り立っていることが分かる。このとき、ρ=j+ 1−mとするとこの量はいつ も正なので、式(4.91)の分母を書き直した式
[(k−2)(N −ρ) +ρ(ρ−1) + (k−2j−2)ρ] (4.92)
から k >2より分母は正になっていることが分かる。
次に式(4.91)の分子が正であることを示す。|ψ >がU(1) currentに対して highest stateとし たことに注意すると、式(4.91)の分子を次のように書き換えることができる。
< ψ|(∑
p≥0
J−+pJp−+∑
p≥1
J−−pJp+)|ψ > (4.93)
U(1) currentのhighest state への射影演算子をP で定義した時、identityを 1=P+∑
n>0
(
− 2 kn
)
J−3nPJn3+ 1 2!
∑
n1n2>0
(
− 2 kn1
) (
− 2 kn2
)
J−3n1J−3n2PJn32Jn31 +· · · (4.94) とすることができる。式(4.93)にidentityを 挿入することで、次のように書き直すことができる。
∑
m≥0
< ψ|∑
p≥0
J−+p 1 m!
(
−2 k
)m 1
n1· · ·nmJ−3n1 · · ·J−3nmPJn3m· · ·Jn31Jp− +∑
p≥1
J−−p 1 m!
(
−2 k
)m 1 n1· · ·nm
J−3n1 · · ·J−3nmPJn3m· · ·Jn31Jp+|ψ > (4.95) J−3nを移動させて|ψ >で消すことによって式を簡単にできる。さらに
Fp
(2 k
)
=
∑p q=0
fq
(2 k
)
(4.96)
fq (2
k )
= ∑
m≥0
(2 k
)m m!
∑
ni>0
1
n1· · ·nmδ(n1+· · ·+nm−q) (4.97) という関数を定義することによって、
< ψ|∑
p≥0
Fp (2
k )
J−+pPJp−+∑
p≥1
Fp−1 (2
k )
J−+p|ψ > (4.98)
とまとめることができる。
以下Fp(2/k)が正であることを示すことによって、< ψ|ψ >が正になることをいう。fq
(2 k
) は 母関数が
fq (2
k, z )
=
∑∞ q=0
fq (2
k )
zq = ∑
q=0
(2 k
)m
m! (−ln(1−z))m
= (1−z)2k (4.99)
となることから逆に求め直すことができて次のようになる。
fq
(2 k
)
=−1 q
(2 k
) ( 1− 2
k ) (
1− 2 2k
)
· · · (
1− 2
(q−1)k )
(4.100) これを用いて Fp
(2 k
)
を求めることができ、
Fp (2
k )
= (
1−2 k
) ( 1− 2
2k )
· · · (
1− 2 pk
)
(4.101) となる。いまk >2なのでFp(2/k)>0 が言えた。このことから、< ψ|ψ >が正になることが言 える。したがって、式(4.89)の条件の元では、今定義したcoset模型はpositive normの状態しか ないことが言えた。