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超弦理論と双対性

ドキュメント内 1 Introduction (ページ 31-36)

2.4 共形場理論と弦理論

2.4.2 超弦理論と双対性

次に今までの議論を超弦理論の場合に拡張する。超弦理論のworldsheet上の作用はボゾン的弦 理論の場合にフェルミオンを導入することで得られる。

S= 1 4π

π

0

dσ(1

α∂Xµ∂X¯ µ+φµ∂φ¯ µ+ ¯φµ∂φ¯µ) (2.153) ただし、µ= 0,1,· · ·,9とした。まず、開弦の場合を考察する。作用の変分をとると、

µδφµ−φ¯µδφ¯µ]σ=πσ=0 (2.154) の項が出て、変分が well-defined であるためにはこの項が消えている必要がある。そのため、境 界でφµ=±φ¯µ である必要があるが、例えば、

φµ(π, τ) = ¯φµ(π, τ) (2.155) ととっても一般性を失わない。ここで、φ¯µ(σ, τ) =φµ(2π−σ, τ) と定義しなおすことで、開弦の 場合のフェルミオンは φµ のみで表すことができる。φµ(0, τ) = ±φ¯µ(0, τ) の2 種類の可能性が あることから、境界条件は2 種類出る。

負の符号を選んだ場合、

φµ(0, τ) =−φµ(2π, τ) (2.156) となる。この場合はNeveu-Shwartz (NS) sectorと呼ばれ、mode展開は

φµ(σ, τ) =

rZ+12

φµreir(σ+iτ) (2.157)

となり、半奇数の modeで展開される。mass spectrum は m2 = 1

α(N1

2) (2.158)

となっているため、φµ1

2|k >の状態がmassless状態にあたり、ゲージ場に対応している。lightcone

gaugeをとると、SO(8) のベクトル表現8vになっている。超弦理論では時空に超対称性を持たせ

るために GSO projectionを行う必要がある。このときに tachyon の寄与は取り除かれ、超弦理

論は tachyonのない理論になっている。また、NS sectorは時空でボゾンに対応している。

境界条件はもう一つ

φµ(0, τ) =φµ(2π, τ) (2.159)

の場合があり、Ramond (R) sector と呼ばれている。mode展開は φµ(σ, τ) =

nZ+12

φµnein(σ+iτ) (2.160)

となり、整数のmodeで展開される。R sectorの零点エネルギーはzeroになっている。ϕµのzero modeは

µ0, φν0}=ηµν (2.161)

の反交換関係を満たすため、真空は縮退していてSO(8)のスピン表現をなす。32表現はchirality の異なる 2 つの表現 16 + 16’に分けることができるが、 GSO projection により片方のみが生 き残る。さらにlightcone gaugeをとったとき、φ0,1 による寄与は消えるので、8s あるいは8c

残る。R sector は時空でフェルミオンになっていて、massless 部分では超対称性が成り立ってい

ることが分かる。

閉弦は開弦を 2 つ組み合わせることで作ることができる。ただし、2 つの弦の level は一致し ている必要がある。開弦のR sector のchiralityは2 種類あったので、2つのchiralityが同じ場 合と違う場合に分けられる。chiralityが同じ場合 Type IIA と呼ばれ、違う場合 Type IIB と呼 ばれる。時空でボゾンになるのはNS-NS sector とR-R sctorであり、フェルミオンになるのは、

NS-R sectorとR-NS sectorである。ここではボゾンの場合のみ考察する。spectrumはベクトル 表現とスピン表現を組み合わせることによって見付けることができ、

Type IIA Gµν, Bµν, ϕ C1, C3

Type IIB Gµν, Bµν, ϕ C0, C2, C4+ (2.162) となる。NS-NS sectorの寄与は8v8v から得られ、Gµν は重力子、Bµν は2階反対称テンソル、

ϕはdilatonを表している。R-R sectorの寄与はp 階反対称テンソル場Cp となっている。Type IIAの場合は8s8s から得られ、スピン表現の合成則から奇数次の form のみ存在する。Type IIBの場合は 8s8c から得られ、偶数次のform のみ存在する。高次のform は低次のform の dualによって得られるが、3-formは自分自身とdualなため、self-dualな部分のみになっている。

NS-NS sectorの場は基本的弦と結合するが、R-R sector の場は 摂動論の範囲以内では結合す るものがない。1-formのゲージ場 Aµ は点粒子と Aµdxµ の結合をする。同様に NS-NS sector の場 Bµν は基本的弦と

Σ

Bµνdxµ∧dxν (2.163)

の結合をする。Σはworldsheetを表しているとする。これらの話から、(p+ 1)-formのRR sector の場 Cp+1 は(p+ 1)次元に延びた物体である Dp-braneと

Mp+1

Cp+1dx∧ · · · ∧dx (2.164) の結合をすると思うことができる。Mp+1 はDp-braneのworld volume とする。このことから、

D-brane はRR-charge を帯びた物体と思うことができる。10 次元の Hodge dual をで表すこ とにすると∗dCp+1 =dC7p となるので、electric な Dp-braneに対して magnetic dual である D(6−p)-braneが存在する。同様に基本的弦(F1)にもmagnetic dualな物体が存在し、NS5-brane と呼ばれている。Type IIA 理論には奇数次のRR sectorの場しか存在していないことから、D0、 D2、D4、D6、D8のbraneが存在し、Type IIB 理論には偶数次のRR sector の場しか存在して いないことから、D1、D3、D5、D7のbrane が存在している。

図2.9: 閉弦の gloop ダイアグラムあるいは genusg のリーマン球面

D-braneのtension はボゾン的弦理論の場合と同様にして計算でき、

τp2 = π

κ2e(4π2α)3p (2.165) となる。弦理論の摂動論をする上での展開パラメーターである弦の結合定数はgs=< eϕ>として dilaton の真空期待値で計算できる。閉弦の worldsheet は genus g のリーマン面となっていて、

genus の数が loop の数に対応している。このとき、弦理論における振幅はEuler 数χ = 22g を用いるとgχs に比例していて、g についての展開はloop 展開に対応している。開弦が入った場 合も同様の議論ができる。しかし、 dilaton の真空期待値は摂動論の範囲では計算することがで きない。基本的弦のtension をτF1 で定義すると、

τF1 τD1

= 1

2πα κeϕ

5/2α (2.166)

は弦の結合定数 eϕ に比例しているので、次のように規格化を決める。

gs= τF1 τD1

(2.167) この式から重力結合定数を決めることができ、

κ2 = 1

2(2π)7α (2.168)

となる。この式からDp-braneのtension を弦の結合定数を用いて書き直すことができ、

τp = 1

gs(2π)pα(p+1)/2 (2.169)

となる。

11d

10d

9d

Type IIB Type IIA Het SO(32) Type I M

S dual

T dual T dual

S dual S

1

Het E x E

8 8

S

1

Z

2

図2.10: 超弦理論の双対性

超弦理論には今まで説明したType IIの理論の他に、開弦を加えて向きづけ不可能にしたType I理論と、left moverをボゾン的弦にし、right moverを超弦にした混合型の Heterotic理論があ る。ゲージ群はanomaly matchingなどで決められ、Type I理論の場合にはSO(32)、Heterotic の場合にはSO(32)E8×E8 のときのみ自己矛盾のない理論になっていることが知られている。

これらの超弦理論は別々な理論ではなく、双対性によって全て結び付いていると考えられている。

まず最初にT dualityによる効果を考える。T-duality では式(2.145)のように座標を変換する。

このとき、スピノールの chiralityが入れ換わるため、T-dualすることによって、Type IIA理論 とType IIB理論が入れ換わる。また、Heterotic 理論も Wilson line を入れてT-dual すること で、群がSO(32)E8×E8 の理論を入れ換えることができる。

その他の双対性として S-dualityがある。S-dualityは非摂動論的な効果によるもので、弦の結 合定数を

gs→gs= 1

gs (2.170)

に入れ換える作用をする。すなわち、弦の結合定数が小さいところでの理論が弦の結合定数が大き いところの理論と等価であることを表している。Type IIB の超弦理論には SL(2, Z) 変換がある と信じられていて、そのなかで、弦の結合定数に対してgs 1/gsのような変換性を示す変換は、

τ =C0+ieϕ (2.171)

と定義したとき、τ → −1/τ に入れ換え、BµνC2 を入れ換える変換である。このことから、

Type IIB のS-dual によって、F1 とD1、NS5とD5 が入れ換わることが分かる。

Type IIA 理論を S-dual すると、11 次元方向R11 = gsls が見えてきて低エネルギーでは 11 次元超重力理論となるM 理論に行く[31]。E8×E8 のHeterotic 理論でも同様に M理論に行く [32]。SO(32)のHeterotic理論は SO(32)のType I理論と S-dualで移りあう[33]。これらの双

対性によって全ての超弦理論が移りあうことができる。全ての理論を含むものをM 理論と呼ぶこ とがあり、moduli空間のある特定の場合が5種類の自己矛盾のない超弦理論や11 次元の重力理 論になると思うことができる。これらの双対性を図で表すと、図2.10のようになる。

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