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O O 八)年に

ドキュメント内 総研叢書 第07集 共に生き、共に往くために (ページ 130-145)

あそかビハiラクリニック叫

施設の概要

京都府から車で四

O

分ほどの城陽市に位置するこの施設は︑平成二

O (

O

照らされている﹁ぬくもり﹂と﹁おかげさま﹂の心で︑安らぎの医療を実践します﹂とい

う基本理念をもとに︑以下の基本方針と活動方針を掲げている︒

︿基本方針﹀

①私たちは︑すべての患者さん・ご家族に自分の大切な人を看るまなざしで︑あなた

の気持ちを尊重するケアをします︒

②私たちは︑ありのままのあなたを大切に受けとめ︑その思いに寄り添います︒

③私たちは︑自分を取り巻くすべての人のつながりの中で感謝の心を持ちながら︑あ

なたとともに成長していきます︒

④私たちは︑出会った人とのつながりをいつまでも大切にし続けます︒

⑤私たちは︑すべてのスタッフが互いに尊重し信頼しあうことのできるチlムづくり

をします︒

︿活動方針﹀

①あなたと家族︑すべてのスタッフの間に︑あたたかいコミュニケーションに基づく

信頼関係を築きます︒

仏教ホスピス運動

129一一一一一第四章

②あなたを悩ます痛みや不快な症状を緩和します︒

③限りあるいのちの中で見出す真実を真撃に受け止めます︒

④あなたと家族が希望する場所で︑あなたらしく時を過ごせるよう支えます︒

⑤あなたと家族が望むときに︑家族がケアに参加できるよう援助します︒

⑥愛する人と別れなければならない苦しみに︑療養中から死別した後まで寄り添いま

す︒

⑦他の医療機関と連携し︑地域と共に歩むクリニックをめざします︒

ピハ

l

ラの施設として質の高いケアを提供できるよう︑研修・教育に努めます︒

﹁ビハ│ラ﹂の説明

あそかピハ

l

ラの

l

l

ジには詳細にビハ

l

ラの説明が記載されている︒

﹁ピ

l

ラ﹂という言葉はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが︑この言葉は

古代インドのサンスクリット語の︿

E ω

l E

をそのまま音訳したものですそのピハ︒

ラという言葉は︑﹁精舎・僧院﹂﹁身心の安らぎ・くつろぎ﹂﹁休息の場所﹂を意味し

ています︒

﹁精

・僧院﹂というのは一般にいわれる﹁寺院﹂のことで︑お寺は﹁身

心の安らぎの場所﹂を意味していました︒つまり仏教の教えは︑生・老・病・死の苦 悩を課題とし︑身心の安らぎをもたらすものでした︒聖徳太子が建立されたと伝えら

れる四天王寺には﹁四箇院﹂といって﹁敬田院﹂﹁施薬院﹂﹁療病院﹂﹁悲田院﹂が設

立されており︑仏教と医療や介護といった社会福祉は密接な関わりをもってい

まし

た︒しかし︑時代の流れの中で仏教と医療や介護といった社会福祉はそれぞれ専門分 野化し︑各分野の関わりが薄れてまいりました︒特に仏教・僧侶の活動はお葬式が多

くなり︑仏教H死というイメージが強く︑病院の中で僧侶の姿を見かけることはまず

ありえないというのが現在の状況です︒そのような中で︑仏教がもともと課題として

きた︑老・病・死の苦悩に応えるため︑医療・介護といった社会福祉の各分野とも連

携しようという活動が生まれます︒それが﹁ピハ

l

ラ活動﹂と呼ばれるものです︒浄

土真宗本願寺派では一九八七年からピハlラ

活動が展開され︑医療の分野だけでな く︑介護の分野も含めた社会福祉領域などにも活動の範囲を広げてまいりました︒現

在では全国各地にピハlラ活動の団体が組織作られ︑病院や高齢者施設などで様々な

活動がなされています︒宗教が基盤にある活動と聞くと︑勧誘されるのではないかと

いう不安もあるかもしれませんが︑このピハ

l

ラ活動は︑生・老・病・死の苦悩に共

仏教ホスピス選動

131一一一一一第四章

感し︑少しでもその苦悩を和らげていこうとするもので︑信者を増やすことを目的と

したものではありませんので宗教が違っていたり︑宗教に関心がなくてもご安心いた

だくことができます︒

(四)

対象とする患者

あそかピハ

1

ラでは︑対象とする患者について次のように説明している︒

①苦痛の緩和を必要とするがん等の悪性腫療に擢患している患者さんなど(がんの早

期からの和ケアを希望される患者さん︑医師が治癒困難と判断した患者さん︑自ら

積極的治療を希望しない患者さんなど)︒

②患者さんとご家族︑またはその何れかが緩和ケア・終末期ケア(エンドオブライフ

ケア)を望んでいることを原則とする︒

③緩和ケアの提供時に患者さんが病名・病状について理解していることが望ましい︒

もし理解していない場合︑患者さんの求めに応じて原則的には適切に病名・病状の

説明をする︒

④家族がいないこと︑収入が乏しいこと︑特定の宗教を信仰していることなど︑社会

的・経済的・宗教的な理由で差別はしない︒

国行われている宗教行為

あそかピハ

l

ラでは﹁スピリチユアル・ケアの実践のためにピハ

l

ラ僧(仏教チャプレ

ン)が常駐僧侶として活動しています︒また︑当院は浄土真宗(西)本願寺派が設立母体

ですが︑患者様・ご家族それぞれの宗教・宗派・信念にゆだねており︑強制的な宗教勧誘

をすることはありません︒宗教に関わりなく綾和ケアを受けることができます﹂と注釈を

つけたうえで︑ピハ

l

ラ僧の院内での役割について︑﹁主にスピリチユアルな痛みに対す

るケア﹂としている︒スピリチュアルな痛みについては﹁﹃なぜ自分だけが病気になった

んだろうか

﹄ ﹃

何のために今まで生きてきたんだろうか

﹄﹃

死ぬのが怖い

﹄ ﹃

死んだらどう

なるのか

﹂ ﹃

きっ

と自分は死んでも救われない﹄などの︑病気によって生じる人間存在の

危機から生じる苦悩﹂と説明している︒また﹁ピハ

l

ラ僧はスピリチユアルケアだけでは

なく︑様々なお悩みも聞かせていただいております﹂とあり︑続けて宗派・宗教を超えて

宗教的な悩みも聞くことの他︑﹁家族問の悩みや散歩のお手伝いなども﹂すると述べてい

る︒

仏教ホスピス迷動

133一一一一一第四章

長岡西病院と同じく︑朝と夕方に勤行があり︑朝の勤行には日勤の病院スタッフは全員

参列する︒また夕方の勤行の折には一五分以内の法話も行っている︒ホールにてお別れ会

を開くこともあり家族の他︑病院のスタッフも参加するが︑同施設の入居者の参列はほぼ

ないという︒

三・三佼成病院

付施設の概要

新宿から車で一五分ほどの場所︑東京都中野区内にある佼成病院内に設置された緩和ケ

ア施設である︒名称にもある通り︑宗教団体である立正佼成会の附属病院であり︑緩和ケ

ア病棟は平成一七(二

OO

五)年に設立された︒現在の病床は一一一床である︒

理念

佼成病院では以下の理念を掲げている︒

﹁人が生きる﹂ということを尊重し︑今あるいのちに敬意をはらいます︒そして︑患

者さんおよびご家族が抱いていらっしゃる困難に対し︑多種のスタッフが力を合わせ

てチ lムを組み︑穏やかな日々をお過ごしいただけるよう最大の援助を行い︑共に喜 びゃ悲しみを分かち合うことのできる一員であることを目指します︒ 国

﹁ ビ ハ

lラ﹂の説明

﹁当病院の宗教法人としての特徴をいかし︑宗教的理念(仏教を基本的理念として)を

重視しつつ︑いかなる宗教︑宗派をお持ちの方にもその方の人格︑宗教観を尊重してまい

ります︒一般には︑緩和ケア病棟はホスピスと言われておりますが︑当院では仏教用語を

用い

︑﹁

ピハ

1

ラ病棟﹂といたしました﹂とした上で︑ピハlラについては以下のような

説明を加えている︒

{ピ

lラ}とは仏教の言葉で﹁やすらぎの場﹂﹁休養の場﹂などの意味があります︒

がんによる身体や心の痛みを和らげることを望まれるかたのための病棟です︒今ある

症状を緩和する治療はできる限り行いますが︑延命治療は行いません︒患者さん︑ご

家族が今あるこのときをその方らしく生活していただけるように援助いたします︒入 棟に際して宗教の有無︑教派などは問いません︒

135一一一一ー第四章 仏教ホスピス運動

四 対 象 と す る 患 者 佼正病院において対象となる患者は積極的な治療を望んでいない悪性腫蕩の患者およ び︑当病棟でのケアを理解した入棟の希望者で事前に真実の病名・病状についての説明 (告知)を受けていることが望ましいが︑必ずしも告知の必要はない︒ただし︑入棟後︑

患者のご要望に応じて︑真実の病名・病状の説明がなされる場合もあることは了解する必

要がある︒ 国

行 わ れ て い る 宗 教 行 為

前述のとおり︑立正佼成会を母体とする病院であるが︑他の病院と同様︑入院時・在院

時含めて︑宗教による規制はまったくない︒設立当初から要請を受けたカウンセラーの資 格を有する立正佼成会会員が患者のスピリッチュアルケアlの任にあたっている︒

施設内 には仏像の安置された部屋はあるものの︑特別な宗教的法要は行われていない︒

理念と実践内容の考察

ドキュメント内 総研叢書 第07集 共に生き、共に往くために (ページ 130-145)