にあることからも︑社会的需要に対して施設の継続的な維持が難しいことがうかがえる︒
対象となる疾患の広がり←施設の不足←在宅へのシフトの問題
二
OO
六年六月に成立した﹁がん対策基本法﹂では︑国及び地方公共団体に︑﹁がん患
者の状況に応じた悲痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に﹂(同法第一六条の一
部)行われるために必要な施策を講じるべきことが定められており︑今後︑緩和ケアの対
象は着実にひろげられていくと考えられる問︒
また国の政策が在宅ケアに重点を置いたものへとシフトしていくなか︑五・二に挙げた
問題点と相まって施設型のケアの限界が議論されるところである︒また施設型ではこれま
で見てきたとおり︑﹁信仰に基づく運営の難しさ﹂の問題も明らかになっており︑今後︑
療養型・高齢者専用賃貸住宅型・派遣型等︑さまざまな形態が模索されてくることになる 五
・三
であ
ろ︑
っ ︒
浄土宗︑僧侶としていかにすべきか
浄土宗は緩和ケアの問題に対してどのような姿勢を持っていたのか︒谷山氏は﹁浄土宗
では
﹁ピ
ハ
l
ラ﹂という言葉には関心が薄いようだが︑﹁仏教看護・仏教福祉﹂を標梼した活動をする僧侶たちもいる﹂と指摘をしているマ﹁ピハ
l
ラ﹂を提唱した田宮氏は浄土宗の大学である偽教大学に仏教学科専攻科仏教看護(ピハ
l
ラ)
コ
l
ス開設する際に参画しており︑その過程では元浄土宗総合研究所所長の水谷幸正氏も深く関与している︒に
も関わらず﹁関心が薄い﹂と指摘される状況にある︒
実際に浄土宗はあそかピハ
l
ラク リニ
ック
の
ような施設を有してはいない︒浄土宗教師
が専門的に終末期の活動に関わっていく場合には︑独自の施設が必要となるであろうが五・
二でも考察した通り︑経営的には単独で緩和ケア施設を維持していくことは難しいと考え
られる︒自宅で亡くなる人の数よりも病院で亡くなる人の数が多くなっていること︑そし
てその病院内では宗教的行為が行える状況にはない現状を考えると︑檀信徒の臨終に際し
て︑浄土宗の宗義である西方極楽浄土への往生のためのプロセスを共有し︑念仏をともに 五
・四
仏教ホスピス遼動
147 第四章
図10 葬儀の役割についての意識
全国(寺院)田 圃 園盟 国 附 園 圃 園 町 勝額
ト I
全国(檀信徒)園 町 圃 圃 圃 園町 咽 田 園 圃 圃 圃 圃 f J
l
100%
80%
故人との別れ 故人の冥福を祈る 残された遺族の心を慰める 故人(霊)を極楽浄土(あの世)へ送る 故人を家の先祖にする儀式
故人が自分らしさを表現する最後の機会 その他
法話はしているが、お葬式の意味は説明していない 40% 60%
20%
0%
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ロ・
図
ロ・
図
実践する場がない︑ということを意味する︒換
言すれば﹁阿弥陀仏と願往生人﹂と﹁願往生人
とその家族(送る側
)﹂との関係を︑患者も家
族も実感する場がない︑という問題が生じてい
るといえる︒
また僧侶養成課程において︑そうした問題に
ついて自身の考えをまとめたり︑仲間と討議を
したり︑現場を体験する機会はもうけられてい
ない
︒つまり終末期を迎えた方への関わり方に
ついては︑僧侶各個人に委ねられているのが現
状である︒ 檀信徒にとっては宗教的真実である阿弥陀仏
による来迎引接にリアリティがなく︑僧侶にと
っては檀信徒の死のプロセスに関わっていくこ
とが難しいという認識が存在する︒この事実を
表した調査がある︒浄土宗総合研究所の現代葬祭仏教研究プロジェクトが二