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(緩和ケア施設)数の推移

区ヨ施設数 4ー施設数累計 図 1:ホスピス

250 

累計施設数

ω ∞ 

1 1  

20  18  16 

̲ 14  12 10 8

O)~ <fl: <fl~ <fl: <fl~ ~や'O)O)~~手<fl":

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(http://www . hpcj . org/what/pcu̲sii. html)  2

∞ 

50 

一年七月一日現在)となっている

( 図

1 参

資料参照)︒

ホスピスと緩和ケアの遣いと対象となる患者

﹁ターミナルケア﹂﹁ホスピスケア﹂﹁緩和ケア﹂などのさまざまな呼称を耳にすること

があると思われるが︑それらはしばしば混同されている︒それぞれの差異について︑日本

ホスピス緩和ケア学会による説明叫と︑柏木哲夫氏刊による説明をまとめると図

2

のよう

になる︒

一 . 

一 一

まず︑﹁ターミナルケア﹂とは死が近い人全般に対して行われるケアであり積極的な治

療(例えば︑人工心肺など)も行われるのに対し︑﹁ホスピスケア﹂とは﹁全人的なアプ

ローチ﹂ということばからもわかるように︑ターミナルケアの中でもその患者の苦痛を取

り去ることを目的としている︒医師や看護師だけでなく︑臨床心理士や宗教者︑ボランテ

ィアなどが加わって心身ともに痛みをとることを目的としているケアである︒医師が完治

は難しいと判断した患者を対象として︑積極的な治療は行わない全人的なケアの総称と言

える︒

それに対して︑﹁緩和ケア﹂とは痛みを取り除くことを主眼としたケアである︒

﹁緩

和ケ

図2 用語の説明

1950年代からアメリカやイギリスで提唱された考え 方で、人が死に向かつてゆく過程を理解して、医療 のみでなく人間的な対応をすることを主張した。

ホスピスはケアの対象を末期の患者(日本圏内では ターミナルケア 悪性疾患(がん)とエイズに限定)とその家族、と Terminal care  しているが、当然末期の患者全員がホスピスに入る わけではなしむしろ一般病棟で最後を迎える人の 方が多い。そこでホスピスケアを含めて、主三

c

(J)

主遡の息主にtl主るケアをターミナルケアと匠んで ヒゑ。

1960年代からイギリスで始まったホスピスでの実践 を踏まえて提唱された考え方で、死に行く人への金 人的アプローチの必要性を主張した。

ホスピスの経緯については前述の通り中世ヨーロッ パでは旅人であったのに対し、その後主にケアの対 象としたのはハンセン病や結核であった。この両者 が治癒可能となった後、今度は対象者ががんとエイ ホスピスケア ズへと移行した。このことを考えると今後、医学の 進歩と新たな治療困難な病気の登場により、対象と Hospiccare  なる患者の疾患は変化することが考えられる、とい 。その一例として柏木は2004年現在のアメリカの ホスピス数3650のうち、ケアの対象に占めるがんの 割合が46%に過ぎないことを挙げている。つまり現 時点ですらホスピスでケアを受ける人の半分以上は がん以外の疾患であり、例えば心疾患が12.2% 知症が8.9%、その他にもエイズ、慢性の肺疾患や 腎疾患、神経筋疾患などを挙げている

1970年台からカナダで提唱された考え方で、ホスピ スケアやターミナルケアの経験と方法が注ぎ込まれ たもの。治癒が不可能な疾患に伴う不快な症状のコ 緩和ケア トロールを目的とするケアが「緩和ケア」 と呼ば Palliative care  れるようになった。国や社会の違いを超えて人の死 に向かう過程に焦点をあて、積極的なケアを提供す ることを主張し、 WHOがその概念を定式化した (l参照)

1990年代からアメリカやカナダで高齢者医療と緩和 ケアを統合する考え方として提唱されている。ター ミナルケアに変わる語として2

0年代に入り広ま エンドオプライフ・ケア り、現在医療分野ではこの語に完全に置き換えられ End‑ofLife care  ている。北米では緩和ケアはがんやエイズを対象としたもの という理解があるが、がんのみならず認知症や脳血 管障害など広く高齢者の疾患を対象としたケアを指

している。

109  第四章 仏教ホスピス逮動

ア施設(病棟)﹂ということばがよく使われるが︑これは単にここでいう﹁緩和ケア﹂を

行う施設を指すわけではないことに注意が必要である︒﹁緩和ケア施設(病棟)﹂というの

は︑厚生労働省の設置基準を満たした施設を指している︒この基準では︑﹁ホスピスケ

ア﹂や﹁緩和ケア﹂とは異なり︑患者の疾患の種類が限定されている(悪性腫携で余命六

か月以内かエイズの患者)︒こうした基準に従い︑ケアを行う場所を﹁緩和ケア病棟﹂と

いうのである︒

緩和ケア病棟では︑一般病棟のような︑病気に対する治療や手術を行わず︑あくまで

も︑様々な苦痛への緩和を目的としており︑延命を目的とした医療行為は行わないのが一

般的である︒

また

一般病棟では治療という観点から︑患者さんに対して食事や面会時間

等︑さまざまな制限が加えられるが︑緩和ケア病棟では患者さんの﹁生活﹂が第一に考え

られ︑最小限の規制以外は基本的には自由に活動ができる︒

入院 費に 関し ては

一日あた

りの

一定額の金額が定められているが︑一般病棟と同じように︑健康保険も適応され︑高

額医療の助成も受けることができる︒

日本では平成

二二

年厚生労働省﹁援和ケア病棟入院料の施設基準﹂により︑ホスピス・

緩和ケア病棟(医療保険制度による承認施設)で提供されている保険診療の対象となるの

全人的苦痛(トータルベイン)をもたらす背景 身体的苦痛

図3

社会的苦痛

• •

精神的苦痛

うつ状態 いらだち 孤独感

スピリチュアルペイン

罪の君主織 死の恐怖 人生の意味

脅しみの意味 価値観の変化 死生観に対する悩み

独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センタ がん情報サーピスHPより (http://ganjoho . jp/public/support/relaxation/palliative̲care. html) 

は︑﹁主として悪性腫

蕩(がん)の患者又は

後天性免疫不全症候群

に 曜 患 し

( A I D S )  

(カ

ツコ

ている患者﹂

内︑筆者)と定められ

ている︒しかし現実に

は︑上記の説明でもわ

か る 通 り

﹁ ホ ス ピ

ス﹂や﹁緩和ケア﹂は

その理念の根底におい

ては︑それ以外の疾患

の患者さんも受けいれ

る可能性をも示唆して

おり︑またその患者さ

仏教ホスピス運動

111一一一一一第四章

んは末期ではないこともあり得る︒ケアの形態も施設への入院を伴うもののみならず︑訪

問診療や訪問看護︑訪問介護などの﹁在宅ケア﹂︑一般病棟におけるケアチlムによる

﹁ホ

スピ

スケ

ア﹂

︑あ

るい

ホスピスや緩和ケアの専門外来や﹁デイケア﹂など︑様々な形

態が考えられるのである︒

なお﹁全人的ケア﹂とは﹁全人的苦痛(トータルベイン)﹂をケアすることであるが︑

そのような苦痛をもたらす背景は図

3

のように図示することができる判︒

病気になった患者は﹁身体的苦痛﹂や﹁精神的苦痛﹂を味わうだけではない︒病気とそ

の治療に伴い︑仕事上の問題や家庭内の問題なども生じ︑その患者を取り巻く環境は一変

し︑﹁社会的苦痛﹂が加わる︒さらには﹁スピリチユアルベイン﹂と呼ばれ︑終末期の患

者が人生の意味や罪悪感・恐れなど︑死生観に対する悩みに伴って引き起こされる苦痛も

新たに指摘されるようになってきた︒このような患者にまつわるあらゆる苦痛を﹁全人的

苦痛﹂と呼び︑さまざまな分野の専門家が協働してそのケアに当たることが緩和ケアの目

的となっている︒

一 . 

一 一

緩和ケア施設の種類について

﹁緩和ケア施設﹂と呼ばれる施設は︑その設置形態において大きく次の五つに分類され

(一)病院内緩和ケアチlム

病院内緩和ケアチlムによるホスピスは︑緩和ケア病棟としての承認施設基準を満た

した病棟を持たず︑緩和ケア専任として従事する様々なスタッ

フが

lムを組んで緩和

ケアを行うことを意味している︒病院内に緩和医療を行うための専門家を用意している

施設となる︒病院内緩和ケアチ

l

ムによるホスピスは︑病棟施設基準を満たしていない

ため

緩和ケアのみでなく︑一般的な治療行為をおこないながらのケアとなることが多

i v  

(二)病院内病棟型(長岡西病院など)

病院内病棟型ホスピスとは︑病棟や階を定めて病院内で緩和ケアを行うことである︒

一般病院の一部の病棟をホスピスに利用している施設となる︒ホスピスの行われる病棟

や階は︑﹁緩和ケア病棟﹂または﹁

PCU

﹂と呼ばれ︑多くの病院で最上階または上層

部に配置している︒これは眺めの良さが︑精神的ケアの一つとなるためである︒

(三)病院内独立型(佼成病院︑あそかビハlラクリニック︑聖隷三方原病院など)

113一一一一一第四章 仏教ホスピス運動

病院内独立型ホスピスとは︑一般病棟と同じ敷地内に︑独立した形で建物を持つホス

ピスのことである︒一般病棟とは別棟であるため︑建物は低く︑部屋も︑より自宅に近

いくつろげる造りとなっているのが特徴になっている︒

﹁一

般病棟と同じ敷地内に︑独立した形で建物を持つホスピス﹂などと聞くと︑病院

内独立型ホスピスが隔離病棟であると誤解をされてしまいがちだが︑治療法がなく行き

場所がなくなった患者が最終的にいくところなのではなく︑死を宣告された患者が残り

の人生を︑より自分らしく生きるための緩和ケアを受ける場所とするのが正しい認識で

ある

(四)完全独立型(ピlスハウス︑薬師山︑ゆふみなど)

完全独立型とは︑緩和ケア病棟承認基準を満たす施設を︑独立に設立するもので︑運

用に必要なスタッフや機器が独自に必要になることから︑経営上の負担が大きいとされ

る︒緩和ケア以外の積極的な治療を行わない︒

(五)在宅緩和ケア

在宅緩和ケアとは︑残された限りある時聞を︑苦痛を伴う医療に費やさず︑住み慣れ

た家でできるだけ自然な形で︑最後まで人間らしく生活を送りたいと考える患者を支え

ドキュメント内 総研叢書 第07集 共に生き、共に往くために (ページ 109-117)