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O 4 ナノ粒子

ドキュメント内 表紙 (ページ 77-80)

ナノ構造単位材料から構成される 電力貯蔵デバイスの構築

LiMn 2 O 4 ナノ粒子

図9. 円筒型のカーボンナノファイバー上に酸化鉄ナ ノ粒子を載せた材料の電子顕微鏡像

酸化鉄ナノ粒子

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れいに混ざった状態になっています。この複合材 料を用いることで、電極中の鉄の利用効率を 50  %  程度にまで高めることができました。これは現在 報告されている中で最も高い値です。

 このような酸化鉄―ナノ炭素複合材料において も、充放電を繰り返した際の特性劣化などの問題 が未だ残っています。充放電を繰り返しても特性 を維持させるため、硫化物などの添加剤を現在検 討中です。また、鉄とナノ炭素の混ぜ方についても、

よりよい方法について探索を行っています。

4.  大容量を実現できる電気化学キャパシ タ

 電気化学キャパシタは二次電池とは異なり、大 電流での高速充放電を得意としています。そのた め、電気自動車やハイブリッドカーに使うことも 可能です。本研究では、これまで研究されている 高価な貴金属酸化物系材料に代わる安価で高性能 な酸化物系、導電性高分子系および複合材料系電 極材料について、ナノテクノロジーを用いた研究 を行ってきました。

(1)  カーボンに酸化物ナノ粒子を微量加えて性能向

 電気化学キャパシタは、カーボンを用いる電気 二重層キャパシタと酸化物などを用いるレドック スキャパシタとに分類されます。

 本研究ではまず、カーボンに比較的安価な金属 酸化物を添加することにより、電気二重層キャパ シタの性能向上を目指しました。色々な金属酸化 物系材料を検討した結果、特に In2O3に SnO2を 5  wt% 固溶した ITO を添加した場合に、比容量(重 量当たりの電気を蓄える能力)が増加することを 見出しました。また、ITO の合成方法や焼成温度 を変えて検討しましたところ、従来の硝酸塩分解 法の場合には、焼成温度を変えても一次粒子の大 きさは比較的大きく、あまり差は見られませんで した。ところが、新規な逆沈殿法で合成しますと、

600℃で焼成することにより約 20  nm の小さな粒 子径となりました。こうして得られた ITO ナノ粒 子をカーボンに 5  wt% だけ添加しますと、カーボ ンだけを用いた場合と比べて、約 75%もの比容量 の増加が見られることがわかりました。

(2)  ナノ構造の金属酸化物薄膜だけを電極材料とし て使用

 次に、カーボンを全く用いないレドックスキャ パシタ用電極材料として、これまで報告されて いる RuO2  などの高価な材料ではなく、In2O3  や MnO2のような安価な金属酸化物だけを電極材料 として用いた研究を行いました。これらの酸化物 薄膜は、電気化学的に析出させる電析法により作 製しました。この際、電位を高速で走査させる独 自の電析法を採用しましたところ、多孔質のナノ 構造を持つ In2O3薄膜や MnO2薄膜を作製できるこ とがわかりました(図10参照)。特に MnO2の場 合には、電析の際の電位走査速度が 400  mV/s と かなり速い場合に、これまでの報告値よりも2倍 近く高い約 400  F/g という比容量を示すことを見 出しました(図11参照)。

図 10. 高速電位走査電析法により作製した In2O3

薄膜と MnO2薄膜の SEM 写真

図 11. 種々の条件下で電析した MnO2薄膜電極 の比容量の比較

In2O3 MnO2

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(3)  導電性高分子とカーボンナノチューブとの複合体 電極の作製

また、新しい試みとして、導電性高分子の一種で あるポリアニリン(PANI)をカーボンナノチュー ブ上に電析させた複合材料を作製して、電気化 学キャパシタ特性を検討しました。カーボンナ ノチューブ単独やポリアニリン単独を電極材料と して用いた場合の比容量はあまり大きくありませ んでしたが、導電性の良いカーボンナノチューブ

(SWCNT)上にポリアニリンを 73  wt% の割合で 電析した場合には、図12に示すように約 450  F/g という高い比容量を得ることができました。

さらにごく最近は、ポリアニリンの電析条件を最 適化することにより、ナノワイヤ状の薄膜を作製 することに成功し、この材料が単独でも高い比容 量を示すことも確認しています。

今後、さらに特性の良い電極材料を研究して、二 次電池に近い高いエネルギー密度を有した電気化 学キャパシタを実現したいと思っています。

図 12. ポリアニリンとカーボンナノチューブとの複 合体電極の比容量の混合比率依存性

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1. はじめに

 燃料電池は、現在のエネルギー問題を解決する ものとして世界中で重要課題として研究が進めら れている。図1に示したような簡単なセルを使っ て、この電池による発電は実験できる。その原理 自体は古くから知られていたが、それが現実に最 初に使われたのは 1960 年代のアポロ計画の宇宙 船であろう。しかし、その後、我々の身の周りで 使われることはなかった。やっと 2003 年に非常に 高価な燃料電池自動車が発売され、2005 年には家 庭用の燃料電池も発売された。ほんとの実用化に はさらなる技術開発が必要である。重要なことは、

単に電圧を出力するのでなく、いかに多くの電流 を流せるシステムを作るかである。

 燃料電池のような電気化学的な系の特徴は、電 極近くを微視的に見るとよくわかる。すなわち、(1) 電極の電位を外部から制御でき、(2) その電位や物 質分布の溶液側の広がりが大きいことである。こ のような系でのエネルギー変換(化学エネルギー から電気エネルギーへ)では、電極表面での電位 と反応、および電極近傍の溶液中での物質移動や 電位変化の両方を考慮しなければならない。また、

電解質膜内でのプロトンの特殊な移動(プロトン ジャンプ)についても検討する必要がある。

 このような電極における二相界面を理解するた めには、界面だけではなくその周囲のナノ領域の シミュレーションが必要である。我々は、このよ うなマルチスケールな現象を「第一原理」から理 解しようとしている。表面については、第一原理 シミュレーションでかなりのことがわかってきて

いるが、未知の電気化学的な二相界面にチャレン ジしようというのが我々のテーマである。

 第一原理シミュレーションとは、基本的な物理 定数(プランク定数、光速など)と基本方程式(シュ レディンガー方程式、ニュートン方程式など)か ら計算するものであり、ある程度の近似は使うが、

これによって、経験的なパラメータや物性値を排 して、新たな未知のシステムをも構築できる。経 験的なパラメータ使うと、そのパラメータが有効 な条件あるいは物性値の知られている材料の範囲 内でしか新たなシステムの探索ができないが、第 一原理計算ではその制約がないので、燃料電池の 開発に大きな飛躍が期待できる。

電極二相界面の

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