治験の標題:
ノボラピッドを用いたBasal-Bolus療法実施中の1型糖尿病患者におけるインスリン デテミル(IDet)(1 日1回投与)を対照薬としたSIBA(1日1回投与)の安全性の検討:6週間投与、無作為割り付け、多施設 共同、非盲検、並行群間比較による探索的試験
治験責任医師名:
(日本)
治験実施施設:
8施設(日本)
公表文献(引用文献):
なし(治験総括報告書作成時)
治験期間:
2009年1月21日~2009年5月30日
開発のフェーズ:
第2相
目的:
主要目的:
Basal-Bolus療法を実施中の1型糖尿病患者を対象として、持効型インスリンアナログ製剤(IDetを除
く)又は中間型インスリン製剤から溶解性Basalインスリンアナログ(SIBA)へ切り替え後の安全性
(特に低血糖)について検討する。
副次的目的:
以下の項目を指標として、SIBAによる短期の血糖コントロールについて探索的に検討する。
空腹時血糖値
9点(毎食前、毎食後120分、就寝前、午前3時及び翌日の朝食前)血糖値プロファイル〔自己測定によ る(SMPG)〕
治験方法:
本治験は、Basal-Bolus療法を実施中の1型糖尿病患者を対象として、IDetを対照にSIBAの安全性を検討す ることを目的とした、6週間投与、多施設共同、非盲検、無作為割り付け、並行群間比較による探索的試験 であった。
本治験は、被験者の適格性を評価するスクリーニング(来院1)、スクリーニングより起算して3週(7 日)後に行われる投与開始時(ベースライン)来院(来院2)、6週間の投与期間(来院3~4)及び来院4 の8~14日後に行われる事後調査来院(来院5)より構成された。さらにインスリン投与量の調節のため電 話コンタクトを実施し、治験実施医療機関と被験者は週ごとに連絡を行った。被験者ごとの治験期間は約 11週であった。被験者の登録及び無作為割り付けは、来院1から来院2の間に行われ、被験者は1:1の割 合でSIBA投与群又はIDet投与群のいずれかに無作為に割り付けられた。来院2の時点で、被験者はこれま
でのBasalインスリンの投与を中止し、来院2直前のBasalインスリン投与量と同量にて治験薬の投与(就
寝前)を開始した。
計画及び解析された被験者数:
本治験の組み入れ予定被験者数は60例(各群30例)であった。被験者の内訳を以下に示す。
<被験者の内訳>
_________________________________________________________________________________________
SIBA Insulin detemir Total _________________________________________________________________________________________
Screened 66
Screening failures 1
Randomised 33 32 65
Not exposed 0 0 Exposed 33 (100.0) 32 (100.0) Completed trial 33 (100.0) 32 (100.0) Safety Analysis Set 33 (100.0) 32 (100.0) Full Analysis Set (FAS) 33 (100.0) 32 (100.0) _________________________________________________________________________________________
():percent
診断及び主要な組入れ基準:
1型糖尿病患者(男女)、年齢20歳以上、Basalインスリンとして、持効型インスリンアナログ製剤(IDet を除く)又は中間型インスリン製剤を、Bolusインスリンとしてノボラピッドを用いたBasal-Bolus療法に よる治療を12週間以上実施中で、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が10.0%未満の被験者
被験薬、用量及び投与方法、ロット番号:
SIBA(有効成分名:insulin 454):3 mLペンフィルカートリッジ〔600 nmol/mL(100投与単位/mL)〕
被験者は1日1回就寝前にSIBAを皮下投与した。治験薬投与開始時の投与量は、来院2直前のBasalイン スリンの投与量と同量とした。治験薬の投与方法(1日の投与回数及び投与のタイミング)は、治験期間を 通して同じとした。Bolusインスリンであるノボラピッドは1日3回毎食直前に皮下投与した。ノボラピ ッドの投与量は、原則として来院2直前の投与量と同量とした。治験責任医師は、治験期間を通して、原 則として、被験者より報告された血糖値に基づき、「投与量調整のためのアルゴリズム」に従って治験薬 の投与量の調整を行った。
ロット番号:TQ50434 投与期間:
6週間
対照薬、用量及び投与方法、ロット番号:
IDet:レベミル注(商品名)、ペン型注入器に3 mLカートリッジが予め装填されたプレフィルド製剤
(フレックスペン)〔2400 nmol/mL(100単位/mL)〕
被験者は1日1回就寝前にIDetを皮下投与した。治験薬投与開始時の投与量は、来院2直前のBasalインス リンの投与量と同量とした。治験薬の投与方法(1日の投与回数及び投与のタイミング)は、治験期間を通 して同じとした。Bolusインスリンであるノボラピッドは1日3回毎食直前に皮下投与した。ノボラピッ ドの投与量は、原則として来院2直前の投与量と同量とした。治験責任医師は、治験期間を通して、原則 として、被験者より報告された血糖値に基づき、「投与量調整のためのアルゴリズム」に従って治験薬の 投与量の調整を行った。
ロット番号:VP51787 評価基準:有効性
本治験では、投与期間が短期であることから有効性の検証的エンドポイントは設定されなかった。しかし ながら、空腹時血糖値及び9点血糖値プロファイル(SMPG)のエンドポイントをその他のエンドポイント として設定し、SIBAによる短期の血糖コントロールについて探索的に検討した。なお、本概要では、空腹 時血糖値及び9点血糖値プロファイル(SMPG)を有効性の評価基準として記載する。
空腹時血糖値
9点(毎食前、毎食後120分、就寝前、午前3時及び翌日の朝食前)血糖値プロファイル(SMPG)
評価基準:安全性
低血糖
有害事象
臨床検査項目(血液学的検査及び血液生化学的検査)
体重
12誘導心電図
血圧
身体所見(新たな所見又はベースラインの所見から臨床的に問題のある悪化がみられた場合、有害事象 として評価する。)
評価基準:その他
インスリン投与量(Basalインスリン及びBolusインスリン)
統計手法:
解析対象集団:
無作為割り付けされ、治験薬投与が少なくとも1回行われたすべての症例を安全性解析対象集団とした。
無作為割り付けされ、治験薬が投与された症例のうち、治験薬投与後に空腹時血糖値又は9点血糖値プロ ファイルのいずれかで少なくとも1つのデータが利用可能である症例を最大の解析対象集団(Full Analysis Set、FAS)とした。すべての安全性の解析は安全性解析対象集団に対して行われた。その他のエンドポイ ント〔空腹時血糖値、9点血糖値プロファイル(SMPG)、インスリン投与量〕に関する解析はFASに対し て行われた。
有効性のエンドポイント:
本治験では有効性のエンドポイントは設定されなかったが、SIBAによる短期の血糖コントロールについて 探索的に検討するため、下記のエンドポイントについて評価を行った。
空腹時血糖値のベースラインから投与終了時への変化量
9点(毎食前、毎食後120分、就寝前、午前3時及び翌日の朝食前)血糖値プロファイル(SMPG)
各時点における血糖値のベースラインから投与終了時への変化量
平均血糖値のベースラインから投与終了時への変化量
平均食後血糖増加量のベースラインから投与終了時への変化量
注:平均血糖値は9点血糖値プロファイル(SMPG)の平均値として定義した。平均食後血糖増加量は各食 前から食後への変化量の平均値として定義した。
空腹時血糖値
空腹時血糖値を来院及び投与群ごとに要約した。空腹時血糖値のベースラインから投与終了時への変化量 を投与群ごとに要約し、投与群、前治療のBasalインスリン製剤〔インスリン グラルギン(IGlar)又は NPHインスリン)を固定効果及びベースライン値を共変量として含む分散分析を用いて、投与群間差の最 小2乗平均の点推定値及び95%信頼区間を算出した。
9点血糖値プロファイル(SMPG)
9点血糖値プロファイル(SMPG)を図示した。各測定時点の血糖値、平均血糖値、平均食後血糖増加量に ついて投与群及び来院ごとに要約した。これらのエンドポイントのベースラインから投与終了時への変化 量についても、投与群ごとに要約した。さらに、これらのエンドポイントのベースラインから投与終了時 への変化量について、空腹時血糖値と同様に分散分析を用いて解析した。
安全性のエンドポイント:
投与期間中(6週間)に発現した低血糖〔すべての低血糖及び夜間(23:00~05:59)低血糖〕
投与期間中(6週間)に発現した有害事象
その他の安全性評価項目〔臨床検査項目(血液学的検査及び血液生化学的検査)、12誘導心電図、体重 及び血圧〕のベースラインから投与後6週への変化
低血糖
治験薬の投与開始後から最終投与日の5日後までに発現した低血糖を治験薬投与下で発現した低血糖
(Treatment Emergent Hypoglycaemic Episode、以下、低血糖)とした。23:00から05:59の間に発現した 低血糖を夜間低血糖と定義した。低血糖は、低血糖分類(重大な低血糖、重大でない低血糖及び低血糖症 状)及び発現時期により分類された。低血糖は、すべての低血糖(24時間)及び夜間低血糖のそれぞれに ついて、投与群及び低血糖分類ごとに要約した。さらに低血糖の発現件数について負の二項分布に基づく 一般化線形モデルにより解析し、投与群間で比較を行った。モデルには投与群及び前治療のBasalインスリ ン製剤を固定効果として含み、曝露期間による調整を行った。すべての低血糖ならびに重大な低血糖につ いて投与群及び発現時刻(時間)又は発現時期(週)ごとに要約した。また、すべての低血糖について投 与群、低血糖分類及び前治療のBasalインスリン製剤ごとに要約した。
有害事象
治験薬投与下で発現した有害事象(Treatment Emergent Adverse Event、以下、有害事象:治験薬の投与開始 後から最終投与日の5日後までに発現したすべての有害事象と定義)について、投与群、Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)による器官別大分類及び基本語、重症度及び因果関係ごとに要約し た。
臨床検査項目(血液学的検査及び血液生化学的検査)、体重及び血圧
臨床検査値、体重及び血圧について来院及び投与群ごとに要約した。ベースラインから投与後6週への変 化量についても投与群ごとに要約した。さらにベースラインから投与後6週への変化量の群差の推定値及 びt分布に基づく95%信頼区間を算出した。臨床検査値については、投与群ごとにシフトテーブルで要約し た。
12誘導心電図
投与群ごとにシフトテーブルで要約した。
その他のエンドポイント:
インスリン投与量(Basalインスリン及びBolusインスリン)
インスリン投与量
Basalインスリン投与量、Bolusインスリン投与量及び1日総インスリン投与量について別々に評価した。各
インスリン投与量を来院及び投与群ごとに要約した。各インスリン投与量について、ベースラインから投 与終了時への変化量を投与群ごとに要約し、空腹時血糖値と同様に分散分析を用いて解析した。