治験の標題:
健康男性被験者を対象とした、insulin 454の2製剤(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)間、ならびにSIACの2 製剤(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)間の生物学的同等性試験:無作為割り付け、1施設、二重盲検、グルコ ースクランプ法、2期クロスオーバー試験
治験責任医師名:
治験実施施設:
, Germany 公表文献(引用文献):
なし 治験期間:
2008年5月14日~2008年8月11日
開発のフェーズ:
第1相
目的:
主要目的:
投与後0~120時間における血清中insulin 454濃度推移曲線下面積(AUCI454,0-120h)及び最高血清中insulin
454濃度(Cmax,I454)(SIBA及びSIAC共通)、投与後0~10時間における血清中インスリン アスパルト
(IAsp)濃度推移曲線下面積(AUCIAsp,0-10h)及び最高血清中IAsp濃度(Cmax,IAsp)(SIACのみ)を指標 として、SIBAの2製剤(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)間及びSIACの2製剤(緩衝剤あり及び緩衝剤な し)間で生物学的同等性を検討する。
副次的目的:
薬物動態及び薬力学的作用プロファイルを、SIBAの2製剤間及びSIACの2製剤間で比較する。
SIBA及びSIACの各々2製剤(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)投与後の短期安全性及び忍容性を評価する。
治験方法:
本治験は、健康男性被験者を対象とした、1施設、無作為割り付け、二重盲検、2期クロスオーバー試験 で、2つの独立したPart(SIBA Part及びSIAC Part)から構成された。本治験の目的は、SIBAの2製剤(緩 衝剤あり及び緩衝剤なし)間及びSIACの2製剤(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)間で生物学的同等性を検討 することであった。各Partにおいて、来院間隔を設けた2回の投与来院で、それぞれ2製剤のうち1製剤の 単回投与を受けるよう無作為割り付けされた。なお、SIBA Part及びSIAC Partへの被験者の割り付けは無作 為割り付けではなかった。
本治験はスクリーニング来院、無作為割り付け及び1回目の投与来院(スクリーニング来院後2~21日以 内)、2回目の投与来院(1回目の投与来院後13~24日以内)、及び事後調査来院(最終投与来院より起算 して8~21日以内)から構成された。2回の投与来院において、投与後120時間までの薬物動態を評価し、
26時間グルコースクランプ下で薬力学的反応を評価した〔グルコースクランプレベルの目標値:5.0 mmol/L
(90 mg/dL)〕。各被験者の治験期間は24~67日であった。
計画及び解析された被験者数:
SIAC Partでは、少なくとも30例の完了例を得るため32例の無作為割り付けが計画された。32例が無作為
割り付けされ、治験薬の投与を受け、治験を完了した。
SIBA Partでは、少なくとも24例の完了例を得るため26例の無作為割り付けが計画された。26例が無作為
割り付けされ、治験薬の投与を受けた。このうち1例は1回目の投与来院後に治験を中止し、25例が治験を 完了した。
診断及び主要な組入れ基準:
年齢18歳以上55歳以下、BMI(kg/m2)18.0以上27.0以下、空腹時血糖値6 mmol/L以下の健康男性被験 者。生殖能力のある被験者については、適切な避妊法実施の受け入れが可能な被験者に限る。
被験薬、用量及び投与方法、ロット番号:
SIBA〔SIBA(J)〕:3 mL Penfill®カートリッジ(100投与単位/mL、緩衝剤あり)
3.4 nmol/kgの治験薬を皮下投与した。
ロット番号:TLDP023
SIAC〔SIAC 55(D)、速効型画分としてIAsp(600 nmol/mL)を55 vol%及び持続型画分としてinsulin 454(900 nmol/mL)を45 vol%を含む配合剤〕:3 mL Penfill®カートリッジ(100投与単位/mL、緩衝剤あ り)
配合剤として3.05 nmol/kgのinsulin 454及び2.485 nmol/kgのIAspを皮下投与した。
ロット番号:TLDP024 投与期間:
SIAC又はSIBAを単回投与した(2回)。2回の投与来院の間には13~24日のwash-out期間を設けた。
対照薬、用量及び投与方法、ロット番号:
SIBA〔SIBA(D)〕:3 mL Penfill®カートリッジ(100投与単位/mL、緩衝剤なし)
3.4 nmol/kgの治験薬を皮下投与した。
ロット番号:TQ50435
SIAC〔SIAC 55(C)、速効型画分としてIAsp(600 nmol/mL)を55 vol%及び持続型画分としてinsulin 454(900 nmol/mL)を45 vol%を含む配合剤〕:3 mL Penfill®カートリッジ(100投与単位/mL、緩衝剤な し)
配合剤として3.05 nmol/kgのinsulin 454及び2.485 nmol/kgのIAspを皮下投与した。
ロット番号:TLDP022 評価基準:有効性 薬物動態
血清中IAsp濃度
血清中insulin 454濃度 薬力学的作用
投与後26時間までのグルコースクランプ施行下におけるグルコース注入速度(GIR)
血清中Cペプチド濃度
評価基準:安全性
有害事象
バイタルサイン〔血圧(mmHg)、脈拍(拍/分)及び体温(C)〕
安全性に関する臨床検査項目〔感染症(HIV、B型及びC型肝炎抗体)、血液学的検査、血液生化学的検 査、血液凝固因子、尿検査及び尿中薬物スクリーニング検査〕
身体所見
心電図
注射部位の局所忍容性
安全性評価のための血中グルコース濃度 統計手法:
すべての解析は、SAS®(バージョン9.1.3)で実施された。
薬物動態に関するプライマリーエンドポイントの解析
SIBA及びSIACに対する共通のプライマリーエンドポイントは以下のとおりであった。
AUCI454,0-120h
Cmax,I454
SIACのみに対するプライマリーエンドポイントは以下のとおりであった。
AUCIAsp,0-10h
Cmax,IAsp
これらのプライマリーエンドポイントの解析では、不等分散であることを考慮し対数変換値を用いた。
SIBAの2製剤〔SIBA(D)及びSIBA(J)〕間及びSIACの2製剤〔SIAC 55(C)及びSIAC 55(D)〕間 における生物学的同等性は、各プライマリーエンドポイントにおいて2製剤間の比の90%信頼区間が事前に 規定した許容範囲(80%~125%)に含まれた場合に示されることとした。2製剤間の比が0.8より小さい又 は1.25より大きいこと(生物学的に同等でない)を帰無仮説とし、2製剤間の比が(0.8, 1.25)に完全に含 まれること(生物学的に同等である)を対立仮説とした。SIBA及びSIACに対するプライマリーエンドポ イントは、線形混合モデルの下でそれぞれ解析し、2製剤間の比を推定した。解析モデルには、製剤及び時 期を効果として含めた。時期と製剤の交互作用(すなわち、製剤の順序効果)は、あらかじめモデルに含め た。しかしながら、p値が1%を超えた場合(有意でなかった場合)には、時期と製剤の交互作用をモデル から除外することとした。生物学的同等性を評価するため、各プライマリーエンドポイントにおける2製剤 間の比及び90%信頼区間をすべての被験者データより推定した。投与量で調整した場合に、プライマリーエ ンドポイントにおける生物学的同等性が示されるかどうかを検討するために、実投与量で調整後のプライマ リーエンドポイントに対する解析も実施した。
SIACに対するpost –hoc解析として、insulin 454の薬物動態に関するプライマリーエンドポイントに対し て、2点の追加サンプル時点(20分及び40分)を含めた解析を行った。
主な薬物動態に関するセカンダリーエンドポイントの解析
SIBA又はSIAC投与後の個々の血清中insulin 454(SIBA及びSIAC)濃度推移曲線及び血清中IAsp(SIAC のみ)濃度推移曲線より算出される主な薬物動態に関するセカンダリーエンドポイントは以下のとおりであ った。
SIBA及びSIACに対する主なセカンダリーエンドポイント
最高血清中insulin 454濃度到達時間:tmax,I454
投与後0~無限大時間におけるinsulin 454濃度推移曲線下面積:AUCI454,0-inf
SIACのみに対する主なセカンダリーエンドポイント
最高血清中IAsp濃度到達時間:tmax,IAsp
投与後0~無限大時間におけるIAsp濃度推移曲線下面積:AUCIAsp,0-inf
主な薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイントの解析
SIBA又はSIAC投与後の個々のGIR推移プロファイルより算出される主な薬力学的作用に関するセカンダ リーエンドポイントは以下のとおりであった。
最大GIR:GIRmax
投与後0~26時間におけるGIR推移曲線下面積:AUCGIR,0-26h
その他のセカンダリーエンドポイント及びターシャリーエンドポイントの解析
その他のセカンダリーエンドポイント及びターシャリーエンドポイントは、個々のインスリン濃度推移プロ ファイル及びGIR推移プロファイルより算出された。これらのエンドポイントには、投与後0時間から様々 な時間までのAUCや消失に関連するエンドポイントが含まれた。
セカンダリー及びターシャリーエンドポイントは記述統計量を用いて比較した。
安全性に関するエンドポイント
正式な統計解析(モデルを用いた解析)は実施されなかった。
被験者背景:
SIACが投与されたグループでは、32例のすべてが白人であった。SIBAが投与されたグループでは、26例 中25例が白人であり、1例が黒人であった。いずれのグループでも、健康男性被験者のみが組み入れられ た。被験者の平均年齢はSIACが投与されたグループで36.3歳、SIBAが投与されたグループで37.9歳であ った。人口統計学的特性及びベースラインデータを以下に示す。
Subject Characteristics Full Analysis Set
SIAC SIBA
Race (N [%]) White 32 (100) 25 (96.2)
Black - 1 (3.9)
Smoker (N [%]) No 27 (84.4) 23 (88.5)
Yes 5 (15.6) 3 (11.5)
Alcohol Abuse (N [%]) No 32 (100) 26 (100)
Drug Abuse (N [%]) No 32 (100) 26 (100)
Age (years) Mean (Minimum - Maximum) 36.3 (23 - 47) 37.9 (22 - 54) Height (cm) Mean (Minimum - Maximum) 180.0 (166 - 203) 179.7 (166 - 193) Body Weight (kg) Mean (Minimum - Maximum) 77.5 (62 - 99) 80.7 (62 - 100) BMI (kg/m2) Mean (Minimum - Maximum) 23.9 (21 - 27) 24.9 (21 - 27) 有効性の結果:
SIACが投与されたグループ
SIACの2製剤(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)の生物学的同等性が示された。AUCI454,0-120h、AUCIAsp,0-10h、
Cmax,I454及びCmax,IAspは、生物学的同等性のために事前に規定した条件を満たした。比の推定値は、
AUCI454,0-120hで101.5%〔90%信頼区間:[97.9; 105.2]〕、Cmax,I454で106.2%〔90%信頼区間:[100.1;
112.8]〕、AUCIAsp,0-10hで98.5%〔90%信頼区間:[95.4; 101.7]〕、Cmax,IAspで100.4%〔90%信頼区間:[93.1;
108.3]〕であった。
平均GIR推移プロファイルは、SIACの2製剤間(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)で同様であった。
全般的に、薬物動態及び薬力学的作用に関連するセカンダリー及びターシャリーエンドポイントは同様で あった。
SIBAが投与されたグループ
SIBAの2製剤(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)の生物学的同等性が示された。AUCI454,0-120h及びCmax,I454
は、生物学的同等性のために事前に規定した条件を満たした。比の推定値は、AUCI454,0-120hで98.7%
〔90%信頼区間:[93.2; 104.6]〕、Cmax,I454で94.5%〔90%信頼区間:[85.7; 104.2]〕であった。
平均GIR推移プロファイルは、SIBAの2製剤間(緩衝剤あり及び緩衝剤なし)で同様であった。
全般的に、薬物動態及び薬力学的作用に関連するセカンダリー及びターシャリーエンドポイントは同様で あった。
安全性の結果:
SIAC及びSIBAが投与されたいずれのグループにおいても、すべての被験者は有害事象より回復した。
多く発現した事象はなく、SIAC及びSIBAそれぞれの2製剤間で明らかな違いはみられなかった。
SIACが投与されたグループにおいて報告された25件の有害事象のうち、2件(低血糖症、重症度:軽 度)について、治験薬との因果関係が「可能性あり」と判定された。また、SIBAが投与されたグループ において報告された18件の有害事象のうち、4件(低血糖症、重症度:軽度)について、治験薬との因 果関係が「あり」と判定された。
SIACが投与されたグループで最も多く報告された有害事象は頭痛であった〔SIAC 55(D)及びSIAC 55
(C)のいずれの投与後においてもみられた〕。これは、グルコースクランプを用いて実施する治験で一 般的に認められる事象である。また、SIBA(J)投与後で最も多く報告された有害事象は低血糖症であ り、SIBA(D)投与後では発熱であった。