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NAM マイクロフォンの固定法

ドキュメント内 博士論文表紙 (ページ 102-107)

第 3 章  ソフトシリコーン伝導型 NAM マイクロフォン

3.9   新 NAM マイクロフォンの工夫

3.9.4   NAM マイクロフォンの固定法

はあくまで固定用でありダミーである.この場合ネックバンドは体に触れて おらずあくまで NAM マイクロフォンが耳下に固定されているのは左側の NAM マイクロフォンと右側の固定用ダミーの接触面の摩擦によってである.

  図3.35の下段にネックバンド使用前(左),使用後(右)のNAM信号を 比較して掲示する.S/N比の向上が視認できる.

図3.35 ネックバンド式NAMマイクロフォン

 ただしこのネックバンド方式は,あくまで実験室用であって,静止してデ ータをサンプリングするためのものであり,当然首の上下運動や回転運動で 運動性体表雑音が入ることは言うまでもない.しかし自分の頭部にマッチし たネックバンド式NAMマイクロフォンさえ作れば,ハムノイズがなく、指 の接触雑音が入らないきれいな感度一定のNAM信号を、誰もが安定して実 験室レベルでサンプリングすることが可能となった。

図3.36 耳掛け式(補聴器方式)NAMマイクロフォン

 聴診器型と同様,皮膚に粘着する方式は,接着するための物質選びが難航 した.脳波電極用接着剤,熱冷まし用ゲル,入れ歯固定ゲル,付け睫用接着 剤,液体絆創膏,頭髪用固定ゲル,脱毛ゲル等使用してみたが,シリコーン のごとき高分子素材と人体の皮膚のどちらにも強力に粘着してマイク重量を 支えることは難しかった.しかもソフトシリコーンと皮膚との音響インピー ダンス的連続性を絶ってしまっては元も子もない.現在は接着に軟らかく粘 着性をもった封止用シリコーンゲル(旭化成 WACKER)を使用している.

いくぶん粘着性は弱くこのままでは落として紛失の危険があるが,はずして もそのまままた貼り付けて使用できる利点があるのと,接着方式にして圧を かけなくても比較的良好なNAM信号が得られる.

  図 3.36 は海外製品の携帯電話用耳掛け式無線ヘッドセットのマイク部を 改良して作成した,補聴器式のNAMマイクロフォンである.このNAMマ

イクロフォン表面に,上記の粘着性シリコーンゲルを用いると,もしマイク 部がはずれても紛失する心配がなく安全である.粘着性ソフトシリコーンは あらかじめシートを作っておき,切って両面テープのように使用する.

 また同じ耳掛け式でも,接着剤を用いず,図3.37のように,耳介の弾性と ゴム被膜の摩擦とによって耳に固定する方式のものも作成した.NAM マイ クロフォンに必要な軽度の圧もかけることが可能である.個人の耳介近傍の 解剖学的形態への微調整が必要だが,一旦作ってしまえば,装着は最も容易 である.現在この形態のヘッドセットでBluetooth無線とバッテリを組み込 んだ軽量のものが実際に海外で販売されているので,NAM マイクロフォン でも製品化は容易と考える.

図3.37 耳掛け摩擦圧着方式NAMマイクロフォン

この耳掛け式は形態上,やがて登場するウェアラブルコンピューターなど の眼鏡型モニタ付属のNAMマイクロフォンにそのまま通ずる.認識におい て最適サンプリング部位が頭頸部の中間地点の,眼鏡の柄の終点からの延長 上にあることから,実生活に日常的に用いられている眼鏡やサングラスに組 み込んでしまったり,または着脱方式にするのは極めて実際的である.

図3.38 眼鏡式NAMマイクロフォン

 市販のスポーツサングラスを用いて眼鏡式固定法を試作した(図 3.38). この方式はネックバンド方式などと異なり首を動かす事による雑音が入らな い極めて現実的な固定法である.図3.39は市販の音声認識ソフトウェアに付 属のUSBヘッドフォンに,NAMマイクロフォンを取り付けたものである.

図3.39 ヘッドフォン式NAMマイクロフォン

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