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-MEMO-388 H本助産学会誌 233(2010)

3月21日(日)第 2日目 930-10:18 1階 ポ ス タ ー 会 場101

|一般演題(第 1群) マタニテイサイクルにある女性へのケア 1 座長 :跡上 1;I美(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻)

P - l

初妊婦の胎児への愛着と生活行動との関連

0

相馬深輝 市立札 幌 病 院 看 護 部 看 護 課 9西

[緒言]

妊婦は胎児と自分を統合体としてイメージし (Rubin,2005)、胎児とともにある意識へと変化する(蘭,1 992)。 この見地から、胎児の生命への責任や健康な成長を願う胎児への愛着と妊娠後の生活行動との関連が推察で きるが明らかではない。この関連を明らかにすることは、これまで胎児への愛着を主に心理社会的側面から 捉えてきたが、生活行動という側面から捉えることにより、客観的かつホリステックに捉えることが可能に なると考える。本研究の目的は、胎児への愛着と生活行動との関連を明らかにする。

[方法]

対象は妊娠末期の初妊婦であり、北海道内の産科施設40か所に無記名自記式質問紙の配布を依頼し、各

般演題

人より郵送法で回収した。質問紙は、基本的属性、妊娠関連事項、 PAI・エデインパラ産後うつ病自己調査 表(EPDS)・ローゼンバーグの自尊感情尺度(各日本語版)、妊娠前後の生活行動(食生活、活動、睡眠)で 構成した。分析はSPSS15.0 for Windowsを使用し、記述統計分析および多変量解析を行った。倫理的配 慮は、対象者の自由意志の尊重、不利益が生じないこと、匿名性・秘密保持、データの安全な保管と破棄に ついて文書にて説明し、質問紙の回答により同意を得たものとした。

[結果}

質問紙は 1024名に配布され575名より回収した(回収率56.2%)。そのうち対象選定基準に適う 440名 を分析対象とした(有効回答率 43.0%)。胎児への愛着が有意に高かった要因は、希望した計画的妊娠、妊娠 が分かつた時の肯定的感情、乳幼児(0-6歳)の世話・遊びの経験とプラスイメージ、夫・実母・友人からの サポート、自尊感情が高いことであった。胎児への愛着と妊娠後の生活行動との関連では、規則的な食事、

鉄分の意識的摂取、日中の睡眠時間、運動習慣、健康に関する情報を保健医療機関から得る、体調不良時に 夫や実父母に相談することであった。さらに、重回帰分析の結果、妊婦の胎児への愛着に影響する要因は、

妊娠が分かった時の気持ち (β =.135)、乳幼児の世話や遊びの経験(β= .169)、夫からの情緒的サポート(β

=.173)、食事の規則性(β=.101)、日中の睡眠時間 (β =.188)、運動習慣(β=.112)であった。 [考察]

妊婦の胎児への愛着には、妊娠が分かつた時の気持ち、乳幼児の世話や遊びの経験、夫からの情緒的サポ ート、食事の規則性、日中の睡眠時間、運動習慣の6要因が影響していた。前者3要因は従来の見解と同様 であったが、後者の生活行動要因については新たな見解が示された。胎児の健康と成長に影響すると考える 栄養、睡眠、運動の

3

要素を大切にする妊婦の意識が推察される。これらの行動の背景には、胎児の存在を 内発的動機づけとする妊娠の肯定的感情や妊婦の精神的健康が存在すると考える。

[結論]

本調査の結果、胎児への愛着に関連する生活行動は、規則的な食事、日中の睡眠時間、運動習慣であった。

生活行動の側面から胎児の愛着を推察することは臨床的な有用性が高いと考える。

j.Jpn.Ad. Midwif.Vol.23No.3March 2010389

3

2 1

日(日)第2日目

9 : 3 0-10 : 1 8 1

階ポスヲー会場

1 0 1

|一般演題(第 1群) マタニティサイクルにある女性へのケア 1 座 長 跡 上 富 美 (東北大学大学院医学系研究科保健学専攻)

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初妊婦の自己概念の変化への戸惑い

0

佐藤祥子1) 塩野悦子2)

1 ) 東 北 大 学 医 学 部 保 健 学 科 2)宮 城 大 学 看 護 学 部

[緒言]

妊婦は自分の中に母親という新たな自己像を形成するが、新しい生命を得て幸福感に満たされる反面、妊 娠に伴う不安や喪失感情からアンビバレンスとなり易く、そこに着目した支緩は重要である。特に初めての 妊娠では戸惑うことも大きいと考える。そこで本研究は、自己概念の変化の過程において大きく情緒が揺れ、

戸惑っている初妊婦の語りに焦点をおき、その戸惑いを記述的に明らかにし、母親になる過程への支援につ いて考察することを目的とした。

[方法

l

研究デザインは質的帰納的方法を用いた。研究期間は平成 20 年 5 月~

1 2

月。研究参加者は母子共に健 康で同意ーが得られた初妊婦 14名である。データ収集は半構成的面接法で行い、質問内容は母親になる自己 概念の変化の戸惑いの有無とその内容や思いとした。分析は継続比較的に類似した内容を分類し抽出した。

倫理的配慮、は、プライバシーの遵守、研究参加の自由怠思と途中辞退の権利保障をさ面と口頭で説明、同意 を得た。本研究は官械大学倫理審査委員会にて承認を得ている。

[結果]

面接時の妊娠週数は

3 7 . 1

:t

2 . 2

週であった。 初妊婦の自己概念の変化への戸惑いには幅があり、それぞ れの特徴から 3タイプに分類された。[戸惑いが強く持続するタイプ]は6名で、妊娠期間を通して自己概 念の変化に強く戸惑い続け、<社会からの置いてきぼり>、<変化を悲しむ>、<育児経験者から学ぼうと するが受け入れられない>が特徴とした。 [戸惑いを徐々に受け入れるタイプ]は 3名で、最初は自己慨念 の変化に戸惑いを感じるが、胎児の成長や周囲の状況によって徐々に母親になることを受け入れ、<妊婦扱 いを仕方ないと思う>、<変化を仕方ないと思う>、<胎児の成長によって母親になることを気づかされ る>、<周囲の祝福によって母親になることを気づかされる>、<育児経験者の話から母親になることを見 出す>を特徴とした。[戸惑いが無いタイプ]は5名で、妊娠期間を通して戸惑いは無く、むしろ自己概念 の変化を喜び、<妊婦扱いがうれしい>、<変化を前向きに捉える>、<母親になることを想像して楽し む>を特徴とした。

[考察]

これまで、最初は戸惑うが徐々に受け入れて母親となっていくタイプが一般的と考えられたが、初妊婦の 自己概念の変化の戸惑いには幅があることが明らかとなった。特に戸惑いが強く持続するタイプは、妊娠前 の自分から脱却lできずに、むしろ苦しみさえ覚えており、盟、いを表出する機会を提供し、産後まで見守る支 援が必要と考える。女性が母親に自己変容していく過程に視点をおいた看護の提供は、周産期のメンタルヘ ルス支援にもつながると考えられる。看護者は妊娠期から産後に移行していく重要な変化の中で、情報を共 有していかなければならない。

[結論]

初妊婦の母親になるための自己概念の変化の戸惑いには3タイプの幅があり、その個人差を考慮した上で 母親になる過程を支援することが重要である。

390 FI本 助 産 学 会 誌 233(2010)

般演題

3

2 1

日(日)第2回目

9 : 30-10 : 1 8 1

階ポス

9

一会場

1 0 1

一般演題(第

1

群) マタニティサイクルにある女性へのケア

I

座長 跡上富美(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻)

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妊娠期の抑うつ気分と妊娠分娩経過との関連

0

宮 本 政 子 野 口 純 子 竹 内 美 由 紀 香 川 県 立 保 健 医 療 大 学 保 健 医 療 学 部 看 護 学 科

[緒言]

本研究は粉神的健康問題につながる要因として、抑うつになりやすい認知の構えや妊娠中の出来事に着目 し、妊娠)(11の精神面への支援方法について検討することを目的とした。昨年は否定的自己認知と抑うつ気分 の得点状況を中心に分析した結果を報告した。今回は抑うつ気分が強い妊婦と抑うつ気分が認められない妊

婦を群別し、否定的自己認知や妊娠分娩経過及び新生児の状況について比較検討したので報告する。[方法

1

1

対象・妊娠

1 6

週以降の抑うっと診断されていない妊娠}o

2 .

調査方法 面接による質問紙調査及び妊娠 経過の但援。

3

調査期間 2006 年 3 月 ~2007 年 12 月 4.調査内容:1)基本的属性、 2) 他者依存的評価、

高達成志向、失敗不安の

3

つの下位尺度で榊成される否定的自己認知(以下

DSS

3 )

抑うつ気分(以下

E P D S )

4 )

妊娠分娩経過と出来事。

5

分 析 方 法 統 計 ソ フ ト

SPSS15f o r Windows

を用い、

DSS

EPDS

ともに合 計得点、を算出した。

EPDS9

点以上の高

EPDS

群(以下向群)と

1

点以下の低

EPDS

群に群別し、

DSS

得 点と出生時体重はt検定を用いて比較し有意水準は

P< 0 . 0 5

とした。

2

群の妊娠分娩経過中の出来事は事例 状況を比較した。 6倫理的配慮 対象が通院する病院の倫理問題審査委員会で審査により承認を得、対象妊 婦には文占と口頭で説明し同意書を得た。個人情報の保護やデータの保管、調査時の負担や人権保護等に留 意した。研究協力の得られた妊婦のうち今回分析対象としなかった妊婦の調査結果は了解を得て昨年度報告

した。

[結果]

研究協力が得られた妊婦は総数

1 2 8

名で、高群

1 9

04.8%)

低群

2 0

05.7%)

であった固

DSS

得 点は高群

7 8 . 4

、低群

6 0 . 7

で高群が有意に高く、下位尺度別では他者依存的評価が特に高群が高かった (p

< 0 . 0

1).児の出生時体重は高群

2 8 8 8 . 1

g、低群

3 2 0 2 . 9

gで高群が小さかった (p

< 0 . 0 5 )

。既往歴では、

高群には精神科や心療内科の治療歴有りが4名 (21.

0%)

いたが低群にはいなかった。産科的異常や合併症 では、 I~:~ ~拝の初妊婦 13 名中 3 名が今回の妊娠により子宮筋腫合併が判明した。経妊婦 6 名中 3 名が而J安時 に帝王切開分娩が決定していた。その他の産科的呉常が高群には

8

事例

( 4 2 . 1

%)認められたが、低群では 悪阻や体重用力[Jの保健指導を受けているものの、医学的異常は認められなかった。

{考察]

今岡の結果から妊娠期から抑うつ気分が強い妊婦は否定的な自己認知の傾向にあり、特に他者依存的評価 の得点が高い妊婦が多かった。また合併症や産科的異常の妊婦が多いことから胎児の発育が恋く出生児の体 重も小さかったと考えられる。

EPDS

はわが国では通常産祷期に抑うつの診断として用いられるが欧米では 妊娠中にも用いられており、産科的異常の予測される妊婦には、否定的自己認知評価と併用して妊娠早期に 使用することで、予防的な介入や専門家との連機、産後のサポート体制の充実に繋がると考えられる。

j.Jpn.Ad.Midwif.Vol.:No.3March 2010

3 9 1

3月21日(日)第2日目 9:30-10:18 1階ポ ス タ ー 会 場101 一般演題(第1群) マタニティサイクルにある女性へのケア 1

座長 跡上市美(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻)

P-4

自らが意識している性格と周産J1jjにおける精神健康状態との関係

0

堀 川 底 樹 河 野

l

麗 美 畑 中 と も え 神戸市立医療センター 西市民病院

[緒言

l

)liJ産期の女性はホルモン動態や役割の変化により心身が不安定になりやすく、その状態にはその人の性格 が影響を及ぼすとされている。助産師がその妊産栂婦に今後起こり得る心身の変化を予測出来れば、適切な 保健指導につながると考えた。そこで本研究では、妊娠期に女性が意識している性格と周産j割における精神 健康状態の関係がどのようにあるのかを明らかにすることを目的とした。

[方法]

期 間 平 成18年9月~平成19年3月

対象。A病院で妊婦健診を受け、分娩予定の妊婦(精神科既往歴妊婦を除く)101名

方法:調査内容は、既存する文献等を参考に研究者が作成した26項目の自筆式性絡調査表と日本版

G H Q28

を行った。自筆式性格調査表は妊娠中期

l

に行い、

G H Q

は妊娠中期、産後

3F I

、"sf.後

1

ヶ月に実施 した。妊娠中期、産後 1ヶ月時での配布は診祭終f後に行い、受付にて回収した。産後31::11=1は、研究者が 直按配布し1'"1収箱に投函してもらった。分析はχ2検定を用い、有意水準5%を採用した。G I-IQは「身体的

「気 症状J

r

不安 ・不眠J

r

社会的活動障害J

r

うつ傾向」に分けて得点化し、中等度以上の判定基準(カットオ フポイント)を症状ありとした。

倫理的配慮 。調査依頼時、自由意志を尊重し、指否、 中断が可能で治療や宥設に影響を及ぼさないことを 口頭と苫商で説明した。回収時にはプライパシ一保獲に努めた。

[結果]

回収数は妊娠中期 ・産後3日は99名、産後1ヶ月は98名である。対象者の性絡26項目中、 3分の1以 上の人が選んだ性絡は 「明るいJ

r

こだわらないJ

r

のんびりしている」というおおらかな人が多い反面、

を遣うJ

r

我慢してしまうJ

r

心配性J

r

世話好き」の人がいた。性格と各

GHQ

得点で症状がある人との関 係は、妊娠則では 「神経質J

r

せっかちJ

r

すぐに締めるJ性絡の人は、不安 ・不眠になりやすく、 「人と比 べるJ

r

気を造うJ

r

せっかち」な性絡の人は身体的症状と関係していた。産後3日間では 「いいえと言えな い」性絡の人はうつ傾向と関係があり、「すぐ諦める」性格の人は社会的活動障害になりやすかった。また、

「悠りっぽい」性格の人は不安 ・不11mと関係していた。産後lヶ月においては、「気を造うJ

r

我慢する」性 格の人は身体症状が出やすく、「世話好きJ

r

我慢する」性格の人は不安 ・不眠になりやすかった。

[考察]

対人関係で気を遣う性絡や自己完結を望むような性格の人は、周産期に身体症状が出やすくメンタルヘル スの問題が起こりやすい。このような人々は家族や周囲に気を泣い、我慢し、疲労を諮秘させ、また新しい 役割獲得が円滑に行われず葛藤していると考えられる。助産師は、これらを予測し適切な時期に適度な介入 が必要である。

[結論

l

自らが意識している性格が周産期の身体症状やメンタルヘルスと関係がある事が明らかになり、ケアの際 に予測して関わることで、 心身の問題を予防できる可能性が示唆された。

392円 本 助 産 学会 鉱 233(2010)

ドキュメント内 第24回日本助産学会学術集会集録 (ページ 78-86)

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