1. Provisioning の概要
1.1 Provisioning ストラテジー
1.1.10 LUN Manager について
1.1.10.1 LUN Manager の概要
VSP ストレージシステムには、各種の UNIX 系サーバや PC サーバなど、プラットフォームの異なる 複数のオープン系サーバホストを接続することができます。オープン系ホストとストレージシステ ムを含むシステムを構築するには、LUN Manager を利用して論理ボリュームやポートの設定をする 必要があります。
論理ボリュームの各種設定の中で最も重要なのは、ホストと論理ボリュームの間にデータ入出力の 経路(パス)を設定することです。パスの設定によって、ホストと論理ボリュームの間でコマンド やデータの転送が可能です。
システムの運用が始まってしばらく経つと、システム構成の変更が必要になるかもしれません。た とえばホストやディスクを増設した場合は、データ入出力の経路を追加する必要が出てきます。こ のような場合、システム管理者は稼動中のシステムの設定を LUN Manager で変更できます。LUN Manager では、システムを再起動せずにシステム設定を変更できるので、ホストやディスクの増設 といったシステム構成の変更にも柔軟に対応できます。
メモ
• このマニュアルでは、論理ボリューム(logical volume)を論理デバイス(LDEV: logical device)と呼ぶ ことがあります。
• このマニュアルでは、オープン系サーバホストが利用できる論理ボリュームをLU(logical unit)または 論理ユニットと呼ぶことがあります。
注意 LU パスを設定する際は、RAID Manager と Storage Navigator を併用しないでください。
ファイバチャネル環境を構築する場合は、「1.1.10.2 ファイバチャネル環境での LUN Manager 操作」の説明を参 照して LU パスを設定してください。
1.1.10.2 ファイバチャネル環境での LUN Manager 操作
システムの構築担当者は、ケーブルやハブなどを利用してオープン系ホストとストレージシステム を物理的に接続した後、LUN Manager を利用してホストと論理ボリュームの間にデータ入出力の経 路を設定しなくてはなりません。この設定によって、どのホストがどの論理ボリュームにアクセス できるかが決まります。オープン系ホストがアクセスできる論理ボリュームをLU(logical unit)
といい、オープン系ホストと LU の間のデータ入出力経路をLUパスといいます。
LU パスを設定するには、まずサーバホストをホストグループごとに分類しておく必要があります。
たとえば、Linux ホストと Windows ホストが接続されている場合は、LUN Manager を使って Linux ホ スト用のホストグループと Windows ホスト用のホストグループを作成しなくてはなりません。ホス トグループを作成したら、Linux ホスト用のホストグループに Linux ホストのホストバスアダプタ
(HBA: Host Bus Adapter)を登録し、Windows ホスト用のホストグループに Windows ホストのホス トバスアダプタを登録します。
ホストを分類するとき、接続先ポートが異なる複数ホストを 1 つのホストグループにまとめること はできません。たとえば、ポート 1A に Windows ホストが 2 台接続されており、ポート 1B に Windows ホストが 3 台接続されている場合、これら合計 5 台の Windows ホストを 1 つのホストグループにま とめることはできません。ポート 1A の Windows ホストとポート 2A の Windows ホストは、別々のホ ストグループに分類します。
サーバホストをホストグループごとに分類したら、ホストグループを論理ボリュームに結び付けま す。ホストグループと論理ボリュームを結び付けることによって、そのホストグループに属するホ ストと論理ボリュームの間に LU パスが設定され、ホストは論理ボリュームにアクセスできるように なります。次の図は、LUN Manager の画面でホストグループ hg-lnx を 3 つの論理ボリューム
(00:00:00、00:00:01、および 00:00:02)に結び付けた例を示しています。この例では、hg-lnx グ ループに属する 2 台のホストと 3 つの論理ボリュームの間に LU パスが設定されています。
図 1-17 : LUパスの設定(ファイバチャネル環境の場合)
LUN Manager では、1 台のサーバホストから複数の LU へパスを設定できます。たとえば前の図の場 合、ホストグループ hg-lnx の 2 つのホストは、どれも 3 つの LU にアクセスできるようになってい ます。
LUN Manager では、複数のサーバホストから特定の 1 つの LU へパスを設定できます。たとえば前の 図の場合、LDKC:CU:LDEV 番号が 00:00:00 の LU は、ホストグループ hg-lnx に属する 2 台のホスト からアクセスが可能です。
前の図では、ホストグループ hg-lnx と結びついている LU に、0000~0002 の数字でアドレス番号が 付いています。LU のアドレス番号をLUN(logical unit number)と呼びます。TrueCopy などのプ ログラムプロダクトが LU を操作するときは、LUN を使って操作対象の LU を特定します。
LUN Manager では、システムの運用開始後に LU パスを追加・変更・削除することができます。たと えば、ディスクの増設やサーバホストの追加接続をしたときには、新しい LU パスを追加できます。
既存のサーバホストを撤去したい場合は、そのサーバホストとつながっている LU パスを削除してか らホストを撤去します。なお、LUN Manager で LU パスの追加・変更・削除をするとき、システムを 再起動する必要はありません。
システム管理者は、ハードウェアの故障(たとえばチャネルプロセッサの故障)などによってホス ト I/O が停止する危険性を防ぐために、LU パスを二重化することができます。LU パスを二重化して おくと、チャネルプロセッサの故障などによって一方の LU パスが使用できなくなったときに、ホス ト I/O が他方の LU パスに引き継がれます。ホスト I/O を引き継ぐ LU パスを交替パスといいます。
LU パスを設定する方法については、「7. LU パスの設定」と「8.7 LU パスの管理をする」で詳しく 説明します。交替パスを作成する方法については、「7.4 交替パスを作成する」で詳しく説明しま す。
メモ
• ファイバチャネル環境で設定できる LU パスの数は、1 つのホストグループにつき最大 2,048 個であり、1 つ のポートにつき最大 2,048 個です。
• Volume Migration リザーブボリュームへの LU パスは設定できません。 Volume Migration の操作の詳細に ついては、『Volume Migration ユーザガイド』をご覧ください。
• 作成できるホストグループの数は、1 つのファイバチャネルポートにつき最大 255 個です。
• ジャーナルボリュームへの LU パスは設定できません。
• プールボリュームへの LU パスは設定できません。
• システムディスクボリュームへの LU パスは設定できません。
1.1.10.3 LUN セキュリティの設定
ストレージシステムに保存されている重要なデータを不当なアクセスから保護するには、論理ボ リュームにセキュリティを適用する必要があります。システムの構築担当者は、ポートのLUNセ キュリティを有効にすることによって、LU を不当なアクセスから保護することができます。
メモ ポートの属性が External の場合、そのポートには LUN セキュリティを設定できません。
LUN セキュリティが有効になっている場合、ホストがアクセスできる論理ボリューム(LU)は、ホ ストグループによって決まります。ホストは、自分が属するホストグループと結び付けられた LU に アクセスできますが、他のホストグループと結び付けらけれた LU にはアクセスできません。たとえ ば、unix というホストグループのホストは、windows というホストグループの LU にアクセスできま せん。同じように、ホストグループ windows のホストは、ホストグループ unix の LU にアクセスで きません。
次の図では、ポート CL1-A の LUN セキュリティが有効になっています。この図の場合、ホストグルー プ hg-lnx のホスト 2 台がアクセスできる LU は、3 つ(00:00:00、00:00:01、および 00:00:02)に 限られます。ホストグループ hg-hpux のホスト 2 台がアクセスできる LU は、2 つ(00:02:01 と 00:02:02)に限られます。ホストグループ hg-solar のホスト 2 台がアクセスできる LU は、2 つ
(00:01:05 と 00:01:06)に限られます。
図 1-18 : LUNセキュリティが有効な場合
通常、ポートの LUN セキュリティを無効にする必要はありません。仮にポートの LUN セキュリティ を無効にした場合、そのポートに接続しているホストは、ホストグループ0(ゼロ)と結びついて いる LU にアクセスできますが、他のホストグループと結びついている LU にはアクセスできなくな ります(次の図を参照)。
図 1-19 : LUNセキュリティが無効な場合
ホストグループ 0 とは、LUN Manager の初期設定でポートごとに 1 つだけ設定されているホストグ ループです。LUN Manager の画面でポートを指定してホストグループの一覧を表示すると、通常は ホストグループ 0 が先頭に表示されます。画面上ではホストグループ 0 に「00」という番号が付き ます(「図 1-17 : LU パスの設定(ファイバチャネル環境の場合)」を参照)。
メモ LUN Manager の初期設定では、ホストグループ 0 の名称は「ポート名-G00」という形式になっています。
たとえば、ポート 1A のホストグループ 0 の名称は1A-G00となっています。ただし、ホストグループ 0 の名称 は変更が可能です。
LUN Manager の初期設定では、どのポートにも LUN セキュリティが無効になっています。システム を構築するときには、ホストが接続されているポートの LUN セキュリティを必ず有効にしてくださ い。LUN セキュリティの設定方法については、「4.2.1 LUN セキュリティの設定をする」で説明しま す。
1.1.10.4 LUN Manager を利用する際の注意事項
LUN Manager を利用するに当たっては、次の点にご注意ください。
• 画面上で多数の設定をすると、設定内容をストレージシステムに適用したときに SVP が処理でき なくなる可能性があります。設定の数は最大で 1000 個程度としてください。特に交替パスを作 成する場合(「7.4 交替パスを作成する」を参照)、実行するコマンドの数は 2 つと少ないです が、設定の数は多くなることが予想されますのでご注意願います。
• 次の操作を実行したい場合は、ホストが I/O 処理を実行していないことおよびホストリザーブ
(マウント)状態でないことを確認してから操作を行ってください。
◦ LU パスの削除(「8.7.1 LU パスを削除する」を参照)
◦ LUN セキュリティの無効化(「4.2.1.2 LUN セキュリティを無効にする」を参照)
◦ ファイバチャネルポートのデータ転送速度の変更(「4.2.2 ファイバチャネルポートのデー タ転送速度を設定する」を参照)