1.1.11 キャッシュ管理デバイスについて
キャッシュ管理デバイスとはボリューム(LDEV)と関連付けてキャッシュを制御するための管理単位 です。キャッシュ管理デバイスはボリューム 1 個に対して最低 1 個必要となり、システム全体で最 大 65280 個まで管理することができます。ボリューム 1 個に必要なキャッシュ管理デバイス数は、
ボリュームが DP-VOL の場合のみ複数個必要になることがあり、個数を把握するには計算式を利用し て算出します。ここでは、1 ボリュームに必要なキャッシュ管理デバイスの個数の算出方法を説明 します
1.1.11.1 キャッシュ管理デバイス数の計算(DP-VOL の場合)
DP-VOL1 個に必要なキャッシュ管理デバイス数は、仮想 VOL の容量(ユーザ領域容量)および、
キャッシュ管理デバイスの最大容量によって変わります。また、キャッシュ管理デバイスの最大容 量は、仮想 VOL に関連付けられたプールの属性(内部ボリューム/外部ボリューム)によって変わりま す。キャッシュ管理デバイスの最大容量とプールの属性の関係を次の表に示します
表 1-15 : キャッシュ管理デバイスの最大容量
プールの属性 最大容量(MB) 最大容量(ブロック)
内部ボリューム 3,145,716 (2.99 TB) 6,442,426,368 外部ボリューム([混在可能]が
[有効])
3,145,716 (2.99 TB) 6,442,426,368
外部ボリューム([混在可能]が
[無効])
4,194,288 (3.99 TB) 8,589,901,824
DP-VOL1 個に必要なキャッシュ管理デバイス数を算出するには、次の計算式を利用してください。
「ユーザ指定の容量」には仮想 VOL1 個のユーザ領域容量を指定してください。
↑ユーザ指定の容量 ÷ キャッシュ管理デバイスの最大容量↑
留意事項: ↑↑で値が囲まれている場合は、その値の小数点以下を切り上げてください。
1.1.11.2 キャッシュ管理デバイス数の計算(DP-VOL 以外のボリュームの場合)
DP-VOL 以外のボリュームの場合は、ボリューム 1 個に対してキャッシュ管理デバイスが 1 個必要で す。
1.1.12 Resource Partition Manager の概要
Resource Partition Manager プログラムプロダクトを使用すると、1 台のストレージシステムを複 数の仮想プライベートストレージシステムとして管理できます。
ストレージシステムは、多数のホストに接続でき、企業内の複数の部署によって、さらには複数の 企業によって共有できます。そのため、1 台のストレージシステムに複数の異なる組織のストレー ジ管理者が存在することもあります。このような状況では、ある組織のストレージ管理者が誤って 他の組織のボリュームを壊してしまったり、不適切な操作をしたりしたために、その影響が他の組 織に波及してしまい、ストレージシステム全体の管理が複雑で困難になるおそれがあります。
Resource Partition Manager を使用すると、それぞれのリソースグループのストレージ管理者が、
それぞれのリソースグループだけにアクセスできます。各リソースグループのストレージ管理者 は、管理するリソースグループ以外のリソースにはアクセスできないため、他のリソースグループ のストレージ管理者からデータを破壊されたり、データが漏洩したりする危険性を防ぐことができ ます。
リソースグループに割り当てられるリソースを次に示します。2 つの組織でポートは共有するがパ リティグループは共有しないなど、柔軟に仮想プライベートストレージシステムを構築できます。
• LDEV 番号※
• パリティグループ
• 外部ボリューム
• ポート
• ホストグループ番号※
※LDEV やホストグループを作成する前に、LDEV 番号およびホストグループ番号だけをあらかじめリ ソースグループに割り当てておくこともできます。
1.2 アクセス属性のストラテジー
オープンシステムのすべてのボリュームは、初期状態ではホストからの読み書きが可能になってい ます。このため、もしオープンシステム用ホストのユーザが誤った書き込み操作をしてしまうと、
大切なデータが破壊されたり、消失したりするおそれがあります。また、オープンシステム用ホス トでの不正なデータ読み取り操作によって、機密性の高いデータが流出してしまうおそれがありま す。
ボリュームのアクセス属性を設定することで、次のことができます。
• 全ホストからの読み取りと書き込みを禁止する
• 全ホストから読み取りは許可するが、書き込みは禁止する
• 誤ったコピー操作による書き換えを禁止し、そのほかの書き込み操作は許可する
• Storage Navigator ユーザが LU パスやコマンドデバイスを設定するのを禁止する 表 1-16 : ボリュームのアクセス属性とできる操作
アクセス属性 ホストからの読み 取り
ホストからの書き
込み 正VOLとして指定 副VOLとして指定
Read/Write ○ ○ ○ ○
Read Only ○ × △ ×
Protect × × △ ×
Read/Write かつ副 VOL 拒否
○ ○ ○ ×
1.3.1 Provisioning との関連事項
Provisioning に関連した次の項目については、該当する製品マニュアルをご覧ください。
• 複製(Replication):ShadowImage、TrueCopy、Universal Replicator
• 外部ストレージ:Universal Volume Manager
• マイグレーション:Volume Migration
• パーティション(Partition):Virtual Partition Manager
1.3.2 他のプログラムプロダクトとの共用
1.3.2.1 Dynamic Provisioning または Dynamic Tiering の場合
Dynamic Provisioning または Dynamic Tiering で使用できるボリューム(仮想 VOL、プール VOL)
は他のプログラムプロダクトと共用できる場合があります。Dynamic Provisioning または Dynamic Tiering と他のプログラムプロダクトとの共用を次の表に示します。
表 1-17 : Dynamic ProvisioningまたはDynamic Tieringと他のプログラムプロダクトとの共用
プログラムプロダクト 共用できること 共用できないこと
Cache Residency Manager なし DP-VOL またはプール VOL に対して 設定する。
Copy-on-Write Snapshot 詳細については、『Copy-on-Write Snapshot ユーザガイド』をご覧く ださい。
DP-VOL をこのプログラムプロダク トの正 VOL として使用する。
1 つのストレージシステム内で作 成できるプールは最大 128 個です。
Copy-on-Write Snapshot で作成で きるプール数は、Dynamic Provisioning のプールおよび Dynamic Tiering のプール数から 差し引いた残りの数です。
• DP-VOL をこのプログラムプロ ダクトの副 VOL またはプール VOL として使用する。
• Dynamic Provisioning または Dynamic Tiering のプール VOL をこのプログラムプロダクト の正 VOL、副 VOL またはプール VOL として使用する。
• このプログラムプロダクトで 使用している仮想 VOL の容量 を拡張する。
• このプログラムプロダクトで 使用している仮想 VOL のゼロ データページを破棄する。
Data Retention Utility DP-VOL に対して設定する。 プール VOL に対して設定する。
Database Validator DP-VOL に対して設定する。 プール VOL に対して設定する。
プログラムプロダクト 共用できること 共用できないこと
High Availability Manager 詳細については、『High
Availability Manager ユーザガイ ド』をご覧ください。
DP-VOL をこのプログラムプロダク トの正 VOL または副 VOL として使 用する。
• DP-VOL を Quorum ディスクと して使用する。
• プール VOL をこのプログラム プロダクトの正 VOL または副 VOL として使用する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL の容量を 拡張する。
LUN Expansion なし DP-VOL およびプール VOL に対して 設定する。
LUN Manager DP-VOL に対して設定する。 プール VOL に対して設定する。
ShadowImage
詳細については、『ShadowImage ユーザガイド』をご覧ください。
DP-VOL をこのプログラムプロダク トの正 VOL または副 VOL として使 用する。
• プール VOL をこのプログラム プロダクトの正 VOL または副 VOL として使用する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL の容量を 拡張する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL のゼロ データページを破棄する。
TrueCopy
詳細については、『TrueCopy ユーザ ガイド』をご覧ください。
DP-VOL をこのプログラムプロダク トの正 VOL または副 VOL として使 用する。
• プール VOL をこのプログラム プロダクトの正 VOL または副 VOL として使用する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL の容量を 拡張する。
Universal Replicator 詳細については、『Universal Replicator ユーザガイド』をご覧 ください。
DP-VOL をこのプログラムプロダク トの正 VOL または副 VOL として使 用する。
• DP-VOL をジャーナルボリュー ムとして使用する。
• プール VOL を正 VOL、副 VOL、
またはジャーナルボリューム として使用する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL の容量を 拡張する。
Universal Volume Manager 詳細については、『Universal Volume Manager ユーザガイド』を ご覧ください。
Universal Volume Manager で作成 したボリュームをプール VOL に設 定する。
他のストレージシステム装置から マッピングされている DP-VOL の 容量を拡張する。
容量を拡張してもマッピング先の 装置の外部ボリューム容量は拡張 前の DP-VOL 容量となります。容 量を拡張したい場合は、マッピン グ先の装置から DP-VOL へのマッ ピングを解除してから行ってくだ さい。
Virtual LUN Virtual LUN で作成したボリュー ムをプールに登録する。
プール登録後のボリュームに対し て Virtual LUN の操作をする。
Virtual Partition Manager 詳細については、『Virtual Partition Manager ユーザガイド』
をご覧ください。
プール VOL および DP-VOL を設定す る。
なし
プログラムプロダクト 共用できること 共用できないこと
Volume Migration
詳細については、日立ソリュー ションサポートセンタにお問い合 わせください。
DP-VOL を移動元および移動先とし て使用する。
• プール VOL で使用する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL の容量を 拡張する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL のゼロ データページを破棄する。
Volume Shredder 詳細については、『Volume Shredder ユーザガイド』をご覧く ださい。
DP-VOL を使用する。 • プール VOL で使用する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL の容量を 拡張する。
• このプログラムプロダクトで 使用している DP-VOL のゼロ データページを破棄する。
TrueCopy
Dynamic Provisioning は TrueCopy と併用できます。Dynamic Provisioning と TrueCopy との併用 の例(正 VOL、副 VOL とも仮想 VOL の場合)を次の図に示します。
図 1-20 : Dynamic ProvisioningとTrueCopyとの併用の例
Dynamic Provisioning と TrueCopy とを併用した場合、仮想 VOL をコピーすることができます。
Dynamic Provisioning と TrueCopy を併用する場合に共有可能なボリュームの組み合わせを次の表 に示します。
表 1-18 : Dynamic ProvisioningとTrueCopyとのボリューム共有
TrueCopyの正VOL TrueCopyの副VOL 説明
DP-VOL DP-VOL 使用できます。
DP-VOL 通常ボリューム 使用できます。
通常ボリューム DP-VOL 使用できます。
ただし、この組み合わせでは、通常ボリューム(正 VOL)の容量と同じだけプールを使用します。そのた め、この組み合わせは推奨しません。
Dynamic Provisioning のプール VOL は、正 VOL、副 VOL として指定できません。
Universal Replicator
Dynamic Provisioning は Universal Replicator と併用できます。Dynamic Provisioning と Universal Replicator との併用の例(正 VOL、副 VOL とも仮想 VOL の場合)を次の図に示します。