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IAS 11, IAS 18, IFRIC 15

IAS 11.30, IFRS 15.BC164

進捗度の測定方法は類似している

IAS第11号では、進捗度について特定の測定方法は強制されていないが、行った工事について信頼性をもって測

定できる方法を用いることが求められる。IAS第11号で適切とされている方法は、新基準でより詳細に説明され、

設例が示されている方法と整合している。

IFRS第15号は、特定の方法を用いるべき状況について規定していないが、アウトプット法は顧客に移転する財ま

たはサービスの価値を直接測定するため、概念的には、企業の履行を最も信頼性をもって描写できるのはアウト プット法であると両ボードは考えている。両ボードはまた、インプット法は、コストが比較的少なくてすみ、進捗度の 測定に関する合理的な基礎が得られる場合に適切となると考えている。現行のIFRSにおけるKPMGの見解では、

アウトプット法は、信頼性をもって測定方法が確立できる場合、進捗度をより適切に測定できる(KPMGの刊行物

Insights into IFRS第11版4.2.290.30を参照)。

3.5.3.2

引渡単位数または生産単位数に基づく方法を適用できる状況に関する制限 新基準の規定

IFRS 15.B15

アウトプット法は、選択したアウトプットの測定に、支配が顧客にすでに移転している財またはサービスの一部が含ま

れない場合には、企業の履行の忠実な描写とはならないことがある。例えば、報告日において、企業の履行により仕 掛品または製品が生産されており、かつその支配が顧客に移転されている場合には、これまで行ってきたように生産 単位数または引渡単位数に基づくアウトプット法を適用すると、企業の履行が適切に表現されないこととなる。これ は、生産されたが引き渡されていない、または生産が完了していない資産について、顧客が支配しているにもかかわ らず収益が認識されないためである。

KPMGの見解 IFRS 15.BC165-166

IAS 11.30

設計と製造の両方を提供する契約には、引渡単位数または生産単位数に基づく方法は適切でない場合がある 設計と製造の両方を行う契約においては、生産されたまたは引き渡された一つ一つの項目が、顧客に対して等し い価値を移転していない可能性があるため、生産単位数または引渡単位数に基づく方法が適切ではない場合が ある。このような契約は、航空宇宙及び防衛、請負製造、エンジニアリング、建設といった産業において一般的に みられる。

新基準は、特定の進捗度の測定方法が適切でないケースについて説明し、企業が事実及び状況を検討し、企業 の履行と財またはサービスの支配の顧客への移転を描写する方法を選択する必要性を強調している。

現行のIFRS及びU.S. GAAPでは、引渡単位数または生産単位数に基づく進捗度の測定方法の適用は制限されて いない。したがって、現在これらの方法を進捗度の測定に用いている企業は、新基準のガイダンスにより、実務が 変わる可能性がある。

3.5.3.3

進捗度の修正

新基準の規定

IFRS 15.B19

インプット法を適用する企業は、財またはサービスの支配を顧客に移転する義務の履行状況を描写しないインプット

の影響を除外する。特に、コストに基づくインプット法(すなわち、コスト対コスト法)を用いる場合で、以下のいずれか に該当する場合は、進捗度の測定に際して発生するコストの修正が必要となることがある。

発生したコストが、履行義務を充足するための企業の履行を反映するものではない(例:予想外の金額の仕損に 係る材料、人件費または他の資源(それらのコストは発生時に費用として会計処理する))。

発生したコストが、履行義務の充足における企業の進捗度に比例しない(例:未据付けの資材)。

未据付けの資材については、企業が契約開始時に以下の条件がすべて満たされると見込んでいる場合は、発生した コストを上限として(すなわち、利益率をゼロと見込んで)収益を認識することにより、企業の履行を忠実に描写できる 可能性がある。

その財は区別できない。

顧客が、その財に関連するサービスを受け取るよりもかなり前に、その財に対する支配を獲得すると見込まれる。

移転した財のコストが、履行義務を完全に充足するために予想されるコストの総額に対して重要である。

企業は本人として行動しているが、その財を第三者から調達しており、その設計及び製造に深く関与しているわ けではない。

設例25 未据付けの資材の取り扱い

IFRS 15.IE95-100

請負業者Pは2015年11月に、3階建ての建物の改装と新しいエレベーターの据付けを総額5,000千円の対価で行

う一括契約を顧客Qと締結した。その他の前提条件は以下のとおりである。

エレベーターの据付けを含む改装サービスは、一定の期間にわたって充足される単一の履行義務である。

 P社はエレベーターの設計及び製造に関与していないが、2015年12月に現場にエレベーターが運び込まれた

際には本人として、エレベーターの支配を獲得する。

エレベーターは2016年6月まで据え付けられない。

 P社は履行義務の完全な充足に向けての進捗度を測定する際に、発生したコストに基づくインプット法を用いる。

取引価格及び見積コストは以下のとおり。

(単位:千円)

取引価格

5,000

コスト

エレベーター

1,500

他のコスト

2,500

見積コストの総額

4,000

P社は、エレベーターの調達コストを進捗度の測定に含めると、履行の程度が過大に測定されると結論付けた。し

たがって、これらのコストを発生コストからも取引価格からも除外することにより、進捗度の測定を修正し、エレ ベーターの移転に係る収益については利益マージンをゼロとして認識する。

2015年12月31日、他のコストが500千円発生し(エレベーターを除く)ている。P社は履行義務のうち20%(500/

2,500)が完了したと判定する。したがって、P社は収益を2,200千円(20%×3,500

(a)+1,500)、及び売上原価を

2,000千円(500+1,500)認識する。

注:

(a)

取引価格5,000千円からエレベーターの原価1,500千円を差し引いて算定する。

KPMGの見解

未据付けの資材に係るマージンの認識のタイミング及びパターンに関するガイダンスはない

企業は、未据付けの財に係るマージンを受け取る権利を有し、それらが契約条項において明確に識別されている か、または包括的な取引価格の一部である場合がある。新基準にはそのようなマージンの認識の時期に関する ガイダンス(すなわち、資材が据え付けられた時点で認識するのか、または契約に残存する履行義務についての 収益認識の算定に組み込むのか)は含まれていない。

両ボードは、財が据え付けられる前に契約全体の利益マージンを認識すると、企業の履行が過大に測定され、結 果として収益が過大となる可能性があると考えている。ただし、契約全体の利益マージンと異なる利益マージンの 見積りを企業に求めるのは複雑であり、事実上区別できない財について新たに履行義務を創出する結果となり得 る(したがって、履行義務の識別に関する規定を無視することになる)。コスト対コストにより進捗度を測定した場 合の未据付けの資材についての修正は、通常、建設工事契約に含まれる財のグループ(すなわち、契約全体に 占める相対的なコストが大きい財について、企業が単純な調達サービスを顧客に提供している場合にのみ)への 適用が意図されている。

顧客が財に関連するサービスを受け取るよりかなり前に、その財に対する支配を獲得するか否かを判定する際 には、判断が要求される。本冊子の設例25において、エレベーターが2016年6月ではなく2016年1月に据え付けら れると見込まれる場合、同じガイダンスが適用されるかは不明確である。

非効率及び廃棄原材料の識別に関する詳細なガイダンスはない

サービス契約または建設契約においては、一般的に、一定レベルの非効率、やり直し、または過剰な財または サービスの提供が想定されており、企業はこれらを契約の対価を決定する際に考慮している。新基準は、予想外 の金額の仕損に係る材料、人件費または他の資源のコストを、コスト対コストの進捗度の測定から除外しなけれ ばならないこととしているが、予想外のコストの識別方法に関する追加的なガイダンスは含まれていない。した がって、通常の廃棄原材料や非効率を、進捗度を描写しない廃棄原材料や非効率と区別する際に、判断が要求 される。

IFRS 15.BC171

IFRS 15.BC176-178

現行のIFRSとの比較

IAS 11.31(a)

原価の範囲内で収益を認識する

IAS第11号においては、まだ据え付けられていない資材は、契約の進捗度を算定する際に契約原価から除外す

る。したがって、未据付けの資材については利益マージンをゼロとして収益を認識するとした新基準の規定によ り、企業の収益認識に変更が生じる可能性がある。

3.5.3.4

合理的な進捗度の測定

新基準の規定

IFRS 15.44

収益を認識するために、企業は進捗度を測定する合理的な基礎が必要となる。適切な測定方法を適用するために必

要な信頼性のある情報が入手できない場合、進捗度を測定できない可能性がある。

IFRS 15.45

企業が進捗度を合理的に測定できないが、履行義務を充足する際に発生するコストを回収すると見込んでいる場

合、結果を合理的に測定できるようになるまで、発生したコストの範囲でのみ収益を認識する。