• 検索結果がありません。

企業がIFRS第15号の強制適用日よりも前にIFRSを初度適用する場合、企業は最初のIFRS財務諸表で以下のい ずれを適用するか選択する。

 IAS第18号、IAS第11号及び関連する解釈指針

 IFRS第15号

最初のIFRS財務諸表で新基準を適用するIFRS初度適用企業は、その適用方法を細部にわたって決定しなけれ ばならない。累積的影響法は適用できないが、遡及適用法において関連する実務上の簡便法を用いることがで きる。

12 経過措置の決定

KPMGの見解

実務への効率的な適用計画を策定するためには早期の決定が必要となる

どの経過措置を適用するか(セクション11を参照)は、システム及びプロセスの変更のタイミングに重要な影響を 与える。したがって、どの経過措置を適用すべきかの決定は、実務適用プロセスの第一段階で実施するべきであ る。

企業は、個々の移行方法による定量的な影響及び関連する定性的な要因の両方を検討しなければならない。新 基準に関する計画の策定を前倒しすることにより、企業は適用に必要な作業を比較的長期に分散させ、想定外 の問題への対処が可能となり、内部資源を最大限柔軟に活用することができる。

企業は段階的に、新基準を理解し、経過措置が自社の財務報告に与える影響を評価する必要がある。影響が最 小限であるとすぐに判断する企業もあるであろう。その場合、移行の選択肢の評価を先送りしたほうが適切である 可能性がある。他方、相当な影響を受け、適用にかなりの労力が要求されると予想されるため、計画の策定をで きるだけ早く開始すべき企業もある。企業は以下の活動について早期に検討しなければならない。

実務適用の責任を負うプロジェクトチームの中に、経過措置の選択肢に焦点を当てるためのサブグループの導入 を検討することも考えられる。

経過措置の適用に関する詳細な解説と例示についてはKPMGの冊子「収益認識新基準への移行」を参照。

会計処理の変更を生じさせる潜在的な要素を識別するためのハイレベルなギャップ分析を実施する

ど の程度の量の契約について修正再表示が必要となり得るかを判定する

潜在的なデータ・ギャップを識別するため、必要となる情報の評価を開始し、

現在入手可能な情報と比較する

経過措置の選択に影響を与える可能性がある定性的な要因を識別し、

ど の要因が最も重視されるかを理解する

経過措置は、新基準の適用準備と関連付けて検討する

F A SBとIASBが設立した移行リソースグループの活動を注視する

13 IFRSとU.S. GAAPの相違

IFRSとU.S. GAAPにおける新基準の規定はほぼ同一であるが、一部に相違が生じている。両者の主な差異の概要は

以下のとおりである。

IFRS U.S. GAAP

IFRS 15.9(e) 606-10-25-1(e)

回収可能性の要件(3.1.1を 参照)

「可能性が高い(probable)」という文言 は、「起こる可能性のほうが起こらない 可能性よりも高いこと(more likely than

not)」を意味する

「可能性が高い(probable)」という文言 は、「発生する可能性が高いこと(likely

to occur)」を意味する

IFRS 15.104 340-40-35-6

契約獲得コスト及び契約履 行コストについて過去に認 識した減損の、事実及び状 況の変化による戻入れ(4.4 を参照)

要求される(過去に減損損失を認識し なかったとした場合に算定されたであろ う(償却後の)帳簿価額の金額を超えて はならない)

禁止される

IAS 34.16A 270-10-50-1A

期中報告の開示(10.2を参 照)

期中報告で要求される開示に、収益の 分解に関する開示のみを追加する

期中報告で要求される開示に、収益の 分解、契約残高及び残存する履行義 務に関する開示を追加する

606-10-50-7, 50-11, 50-16, 50-21, 340-40-50-4

公開企業及び特定の非営 利企業以外のU.S. GAAPを 適用する企業に対する開 示規定の免除

該当なし 公開企業及び特定の非営利企業以外

の企業について、開示の免除規定が設 けられている

IFRS 15.C1 606-10-65-1

適用日(11.1を参照)

2017年1月1日以降開始する事業年度

公開企業及び特定の非営利企業につ いては、2016年12月16日以降開始する 事業年度(その他の企業については1 年遅れで適用される)

早期適用は認められる 早期適用は禁止されるが、公開企業及 び特定の非営利企業以外のその他の 企業については、公開企業と同時に適 用することが認められる

IFRS第15号に関するKPMGの解説

KPMGはIFRS第15号に関して以下の解説を公表しています。

(日本語解説)

全体解説

2014/05/30 IFRSニュースフラッシュ「IASB、IFRS第15号『顧客との契約から生じる収益』を公表」

2014/06/16 IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の概要

2014/07/10 KPMG Insight「IFRS第15号『顧客との契約から生じる収益』」

2014/07/10 KPMG Insight「IFRSの収益認識基準(IFRS第15号)による実務への影響」

業種別解説

2014/07/30 IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の影響-自動車部品

2014/07/30 IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の影響-建設業

2014/07/30 IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の影響-食品業

2014/07/30 IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の影響-医薬品業

2014/07/30 IFRS第15号「収益認識」の影響-情報処理産業

(ソフトウェアの受注制作取引)

2014/07/30 IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の影響-小売業

(TRGについて)

2014/07/23 Defining Issues 14-33号「FASBとIASB-収益認識に関する合同の移行リソース・グループが最初の会議を開催」

2014/11/04 Defining Issues 14-49号「FASB/IASB-収益認識に関する合同の移行リソース・グループが5つの新しい論点を討議」

(英語解説)

2014/06/06 IFRS最新基準書の初見分析「IFRS第15号『顧客との契約から生じる収益』」

2014/07/02 IFRS実務上の論点「収益認識新基準への移行」

2014/07/02

収益認識の会計処理-通信事業への影響

2014/09/23 Issues In-Depth「顧客との契約から生じる収益」

2014/09/29 IFRS最新基準書の初見分析「IFRS第15号『顧客との契約から生じる収益』の建設業への影響」

2014/10/21

収益認識の会計処理-電力・公益産業への影響(Accounting for revenue is changing: Power and utilities)

アプリ「KPMG会計・監査AtoZ」のご紹介

あずさ監査法人は、2014年7月に会計・監査の情報を手軽に入手できるツールとして「KPMG会計・監査AtoZ」アプリを公表しました。「KPMG 会計・監査AtoZ」を利用することにより、会計・監査の最新情報を最も早く得られるとともに、その概要を理解することができます。また、動画 による解説コンテンツを視聴することも可能です。

会計・監査の最新情報

日本基準、修正国際基準、IFRS、米国基準の基準ごとの情報をご覧いただけます。

動画による解説コンテンツ

・オンライン解説:

日本基準、IFRSの新基準書や公開草案等の概要、国際会計基準審議会(IASB)会議及びIFRS解釈指針委員会(IFRS-IC)会議の最新 動向を音声解説付きのスライドで紹介しています。

・オンライン基礎講座:

日本基準やIFRSの主要な規定を、トピックごとに初心者にもわかりやすく解説しています。「有形固定資産」「金融商品」などのモジュール を順次公開しています。