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HepG2-HSP 細胞の温熱応答性および加温が生細胞率に与える影響

第二章 温熱応答型遺伝子発現システムの組織工学への応用

2.3.3.1 HepG2-HSP 細胞の温熱応答性および加温が生細胞率に与える影響

影響

ウォーターバスを用いた加温で遺伝子発現誘導を行った。ウォーターバス による加温から二日後、顕微鏡を用いて蛍光観察を行い、フローサイトメーター を用いて遺伝子発現プロファイルを調べた。その際の蛍光写真と遺伝子発現ヒ

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ストグラムをFig. 15に示し、EGFP発現細胞割合と生細胞率をFig. 16に示した。

Fig. 15 Heat-induced transgene expression profile of the HepG2-HSP cells. HepG2-HSP cells were incubated at 37°C (non-heated) or heated in water bath at 39°C, 41°C or 43°C for 60 min.

Representative images of fluorescence microscopy (upper) and flow cytometry (bottom). Scale bars, 100 μm. In flow cytometry, the EGFP-negative cell populations gated by using non-heated cells are shown in orange, and the EGFP-positive cell populations are shown in green.

Fig. 15, 16Aより、ウォーターバス39℃では遺伝子発現は見られず、ウォータ

ーバス41℃、43℃の条件において遺伝子発現が誘導できることが示された。

また39℃と41℃の加温条件は生細胞率に影響を与えなかったが、43℃、1時 間の加温では、生細胞率が 40%程度まで減少した(Fig. 16B)。これらの結果よ

り、HepG2-HSP 細胞はウォーターバスによる加温によって遺伝子発現誘導が起

こるが、43℃、1時間の加温は細胞へのダメージもみられるということが明らか になった。

B

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Fig. 16 (A) Quantitative analysis of EGFP-positive cells in flow cytometry. The data are expressed as mean ± SD of triplicates. *P < 0.05 vs. non-heated group. (B) Cell viability based on the trypan blue dye exclusion method. The data are expressed as mean ± SD of triplicates. *P < 0.05 vs. non-heated group.

Fig. 15 において、ウォーターバス 43 ℃条件において蛍光ピークは単一では

なく二つ観察された。そこで、高ピークの細胞集団のみをセルソーターを用いて 取得し、その細胞を用いて熱ストレスから二日後の遺伝子発現プロファイルを 調べた。その結果をFig. 17に示す。Fig. 17より、ソートにより蛍光細胞率は向 上し、ウォーターバス 43℃、1時間条件においてはほぼ100%近い蛍光細胞率が 得られた。しかし、再びEGFP発現ピークは二つ観察された。そこで再度高ピー ク集団をセルソーターにより取得し、熱ストレスを与えて高ピーク細胞集団を 取得するという操作を三度繰り返したが、常に二つの発現ピークが観察された。

そこで、本細胞の詳細な発現プロファイル解析を行うこととした。

この二つのピークが何であるかを調べるために、ウォーターバス加温と同時 に細胞に Dox を添加して、その後の遺伝子発現がどうなるかを調べた。その結 果をFig. 17に示した。Fig. 17より、ウォーターバス41℃, 43℃後のDox添加条 件において、高ピークが消え、発現ピークが一つになった。したがって二つの発 現ピークは tTA-TRE によるポジティブフィードバックが誘導されたかそうでな いかによる差であると考えられる。

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Fig. 17 The EGFP-positive cells heated at 43°C for 60 min (in Fig. 15) were sorted by a cell sorter.

The sorted cells were cultured in medium containing doxycycline for 1 week, in order to stop EGFP gene expression due to the Tet-Off system. The cells were then cultured without doxycycline for 3 d, and heated again in water bath at 41°C or 43°C for 60 min, in the presence (Dox+) or absence (Dox−) of doxycycline. The EGFP-negative cell populations gated by using non-heated cells are shown in orange and the EGFP-positive cell populations are shown in green.