• 検索結果がありません。

レポーター遺伝子の検討

第二章 温熱応答型遺伝子発現システムの組織工学への応用

2.2.3.1 レポーター遺伝子の検討

は じ め に 、EGFP と GFPmodc の 半 減 期 を 比 較 し た 。 プ ラ ス ミ ド pPhsp/TRE/EGFP/IRES/tTAもしくはpPhsp/TRE/GFPmodc/IRES/tTAを HeLa細胞 へ一過性で遺伝子導入し、熱ストレス後の時間を0 hとし、24, 36, 48, 60, 72 hに おける各レポーター遺伝子(EGFP, GFPmodc)の発現解析を行った。また、この 際の熱ストレスは、温度と時間を変化させた際のレポーター遺伝子解析におい て細胞へのダメージが少なく、かつ高く遺伝子発現が誘導された 43℃、1 時間 の条件にて行った[29]。Fig. 11はEGFP、GFPmodcそれぞれの各タイムポイント における蛍光写真である。今回の実験では、遺伝子非導入HeLa細胞の蛍光写真 における蛍光強度をバックグラウンドとして測定し、それよりも高い強度を示 す細胞を蛍光細胞として扱った。蛍光写真より、EGFPと比較して、GFPmodcの 蛍光は48時間と早い段階で消光し始めていることが示された。また、Fig. 12は 各タイムポイントでの相対蛍光強度を表したグラフである。各条件に対して3視 野×3ウェル分の写真を撮影し、蛍光写真1視野中から細胞を5つ選び、その相 対強度を測定し、平均値を算出した。Fig. 12AはDox非添加条件の結果を示し、

Fig. 12B は Dox 添加条件の結果を示している。両図とも縦軸は蛍光細胞の相対

蛍光強度を、横軸は熱ストレス処理後の経過時間を示している。Dox非添加条件 のEGFPにおいて、熱ストレス処理24時間後の蛍光強度が3.14, 72時間後の蛍 光強度が2.55と、72時間後まで著しい蛍光強度の減少は観測されなかった。こ れはポジティブフィードバックの効果によるものだと考えられる。一方 Dox 非 添加条件のGFPmodcにおいて、24時間後の蛍光強度は2.90、48時間後には2.22 と、EGFPにおける最低蛍光強度を下回り、72 時間後には 1.39と、ほとんどバ ックグラウンドの値と同等まで減少した。これらの結果から、GFPmodcはEGFP と比較して半減期が短く、遺伝子発現解析のレポーター遺伝子として適してい

37

るということが示された。この際、EGFP、GFPmodcともにポジティブフィード バック効果があるにも関わらず蛍光強度が減少しているのは、GFP タンパクの 分解と、細胞分裂によるプラスミドの希釈が原因だと考えられる。また、Dox非 添加条件と比較して Dox 添加条件の相対蛍光強度は低かった(Dox 非添加条件 では24時間後の相対蛍光強度が EGFP、GFPmodc それぞれ3.14, 2.90 であった のに対して、Dox添加条件ではそれぞれ2.21, 1.36)。この結果より、いずれのレ ポーター遺伝子においても Dox 添加による遺伝子発現増幅の抑制が起きている ということが明らかになった。また、Dox添加条件でのGFPmodcの強度は24時 間後の時点で 1.36 と著しく低い。これは、GFP と modc 配列を結合させた

GFPmodcの半減期が2 時間であり[26]、かつDox による発現量増幅の抑制が起

こっているため、一過的発現した GFPmodc は 24 時間後の時点でほとんど分解 されているからだと考えられる。

38

Fig. 11 Fluorescent images. Left; time course images of EGFP expressing HeLa cells. Right; time course images of GFPmodc expressing cells.

39

Fig. 12 Comparison of relative fluorescence intensity between EGFP and GFPmodc. Time course analysis for relative fluorescence intensity for EGFP expressing HeLa cells and GFPmodc expressing cells without (A) or with (B) Dox addition.