第二章 温熱応答型遺伝子発現システムの組織工学への応用
2.2.3.2 各遺伝子発現システムの経時的 GFPmodc 発現挙動解析
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Fig. 12 Comparison of relative fluorescence intensity between EGFP and GFPmodc. Time course analysis for relative fluorescence intensity for EGFP expressing HeLa cells and GFPmodc expressing cells without (A) or with (B) Dox addition.
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ムは、One-Pack も Two-Plasmids も熱ストレス 60 時間後まで相対蛍光強度に著
しい減少は見られなかったため(それぞれ3.93, 3.11)、ポジティブフィードバッ ク効果による遺伝子発現の長期的維持が起きることが示された。一方で、一過性 型遺伝子発現システムの熱ストレス60時間後の相対蛍光強度は、One-Pack,
Two-Plasmidsともに、バックグラウンドに近い値まで減少した(それぞれ1.39, 1.53)。
これは一過性型遺伝子発現システムにはポジティブフィードバック効果がない
ために、GFPmodc の分解、細胞分裂による導入プラスミドの希釈による影響を
大きく受けたためだと考えられる。持続型遺伝子発現システム同士を比較する
と、Two-PlasmidsよりもOne-Packの方が高い相対蛍光強度を示した。これは、
Two-Plasmids では細胞内に 2 種類の発現用プラスミドがそろわないと、ポジテ
ィブフィードバック効果が完全に発揮されないためだと考えられる。一方で、一 過性型遺伝子発現システム同士の比較では、One-PackよりもTwo-Plasmidsの方 が高い相対蛍光強度を示した。これは、One-Packは、転写を促進する tTA の発 現が熱ストレスによって誘導されるため、常にtTAが発現する Two-Plasmidsの 方が遺伝子発現量が高くなったためだと考えられる。
Fig. 13 Gene expression kinetics analysis for 4 kinds of gene expression systems. Circles; gene expression systems with positive feedback system. Squares; gene expression systems without positive feedback system. Lines; One-Pack system. Dotted lines; Two-Plasmids system.
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本節のまとめ
本節では、まずプラスミドpPhsp/TRE/GFPmodc/IRES/tTAを作製した。作製し たプラスミドとpPhsp/TRE/EGFP/IRES/tTAをそれぞれHeLa細胞へと導入し、熱 ストレスに応答したGFP蛍光を経時的に観察することで、EGFPとGFPmodcの 半減期を比較した。その結果、GFPmodcは EGFPに比べて半減期が短く、遺伝 子発現挙動解析に用いるレポーター遺伝子として有用であるということを示し た。また、設計した遺伝子回路を有するプラスミドベクターpLenti/Phsp/TRE /GFPmodc/IRES/tTA 、 pLenti/Phsp/TRE/tTA 、 pLenti/TRE/GFPmodc 、 pLenti/TRE/Phsp/GFPmodc/IRES/tTA 、 pLenti/Pcmv/tTA/IRES/Blar 、
pLenti/TRE/Phsp/GFPmodc を作製した。作製したプラスミドベクターを用いて、
一過性遺伝子導入実験による遺伝子発現挙動解析を行った。その結果、持続型遺 伝子発現システムではOne-Pack, Two-Plasmidsどちらの条件においても、ポジテ ィブフィードバック効果による持続的遺伝子発現が熱ストレス60時間後まで続 くことを示した。一方、一過性型遺伝子発現システムではOne-Pack, Two-Plasmids どちらの条件においても、熱ストレス 60 時間後には GFPmodc の相対強度が著 しく減少するという、一過的な遺伝子発現が起こることを示した。
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磁場誘導型遺伝子発現システムの機能評価 本節の目的
本節では、2章2節における持続型One-Packシステムの加温方法を交番磁場 照射による磁性ナノ粒子の発熱に変更した。磁性ナノ粒子としては機能性磁性 ナノ粒子 MCL を用いた。MCL は酸化鉄ナノ粒子を脂質膜で包埋しており、細 胞内に取り込まれることがわかっている。MCLを取り込ませた細胞に交番磁場 照射を行い、細胞内局所加温を行うことによって細胞へのダメージを減少させ たうえで遺伝子発現誘導することを目指した。まず、加温によってEGFPを発現 する持続型One-Packシステム(Fig. 14)をゲノムに組込んだHepG2細胞( HepG2-HSP細胞;薗田祐人氏より供与)の温熱応答性評価のため、従来のウォーターバ スによる加温を行い、EGFP発現プロファイルと生細胞率、Dox応答性を調べた。
次に、HepG2-HSP細胞に種々の濃度のMCLを取り込ませることで、MCL取り
込み量、MCLが生細胞率に与える影響を調べた。その後、MCLを取り込ませた
HepG2-HSP細胞への交番磁場照射条件を検討し、磁場照射によって EGFP 遺伝
子発現が誘導されるかを調べた。最後に、HepG2-HSP 細胞を用いて細胞シート を構築し、細胞シート状態での磁場照射による遺伝子発現誘導が可能かを検討 した。
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Fig. 14 Design of the synthetic gene circuit. (A) Construction of the retroviral vector. LTR, long terminal repeat; WPRE, woodchuck hepatitis virus posttranscriptional regulatory element; Phsp, HSP70B’ promoter; SD, splicing donor; TRE, Tet-responsive element; PCMVmin, cytomegarovirus minimum promoter; SA, splicing acceptor; EGFP, enhanced green fluorescent protein; IRES, internal ribosomal entry site; tTA, Tet-responsive transactivator gene; pA, poly-A tail; Ψ+, viral packaging signal. (B) Magnetically triggered gene expression system. (1) Exposure to an alternating magnetic field (AMF) generates heat within magnetite nanoparticle of magnetically-labeled HepG2-HSP cells.
(2) Increase of cellular temperature activates the HSP70B’ promoter as a switch. (3) Bicistronic expression of EGFP gene and tTA gene is driven by the HSP70B′ promoter via IRES. (4) tTA activates the TRE/PCMVmin promoter and (5) induces further expression of EGFP and tTA genes, providing a transcriptional positive feedback loop.
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