第6章 多目的 GA による多目的システムの信頼性最適化設計
6.3 ハイブリッド化戦略
6.3.1 GA の実装
(1) 遺伝子表現 ひとつの解をひとつの染色体とする。n個の決定変数からなる染色 体vkをk番目の解として表現する。
) ,...,
2 , 1 ( ] ,..., ,...,
[xk1 xkj xkn k popSize
k
k =x = =
v
START
END Termination
condition Selection (SPSS) Update Pareto solutionset
Evaluation Local Search Method
Crossover and Mutation Update Pareto solution set
Evaluation Generate the initial
Set GA parameters
Method of Displaced Ideal F L
C M e h t d o
Fig.6-1 Outline of Hybrid GA flowchart 図 6-1 提案するハイブリッド GA の全般的な流れ
・・・・・・・・・・・ (6-5)
ここで,popSizeは染色体集団の大きさである。xkは染色体のk番目の決定変数である。
(2) ペナルティー GA によって生成された染色体がシステム制約条件を満たさな
いことがあるため,そのような染色体には,次のようなペナルティーP(vk)を与える[68]。 mは制約条件の数である。
popSize k
b g
b g
g P m
m
i i i
i k i k i k
, , 2 , 1
) ) ( ( )) ( ( ) 1
(
1
max
= L
−
−
=
∑
⋅=
ν
ν δ ν
ただし,
⎩⎨
⎧ ≤
= 1; それ以外 ) (
; )) 0 (
( i k gi k bi
g ν
ν δ
m i
k g
gimax=max{ i(vk)|∀ }, =1,2,...,
これにより,最小化すべき目的関数の値を次のように求める。
) ) ( 1 ( )
( k k
t
kt f P
z = v ⋅ + v ただし,
1 ) ( 0 , ) (
0≤ft vk ≤P vk ≤
である。zktは染色体集団のk番目の目的関数値であり,0より大きな値となる。
(3) 評価関数 評価関数 eval(vk)は,複数の目的関数からひとつの評価値を得る ために,重み係数βtを掛けて合成する。なお,目的関数値zktの相互間で値に大きな違いが
・・・・・・・・ (6-7)
・・・・・ (6-6)
chromosome
population crossover mutation
Pareto solution
Local Search
Update Pareto solution offspring offspring
chromosomes of LS
(2) add to
(3) add to
図 6-2 親染色体から子染色体の生成の流れ(*1:パレート保存戦略)
Fig. 6-2 Outline flow of evolution(*1: Saving Pareto Solutions Strategy) (*1) Selection
SPSS: use random selection
offspring (1) add to
ある場合,各目的関数値の正規化等により影響を均等化することが必要である。
kt t k
k
k
z z z
eval ( ν ) = β
1 1+ β
2 2+ L + β
ただし,
1
1
∑
== q
t
βt
多目的最適化において目的関数間のトレードオフをバランス化させるために必要とな る各目的関数の重み係数βtを次のように定義する[73]。
q z t
z z
gen t
gen t gen t q t
t t t
t , *( ) , 1,2, ,
) ( )
*(
1
= L
= −
= −
∑
= α αβ α
ここで,zt*(gen)とzt-(gen) は次のようなそれぞれ現世代(gen)までの各目的関数値の最大値
と最小値である。
q t
k z z
z
k z z z
kt gen k t gen t
kt gen k t gen t
, , 2 , 1 },
, { min
} , { max
) 1 ( )
(
) 1
*(
)
*(
= L
∀
=
∀
=
−
−
−
−
(4) MDI技法による最良妥協解の決定 MDI技法[77]のメトリックに,次式のように 重み係数βtを掛けることで定量的な距離を測る。ただし,重み係数βtの計算式は評価関数 と同じであるが,各目的関数の最大値と最小値はパレート解から選択した値を使用する。
popSize k
r
q z t
z z L z
popSize k
r
z z
z L z
gen t gen t
gen t kt t t
rk q r
t
r
gen t gen t
gen t kt t rk
, , 2 , 1 ,
, , 2 , 1
| max
, , 2 , 1 , 2 , 1
) (
* ) (
) (
*
1
1
) (
* ) (
) (
*
L
L L
=
∞
=
⎭⎬
⎫
⎩⎨
⎧ =
−
⋅ −
=
=
=
⎪⎭
⎪⎬
⎫
⎪⎩
⎪⎨
⎧
⎟⎟⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
−
⋅ −
=
−
= −
∑
β β
各進化世代で生成された子染色体により更新されたパレート最適解の数を paretoSize と すると,最終世代において,MDI技法による最良妥協解は次式で求められる。
paretoSize p
p L L L
e p p p p
p
, , 2 , 1
}
| )
( { min
arg 1 2
*
= L
∀ + +
=
= v ∞
v v
ここで,argminの argはargumentの省略形であり,評価関数e(vp)の最小値 minに当た るパレート最適解を最良妥協解として採用することを意味する。
・・・・・・ (6-8)
・・・・・・・・ (6-9)
・・・・・・ (6-13)
・・・・・・・・ (6-10)
・・・・・・・・ (6-11)
・・・・・・・・ (6-12)
(5) 遺伝的操作
z 交叉: 染色体の実行可能性を維持するために算術交叉を用いる[68]。
z 突然変異: 一様突然変異を用いる[68]。この突然変異はランダムに選んだ遺伝子を制 約条件の範囲内でランダムな値にする。
z 選択: 選択操作には,パレート保存戦略を用いる。図6-2に示すように子染色体(個 体)でパレート解集合を更新し,このパレート解から次世代の親染色体(個体)求め る。親染色体はパレート解をランダムに選択することで,縁側を均等に探索する。そ の結果,最終的なパレート解に設計目的に合う解が含まれる可能性が高くなる。しか し,欠点は解の探索範囲が広くなり,評価値の高い解の近傍を詳細に探索する能力が 落ちることである。
選択の手順を次に示す。
① paretoSize ≧ popSize: パレート最適解の中からランダムに集団サイズの数だ け選択する。
② paretoSize < popSize: パレート最適解を総て選択し,
残りのpopSize - paretoSize個の染色体は現世代の染色体集団と子染色体集団の 中から評価値の高い順に親染色体の数まで個体を選ぶ。