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第7章 多目的 GA による通信システムの信頼性最適化設計

7.4 数値実験

7.4.3 数値実験

(1)改良パレート解保存戦略の効果

改良パレート解保存戦略の効果を測るため,①パレート解の保存を行わない重み係数法

のみの GA,②パレート解保存戦略,③改良パレート解保存戦略の3種類の多目的 GA の

技法を比較する。次に実験の設定と結果を示す。

【実験の条件】

最大世代数:5000,交叉率:0.2,突然変異率:0.3,集団サイズ:30,

被覆率の分割数:50,局所探索は使用しない。シェアリングは使用しない。

シェアリング半径:0.01(シェアリングの範囲を0~1.0とした時の値)

【実験の結果】

表7-7 改良パレート解戦略の効果の比較表

Table 7-7. Performance of candidate Pareto solution strategy

重み係数法 パレート解保存戦略 改良パレート解保存戦略 弓形面積 0.67270 0.74285 0.75478

被覆率 0.17 0.28 0.65

Model-1

Pareto解数 14 54 281

弓形面積 0.67235 0.65325 0.66247

被覆率 0.14 0.36 0.70

Model-2

Pareto解数 13 110 256

弓形面積 0.35067 0.40179 0.43688

被覆率 0.19 0.37 0.66

Model-3

Pareto解数 30 144 264

注:数値は10回の実行の平均値である。

(2)シェアリングの効果

シェアリングの効果を測るため,①シェアリングなし&LS なし,②シェアリングなし

&常時LSあり,③シェアリングあり&適応型スキームLSの3種類の多目的GAを比較す る。次に実験の設定を示す。

【実験の条件】

最大世代数:5000,交叉率:0.2,突然変異率:0.3, 集団サイズ:30,

選択:改良パレート解保存戦略,被覆率の分割数:50

シェアリング半径:0.01(シェアリングの範囲を0~1.0とした時の値)

【実験の結果】

表7-8 シェアリングとLS効果の比較表

Table 7-8. Performance of Shering

シェアリングなし

LSなし

シェアリングなし 常時型LS

シェアリングあり

LSなし

弓形面積 0.75468 0.73384 0.74256

被覆率 0.65 0.59 0.77

Model-1

Pareto解数 263 273 256

弓形面積 0.66246 0.66650 0.64881

被覆率 0.70 0.63 0.71

Model-2

Pareto解数 278 286 265

弓形面積 0.43688 0.41275 0.54305

被覆率 0.66 0.57 0.82

Model-3

Pareto解数 264 285 269

注:数値は10回の実行の平均値である。常時型LS:LSを制御せずに毎世代実行させる。

LSなし:LSを働かせない。

(3)適応型スキームと局所探索の効果

適応型スキームと局所探索(LS)の効果を測るため,①LSのないGA,②常時,LSを使

用するGA,③適応型スキームでLSを実行させるGAの3種類の多目的GAを比較する。

次に実験の設定を示す。

【実験の条件】

最大世代数:5000,交叉率:0.2,突然変異率:0.3, 集団サイズ:30,

選択:改良パレート解保存戦略,シェアリングを使用する,被覆率の分割数:50,

シェアリング半径:0.01(シェアリングの範囲を0~1.0とした時の値)

【実験の結果】

表7-9 適応型スキームと局所探索の効果の比較表

Table 7-9. Performance of adaptive scheme and Local search

LSなし 常時型LS 適応型LS

弓形面積 0.74256 0.72298 0.74184

被覆率 0.77 0.71 0.68

Model-1

Pareto解数 256 260 253

弓形面積 0.64881 0.67336 0.67166

被覆率 0.71 0.74 0.75

Model-2

Pareto解数 265 272 272

弓形面積 0.54305 0.49917 0.52896

被覆率 0.82 0.75 0.75

Model-3

Pareto解数 269 280 278

注:数値は10回の実行の平均値である。

(4)最適化で得られた決定変数の精度

次に,上の3つの実験において,信頼性最適化で得られたModel-3の決定変数の1例を 示す。シミュレーションは①改良パレート解保存戦略,②適応型スキームの局所探索,③ シェアリングと言う条件で実行した。次に,得られたパレート解の中からMDI値により最 適妥協解を選択した。その決定変数の値を次に示す。

表7-10 Model-3 の探索結果の例 Table 7-10. Simulation Results of Model-3

j 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6

mj 4 6 4 4 4 4

gj 32 35 16 37 22 32

cable 3

cable 4

cable 2

cable 4

cable 2

cable 3

j 7 8 9 10 11 12 7 8 9 10 11 12

mj 4 4 4 4 4 4

gj 32 33 39 49 16 16

cable 3

cable 4

cable 4

cable 5

cable 2

cable 2

j 13 14 15 13 14 15

mj 4 6 1

gj 17 49 48

cable 3

cable 5

cable 4

j : サブシステムの番号, mj : 予備回線の数, gj : ケーブルの心線数

表7-10の右側cable nは心数に対応したケーブルの種類(表7-9)である。表7-13の決 定変数における,不信頼度は0.0042,総コストは215,493,636$である。なお,コストは装置やケー ブルの価格の積算のみである。工事費等は含まれていない。サブシステム15はA-B地点間に含ま れないので,サブシステムの最適化条件は制約値の範囲内(サブシステムの不稼働率は0.5以下 等)で不信頼度を最小,コストを最小とする組合せが最適解である。この場合は,予備回線:1,心線 数:64である。結果は,予備回線:1,心線数:48となった。

(5)各モデルのパレート妥協解

Model-1のパレート妥協解を図7-10,Model-2のパレート妥協解を図7-11,Model-3のパレート妥 協解を図7-12に示す。設定条件は,①改良パレート解保存戦略,②適応型スキームの局所探索,③ シェアリングである。

この図で,縦軸は総コスト,横軸はシステムの不稼働率である。不稼働率のシェアリン

Model 2

80500000 81000000 81500000 82000000 82500000 83000000 83500000 84000000 84500000 85000000 85500000

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25

unavailability

cost

Fig.7-11 Pareto solutions of Model-2 図7-11 Model-2のパレート妥協解

Model 1

91500000 92000000 92500000 93000000 93500000 94000000 94500000 95000000 95500000 96000000

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25

unavailability

cost

Fig.7-10 Pareto solutions of Model-1 図7-10 Model-1のパレート妥協解

Mosel 3

212000000 212500000 213000000 213500000 214000000 214500000 215000000 215500000 216000000 216500000 217000000

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25

unavailability

cost

Fig.7-12 Pareto solutions of Model-3 図7-12 Model-3のパレート妥協解

グ範囲は0.0~0.2である。この間に解が上手く分布しているのが分かる。