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Frequency / THz

ドキュメント内 博士学位論文 (ページ 95-105)

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T ra n sm it ta n ce / %

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4-4. 考察

4-4-1. 計算結果に対する導電率の影響

本章では、電磁界シミュレーションにより、MMD を用いたタンパク質の定量測定を議論し た。 本節では、計算条件のうち、MMDの導電率条件が結果に与える影響を議論した。

Fig. 4-5 に、『f40』、『f100』、『f150』のディップ点付近の電磁波透過特性の測定結果と計 算結果の比較を示した。 これらの結果から、実際のMMDの表面材質であるAuの導電率 を用いた計算結果は、測定結果と比較して、周波数的には一致するものの、透過率が全体

Fig. 4-11 Correlation between the sensitivity A

cal

and the frequency f0

cal

of the

dip point.

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的に高く、波形も全体的に急峻になり、測定結果より低損失に計算されることがわかった。

これは、MMD を構成する金属には表面の凹凸や結晶粒界などの抵抗増加要因があり、純 金属の導電率を用いて計算すると、それらが反映されないため、実物よりも低損失に計算さ れてしまう事による。 本章の計算では、このような事情を考慮して、実効的な導電率を用い ることにした。 Fig. 4-5 から、本章の導電率条件(実効的な導電率)による計算結果と測定 結果は、周波数・波形共によく一致することがわかった。 また、ディップ点の周波数の測定 結果と計算結果の比較では、本章の導電率条件による計算では、0.42 ~ 0.92 [%]の差で 測定結果と一致した。 また、Auの導電率を用いた計算でも、0.53 ~ 1.15 [%]の差で一致 した。 これらの結果から、導電率の違いは透過率や波形に影響を与えるが、周波数的には 殆ど影響を与えないことがわかった。 MMD を用いた物質定量測定法ではディップ点の周 波数変化を使用するため、計算結果は周波数的な一致が重要となる。 周波数的な一致で 考えればAuの導電率を用いて計算しても問題ないが、本章では、より一致度が高い実効的 な導電率を用いる事にした。

4-4-2. 仮想物質の誘電特性の影響

本章では、タンパク質を想定した仮想物質の誘電特性をεr = 3、tanδ = 0として計算を行っ た。 本節では、仮想材料の誘電特性が結果に与える影響を議論した。

Table 4-5 に示したアミノ酸20種類の誘電率実部の測定結果から、アミノ酸の種類や測定

周波数により多少の違いはあるものの、その差は小さく、概ね誘電率実部は3付近の値をと ることがわかった。 タンパク質はアミノ酸がペプチド結合して構成される生体高分子であり、

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アミノ酸のシーケンスや種類はタンパク質の種類によって異なるが、アミノ酸の集合体である ことは共通している。 Table 4-5 の結果とタンパク質はアミノ酸の集合体であるという事実 から、タンパク質をモデル化した仮想物質の比誘電率(誘電率実部)を3にすることにした。

Table 4-6 に、tanδ が異なる仮想物質を3種類のMMD表面に配置した時のディップ点の

周波数[THz]の計算結果を示した。 この結果から、ディップ点の周波数は仮想物質の tanδ の影響を殆ど受けないことがわかった。 Fig. 4-10 に、tanδが異なる仮想物質をMMD表面 に配置した時の電磁波透過特性の計算結果を示した。 この結果から、電磁波透過波形も 仮想物質のtanδ の影響を殆ど受けないことがわかった。 これらの結果は、3 章の3-4-3節 より、MMD のディップ点の周波数は被測定物の誘電率実部を反映した合成キャパシタンス で決まるため、tanδ は周波数に影響を与えないと説明できる。 以上の議論により、本章の 仮想物質では、tanδ = 0の条件を用いることにした。 なお、原理的には、前節の導体損失と 同様に被測定物の tanδ (誘電率虚部)による誘電体損失は、電磁波透過波形に影響を与 える。 高周波電気理論では、共振 Q 値の変化により説明され、波形のブロードニングや透 過率の低下などが生じる。 Fig. 4-10 の結果は、ディップ点におけるTE11-like mode共振の 共振空間の大きさに対して、仮想物質の体積が占める割合が小さいため、波形や透過率に 影響が出る程度の誘電損失(とそれによる共振Q 値の低下)が生じていないことによる結果 と考察された。 また、仮想物質の厚みはタンパク質の吸着層と同程度にしていることから、

実際のタンパク質の吸着でも同様の結果になることが予測された。(5 章の Fig. 5-6 で、予 測通りの結果になることが明らかになった。)

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4-4-3. MMD を用いたタンパク質の定量測定

本節では、MMD のディップ点の周波数変化の測定により、MMD 表面に吸着したタンパ ク質の定量測定が実現可能であることを示した。

Fig. 4-6 の計算結果から、MMD 表面に配置した仮想物質の質量とそれによるディップ点

の周波数変化量が比例することがわかった。 また、Fig.4-8 の測定結果でも計算結果と同 様に、MMD 表面に吸着したStreptavidin の質量とディップ点の周波数変化量が比例するこ とがわかった。 これら計算と実験の結果から、定量性と直線性が示され、MMD のディップ 点の周波数変化によって、MMD 表面に吸着したタンパク質の定量測定が実現可能である ことが明らかになった。

3章の3-4-3節で、ディップ点のTE11-like mode共振は、LC並列共振回路でモデル化でき、

物質付着による合成 C 成分の増加により共振周波数が低下するという定量関係が成立す ることを示した。 また、物質付着による合成C成分の増加量 δ と共振周波数の低下量⊿f の関係は、δ が小さい場合、比例関係になることを示し、MMD を用いた物質定量測定法の 測定原理を明らかにした。 本章の仮想物質の厚みは 0~30 [nm] の範囲にあり、また、

Streptavidin の吸着層の厚みも 10 [nm] 以下と予測できることから、それらは TE11-like mode 共振の共振空間のサイズに比べて十分に小さいと見なすことができる。 このことから、

Fig. 4-6 の計算結果とFig. 4-8 の測定結果で示された比例関係は、3章の3-4-3節の物質 定量測定法の測定原理の比例関係に基づく結果が生じていることが明らかになった。

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4-4-4. MMD を用いたタンパク質の定量測定における感度

センサーの基本性能として、感度は重要な性能となる。 本節では、MMDを用いたタンパ ク質の定量測定における感度について議論を行った。

Fig. 4-7 の計算結果と Fig. 4-9 の測定結果から、共に、感度はディップ点の周波数の二

乗に比例して大きくなることがわかった。 これらの結果で示された比例係数[THz-1 ng-1 mm2]により、MMDの周波数(ディップ点の周波数)を決めれば、感度[THz ng-1 mm2]が得ら れ、それは SPR センサーにおける感度[deg ng-1 mm2]と形式が一致することがわかった。

計算と実験の両方で得られたこの結果は、MMD を用いた物質定量測定法における感度を 定義する重要な知見と言える。

感度がディップ点の周波数の二乗に比例する仕組みは、以下のように 説明できる。

MMDの共振波長を λ とする。 2章の2-1-4節で述べたように、MMDの周期 P は、概ね

P = 0.85λ になるように設計している。 従って、MMDの共振周波数が高くなる(共振波長が

短くなる)と MMD 構造は微細化する。 それに伴い、共振空間サイズも小さくなることから、

同じ質量(あるいは体積)の被測定物を共振空間内に配置した場合、共振空間を占有する 被測定物の体積割合がMMDの高周波化に伴い増加することになる。 3章の3-4-3節で述 べたように、被測定物の体積割合が増加すると共振空間の見掛け誘電率が増加し等価回 路の合成C成分が増加することから、共振周波数の低下量が増加する。 すなわち、同じ質 量(あるいは体積)の被測定物による共振周波数の変化量は、MMD の高周波化により増 加することになり、感度は MMD の高周波化により増大する。 さらに、感度が周波数の二 乗に比例するのは、以下の理由による。 ディップ点におけるTE11-like mode共振はXY面

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内の共振であるため、その共振空間サイズは、P2 (MMD 単位格子の主面面積)により規定 される。 また、前述の周波数設計式で変換すれば、共振空間サイズは λ2 により規定され る。 感度は共振空間を占有する仮想物質の体積割合によって決まることから、感度は共振 空間サイズの逆数 λ-2 により規定される。 光速C = 周波数f × 波長λ の関係式を用い れば、感度は f2 で規定されることになり、本章で得られた結果と一致する。

Fig. 4-7 の計算結果と Fig. 4-9 の測定結果の比例係数[THz-1 ng-1 mm2]に違いが見られ た。 これは、仮想物質の比誘電率を3で計算したことによる差と考えられた。 Fig. 4-11 に、

仮想物質の比誘電率を εr = 2、3、4 とした場合の感度 Acal とディップ点の周波数の二乗 f0cal2 の関係を示した。 この結果から、仮想物質の比誘電率が変わっても直線関係は変 わらないこと、但し、その比例係数は比誘電率が小さくなるに従って小さくなることがわかっ た。 Fig. 4-9 と Fig. 4-11 の比較から、仮想物質の比誘電率を2程度にすれば、両者の比 例係数は一致することがわかった。

4-4-5. 先行研究の検証

本章の結果から、MMD を用いたタンパク質の定量測定における感度が明らかになった。

本節では、その結果を用いて、MMD によるタンパク質の定量測定結果を報告している先行 研究との比較と検証を行った。

吉田らが報告したペルオキシダーゼの検出 124 は、約 2.85 [THz] にディップ点がある MMD を用い、その表面にペルオキシダーゼをインクジェットプリンターで印刷する方法で行 われた。 そして、報告された結果は、500 [pg mm-2] のペルオキシダーゼにより MMDのデ

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