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東京都千代田区一番町13‑2
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日本病院会雑誌 l伺9年4月(全想図書研究会〉
婿受ミミミ
講 演
電子出版物 CochraneLibrary
作 手 村 国 民 健 康 保 険 診 療 所 所 長 名 郷 直 樹
トトト静静
ただ今ご紹介にあずかりました名郷です。作手 村国民健康保険診療所というところからやってま いりました。診療所と大学と大病院とあっちこっ ちうろうろしながら,今,作手村国民健康保険診 療所というところで日々,外来診療およびもろも
ろという仕事をやっています。
専門領域は地域医療,家庭医療,臨床疫学,行 動科学,生活習慣病の疫学といっているわけです けれども,地域医煉といっても,家庭医療といっ ても,何だかよくわからないと患いますので,そ ういうことを含めて今から 1時間存分に使わせて いただいて,やらせていただきたいと思います。
まず最初に,作手村の紹介から。大体サクテと 呼ばれたり,うまく読めなかったりとか,そうい うことが多いのですが, アクデというふうに読み ます。名前の由来は私もよく知りません。
平均標高が大体
5 5 0
メートルということで,愛 知県で人が住んでいる所では比較的高い方に入り ます。冬は寒くなると氷点下1 0
度ぐらいという ようなこともありますが,それほど寒いというわ けではありません。人口が
3
,4 0 0
人,老齢人口が28%
。診療所の外 来をざっと見渡すと,平均年齢70歳というよう なところではないかと思います。愛知県は東半分は
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なのですけれとも,それの 南端に当たるわけです。大体名占厚から 70キロO豊橋,岡崎,豊田からそれぞれ
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キロぐらいと,そういう山間僻地です。
普通,そういう山間僻地ですと一般的には,情 報化というところから一番取り残されているので はなかろうか, と思われるかもしれませんが,電 話回線であったり,インターネットであったり,
平成
1 0
年1 0
Jl .東京 あるいはCD‑ROMであったり.そういう我々に とって非常にありがたいメディアがよく発達し て,それほど都会と遜色のない環境がようやく作 り出せるようになった。そんなわけで,わざわざ そんな田舎から呼ぶこともないだろう,と恩われ るかもしれませんが, 1時間お付き合いいただき たいと。前置きが随分長くなりましたが, これからが本題です。
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. Evidence‑based MedicineとCochaneLi‑ brary
今日,お話するのは2つのことです。 lつは,
Evidence‑based Medicine(EBM)ということを お話ししたいと思います。 EBMについて聞いた ことがある方,手を挙げてくださ ~'o わかりまし た。では, EBMを実践している医者を見たこと があるという方。でも1人おられましたので,随 分EBMも普及してきたようで心強い限りです。
我々がEBMという言葉を初めて知ったのが,
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年のことで,今から6
年前になるわけですけ れども, その頃は, EBMとは呼んでいませんで した。同じようなことはやっていたわけですけれ ども, 6年が経過して,ここ半年くらいで急激に あっちこっちでEBMと略される形で出てきまし た。もう一つが, Cochrane Library,今Hの表題に もなっていますがCochraneLibraryについてや りたいと。 CochraneLibrary だけとL、うよりは,
その他の有用な情報源ということを含めてお話し したいと思います。
その2つのことについて,大まかなことは今日 の資料の中に大体盛り込んでおきました。一つ目
日本病院会雑誌
1 9 9 9
年4
月4 9 ( 5 1 3 )
の資料がEBMについての概説九二つ目2) 三つ 目3)が有用な情報源についての,ちょっと古く なってしまいまLたが,私が書いたものを載せて ありますので,今聞いてよくわからないというこ とがあれば,その文を読み直していただければわ かるのではなL、かと思います。
2. EBMの概要
その資料の IEBMと は ? 医師の立場から j と書いてあるのを多少パラパラと見ながら,まず EBMの全体像をお話しします。
EBMというのは. 5つのプロセスというふう にいう場合もありますが,できるだけ少ないほう がいいと思って, 4つのプロセス(表1)という ことで書いてまいりました。
一つは,患者の問題の定式化。要するに,患者 にとって何が問題になっているのかを明らかにす ると。何がわかっていないかわからなければ何も 始まらないというわけです。わからないことを はっきりさせるプロセスが.EBMの最初です。
それから,そのわからないことについて情報を 収集すると。勉強する,学習する。そういうプロ セスが二つ目のプロセス。この辺は全部資料のほ うに書いてあります。
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番目が,その集められた情報が正しいかどう か吟味するプロセス。いくら情報を集めても間 違っていてはLょうがないわけです。それが信頼 に足るものかどうか吟味するプロセス。信頼できるとなったら,次はその情報を患者に 適応するプロセス。要するに,情報そのものが正 しくても患者にそれが当てはまるかどうかわから ないということです。
この4つのプロセスでもって,情報収集の中に Cochraneその他を含めながらお話を進めていき たい。ここからが本番です。
表 Evidence‑basedMedicineのステップ Step 1 患者の問題の定式化
Step 2 能率的で質の高い情報収集 Step 3 情報の批判的時昧 Step 4 情報の患者への適応
3 実際の患者の問題からはじめる
EBMは講演Lてはいけない,というふうに なっていますが,ここまでは講演してしまいまし た。
ここからは講演でなく少し違った形で進めてい きます。そこでまず,患者の問題から始めなさい,
というわけです。いつも大体シナリオなんて持っ てくるのですけれども.25歳卒業1年目の研修 医,そんな人をちょっと思い浮かべてみてくださ い。よろしいですか。 25歳, 1年目,研修医。先 ほどから図書館のあちこちをうろうろして。あま りそんな人いないですかね。時々,います?いな いですね。一応いたということで,よろしくお願 いします。
そこで,何か協力できることがあるでしょう か, というところから始めたいと思います。こん なことはあまりないのですけれども,困っている 研修医に助けの手を差し延べる場合に,どうした らいいかということを例にまず考えてみたいとい うわけです。
それで,識に申しわけないのですが,ここで2 人ずつベ7をつくっていただけますか。もl.隣 同士うまく L、かなければ前後とか,ちょっと 2人 ずつ組をつくっていただきたいのです。組ができ たというところは手を挙げてくださ¥
' 0
できない ところは移動していただくといいのですけれど も。その辺4人になっていただいて. 2人. 2人 になっていただけると。あとはよろしいですか。あぶれてしまったという人。誠にいろいろお願い して申しわけないのですが。大丈夫ですね. 2人 ずつ組.OKですね。
では,まずその2人で握手をお願いします。は い,握手,よろしくお願いします。何が始まるか 不安な方もおられるかと思いますけれども,ここ で1人は図書館の職員になります。もう l人の方
は25歳研修医。よろしいですか。
まず, じゃんけんをしてください。じゃんけん ぽん,勝った方は専門の図書館職員,負けた方は
25歳研修医。よろしいですか。 25歳研修医の方 ちょっと立っていただけますか。自分が25歳 研 修医だということを明らかにするために,私は25
歳研修医です,と 1固いってもらえますか。どう 50(514) 日本病院会雑誌 1999年4月
ぞ。
それでは,何か協力できることがあるでしょう か,と立っている
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歳研修医に声をかけるoその 続きをちょっと演じてみてください。どうぞ。「何 か協力できることがあるでしょうか。」話しかけ てください。それに答えて研修医の方がこんなこ とで困っているのです。続きをお願いします。ど うぞ座っていただいて結構です。適当につくって いただければいいのです(ロ ルプレイ①)。はい,結構です。こんな感じで進めていきます ので,よろしくお願いします。今のは練習です。
実際司この人は実は再発性の十二指腸潰療の患 者さんを診ていて,とうも除菌療法をやったほう がいいということが,あっちこっちから聞こえて くる。ちょっとそのことを調べてみたいな,と 思っていた。へリコパクターのことを調べたいの ですが,というわけです。この続きをへリコパク ターについてこんな情報源がある。あるいはこん な勉強をしてはどうか。これを引いてみてはどう か と い う 援 助 色
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歳 の 若 い 研 修 医 を 相 手 に ちょっとシミュレーションですね。今からやって いただきたいというわけです。では, もう l回握手していただけますか。もう
1
回握手,はい,握手。では,I
ヘリコパクターの ことを調べたいのですが」。どうぞ〔ロールプレイ②)。
はい,結構です。どうもご協力ありがとうござ いました。
大体うまいこといって,いい情報源が提供でき て,研修医が何かいいものを持って帰っていった というグループ.ちょっと子を挙げていただけま すか。結構おられるわけですね。何かうまくいか なかったけれども話はよくできたというグルー プ。なるほど。そんな別に協力を頼んでもいない よ, というクソレーフ。は。ない。
4. 問題の定式化
そんなわけで,そういうことが起きた場合に,
どういうふうに医者を援助してあげるといいのか なという,医者の立場で考えると,これにはさっ きいったEBMのプロセスが役に立つわけです。
要するに,何がわかっていないかわかっていな いのですね。大体I年目の研修医というのは。要
するに,何となくへリコパクターのこと,なんで いうところまでしか疑問がまとまらなくて,ちっ とも解決につながらない。
そこで, EBMはどういうふうにいうかという と, I明確に答えられる形に問題を変換しなさ い。」というわけです。例えばへリコパクターの何 について調べたいのですか, というふうにいって も,大体何についてといわれてもいろいろで,な んてなってしまうわけです。どうやったらそのい ろいろを明確にできるかということが,まず最初 のお話です。
そこで1つ考えることは,どういう種類の問題 だということです。とういう種類というとどんな ことを思い浮かべますか。問題の種類。簡単にい えば小児科の問題とか循環器の問題とか,そんな こともありますけれども,ここではそういう分け 方ではなくて,治療についての疑問ですか,ある いは診断についての疑問ですか,あるいは因果関 係ですか,予後についての疑問ですか,副作用に ついての疑問ですか,というふうに,まずはどの 種類の疑問かということを尋ねる,はっきりさせ るといいというわけです。
だから,頼りない
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歳の研修医に,I
治療につ いて知りたいのですか,あるいは診断について知 りたいのですか,あるいは予後について知りたい のですか,あるいは副作用について知りたいので すか?Jというふうに声をかけてあげるといいの ではないかということです。あまりゆっくりもしていられないのですけれと も,さらにその問題が例えば治療の問題である,
あるいは診断の問題であるというふうにはっきり したら,次は問題を定式化しなさいというわけで すけれども、このときに使うのが,我々は問題定 式化のときの3つの呪文とか3つの合い言葉と いっているのですけれども, Patient, Exposure. Outcomeと, さっきの講演でStructure,Proc戸 ess, Outcomeというのがありましたけれども,
それに似ているのです。 Patient,Exposure, Outcome。とんな患者に,何をすると,どうなる か,というような形で問題をはっきりさせると,
非常に次の情報収集が楽になるというわけです。
本当はここもロールプレイとか入れたいところ なのですが,時間の関係でやめましょう。
日本病院会雑誌 1999年4月 51(515)