第 7 章 数式の書き方 79
8.3 図
8.3.1 EPS 画像の張り込み
などがありますので参考にしてください.これらのプログラムはMicrosoftのExcelで作 成された表をLATEXのソースに変換します.
MicrosoftのExcelではなくOpenOffice.orgのCalcを使っているならば阿部昌平氏の Calc2LaTeX
http://web.hc.keio.ac.jp/~mr041754/calc2latex/indexj.html
というものがあるそうです.これを使えばCalcで作成した表をtabular環境に変換し,
表としてLATEXに貼り付けることが出来ます.
8.3 図 109
8
いときはDvipdfmxを使うためにdvipdfmを指定します.
3. 図を挿入したい場所に \includegraphics命令を使ってファイル名を示します.
\includegraphics[設定]{ファイル}
仮引数には表8.6などのオプションが使えます.
表8.6 graphicxパッケージで使える主なオプション
設定項目名 説明 値
width=h幅i 出力する図の幅を指定します 長さ,100 mmなど height=h高さi 出力する図の高さを指定します 長さ,100 mmなど angle=h角度i 反時計回りの回転角度を指定します 0<値<360 scale=h数値i 図の拡大・縮小率を指定します 0<値
例えばGhostscriptがインストールされている場所にexamples/というディレクトリが
あります.そこにgolfer.epsというEPS画像があります.この EPS画像ファイル golfer.epsをLATEXの文書に張り込むにはgolfer.epsをLATEX の原稿のあるディレ クトリにコピーして
\usepackage[dvips]{graphicx}% dvipdfm
をプリアンブルに書きます.そしてdocument環境の中で
\includegraphics[width=5cm]{golfer.eps}
とします.これをplatexでタイプセットし,整形されたDVIファイルhfilei.dviをプレ ビューアで見ることができます.
上記の操作が問題なくできるでしょうか.基本的にLATEXで既存の画像を張り込むと きはLATEXに標準で含まれているgraphicxパッケージを使うことになると思われます.
画像の張り込みに関してはgraphicxパッケージという統合的な方法が提供されていま す.このパッケージを使うことによって任意のデバイスドライバに合わせたコマンドを記 述しなくても良いように工夫がされています.
まずこのgraphicxを使うためにプリアンブルに以下の1行を追加します.
\usepackage{graphicx}
このとき使用するデバイスドライバが重要で最終的にPostScript形式か,DVI形式か,
それともPDF形式が必要なのかによってオプションを変えます.Windowsで印刷する ことも考えるならば最終的にPDF形式にすると良いのかもしれません.そうするとデバ イスドライバはDvipdfmxを使うことになるでしょうから,Dvipdfmxの場合は
\usepackage[dvipdfm]{graphicx}
とします.Dvipdfmxの場合もgraphicxにおいてはdvipdfmと同じ設定になりますから dvipdfmxと書いてはいけません.
Unix系OSならばPostScriptのほうが良いでしょうから
\usepackage[dvips]{graphicx}
とします.dvipskであろうがpdvipsだろうがdvipsオプションを使います.他にはxdvi
やdvioutも指定できます.dvioutの場合はdvioutがインストールされているフォルダ
のGRAPHIC/LATEX2E/dviout.defというファイルを$TEXMF/tex/latex/graphics/に コピーしてください.
既存の画像は基本的に\includegraphics命令で読み込みます.
\includegraphics[h設定i]{hファイル名i}
Windowsの方で手持ちの画像のほとんどがビットマップで存在するならばdvioutをデ
バイスドライバに選択すれば良いでしょう.EPS画像が多いならば1度EPSからPDF に変換してからDvipdfmxを使うのが良いと思われます.Unix系OSならば手持ちの画 像をEPSに変換してdvipsを使うことになるでしょう.
試しにご自分の持っている画像hファイルiをhデバイスiで取り込めるのかを試してみ ください(行頭のパーセントは取り除き,imagesフォルダにridt91.epsがあると仮定 します).
%\documentclass{jarticle}
%\usepackage[dvipdfm]{graphicx}
%\begin{document}
\includegraphics[width=3cm]
{images/ridt91}
%\end{document}
dvioutの場合EPS画像を取り込むときはGhostscript にてEPSをPDFに変換して から画像を表示しますからdvioutのGhostscriptに関する設定を適切に行ってください.
画像によってはページをはみ出したりしている場合があるでしょうし,表示が大きすぎる 場合があるでしょう.その場合は取り込みに関する設定をします.
height=h高さi 単位付きで画像の高さを指定します.
width=h幅i 単位付きで画像の幅を指定します.
scale=h数値i 画像の拡大率を指定します.
angle=h角度i 反時計回りに画像を回転する角度を指定します.
bb=h画像の位置情報i 画像のどの領域を使うべきかを指定します.‘bb=0 0 640 480’
とすると原点を(0,0)として縦横‘640×480’の領域を使うようにします.
noclip 画像用に使うべき領域を元の画像がはみ出している場合に画像を切り抜かない
ようにします.
clip 画像が確保された領域よりも大きい場合は切り抜きします.
draft 実際に画像を張り込まずに画像が占有するだろう領域を枠による代替表示にな
り,ファイル名も表示します.
8.3 図 111
8
レポートや論文などで図には図見出しを付けて中央揃えにするのが望ましいと思われま すので
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=10cm]{images/file.eps}
\caption{図見出し}\label{fig:samplefig}
\end{center}
\end{figure}
のように使うことになります.ただし,これを毎回書くのは面倒なので次のような図用の myfig命令を作成します.
\newcommand{myfig}[4][width=.8\textwidth]{%
\begin{figure}[htbp]%
\centering\includegraphics[#1]{#2}%
\caption{#3}\label{fig:#4}%
\end{figure}}
このように定義しておけば次のように使えます.
以上の考察から図~\ref{fig:sample}のような図が得られる.
\myfig[width=100pt,clip]{images/file.eps}{図の張り込みの例}{sample}
浮動体の図はDVIファイルに出力されるときに思いもよらない場所まで旅をしますの で,思い通りの場所に図を出力できなくても気にしないでください.そもそも図表に対 して「上記の図は何々」とか「下記の図は何々」という表現は間違いで,全ての図表は
「図3.1は何々」のように番号で参照します.ですから本来は図や表がどのような場所に 旅立っても困らないはずです.
図などを反時計回りに90◦ 回転させることがあるでしょう.その場合は\rotatebox 命令を使います.
\rotatebox[h設定i]{h角度i}要素
こ れ は \includegraphics の 任 意 引 数 に ‘angle’ を 使 っ た こ と と 同 じ で す .
\rotateboxは図に限らずあらゆる要素(表も可能)を回転します.h設定iの項目には以 下のようなものがあります.
origin=hラベルi 要素を回転するための原点を指定します.左‘l’,右‘r’,中央‘c’,上 部‘t’,下部‘b’が指定できます.
x=h長さi x方向の原点の位置を直接h長さiを指定します.
y=h長さi y方向の原点の位置を直接h長さiを指定します.
\rotatebox{70}{文字列など}の
\rotatebox[origin=c]{60}{回転とか}は
\rotatebox[origin=b]{50}{どう}
\rotatebox{30}{ですか?}
文字列など の 回転とか
は どう ですか
?