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B、C、D、E、F は

ドキュメント内 学位の分野 社会福祉学 (ページ 96-109)

第 4 章 ACT の家族支援における経年的効果

A、 B、C、D、E、F は

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【家族の心的態度】

家族の心的態度について、1回目と2回目を比較すると以下のようであった。

表4-2-7 家族の心的態度

1)1回目インタビューと2回目インタビューの時点での状態と変化

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○A、B、C、D、E、Fの6人の状態の説明

1回目時点で、全員の焦点的コードが[ACTに出会い逃げ道が出来た。気が楽になり、安 心、助かる]であった。

BはACTとの出会いで「まめに心配していただき親として非常に安心。」と述べ、2回目時 点では、「ACT利用して4年前と、父親の気持、変わった。不安が無くなり、安心。ACTさ んにお任せ」と気持ちの変化を明確に述べている。

Cは「息子の叫びは私の苦しみだった。ACTで随分楽になる」と自宅で症状が酷い時にACT と出会い、その後ACTの支援を受けグループホームに入り1人暮らしを実現し、「息子が グループホームに入り、夫婦はホッとする時間を持てる」ようになった。2回目時点では、

「精神的負担が減った。両親の精神的、肉体的衰えがある。遅れてきた思春期、外の力を 借りる最後のチャンス。」と前向きな心境を述べている。

Dの夫は「親亡き後、どうするのか、先生と相談中」と述べ、Dは「先生のお陰で、どん だけ、気が楽になったか分りません」とACTとの出会に感謝していた。

2回目時点では、Dの夫は「親亡き後、今、焦って深刻に考えなくても良いと思うように なった。息子変わった、スタッフが充実、努力したい」と述べ、息子の変化に期待すると 共に焦って余計な不安が無くなったこと、その理由にスタッフが充実していることを上げ、

「高齢だが努力したい」と明快に述べて、さらに「息子の病気、前は誤魔化したが、今、

平気」と内なる差別と偏見に対して決別の宣言もしている。

Fは1回目のインタビューで、「母が良くなって近づけた。今、お母さんっていいなあっ て思う」と心境を吐露し、「今は大分楽になった。2年間苦しんだ。こうなるとは思わなか った」、「うちみたいに困っている人はいっぱいいると思う」と述べている。これは、Fが ACTと出会い、ACTに繋がったことが、事態を変えた決定的要因であることを示している。

父親は医者嫌いだったため、ACTを拒否し、結果、母親の病気に対応できないまま、日々 の酒の量が増え、それが原因で亡くなった。酒に逃げる父親、病に苦しみ叫び続ける母親、

Fが時々実家を覗くとそこに繰り広げられる両親の生活を見て、放置できないと覚悟を決め たという。

2回目時点では、Fは「ACTさんと知り合ったのが一番」、「今まで、親孝行できなかっ

たので、今は、ホッとしている」と落着いた心境でケアしていると述べている。

Aは「ACTで一息つく、逃げ道が出来た」、「私と本人との中間のACTに感謝」、「家族 だけのケアの限界を認識」と述べていた。2回目時点では息子は腎不全が悪化で、1人暮ら しから実家に戻っていた。Aは息子が実家に戻ってきたことに対して「前のように、眠れな いことはない」と述べている。しかしAは現在、週3回の透析に通院同行し「息子腎不全

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だが、ACTに助けられている」と述べている。またケアに追われ、今は趣味を楽しむ時間が 見出せずない中「親戚も友達もあまり来ない。一番頼りになるのはACT」だとも述べて いた。Eは、息子が退院後入院先の病院と全く関わりがなくなることを何度か経験し、今回 ACTを利用する中で「ACTの親身になっての患者の対応がありがたい。今、助かっている」

と述べている。2回目時点ではACTの訪問時以外は、息子は、外出できず、希死念慮に囚わ れ昼夜逆転生活を送っている。また、「神が俺を支配している」と言い、しばしば居住し ている13階のマンションの屋上に行き「死ねない」と言って戻ってきて、「自分1人では とても生きていけない」と不安を口にするという。そうした息子の様子を「息子の希死念 慮、本当笑っちゃいられないだけど」と淡々と述べていた。「辛抱は、もう、ずっと。(笑)」

と言い「孫が、本当にありがたい。息子は孫には優しい。本当癒やしになる」とも述べて いる。

2)1回目と2回目の差異

1回目時点で、ACTを利用した人の全ての家族が、「逃げ道が出来た」と述べた。彼らは 追い詰められた状況で、ACTに出会い、何でも相談できることで、ACTとの信頼関係が生ま れ、気持ちが楽になり、安心の心境に至ったことが確認できた。

2回目時点では、当事者が回復に向かっている家族はACTへの信頼がさらに深まり、その 安心の心境は「ACT利用して4年前と父親の気持、変った。不安が無くなり、安心」(B)、

「親亡き後、今、焦って深刻に考えなくて良いと思うようになった」(D)、「ACTと出会 ったのが一番。今まで親孝行が出来なかったので、今はホッとしている」(F)、「精神的 負担が減った」(C)との言葉に表れているように不安がなくなり、安心感がさらに深まり、

安定した心境に変化していた。

一方、Aの息子は身体疾患が悪化し、自宅療養、Bの息子は依然引きこもりから抜けだせ ず、希死念慮に囚われ精神的に不安定な状態のままである。そうした不安を抱えながらもA は「一番頼りになるのはACT」、Eは「辛抱は、もうずっと」と述べてACTに支えられなが ら、当事者に寄り添い受容していた。

以上を見るとこの2年間で4人の家族(B、C、D、F)は、今までのように日々のケアに 追われ、親なき後の不安に囚われることから解放され、ACTとともに変わる当事者を見守る ように変化していた。4人の当事者は就労、通所との繋がり、外出も可能な段階とレベルは 様々だが2年間で確実に改善が進んでいる。家族はこうした中でACTと安心して相談し、

当事者を受容し、当事者の回復を諦めていなかった。2年前には考えられない変化である。

インタビューの時の家族の穏やかな表情が何よりもそれを物語っていた。

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以上のことから家族の心的態度の変化については、4人の家族は、ACTとの出会いで逃げ 場ができたことで、安心感が生まれ、利用を継続することで、親亡き後の不安はなくなっ たと述べた。明らかに家族の安心への心境の変化が見られる。また残りの2人の家族にお いても、当事者の心身が不安定な状況だがACTに支えられて当事者を受容しており、家族 の心的態度は諦めずに当事者を見守る心境であるといえる。

【家族のリカバリー】

抽出された焦点的コード,定性的コードを基に対象の6家族を白石の「回復した家族の イメージ」と照らし合わせると,回復の段階に達すると考えられる項目が多く見られた。

またアンダーソンの定義については,ほぼ全家族が該当すると考えられた。6家族の当事 者のうち2名は引きこもりや自宅療養中であったが,4名が自立的方向へ進み,ACTから既 存のサービスへの転換が始まっていた。2名の当事者の症状と生活は低位安定で厳しい状況 であるが,家族は,ACTに支えられて当事者を受容していると考えられた。

表4-2-8 回復した家族のイメージとの比較

3 考察

筆者の研究(佐川2014)ではACTを利用することで症状が安定、引きこもりからの脱出 や一人暮らしの実現で自立生活への歩みに繋がっている事例を確認することができた。

今回の調査では約3年後に、ACTの利用を継続することで当事者や家族の生活がどのように 変化したのか、またACTとの関わりがどのようなものだったのかについて調査した。

本項では、その結果をもとに考察する。

内容

A B C D E F

○ ○ ○ ○ ○ ○

35 31 32 33 36 34

○ ○ ○ ○ ○ ○

19 20 21 23 24 22

○ ○ ○ ○ ○ ○

17 14 15 16 13 18

○ ○ ○ ○ ○

26 27 29 28 22.34

○ ○ ○ ○ ○ ○

17 26 15 16 36 18

本人の精神症状が決して軽くないことを理解してい る.しかし,希望は持っている.

本人に温かく接することの重要性は理解.正しい療 養を本人に伝えことができる.

医療関係者に感謝.言いたいことがあれば不安,不 満を率直に話せる.

本人の世話をしている.一方で,自分の生活設計に 沿って,人生を楽しんでいる.

本人を世間の偏見から守っている.いざとなれば意 見を述べる覚悟を持っている.

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第1 当事者の生活では、4人中6人の生活は自立的方向へ改善、ACTとの関係では全員が

ACTの訪問を受け入れ、多くは楽しみにしていた。

発症後経過が長くなった精神障害者の生活は、多くの場合問題を抱えたまま推移するこ とが多いことがこれまでの種々の調査から明らかになっている。当事者は、不安が強く、

新しいサービスを受けることに消極的で、引きこもりがちな生活を送っている人は新し支 援者と出会うことを躊躇することが一般的である。そのような中、今回の調査対象者の身 内であるACTの利用を開始した当事者は、当初は受け入れを躊躇した人もいたものの、ま もなく訪問を受け入れ、時間の経過に従い、その多くが訪問を楽しみに待つようになって いた。多くの精神障害者がサービスを躊躇しがちなことを精神特性と言ってしまうのでは なく、提供する側に問題があるとの認識が必要である。ACTスタッフは、未受診には受診を 勧め、必要で可能なサービスのあっせんなども行っていた。必ずしも精神症状や障害の程 度が大幅に改善したわけでなくとも、ある者は就労や通所事業所を継続でき多くの場合安 定した生活を送ることができていたことが今回の調査で明らかになった。こうした成果は、

当事者のリカバリーを志向する支援から生じたことが推定される。ACTのスタッフの親身で、

タイムリーな対応がこのような変化を生んでいたことは間違いないと思われる。

第2 家族と当事者の間に心が通じる関係が生まれていた。

今回の時系列の調査で、当事者、家族、ACTの3者の関係で特徴的な変化は、特に当事者 と家族間で認められた。両者の関係は、双方の自立の成長過程に応じて様々であるが、今 回、ACTを利用した当事者と家族の関係では、双方がお互いを受け入れ、自立的な関係への 変化が見られた。利用者の活動的になる姿を見て家族が希望を持つ(佐藤 2012)ことが明 らかにされているが、今回明らかになったのは、当事者と家族間の双方向の関係の変化で ある。例を挙げると、父親のBは、息子が初めて「親父に迷惑をかけたな」と素直に謝っ たことに心を動かされ、その結果「お互いを思いやるようになり、お互い心を開いて話せ るようになった」と語った。Bが父親として過去の思いに固執せず、長く病に苦しんだ息子 を1人の人間として、受け入れたのだと判断された。また、Cの息子はACTの支援で1人暮 らしを始めた。お互い距離を取ることで冷静に向き合う関係になったことで、Cは息子の現 在を「遅れてきた思春期」と表現し、回復への歩みと感じていた。Dは、息子の家事手伝い の対価として金銭を支払うようにし、当事者が意欲を高めるとともにお互いの関係が改善 したことを報告している。Fは母親の症状が安定して、普通に親孝行ができるようになっ たという。

上記では、家族がACTと繋がり、家族が当事者にゆとりを持って接するようになってい ることが示されている。このような変化はACTが当事者および家族と情報を共有し、相談 対応する中で相互の信頼関係が生まれた結果、家族と当事者の双方の不安が減少し、家族 は当事者の障害の面ばかりにとらわれるのではなく、良い面にも目が行くようになり、精 神障害者と見るのではなくまず、1人の人間として見るようになり、日常的コミュニケーシ

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