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BADA モデルの精度の直接評価

ドキュメント内 航空宇宙工学専攻 博士後期課程 (ページ 51-59)

1 項 燃料流量の比較

図 4-1から図 4-7はBADAモデルと飛行データの燃料流量を比較したものである.

横軸は時刻(UTC)であり離陸から着陸までをプロットしている.飛行フェーズは飛 行データよりAir modeになった時から巡航高度までを上昇フェーズ,巡航高度を飛行 しているときは巡航フェーズ,巡航高度から離脱しGround modeになった時までを降 下フェーズとする.Landing Gear,Flapsを使用しているフェーズではConfigurationを 考慮して推定値を算出したが誤差が見られた.しかし,その他の全ての飛行フェーズ では概ね一致していることが確認できた.なお,図 4-5において上昇中一時的に燃料 流量が減少しているがこれは管制の指示により巡航高度に到達する前に一時的な水 平飛行を実施したためである.

図 4-1 燃料流量 図 4-2 燃料流量

図 4-3 燃料流量 図 4-4 燃料流量

図 4-5 燃料流量 図 4-6 燃料流量

4-7 燃料流量

2 項 燃料消費量および燃料流量誤差の解析

BADAモデルで計算した燃料流量の飛行データの値から燃料消費量の比較と燃料流 量の誤差を平均値および標準偏差を用いて解析する.燃料消費量は式(4.14),平均値並 びに標準偏差は式(4.16),式(4.17)から得られる.全ての飛行フェーズにおいて 1 秒ご とに計算を行う.

𝐹𝐹𝐶𝐶=� 𝑓𝑓(𝑑𝑑)

𝑡𝑡𝑓𝑓 𝑡𝑡=1

(4.14)

∆𝑓𝑓(𝑑𝑑) =𝑓𝑓𝐵𝐵𝐶𝐶𝐷𝐷𝐶𝐶(𝑑𝑑)− 𝑓𝑓(𝑑𝑑) (4.15)

∆𝑓𝑓̅= 1

𝐼𝐼 � ∆𝑓𝑓(𝑑𝑑)

𝑡𝑡𝑓𝑓 𝑡𝑡=1

(4.16)

𝜎𝜎=� 1

𝐼𝐼 −1��∆𝑓𝑓(𝑑𝑑)− ∆𝑓𝑓̅�2 (4.17)

図 4-8 から図 4-14 は,フライトごとに全体と 3 つのフェーズの燃料消費量を示し

たものである.表 4-2,表 4-3は,燃料消費量の差(BADAモデル-飛行データ)お よび実際の燃料消費量に対する割合である.燃料消費量の差は全体で 4%以下に収ま っており概ね一致していると判断できる.この燃料消費量の差については,④,⑥の 降下フェーズを除き全て実際より小さい値となった.このことからBADAモデルでは 全体的に少ない燃料流量を示していることが分かる.

図 4-15から図 4-18は全体とフェーズごとの燃料流量誤差の平均値および標準偏差

を示している.これらの結果より平均値は±0.1kg/s以下となっており高い精度で一致 していることが確認できる.また,図 4-17からClean Configurationである巡航フェー ズにおいては標準偏差も 0.05kg/s 以下となっており特に高い精度で一致しているこ とが確認できる.

降下フェーズの燃料消費量について詳しく見ていく.図 4-19から図 4-25は降下フ

ェーズのFlapsとLanding Gearの状態と積算燃料消費量を表したものである.降下フ

ェーズの傾向としてClean ConfigurationではBADAモデルより飛行データの積算燃料消 費量の方が多かった.しかし,Flaps,Landing Gearを使用するとBADAモデルの積算 燃料消費量の増加率が大きくなり,使用時間が長くなると逆転する現象が見られた.こ

れはClean Configurationでは通常Idle Thrustを使用するが,BADAモデルで計算された

最小燃料流量の値が実際の値より大きいことが推測される.また,FlapsとLanding Gear を使用しているフェーズでは BADA モデルは飛行データより積算燃料消費量は小さか った.BADA モデルでは抗力係数を通常の Clean Configuration に加え,Initial climb, Take-off,Approach,Landingの4つとLanding GearがDown時の係数を設定している.

前述の通り検証した航空機のFlaps Positionは6つ選択可能である.これらからBADA が定義するFlapsおよびLanding Gear使用時の抗力係数が実際ほど細かく設定されて おらず,係数自体も小さいことを意味している.上昇フェーズでは Flaps,Gear の使 用はほぼ同様の運用を行いかつ使用時間は短時間であるため影響が少ないと考えら れる.しかし,降下フェーズでは運航便により使用時間は異なりまた水平飛行する時 間も異なるため,便によって影響が異なる.以上の事からFlaps,Landing Gear使用時 は使用時間の長さによって影響が異なってくるので注意が必要であることが分かる.

4-8 燃料消費量 4-9 燃料消費量

4-10 燃料消費量 4-11 燃料消費量

図 4-12 燃料消費量 図 4-13 燃料消費量

図 4-14 燃料消費量

図 4-15 燃料流量誤差(全飛行フェーズ) 図 4-16 燃料流量誤差(上昇)

4-17 燃料流量誤差(巡航) 4-18 燃料流量誤差(降下)

4-2 推定燃料消費量の飛行データからの差(CI20,40)

CI 20 40

経路 ①2015/8

羽田-佐賀

②2015/8 佐賀-羽田

③2015/9 羽田-佐賀

④2015/9 佐賀-羽田 差

[kg]

割合 [%]

差 [kg]

割合 [%]

差 [kg]

割合 [%]

差 [kg]

割合 [%]

上昇 -76.0 -2.6 - - -60.6 -2.1 - -

巡航 -67.1 -3.0 -54.8 -3.3 -104.2 -4.0 -62.2 -3.7

降下 -31.0 -3.3 -19.3 -2.3 -48.8 -4.8 10.0 1.2

全体 -174.1 -2.9 -74.1 -3.0 -213.7 -3.3 -52.2 -2.0

表 4-3 推定燃料消費量の飛行データからの差(CI80)

CI 80

経路 ⑤2015/10

羽田-佐賀

⑥2015/10 佐賀-羽田

⑦2015/10 羽田-佐賀 差

[kg]

割合 [%]

差 [kg]

割合 [%]

差 [kg]

割合 [%]

上昇 -9.5 -0.3 -28.3 -0.9 -12.8 -0.5

巡航 -68.0 -2.5 -33.8 -2.1 -92.0 -2.4

降下 -23.5 -2.6 61.3 10.4 -26.4 -3.4

全体 -101.0 -1.5 -0.7 0.0 -131.2 -1.8

4-19 積算燃料消費量とConfiguration(CI20) 4-20 積算燃料消費量とConfiguration(CI20)

4-21 積算燃料消費量とConfiguration(CI40) 4-22 積算燃料消費量とConfiguration(CI40)

4-23 積算燃料消費量とConfiguration(CI80) 4-24 積算燃料消費量とConfiguration(CI80)

図 4-25 積算燃料消費量とConfiguration(CI80)⑦

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