図5‑6 最 適 奨 励 金 レ ベ ル と 農 企 業 の 主 体 均 衝 図 形 表 示
~. ~=-S{B)-
; 限 界 粗 収 益 曲 線府 に と っ て 最 適 な レ ベ ル で あ る こ と を 意 味 Lている。
また、 f. ( B)は (dy/dB) であるから、先の条件は、
d B q=‑dy(B‑B)
の よ う に 書 き 直 す こ と が で き 、 こ れ を も と に 経 済 学 的 な 意 味 を 示 し た の が 図5‑ 7である。この図は、 Bから 1単 位 だ け 休 耕 面 積 を 増 や し た 場 合 の 、 財 政 負 担 の 増 分 と 減 分 と を 具 体 的 に 示 し た も の で あ る 。 財 政 負 担 の 増 分 は 、 対併科'の 面 積 で 、 そ し て 誠 分 は ? 罪 判 刊 の 面 積 で 示 さ れ る 。 こ れ ら の 面 積 に は 共 通 部 分 と し て ? 吋
f
寸 が 存 在 し て い る の で 、 ネ ッ ト の 負 担 増 は 1:<1'91"、 ネ ッ ト の 負 担 誠 ( こ の 場 合 コ ス ト の 減 少 分 に 対 応 ) は 村 刊 と な る 。 と こ ろ で 、 dB q は、材 料 の 面 積 と 、 dy(B‑B)は 刊 り の 面 積 と 対 応 し て い る 。 つ ま り 、 上 配 の 条 件 式 は 、 限 界 的 な ネ ッ ト の 財 政 負 担 の 増 分 が 限 界 的 な ネ ッ ト の 負 担 の 減 分 と 等 し い 時 、 財 政 負 担 が 極 小 で あ る こ と を 意 味 し て い る の で あ る 。 2)
1単位面積だけ休耕を増ぞすのに要する奨励金という限界費用(材担付)が、
過 剰 に よ る 財 政 負 担 が 軽 減 す る と い う 限 界 便 益 (1材 料9.)とが等し〈なる時、
あるいは等し〈なるようなレベルに奨励金を定めれば、その時が政府(納税者) にとって最適な選択をした時といえるのである。
以 上 の よ う な 最 適 奨 励 金 レ ベ ル の 決 定 条 件 の 検 討 だ け か ら も 、 改 の よ う な こ と が 示 唆 さ れ よ う 。 必 ず し も 需 給 を 完 全 に 一 致 さ せ 過 剰 を な 〈 す ま で 調 整 を 行 な う こ と が 、 財 政 面 か ら 見 て 政 府 に と っ て ベ ス ト な 政 策 で は な い と い う 点 が 明 か と な っ た と い う こ と 。 そ し て こ の 政 策 を 快 定 実 施 す る 経 済 主 体 自 身 の も つ 財 政という直接的な利害による最適化と、国民経済全体でみた効率性(寅源配分) の 最 適 化 と の 聞 に は ギT ツ プ が 発 生 ・ 存 在 し て い る 点 へ の 注 目 が 必 要 で あ ろ う ということである。
第 7節 反 収 に ス ラ イ ド す る 奨 励 金 と 農 産 物 供 給 曲 棉
さ て 、 前 節 ま で の 分 析 で は 、 仮 定 9tこ 基 づ い て 、 単 位 面 横 当 り 一 定 額 の 奨 励
‑ 1 5 5 ー
金 が 出 さ れ る 場 合 に つ い て 検 討 を 重 ね て き た 。 本 節 で は 奨 励 金 支 給 の 運 用 に 関 Lて 、 土 地 の 生 産 力 ( 反 収 ) の 違 い が 考l抵 に 入 れ ら れ こ れ に 一 応 ス ラ イ ド す る 形 で 制 度 が 運 用 さ れ て き た と い う 事 実 に 基 づ き 、 現 実 に ー 捗 近 づ け た 場 合 に つ
いて考案を加えることにする。 3)
そ こ で 、 仮 定9を改のように変更する。
《仮定9') ) 休耕面積に対して支給される単位面積当りの休耕奨励金の額は、
一 定 で は な 〈 、 そ の 休 耕 す る 土 地 の 単 位 面 積 当 り 収 量 ( 反 収 ) に 比 例 す る も のと考える。
こ こ で 、 制 度 の 運 用 の 方 法 の 違 い か ら モ デ ル を
[aJ
と[s J
との 2つにわ けて考えていくことにする。そしてここで、 [モデル α]と は 、 休 耕 す る 土地の一筆ごとの反収に比例した金額の奨励金が支給される場合 (α型奨励金)
を 、 そ し て [ モ デ ル 日 ] と は 、 休 耕 す る 土 地 全 体 の 平 均 反 収 に 比 例 し た 金 額 の 奨 励 金 が 支 給 さ れ る 場 合 (
s
型奨励金)をさすことにする。1 .α型 奨 励 金 の 場 合
ま ず 、 休 耕 地 の 一 筆 ご と の 反 収 に 比 例 し て 奨 励 金 が 支 給 さ れ る [ モ デ ルα]
の場合から、その主体均衡と供給曲線に与える影響を考案 Lてゆ〈ことにする。
図5‑8は 、 こ の 場 合 の 奨 励 金 の 支 給 と 限 界 祖 収 益 曲 線 に よ る 農 企 業 の 主 体 均 面を示したものである(なおこの図でn)は離散型でb)は連続型で示している)。
まず第 l象 限 に は 右 下 が り の 「 限 界 担 収 益 曲 線jが 描 か れ て い る 。 一 方 、 第2 象限には、縦軸にそれぞ、れの土地の阻収益をとり、横軸には単位面積当りの奨 励 金 を と っ て 、 原 点 を 出 発 点 と す る 直 線 で 反 収 に 比 例 す る 奨 励 金 直 線 を 表 現 し
て い る 。 そ し て 、 こ の 第2象 限 に は 、 縦 軸 上 の y
=
q (単位面積当り土地利 用費) のところ (0')から45度線を号│いて、各土地の祖収益に対応して横軸 に 表 わ れ る 奨 励 金 の レ ベ ル δを第 l象限に再導入できるようにしている。 4 )こ の プ ロ セ ス を 各 土 地 ご と に 行 な っ て い く と 、 限 界 祖 収 益 曲 線 に 対 し て 、 0・ を 原 点 と し て 第 l象 限 に 「 限 界 奨 励 金 収 入 曲 線 」 と で も 呼 べ る 右 下 が り の 曲 線
‑ 1 5 6 ‑
を 導 出 す る こ と が 可 能 と な る 。 こ の 曲 線 は 、 そ の 土 地 を 1単 位 ご と に 休 耕 し て 得られる奨励金収入の軌跡を表わしたものである。
つ ま り 、 こ の 「 限 界 奨 励 金 収 入 曲 線 」 が 「 限 界 租 収 益 曲 線 」 よ り 上 方 に 位 置 し て い る 農 地 に つ い て は 休 耕 し た 方 が 得 に な り 、 逆 に 下 方 に あ る 農 地 に つ い て は 休 耕 せ ず 作 付 け し た 方 が 得 と な る こ と を 意 味 し て お り 、 両 曲 線 の 交 差 す る 点 が す な わ ち 農 企 業 の 主 体 均 衡 点 で あ る 。 そ し て 、 図5‑8に お い て (B‑ B)の 量 だ け 休 耕 す る こ と が 農 企 業 の 利 潤 を 極 大 と す る 行 動 で あ り 、 奨 励 金 総 額 は 図 の 斜 線 部 分 で 示 す こ と が で き る 。 前 節 ま で の 一 定 額 の 奨 励 金 と い う の は 「 限 界 奨 励 金 収 入 曲 線 」 が ス ロ ー プ の な い 横 軸 に 平 行 な 特 殊 な 場 合 だ っ た の で あ る 。
つづいて、この主体均衡に基づいて、 α型 の 奨 励 金 が 供 給 曲 線 に 及 ぼ す 影 響 を検討してみる。
第4節 の 一 定 額 奨 励 金 の 場 合 に 仮 定Lた の と 同 棟 に 、 こ こ で も 単 純 化 の た め に、 「限界租生産曲線」を x = m ‑ n B と線形に特定化してお〈と、 「限界 租 収 益 曲 槻 」 が y = Pxm ‑ Pxn 8 と な る こ と は 明 ら か で あ ろ う 。 ま た 、 奨 励 金 を 反 収 1kg当り a円とすると、 o = a x そして 6ニ(a/Px)y とな る。
一方、図5‑9をみればわかるように、 「限界揖励金収入曲線」は、 2点 (0 • q十 am) {8. q+a(m‑nB)} を 結 ぶ 直 線 y=(q+am)‑an8 で 示すことができる。
「限界租収益曲線
J
:y=Pxm‑PxnB と 「 限 界 奨 励 金 収 入 曲 棉J;
y :::: ( q+
a m)ー a n B と を 連 立 方 程 式 と し て 解 け ば 、 土 地 の 均 衛 投 入 量 が 、m q
Bニ ー ‑
n (Px‑a)n で求められる。
こ の 土 地 の 均 衛 投 入 量 と 、 作 付 地 の 平 均 祖 生 産 曲 棉 ;x = mー(n/2)B と か ら 生 産 量Qが次式のように導出される。
町12 0 2
s ε : Q= 一一一
2 n 2<Px‑ a 戸n
‑ 1 5 7 ー
図5‑8 α型 奨 励 金 の 支 給 と 農 企 業 の 主 体 均 衡
4 q A
‑ 1
一
1単位面積当り円
一
町 一︑ ︑
︑ ー
︐
J
Z
45・鵠一
‑ I t }
一一単位面積当りの
o
宮 B奨 励 金 S
拶
‑45"醜 一 一 奨 励 金 金 額
限 界 粗 収 益 曲 腺
‑ ‑ b 2
一 一 一 一 一 一o
‑ 1 ‑ R
‑
百
B‑ 158 ‑
図5‑9 農産物供給曲線の導出過程一 α型 奨 励 金 の 場 合 一
文
m
吋A= m
2且 B
作平 付均 地租 の生 産 曲 組~=\'\'\・刊 B~ 限界粗生産曲鵠
M-"~
Q h 1 e B
トPx~-Pl' B ~限界粗収益曲棋
~ ~=('t-To.川ー仙B
, 限 界 奨 励 金 収 入 曲 韓
s B S
‑ 159 ‑
t
邑
図5‑10 α型 奨 励 金 に よ る 農 産 物 供 給 曲 線 の シ フ ト
α型 奨 励 金
一
一 一 一 一 一 一 一 一
一 一 一 一 一
之
r寸0. t-四ー-~...-....-_...~---ー'
m
‑t1B
• T : ‑ . ‑ ‑ ‑ 1 ‑ 一 一 一 一 一 一 一 一 ← ‑
m ‑ n B
S~ ;
b J 丘 二 S~
勾
1‑ . z { { f ‑ o S : & n
1 ・
3L41‑Z
..LYI .2bヲ7
o ( 1\1-岳~)-B Q
160
こ れ が 、 休 耕 奨 励 金 を 反 収 1kg当り a円と Lてα型 で 運 用 し た 場 合 の 供 給 曲 線 (S 2)の式である。
奨 励 金 を 全 く 出 さ な い 時 の 供 給 曲 椋 (S 0)が、 m2 q2
Q
ニ一一一一一一一一
2 n 2 P x2 n で あ っ た か ら 、 ニ の 両 者 を 比 較 す る た め 図 示 し た の が 、 図5‑l0で あ る 。 両 者 (S邑と S0)の 関 係 は 、 数 式 か ら も 図 形 か ら も わ か るように、この α型 の 奨 励 金 に は 、 一 定 額aだ け 上 方 に 供 給 曲 線 を 押 し 上 げ シ フ ト さ せ る 効 果 を も っ て い る 点 で あ る 。 つ ま り 、 前 節 ま で の 一 定 額 奨 励 金 の 場 合 、 一 定 率 (o/ q)だ け 上 方 シ フ ト さ せ て い た の に 対 Lて 、 こ の α型 の 反 収 スライド奨励金は一定額aの大きさだけ上方lこシフトさせることが大き〈異なっ ているところである。 5}
2.
s
型 奨 励 金 の 場 合続 い て 、 休 耕 す る 土 地 全 体 の 平 均 反 収 に 比 例 し て 奨 励 金 が 支 給 さ れ る [ モ デ ル戸]に目を移すことにする。
この
F
型 の 奨 励 金 が 先 のα型 の 奨 励 金 と 根 本 的 に 違 う 点 は 、 休 耕 す る 土 地 を 集めてその平均的な反1&に基づいて奨励金のレベルを決定するところである。そ こ で 「 休 耕 地 の 平 均 粗 収 益 曲 線 」 を 求 め る こ と が ま ず 必 要 と な る 。
図5‑11に沿って (B‑81) だ け の 休 耕 を す る と 仮 定 し て み よ う 。 限 界 祖 収 益 曲 線 を 右 下 が り の 直 綿 と し た 場 合 、 こ の 休 耕 地 の 平 均 粗 収 益 は 、 す 点 と オ 点 と の 中 点 で あ る 主 点 の 祖 収 益 で 表 わ す こ と が で き る 。 そ Lて こ の 祖 収 益 の 大きさを BIの と こ ろ に 移 し た 要 点 が 、 81だ け 作 付 け を し 休 耕 を (B‑81)
と す る 時 の 休 耕 地 の 平 均 祖 収 益 の 大 き さ を 示 す 点 で あ る 。 そ し て 、 こ の 81を 連 続 的 に 動 か し て い っ た 時 の 事 点 の 軌 跡 が 、 「 休 耕 地 の 平 均 租 収 益 曲 線 」 で ある。この場合、結局、 ま 点 を 出 発 点 と Lて 限 界 粗 収 益 曲 線 の 勾 配 の 半 分 の 勾配をもっ直線で示される。
こ の よ う に 「 休 耕 地 の 平 均 租 収 益 曲 線
J
が 導 出 さ れ れ ば 、 作 付 面 積 の 決 定 に 対 応 し て 、 休 耕 奨 励 金 の レ ベ ル が あ き ら か と な る 。 二 の プ ロ セ ス を 示 し た の が‑ 1 6 1 ‑
@ 休耕地の平均租収益曲線の導出
限 界 粗 収 益 曲 線
休 耕 地 の 平 均 粗 収 益 曲 韓 図5‑11
単位面積当り円
F E l d
‑ ‑ t ︐ ︒
0 .
︐
B B
a
十B
~
. 2
B ,
162
図5‑12 {3型奨励金の支給と休耕地の平均租収益曲練
休 耕 地 の 平 均 粗 収 益 曲 棋 奨励金直鵠
平 均 奨 励 金 収 入 曲 蹄
+ @
o 8 , B 1 3
‑ 1 6 3
図5‑12で あ る 。 例 え ば 、 作 付 面 積 が B1の 時 、 休 耕 地 の 平 均 租 収 益 は 先 に 導 い た 曲 線 に よ り 直 ち に 求 め ら れ 、 こ れ が わ か る と 第 2象 限 の 奨 励 金 直 線 か ら δ1 が求められるのである。こうして、作付面積
B
1 (こ対応する奨励金レベル d1の 点 E がわかるのである。そして、この 81を連続的に Oから Bまで動かLて得 られるE
点 の 軌 跡 が 1つ の 直 椋 と し て 描 〈 こ と が で き る 。 こ れ は 、 各 作 付 面 積 を 決 定 す る 際 に 得 る ニ と の で き る 休 耕 奨 励 金 の レ ベ ル を 示 し て い る の で 、「平均奨励金収入曲線jと呼ぶことにするo この命名は、先にα型 の 奨 励 金 支 出 の 際 、 限 界 租 収 益 曲 線 か ら 導 出 し た も の を 「 限 界 奨 励 金 収 入 曲 線 」 と 名 づ け たことに対応させたものである。
r
平均奨励金収入曲線J
と「限界奨励金収入 曲糠J
との関係は、 Bに関する点3
を共有Lて、 「限界J
の 勾 配 が 「 平 均J
の勾配の 2倍となっていることにある。
この関係は、第 3節 の 最 後 に 少 し 触 れ た 「 休 誹 量 の 需 要 と 供 給 」 と い う 考 え 方 を 用 い れ ば よ り あ き ら か と な る 。 こ の 「 休 耕 量 に 関 す る 売 買 市 場 」 と い う 概 念で再董理したのが図5‑13で あ る 。 地 力 の 低 い 方 か ら な ら ベ た 「 限 界 祖 収 益 曲 練」が「休耕の供給曲線
J
に、 「平均奨励金収入曲線」が「休耕の需要曲線J
に 、 そ し て 「 限 界 奨 励 金 収 入 曲 線 」 は 、 独 占 理 論 で い う と こ ろ の 「 休 耕 の 限 界 収入曲融」に対応していることは改めて詳細の必要もなかろう。
だから、生産者がどれだけの休耕量を社会 (or政 府 ) に 提 供 す る か は 、 こ の 需 要 曲 線 の ス ケ グ ュ ー ル に つ い て ど の 程 度 の 情 報 ・ 知 識 を 生 産 者 が 持 っ て い る かに依存している。
これまで前提としてきた仮定10の よ う に 、 巨 大 農 企 業 を 仮 定 し て い れ ば 、 自 分 の 土 地 の お お よ そ の 反 収 は 把 撞 し て い る だ ろ う し 、 制 度 に 関 す る 情 報 の 理 解 度 と も 関 連 す る が 、 休 耕 の 需 要 曲 線 の ス ケ ジ ュ ー ル を 不 完 全 な が ら も 知 っ て い る 可 能 性 が あ る 。 こ の 場 合 に は 、 供 給 独 占 企 業 と 閉 じ よ う に 限 界 収 入 曲 線 に 基 づいて行動し、先のα型の奨励金の場合と同じ結果となるであろう。
しか L、もし、より現実に接近Lて、多数の農企業からなる・場合を考える場 合 に は 問 題 は 少 し 異 な っ て く る 。 そ こ で 改 の よ う に 仮 定10を変更する。
‑ 164 ‑