60 第3章 H(e, e′K+)Λ/Σ0のデータ解析
図3.19: AC1 宇宙線データにおける光電子数:ガウシアン関数でフィットした結果、宇宙線
による全光電子数は 2.0 PEsと求まった。
ADC1PE,ADCpedはそれぞれ1PEとペデスタルのADC情報であり、宇宙線データからそれ ぞれのピークをガウス関数でFitしてピークの中心値を求め、NPE情報の変換を行う。
それぞれACのセグメント毎にADCチャンネルからNPE単位に変換しACの光電子数を 見積もった。AC1, 2の全PMTの光電子数の和を図(3.19, 3.20)に示した。その結果、AC1, AC2の全光電子数はそれぞれ2個と 20個であることがわかった。2002年に行われたACテ スト実験では、AC1, AC2の光電子数和はそれぞれ(NAC1, NAC2) = (6, 30)程度であるこ とからAC1の高電子数の発光率は30 %、AC2は75 %程度まで減少していることがわかる。
しかし、AC1ではπ+ 中間子が通過した場合2 PEsの光電子数を出すため、K+, π+ の選別 においては十分な性能であることを確認できた。
3.3 ACカットを用いたK+ イベントの選別 61
図3.20: AC2 宇宙線データにおける光電子数:ガウシアン関数でフィットした結果、宇宙線
による全光電子数は 20 PEsと求まった。
中間子領域における(tct ∼0 ns)ACCBGの寄与を抑えることができる。AC1, AC2のカット 条件を変化させ、π+, p残存率の評価を行った(図3.22, 3.23)。残存率の評価は、AC1, AC2 のthreshold(th1, th2min, thmax)から
AC1<th1 (3.26)
th2min <AC2<th2max (3.27) の条件を満たすイベントを選び、π+, pピークを関数(式3.28)でフィットして求めた。図図 3.23の残存率評価のときにはth2max = 60 PEsに固定し、th2minを0から60まで変化させ たきの残存率の値をプロットしている。
y= p0
√2π exp
((x−p1)2 2p22
)
+ACC. (ACC :const) (3.28) (3.29) 上式で定義した関数 yはガウシアン関数と ACCBGの重ね合わせとし、ACCBGは coinci-dence timeのACCBG領域(−20< tct <−15 ns)で値を見積った。
図3.22, 3.23からπ+, pが十分に除去できるカット条件として次のAC1, AC2カット条件 をcoincidence timeに課し、K+, π+, pのピーク評価を行う。
AC1 NPE<1.0 (3.30)
3.5<AC2 NPE<8 (3.31)
62 第3章 H(e, e′K+)Λ/Σ0のデータ解析 適切なACカット条件をcoincidence timeに課すことによってK+ イベント数を見積もっ た。しかし。AC カット条件を課すことによってπ+, pと同時にK+中間子イベントも削り取 られていることから、K+ イベント数はACカット条件により変動する。そこでcoincidence timeのK+領域におけるS/N比及びK+イベントを十分確保できるような、適切なACカッ ト条件を求める必要がある。K+ イベント及びcoincidence timeのK+ 領域におけるS/N比 のACカット依存性の評価について第4章にて詳細に述べる。
図 3.21: coincidence time と AC1, AC2 光電子数の相関図:上図は AC1 の光電子数と coincidence timeの相関図、下図はAC2とcoincidence timeの相関図を表している。2 ns毎 にアクシデンタルバックグランドがあり、coincidence time(tct=3 ns)付近に π+ イベント、
tct=-7 ns付近にpイベントが確認できる。
3.3 ACカットを用いたK+ イベントの選別 63
図3.22: AC1カット条件を課したときのπ+, p残存率のAC1カット依存性
表3.4: (AC1<1.0 PEs & 3.5< AC2<10 PEs)条件下での(K+, π+, p)フィット結果 particles Events mean [ns] σ [ns]
K+ 800 -0.0316 0.345
π+ 1078 2.98 0.257
p 3647 -0.821 0.677
64 第3章 H(e, e′K+)Λ/Σ0のデータ解析
図3.23: AC2カット条件を課したときのπ+, p残存率 のAC2カット依存性
3.3 ACカットを用いたK+ イベントの選別 65
図3.24: ACカットを用いたときのcoincidence time;緑、青、赤の領域はそれぞれp, K+, π+ のピークイベント数を表している。アクシデンタルバックグランドを一定とし、アクシデンタ ルを差し引いたイベント数をガウス関数のフィット結果から求めた。
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