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TIAの急性期治療と再発予防

ABCD 2 ABCD 3 ABCD 3 -I

年齢(Age) 60 歳以上= 1 点 ○ ○ ○

血圧

(Blood pressure) 収縮期血圧 140mmHg 以上または

拡張期血圧 90mmHg 以上= 1 点 ○ ○ ○

臨床症状

(Clinical features) 片側の運動麻痺= 2 点

麻痺を伴わない言語障害= 1 点 ○ ○ ○

持続時間(Duration) 60 分以上= 2 点

10~59 分= 1 点 ○ ○ ○

糖尿病(Diabetes) 糖尿病= 1 点 ○ ○ ○

再発性 TIA(Dual TIA) 7 日以内の TIA 既往= 2 点 ○ ○

画像所見(Imaging) 同側内頚動脈の 50%以上狭窄= 2 点 ○

DWI での急性期病変= 2 点 ○

合計スコア 7 9 13

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脳卒中治療ガイドライン 2015[追補 2017]

脳梗塞・TIA

〔 35 〕

Effectively Avoiding Second Strokes:PRoFESS)41)(レベ ル2)。さらに、PRoFESS試験対象者のうち、発症後72 時間以内にランダム化された1,366症例を対象とし、急性 の軽症虚血性脳卒中患者の機能転帰、再発、死亡につい て検討を行ったが、両群間に有意差は認められなかった42)

(レベル2)

TIA発症後急性期の血圧管理、降圧療法についてのエ ビデンスはない。 AHA/American Stroke Association

(ASA)の声明書では、発症後24時間を経て降圧療法を検 討してもよいとの記述はあるが、目標血圧は明確でなく、

個々の症例での対応が求められる43)。 慢性期降圧療法に 関しては、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬と偽 薬群との二重盲検比較試験の結果、高血圧の有無にかか わ り な く、 実 薬 群 で 脳 卒 中 再 発 が 有 意 に 低 か っ た

(Perindopril Protection against Recurrent Stroke Study:

PROGRESS)44)(レベル2)。アンジオテンシンⅡ受容体 拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬のランダム化試験にお いて、ARB投与群ではカルシウム拮抗薬投与群と比較し、

複合エンドポイント(脳卒中、心筋梗塞、その他の死亡)

が有意に減少した(Morbidity and Mortality after Stroke, Eprosartan Compared with Nitrendipine for Secondary Prevention:MOSES)45)(レベル2)。脳卒中を含むハイリ スク患者を対象に、脳卒中を含む血管事故による死亡お よび心不全による入院を検討した研究では、ACE阻害薬 に対するARBの非劣性が示された(Ongoing telmisartan alone and in combination with ramipril global endpoint trial:ONTARGET)46)(レベル2)。しかしながら、ARB群 とプラセボ群による平均観察期間2.5年の研究(PRoFESS)

では、ARB投与群における有意な脳卒中再発抑制を認め なかった47)(レベル2)。TIA既往の患者において、医療機 関受診時の収縮期血圧の変動幅が、脳卒中発症の危険因 子であるとの報告があり、変動幅最大群は、最小群の約 10倍の危険度であった48)(レベル3)

スタチン療法に関しては、過去 6 か月以内に脳卒中も しくはTIAを発症した、冠動脈疾患歴のない患者を対象 として、極めて高用量(80mg/日)のアトルバスタチン群 とプラセボ群とを比較した結果、アトルバスタチンは脳 卒中再発リスクを有意に抑制した(The Stroke Prevention by Aggressive Reduction in Cholesterol Levels:SPARCL)49)

(レベル2)。同研究のサブ解析において、頚動脈狭窄患 者に対して、スタチン治療群は偽薬群に比べて、脳卒中 再発を33%減少させた50)(レベル2)。スタチン投与と脳 卒中発症予防に関するメタアナリシスでは、スタチン治 療による脳卒中二次予防効果は、リスク比0.88(95%信頼 区間0.78~0.99)であった51)(レベル2)。スタチンによる LDLコレステロール低下と脳心血管予防効果について、

差はなく、併用療法群では重篤な出血性合併症発症のリ スクが有意に高かった(Management of Atherothrombosis with Clopidogrel in High-Risk Patients:MATCH)35)(レベ ル2)。本邦で行われた脳および心血管疾患例に対する抗 血栓療法に関する大規模観察研究においても、抗血栓薬 の 2 剤併用は出血性合併症の発症が多いことが明らかに された36)(レベル3)。TIAを含む脳梗塞ハイリスク患者 を対象とした試験では、低用量アスピリン群と、低用量 アスピリンとクロピドグレルの併用群において、心血管 疾患発症率に有意差を認めなかった(Clopidogrel for High Atherothrombotic Risk and Ischemic Stabilization, Management, and Avoidance:CHARISMA)37)(レベル2) 非心原性脳梗塞またはTIA症例に対して、発症 3 か月以 内のアスピリンとクロピドグレルの 2 剤併用療法と単剤 療法(アスピリンまたはクロピドグレル)を比較した MATCHとCHARISMAを含む 8 つのランダム化比較試 験(20,728例)のサブ解析の結果、単剤に比較して併用療 法では、脳卒中再発率は有意に減少したが(相対リスク 0.69、95%信頼区間0.59~0.81)、出血性脳卒中(相対リス ク 1.23、95%信頼区間0.50~3.04)や重篤な出血性合併症

(相対リスク2.17、95%信頼区間0.18~25.71)は増加しな かった追3)(レベル2)。発症 6 か月以内のTIAもしくは軽 症脳梗塞を対象としたアスピリン単独と、アスピリンお よびジピリダモール併用とのランダム化比較試験におい て、併用群は一次エンドポイント(非致死性脳卒中・心筋 梗塞血管死、重症出血性合併症)の発生率を有意に低減し た(ハザード比0.80、95%信頼区間0.66~0.98)(European/

Australasian Stroke Prevention in Reversible Ischaemia Trial:ESPRIT)38)(レベル2)。非心原性軽症脳梗塞およ びTIA患者7,648症例のメタアナリシスにおいて、アスピ リンとジピリダモール併用投与は、アスピリン単独投与 に比し有効であった。 脳卒中再発リスクは徐放性ジピリ ダモールを主に投与した試験において顕著に有意であっ た(相対リスク0.77、95%信頼区間0.67~0.89)39)(レベル 1)。 本邦においては、非心原性脳梗塞1,294症例で、ジピ リダモールとアスピリンの合剤による、アスピリン単独 に対する脳梗塞再発抑制の試験が行われたが、非劣性は 認められなかった[Japanese Aggrenox(Extended-Release Dipyridamole plus Aspirin)Stroke Prevention versus Aspirin Programme:JASAP]40)(レベル2)。 アスピリン とジピリダモール併用群、クロピドグレル単独群に分け、

さらに降圧薬テルミサルタン服用の有無を掛け合わせて 脳卒中再発抑制効果を比べた結果、アスピリンとジピリ ダモール併用群のクロピドグレル単独群に対する非劣性 は証明されず、テルミサルタン服用の有無でも脳卒中を 含めた血管事故に差がなかった(Prevention Regimen for

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該当する場合は15mg)群は、ワルファリン群に対して非 劣性を示し、大出血、致死的出血、頭蓋内出血は有意に 少なかった65)(レベル3)

ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンに関 す る 3 試 験(RE-LY、ROCKET AF、ARISTOTLE)

14,527症例を対象とし、脳卒中やTIAの既往を有する症 例をメタアナリシスした結果、ワルファリンと比較して 非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(Non-vitamin K antagonist oral anticoagulant:NOAC)は脳卒中と全身塞栓症、大出 血、出血性脳卒中、および頭蓋内出血を有意に減少させ 66)(レベル2)

狭窄率70%以上の頚動脈狭窄病変を合併したTIA、軽 症脳梗塞に対しては、内科的治療単独よりも内科的治療 と頚動脈内膜剥離術(CEA)併用のほうが脳卒中再発防止 効果に優れていた67-71)(レベル1、2)。狭窄率50~69%で は、狭窄率70%以上に比べて内科的治療単独と、内科治 療にCEA併用の再発防止効果の差が減じるため、年齢(<

75歳)、性(男)、症候(半球症状)などを考慮に入れてCEA 実施の可否を検討する67)(レベル2)72)(レベル3)。狭窄率 50%未満の頚動脈狭窄病変を合併したTIA、軽症脳梗塞 に対して、CEAを推奨する根拠は明らかでない67-71)(レベ ル1、2)。CEA適応例であっても、CEAの治療成績を不 良にするハイリスク因子(心臓疾患、重篤な呼吸器疾患、

対側頚動脈閉塞、対側喉頭神経麻痺、頚部直達手術また は頚部放射線治療の既往、CEA再狭窄例)の合併例に対 して、遠位塞栓症を予防する装置つきのカテーテルを使 用した頚動脈ステント留置術(CAS)が、適切な術者によ り行われた場合、CEAに劣らない治療効果および安全性 が認められた(Stenting and Angioplasty with Protection i n P a t i e n t s a t H i g h R i s k f o r E n d a r t e r e c t o m y:

SAPPHIRE)73)(レベル2)。CEA適応の標準危険群(症候 性および無症候性)に対しても、CEA群1,262例、CAS群 1,240例で検討を行った結果、治療成績は同等であった

(Carotid Revascularization Endarterectomy vs. Stenting Trial:CREST)74)(レベル2)。発症30日以内の頭蓋内動 脈狭窄(70~99%)による軽症脳梗塞もしくはTIA、451 症例について、抗血小板薬 2 剤を含む最良の内科治療の みの群と、ステントを併用した群の比較が行われ、積極 的内科治療群がステント治療群に比較して、脳卒中発症・

死亡率が有意に低かった(内科治療5.8%、ステント治療 14.7%、p=0.002)(Outcome of Patients in the SAMMPRIS Trial Who Had Failed Antithrombotic Therapy at Study Enrollment:SAMMPRIS)75)(レベル2)。SAMMPRIS試 験の結果は、強化された抗血栓治療をはじめ、血圧管理、

脂質管理を加えた積極的な内科加療の重要性を示した。

Extracranial-intracranial(EC-IC)bypass術は、わが国で 21の大規模臨床試験のメタアナリシスでは、LDLコレス

テロールが1.0mmol/L(38.6mg/dL)低下すると、脳卒中の 発症が16%低下するという結果であった52)(レベル2) 頚動脈狭窄のあるTIA発症患者387例の検討において、

TIA発症前にスタチンを内服していた症例では、90日後 の脳卒中発症の危険度が有意に低かった(オッズ比0.37、

95%信頼区間0.17~0.82)53)(レベル3)

非弁膜症性心房細動(NVAF)を合併した脳梗塞、TIA 例に対する再発防止には、ワルファリンによる抗凝固療 法[international normalized ratio(INR):2.0~3.0目標]が 有効であり54-58)(レベル1)、アスピリンの再発防止効果 は有意ではなかった55)(レベル1)。NVAF患者18,113症 例において、ダビガトラン220mg/日の脳卒中および全身 性塞栓症予防効果はワルファリンに対し非劣性を示し、

大出血は少なかった。同300mg/日はワルファリンに比 し、脳卒中および全身性塞栓症を有意に抑制し、大出血 発生率は同等であった(Randomized Evaluation of Long-term Anticoagulant Therapy:RE-LY)59)( レ ベ ル3) RE-LY試験対象患者のうち虚血性脳卒中またはTIA既往 患者3,623症例を対象とした解析においても、ダビガトラ ン220mg/日、300mg/日の脳卒中または全身性塞栓症予 防効果はワルファリンと同等であり、出血性合併症も増 加させない結果であった60)(レベル3)。NVAFでCHADS2 スコア 2 以上である14,264症例の検討で、脳卒中および 非中枢神経系塞栓症予防に対して、リバーロキサバン 20mg/日はワルファリンに対し非劣性を示した。重大な 出血の発生率は同等であったが、頭蓋内出血および致死 的出血はリバーロキサバン群で抑制された(Rivaroxaban Once Daily Oral Direct Factor Xa Inhibition Compared with Vitamin K Antagonism for Prevention of Stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation:ROCKET AF)61)

(レベル3)。脳梗塞またはTIA既往症例について検討し たサブ解析においても、リバーロキサバンはワルファリ ンに対して非劣性が証明された62)(レベル3)。脳卒中リ スクを有する心房細動患者18,201症例で、アピキサバン 10mg/日はワルファリンに対して、脳卒中および全身性 塞栓症予防において優越性を示し、大出血および死亡は 抑制した(Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation:

ARISTOTLE)63)(レベル3)。ARISTOTLE試験中、TIA または脳卒中既往3,436症例での検討においても、アピキ サバン群はワルファリン群に比べて、脳卒中、出血性脳 卒中、重篤な出血イベントが顕著に抑制された64)(レベル 3)。CHADS2スコア 2 以上のNVAF患者21,105例の検討 で、エドキサバン60mg/日(用量調整基準に該当する場合 は30mg/日)群、エドキサバン30mg/日(用量調整基準に