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AA 標準溶液を用いた SFC/MS/MS および UHPLC/MS/MS での感度の比較

ドキュメント内 吉岡, 俊暁 (ページ 40-44)

第二章 SFC/MS/MS を用いた AA の高感度迅速定量法の開発

2.3. 結果と考察

2.3.2. AA 標準溶液を用いた SFC/MS/MS および UHPLC/MS/MS での感度の比較

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時間は 6.8 分であり,既存の手法である LC/MS/MS (UHPLC/MS/MS) あるいは

GC/MSと比べて分析時間の観点において優れていた.

2.3.2. AA標準溶液を用いたSFC/MS/MSおよびUHPLC/MS/MSでの感度の比較

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はSFCとQqQMSの間にある分岐部において,移動相がQqQMSとABPRに分岐す

るため,移動相の一部しかQqQMSに導入されない (図2-2).したがって,SFC/MS/MS

は UHPLC/MS/MS と比べてイオンの導入効率が低いにも関わらず,高感度分析でき

ることは特筆すべき点である.

2-3. ABPR変動と固定メソッドでのSFC/MS/MS分析における0.5 ng mL‒1 AA 標準液のピークエリア比較

Peak area (n = 4) Area ratio of 1/2

1. ABPR fluctuation method 85721 ± 1298 1.24

2. ABPR fixed method 69350 ± 1854

2-4. AASFC/MS/MS分析法とUHPLC/MS/MS分析法との性能比較

RT Repeatabilty

of peak area FWHM Linearity Linear

range LOQb (min, n = 4)a (%, n = 4)a (min, n = 4)a (R2) (ng mL‒1) (ng mL‒1) SFC/MS/MS 3.46 ± 0.01 1.8 0.04 ± 0.00 0.998 0.050–12 0.041 UHPLC/MS/MS 4.00 ± 0.00 1.5 0.06 ± 0.00 0.999 0.50‒50 0.44

aAmounts per injection used to validate quantitative repeatability were 7.5 pg.

bLOQ is estimated based on S/N = 10.

2-2. SFC/MS/MSシステム概略図 CO2

pump

CO2 bomb

ESI-QqQMS

Active back pressure regulator

(ABPR)

Waste Modifier

Column

Make-up pump Modifier

pump

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2.3.3. AA標準溶液を用いたSFC/MS/MSおよび UHPLC/MS/MSFI分析での感 度比較

次に,SFC/MS/MSがUHPLC/MS/MSに比べて,検出感度が高い理由を考察するた めにAA標準溶液を用いたFI分析を実施した.FI分析は,2種の移動相を任意の比率 で混合した移動相溶媒を用いて,カラムを使用せずにサンプルを直接ESI-MSに導入 する方法である.そのため,FI分析を通じて溶媒組成の違いがESIでのAAのイオン 化効率に与える影響,特にSFCとUHPLCの移動相中におけるSCCO2の有無による 高感度化のメカニズムを検証した.SFC/MS/MS による FI 分析条件として,流速を

1.0 mL min‒1に設定し,SCCO2とメタノールの比率を変更した際のAAのイオン化効

率の変化を調査した.次に,UHPLC/MS/MS の FI 分析に使用した移動相は,逆相カ ラムを用いた AA 分析に使用されている 0.1% (v/v) ギ酸水溶液とメタノールを選定 した (Kocadağlı, T., 2012).流速は0.35 mL min‒1に設定し,0.1% (v/v) ギ酸水溶液 とメタノールの比率を変更することでAAのイオン化効率の違いを算出した.つまり,

SFCとUHPLCの移動相でメタノールが共通であるため,SCCO2と0.1% (v/v) ギ酸 水溶液の違いによる二酸化炭素の有無による高感度化への影響を評価した.メタノー ル比率0% (0.1%ギ酸水溶液100%) のUHPLC/MS/MSのFI条件で得られたAAのピ ークエリア値を基準とした際の,SFC/MS/MS および UHPLC/MS/MS の各条件での FI 分 析 で 得 ら れ た ピ ー ク エ リ ア 値 の 相 対 強 度 の 結 果 を 図 2-3 に ま と め た .

UHPLC/MS/MSのFI分析の結果,メタノール比率が70%の条件で,相対強度値が最

も大きく1.5倍の値を示したが,メタノール比率を変えた他の条件では0.8–1.5倍と 相対強度値に変化がなかった.それに対して,移動相にSCCO2を用いるSFC/MS/MS の FI 分析結果においては,UHPLC/MS/MS の結果と比べて大幅に相対強度値が増加 した.すなわち,メタノール比率 0% (0.1%ギ酸水溶液 100%) での UHPLC/MS/MS の FI 結果と比較すると,SFC/MS/MS による FI 分析ではメタノール比率が 5%の時 に4倍,10–30%の時に12–16倍,40%時に29倍の相対強度値を示した.一方,メ

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2-3. SFC/MS/MS (白,移動相:SCCO2とメタノール) とUHPLC/MS/MS (黒,移 動相:0.1%ギ酸水とメタノール) を用いた FI 分析における移動相中のメタノール比 率の違いによる感度の比較 (n = 4)

タ ノ ー ル 比 率 が 40%以 上 増 加 す る に つ れ て 相 対 強 度 値 の 減 少 が み ら れ た . UHPLC/MS/MS のFI分析結果と比較すると,SFC/MS/MSのFI分析ではメタノール 比率が 10%以上の移動相組成下で,10 倍以上も AA のピークエリア値が増加した.

この結果は,移動相中の SCCO2が大気圧下のイオン源で気体に戻る際にメタノール の気化を補助するため感度が上昇するという藤戸らの考察を支持している (Fujito, Y.,

2017).それに対して,UHPLC/MS/MSでは,イオン源において移動相中の水が高沸

点 の た め 気 化 し づ ら く , イ オ ン 化 し に く い た め に 感 度 が 低 い と 考 え ら れ る .

SFC/MS/MS 分析時,メタノール比率が 5%の時に感度が上昇しない理由としては,

メタノール量が少ないためイオン源での移動相のスプレー状態が不安定となり,

QqQMS に導入される AA 量が少なくなったことが考えられる.また,Thite らや

Rahmanianらは,移動相流速が増加するにつれて目的物が希釈されるために,エリア

0 5 10 15 20 25 30

0 5 10 20 30 40 50 60 70

10 15 20

Relative peak intensity

0 5 30

25

0 5 10 20 30 40 50 60 70

MeOH ratio (%)

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値が小さくなる傾向があると報告している (Rahmanian, A., 2013; Thite, M. A., 2008).

メタノール比率が 40–70%の範囲では,メタノール比率の増加に伴って,AA のエリ ア値が減少しており,移動相中でのメタノールによる分析対象物の希釈がその原因と 考えられる.一方,5–40%の範囲では,メタノール量が増加しているにもかかわらず,

エリア値の増加が見られた.

1-AA カラムを用いた SFC/MS/MS 法では,グラジエント分析中のメタノール比率 が約 20%となる時間でAA が溶出している.UHPLC/MS/MS および SFC/MS/MS の メタノール比率 20%での AA の FI 分析結果を比較したところ,SFC/MS/MS による FI法において12倍強度が高い結果を示した.この結果は,2.3.2.で示した1-AAカラ ムを使用した SFC/MS/MS 分析が逆相カラムを用いた UHPLC/MS/MS の分析と比べ て,AAの検出感度が11倍高いという結果と概ね一致していた.SFC/MS/MSでのイ オン化については不明な点が多く,二酸化炭素によるESI-MSでの感度向上の詳細な メカニズムを解明することが今後の課題である.

ドキュメント内 吉岡, 俊暁 (ページ 40-44)