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ミルクコーヒー液中の AA 付加物の探索のためのデータ解析

ドキュメント内 吉岡, 俊暁 (ページ 65-68)

第三章 コーヒー飲料中の AA 減少機構の解析

3.2. 実験

3.2.10. ミルクコーヒー液中の AA 付加物の探索のためのデータ解析

Compound discoverer (CD) 3.0ソフトウェア (Thermo Fisher Scientific) をデータ 解析に使用した.このソフトは,ピークアラインメント,ピーク検出,バックグラウ ンド減算処理,データのグループピング,およびギャップフィリング機能を備えてい る (Takahashi, M., 2018).データ解析に用いるCDソフトのパラメータは表3-3に示 した.

3.2.9.に記載されている表3-1のmethod 3を用いて得られたAA無添加,AA添加,

13C3-AA 添加ミルクコーヒーの分析結果から,AA 無添加サンプルをブランクに設定 し,CDソフトによるAA添加と13C3-AA添加の差異解析を行った.PPF法は,非標 識AA添加サンプルと13C3-AA添加サンプルからAAと13C3-AAの付加体を見つけ出 すために用いた.PPF法は,溶媒,マトリックス,またはノイズに由来する偽陽性ピ ークを検出することなく,AA付加体の非標識体と13C3標識体のペアを高精度に検出 できる (Takahashi, M., 2018).非標識AAと13C3標識AAに由来するAA付加体のペ アは,次のクライテリアを用いて特定した:1) 同位体元素との m/z の差とその標識 数に依存したm/zの差が3.0102 (Δm/z = 1.0034 × 3),2) 質量誤差が5 ppm,および 3) 保持時間の差が0.1分未満.

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3-3. 未知AA付加体とアクリル酸付加アミノ酸を検出するためのCD解析条件

CD conditions Align retention times

Alignment model Adaptive curve

Max. shift 0.2 min

Mass tolerance 10 ppm

Detect compounds

Mass tolerance 10 ppm

Intensity tolerance 30%

S/N threshold 1

Min. peak intensity 100000

ions [M + H]+, [M − H]

Min. element counts C H O

Max. element counts C40 H100 N10 O15 P3 S15

Filter peaks True

Max. peak width 0.5 min

Remove singlets True

Min. # scans per peak 3

Min. # isotopes 1

Group compounds

Mass tolerance 5 ppm

RT tolerance 0.1 min

Fill gaps

Mass tolerance 5 ppm

S/N threshold 10

3.2.11. ミルクコーヒータンパク質の加水分解によって生じる AA 付加アミノ酸の

探索

4か月間保存したAA無添加,AA添加,13C3-AA添加のミルクコーヒーサンプル各 15 mLに,4 °Cに冷却した5% (w/v) トリクロロ酢酸水溶液15 mLとメタノール10 mLを加え,5分間振とうした.その混合物を遠心分離し (4 °C,2380 g,5分),上清 を除去した.得られた沈殿を4 °Cのメタノール10 mLで2回洗浄し,続いて4 °Cの メタノール:水 (1:1 v/v) 10 mLで1回洗浄した.沈殿を1.5 mLの7 M塩酸グアニジ ンと10 mM EDTAを含有する500 mM Tris-HCl (pH 8.5) 溶液に溶解し,3.5 Kの透析

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チューブに移し,一晩透析を行った.透析液を5 μmのメンブレンフィルターでろ過 し,凍結乾燥後,約100 mgのミルクコーヒータンパク質を得た.

タンパク質の酸加水分解を行うことで,遊離型のアミノ酸サンプルを調製した.具 体的には,酸加水分解によるタンパク質のアミド結合の分解と同時に,AA のアミド 結合も分解されるためアクリル酸付加アミノ酸が生成される.まず過ギ酸酸化を行う ために,各抽出タンパク質 (2.5 mg) を4 mLの過ギ酸に溶解した.4 °Cで16時間酸

化後,45 °Cに設定した遠心エバポレーターを用いて過ギ酸を除去した.次に,その

乾固物を 6 M塩酸 4 mLに溶解し,加水分解管 (Wilmad-LabGlass, NJ, USA) に移

し,6 M塩酸 2 mLで2回洗いこみを行った.過ギ酸酸化を行わず直接酸加水分解を

行う場合は,タンパク質2.5 mgを直接加水分解管に採取し,6 M塩酸 8 mLを加え た.その後,両サンプルともに加水分解管の脱気を行い,110 °Cのブロックヒーター で24時間加水分解を行った.加水分解液を15 mL PPチューブに移し,MeOH 950 μLで3回洗浄した.45 °Cに設定した遠心エバポレーターで溶媒除去後,0.5% (v/v)

ギ酸含有70% (v/v) アセトニトリル水溶液1 mLに乾固物を再溶解し,0.2 μmのメン

ブレンフィルターでろ過し,HILIC/HRMS分析 (method 4) に供した.得られたデー タを用いて,AA無添加サンプルをブランクに設定し,AA添加と13C3-AA添加のCD による差異解析を行いアクリル酸付加アミノ酸の探索を行った.Method 4 は,

Poroshell 120 HILIC-Z PEEK-lined (100 mm × 2.1 mm i.d. , particle size 2.7 μm, Agilent Technologies, Santa Clara, CA, USA) カラムを用いた.移動相 (A) は0.1% (v/v) ギ 酸含有60 mMギ酸アンモニウム水溶液,移動相 (B) は0.1% (v/v) ギ酸アセトニトリ ル溶液を用いた.HILIC分析のグラジエント条件は,0 min (90% B),10 min (60% B), 10.1–13 min (20% B),13.1–17 min (90% B) に設定した.他のHILICとHRMSの分 析条件は表3-1のmethod 4に示す.アクリル酸付加アミノ酸分析のHRMS/MS分析 のプロダクトイオンスキャン条件は表3-2のmethod 4に示す.

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