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サンプル抽出液を用いた SFC/MS/MS と UHPLC/MS/MS での分析結果の

ドキュメント内 吉岡, 俊暁 (ページ 48-51)

第二章 SFC/MS/MS を用いた AA の高感度迅速定量法の開発

2.3. 結果と考察

2.3.6. サンプル抽出液を用いた SFC/MS/MS と UHPLC/MS/MS での分析結果の

SFC/MS/MSを基盤とした本分析法の実用性評価を行うために,実サンプルを用い

て従来法であるUHPLC/MS/MS分析法との比較を行った.はじめに,2.3.2.で最適化

した UHPLC/MS/MS 分析法を用いて食品抽出液中の AA を測定するために,サンプ

ル抽出液について検討した.2.3.4.で最適化した QuEChERS 法によるサンプル調製 後の最終溶液はアセトニトリルである.一方で,UHPLC/MS/MS 分析法は C18 カラ ムを用いているため,移動相の初期溶媒は水が99.5%を占める.そのため,サンプル 調製後の最終溶液であるアセトニトリルは一旦乾固して,適切な溶媒で再調製する必 要があった.QuEChERS 抽出,乾固を行ったコーヒーサンプルに対して,水および

5% (v/v) アセトニトリル水溶液を再調製溶媒としてUHPLC/MS/MS分析を行った際

の AA のクロマトグラム結果を図 2-5 に示した.UHPLC の移動相の初期溶媒に近い 水を使用してサンプルの再溶解を行った場合には,AAは良好なピーク形状を示した.

しかし,溶液中にわずか5%のアセトニトリルが存在するだけで,AAのピークリーデ ィングが観測された.このピークリーディングが観測された要因は,水にアセトニト リルが混入することでC18 カラムに対してAAの保持が弱まったためと考えられる.

一方,SFC/MS/MS 分析の場合は,QuEChERS 抽出後のアセトニトリル溶解液でピ

ークリーディングは全く見られなかった.UHPLC/MS/MSでは良好なピーク形状を得 るには,抽出溶媒のアセトニトリルを完全に除去する必要があるが,SFC/MS/MSで はアセトニトリルを除去する必要がないため,抽出液をそのまま測定することが可能 であった.そのため,SFC/MS/MS分析法は,最も時間のかかる溶媒乾固工程が必要 ないため,従来法である UHPLC/MS/MS 分析法と比べて大幅な時間短縮が可能であ ることを示した.

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2-5. AAUHPLC/MS/MS分析における溶解溶媒の違い

コーヒー豆,ミルクコーヒー,麦茶の抽出サンプルを用いて,サンプル再溶解の有 無以外の条件を同一にして,SFC/MS/MSおよびUHPLC/MS/MS分析を行った.コー ヒー豆由来の AA の SFC/MS/MS クロマトグラムおよび UHPLC/MS/MS クロマトグ ラムを図2-6 に示した.UHPLC/MS/MS分析では,AAのサロゲートと同じMRMト ランジションで,コーヒー豆中の夾雑物由来の未知ピークがサロゲートピークと重な る位置に溶出していた.そのため,UHPLC/MS/MSを用いてコーヒー類を定量する場 合には,サロゲートピークと未知夾雑物ピークを分割する必要があるため正確な定量 が難しいと考えられる.一方,SFC/MS/MS分析では分離メカニズムが異なるためか,

未知夾雑物ピークがサロゲートピークの近傍に検出されず,より正確な定量結果が得 ら れ る と 考 え ら れ る . 次 に , ミ ル ク コ ー ヒ ー と 麦 茶 を SFC/MS/MS 法 と UHPLC/MS/MS 法 で 分 析 し た 際 の S/N と 再 現 性 の 結 果 を 表 2-8 に 示 し た . UHPLC/MS/MS でミルクコーヒーを分析した結果 (図 2-7),S/N = 10.2 (LOQ 付近) でAAは検出できたが,よりAA濃度の低い麦茶ではAAはS/N = 4.2 (LOQ以下) で あった.それに対して,SFC/MS/MS では同じミルクコーヒー中のAAをS/N = 144

Time 2.60 2.80 3.00 3.20 3.40 3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80 5.00 5.20 5.40 5.60 5.80

%

10

2.60 2.80 3.00 3.20 3.40 3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80 5.00 5.20 5.40 5.60 5.80

%

17

Time 2.60 2.80 3.00 3.20 3.40 3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80 5.00 5.20 5.40 5.60 5.80

%

10

2.60 2.80 3.00 3.20 3.40 3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80 5.00 5.20 5.40 5.60 5.80

%

17

3.0e4

3.0e4 AA

AA

IntensityIntensity

5% acetonitrile in water 100% water

Retention time (min)

3.0 4.0 5.0

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と高感度に検出できており,UHPLC/MS/MS ではLOQ以下であった麦茶中のAAも

S/N = 57.7で定量可能であった.さらに,UHPLC/MS/MSでは両サンプルの分析値の

再現性が 9.0%RSD以上であったが,SFC/MS/MSでは2.4%RSD 以下と分析結果の

ばらつきも小さかった.以上の結果から,SFC/MS/MS 法は,低濃度のAA を含有す るサンプルでも正確かつ迅速にAAの含有量を定量できる優れた方法である.

2-6. SFC/MS/MSUHPLC/MS/MS分析でのコーヒー豆中の夾雑ピークの溶出

2-8. SFC/MS/MS法と UHPLC/MS/MS法によるミルクコーヒーと麦茶中 AAの 再現性とS/Nの結果

SFC/MS/MS LC/MS/MS

Repeatabilty

(%RSD, n = 4)a S/N Repeatabilty

(%,RSD n = 4)a S/N

Milk coffee 2.4 144.0 9.0 10.2

Roasted barley tea 1.4 57.7 11.0 4.2

aAmounts per injection used to validate quantitative repeatability were 7.5 pg.

Time

3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80 5.00 5.20

%

1

3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80 5.00 5.20

%

0

180115_129 2: MRM of 2 Channels ES+

75 > 58 (13C3-AA) 9.00e4 Area

4.33 812

180115_123 2: MRM of 2 Channels ES+

75 > 58 (13C3-AA) 9.00e4 4.25 Area

5548

Time

3.00 3.10 3.20 3.30 3.40 3.50 3.60 3.70 3.80

%

0

3.00 3.10 3.20 3.30 3.40 3.50 3.60 3.70 3.80

%

0 100

180115_243 2: MRM of 2 Channels ES+

75 > 58 (13C3-AA) 2.10e6 Area

180115_234 2: MRM of 2 Channels ES+

75 > 58 (13C3-AA) 2.10e6 Area 3.41

107154

Time

3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80 5.00 5.20

%

1

3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80 5.00 5.20

%

0

180115_129 2: MRM of 2 Channels ES+

75 > 58 (13C3-AA) 9.00e4 Area

4.33 812

180115_123 2: MRM of 2 Channels ES+

75 > 58 (13C3-AA) 9.00e4 4.25 Area

5548

Time

3.00 3.10 3.20 3.30 3.40 3.50 3.60 3.70 3.80

%

0

3.00 3.10 3.20 3.30 3.40 3.50 3.60 3.70 3.80

%

0 100

180115_243 2: MRM of 2 Channels ES+

75 > 58 (13C3-AA) 2.10e6 Area

180115_234 2: MRM of 2 Channels ES+

75 > 58 (13C3-AA) 2.10e6 Area 3.41

107154

Coffee bean extracts without 13C3-AA

13C3-AA solution

Retention time (min) 3.4

3.0 3.2 3.6

IntensityIntensity

Retention time (min)

3.6 4.0 4.4 4.8

9.0e4 2.1e6

Unknown compound

13C3-AA 13C3-AA

SFC/MS/MS UHPLC/MS/MS

No unknown peak

9.0e4 2.1e6

MRM transition 75 > 58

MRM transition 75 > 58

MRM transition 75 > 58

MRM transition 75 > 58

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2-7. SFC/MS/MSUHPLC/MS/MS分析でのミルクコーヒー,麦茶中AAS/N 比較

さらに,ビスケットサンプルを用いた AA分析のFAPAS 外部精度試験を実施した ところ,参加した54分析機関の中でZスコアが–0.4という結果であった.他の分析

機関ではGC/MS,LC/MS/MS,およびUHPLC/MS/MSのいずれかを用いて分析して

おり,SFC/MS/MSを用いた本分析法がそれら既存法と同等の定量精度を有している

ことも証明された.

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