• 検索結果がありません。

74 ACL 再建術後の早期可動域・荷重訓練の意義は

ドキュメント内 第 4 章 治療 (ページ 118-121)

STG 腱による ACL 再建術患者を,術後固定期間によって 3 日間群 15 例と 2 週間群 15 例にランダムに分けた.膝前方安定性,関節位置覚,等速度性膝伸展・屈曲筋 力を 2 群間で比較した.術後 3,6,12 ヵ月のいずれの時点でも 2 群間に有意差はみ られなかった.患者の精神面と入院期間の点から,より短い固定期間を推奨して いる(K2F00396, EV level 4).

自家 BTB による ACL 再建術後患者を,Group A 11 例(伸展制限なしのブレース を術後 4 週間装着)と Group B 11 例(伸展制限 30 〜- 10°に設定したブレースを 術後 4 週間装着)の 2 群にランダムに分けた.膝前方安定性,関節可動域,膝機能 スコア,活動性スコア,ホップテストを比較した.術後 2 年の評価でいずれの項目 においても 2 群間に有意差は見られなかった.結論として,自家 BTB による ACL 再建術後においては,伸展制限なしのリハビリテーションは膝前方安定性を損う 原因とはならないとしている(K2F00437, EV level 4).

解 説

初版ガイドラインで引用された関連文献では,BTB による ACL 再建術におい て,早期リハビリテーション(術翌日から膝完全伸展位で全荷重歩行,2 週で可動 域 0 〜100°とし,4 週で日常生活制限なく,筋力が健側の 70%を満たしていれば,

水泳などの軽いスポーツを許可する)を用いることにより,従来のリハビリテー ション(術翌日10°屈曲位固定,6週で可動域0 〜100°許可,8 〜10週で全荷重,4 ヵ 月で可動域制限なし)より,早期の可動域と下肢筋力の獲得についての優位性を 報告した.また早期の可動域と下肢筋力の獲得が可能になることによって,日常 生活や術前のスポーツレベルへの復帰を早められることが期待できる.これに加 え BTB による ACL 再建術における術後伸展制限の影響を検討した RCT では,術 後 2 年での膝前方安定性,関節可動域,膝機能スコア,活動性スコア,ホップテス トに伸展制限の有無は影響しなかった.つまり伸展制限なしのリハビリテーショ ンは膝前方安定性を損う原因とはならないとしている.更に STG 腱による ACL 再建術の影響を検討した RCT では,3 日間固定と 2 週間固定を比較して,術後 3,

6,12 ヵ月のいずれの時点でも膝前方安定性,関節位置覚,等速度性膝伸展・屈曲 筋力に有意差はみられなかったとし,より短期の固定期間を推奨している.

術後の早期荷重に関して,術直後と術後 2 週からの荷重許可による影響を検討 した RCT では,術後 6 〜14 ヵ月で関節可動域,関節安定性,内側広筋の活動性,

膝機能スコア,活動性スコアに有意差はみられなかったが,膝前面痛の発生頻度 は術直後からの荷重許可で有意に低下していたとしている.

以上のように早期可動域訓練あるいは早期荷重の ACL 再建術後の成績に与え

可動域訓練開始時期,伸展制限の有無,固定期間,荷重時期などの条件が異なる リハビリテーションを 2 群で行い,術後成績に及ぼす効果や影響を比較検討した 文献を選択した.

文 献

1) K2F00359 Wright RW, Preston E, Fleming BC et al:A systematic review of anterior cruciate ligament reconstruction rehabilitation:part II:open versus closed kinetic chain exercises, neuromuscular electrical stimulation, accelerated rehabilitation, and miscellaneous topics. J Knee Surg 2008;21(3):225-234 2) K2F00360 Wright RW, Preston E, Fleming BC et al:A systematic review of anterior

cruciate ligament reconstruction rehabilitation:part I:continuous passive motion, early weight bearing, postoperative bracing, and home-based rehabilitation. J Knee Surg 2008;21(3):217-224

3) K2F00396 Ito Y, Deie M, Adachi N et al:A prospective study of 3-day versus 2-week immobilization period after anterior cruciate ligament reconstruction. Knee 2007;14(1):34-38

4) K2F00437 Isberg J, Faxen E, Brandsson S et al:Early active extension after anterior cruciate ligament reconstruction does not result in increased laxity of the knee. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 2006;14(11):1108-1115

75 STG 腱を用いた ACL 再建術で,加速化リハビリテー

ドキュメント内 第 4 章 治療 (ページ 118-121)