𝑟
𝑒= � 𝐾
𝑅𝑘(𝐿
1+ 𝐿
2) = 2𝑎�𝐿
1𝐿
2𝐿
1+ 𝐿
2= 2𝑎�𝑄
𝑢1𝑄
𝑢2𝑄
𝑢1+ 𝑄
𝑢2= 2𝑎�𝜑𝜆
1 + 𝜑𝜆 (6.1.18)
したがって偏心率
R
eは,𝑅
𝑒= 𝑒
𝑟
𝑒= 1 + 𝜑𝜆 2𝑎�𝜑𝜆
2𝜑(1 − 𝜆)𝑎 (1 + 𝜑𝜆)(1 + 𝜑) =
(1 − 𝜆) �𝜑
(1 + 𝜑)√𝜆 = 1 − 𝜆
��𝜑 + 1
�𝜑 � √𝜆 (6.1.19)
このように,偏芯率
R
eはφ
と1 /φ
が入れ替わってもかわらないので,Q
n1とQ
n2の大小関係ではな くその比率のみ決まる。そこで,0<φ
≦1で考えればよい。次に偏心によるせん断力の増分を求める。壁
L
1,L
2による剛心周りの断面2
次モーメントは𝐼 = 𝐿
1(𝑎 − 𝑓)
2+ 𝐿
2(𝑎 + 𝑓)
2= 𝐿
14𝐿
22𝑎
2(𝐿
1+ 𝐿
2)
2+ 𝐿
24𝐿
21𝑎
2(𝐿
1+ 𝐿
2)
2= 4𝐿
1𝐿
2𝑎
2𝐿
1+ 𝐿
2(6.1.20)
壁L
1,L
2に対する断面係数は𝑍
1= 𝐼
(𝑎 − 𝑓) = 2 𝐿
1𝑎, 𝑍
2= 𝐼
(𝑎 + 𝑓) = 2 𝐿
2𝑎 (6.1.21)
必要壁量によるせん断力が地震力であるので,地震力による剛芯まわりの回転モーメントは𝑀 = 𝑄
𝑛1(𝑎 − 𝑓) − 𝑄
𝑛2(𝑎 + 𝑓) = 2𝑎(𝐿
2𝑄
𝑛1− 𝐿
1𝑄
𝑛2) 𝐿
1+ 𝐿
2(6.1.22)
141 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 0.00
0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 M
による増加せん断力は𝑄
𝑛1′= 𝑀
𝑍
1𝐿
1= 𝐿
2𝑄
𝑛1− 𝐿
1𝑄
𝑛2𝐿
1+ 𝐿
2, 𝑄
𝑛2′= − 𝑀
𝑍
2𝐿
2= − 𝐿
2𝑄
𝑛1− 𝐿
1𝑄
𝑛2𝐿
1+ 𝐿
2(6.1.23)
ここで
Q’
n2=- Q’
n1なので左右で同じせん断力が増減されることになる。増分をΔQ
nとして(6.1.23)式を書き換えると,
∆𝑄
𝑛= − 𝐿
2𝑄
𝑛1− 𝐿
1𝑄
𝑛2𝐿
1+ 𝐿
2= − 𝑞𝐿
2𝑄
𝑛1− 𝑞𝐿
1𝑄
𝑛2𝑞𝐿
1+ 𝑞𝐿
2= − 𝑄
𝑢2𝑄
𝑛1− 𝑄
𝑢1𝑄
𝑛2𝑄
𝑢1+ 𝑄
𝑢2= − 𝑄
𝑢2𝑄
𝑛2− 𝑄 𝑄
𝑢1𝑛1𝑄
𝑢1+ 𝑄
𝑢2𝑄
𝑛1𝑄
𝑛2= 𝜆
1− 𝜆
2𝜆
1𝑄
𝑛2+ 𝜆
2𝑄
𝑛1(6.1.24)
ここでも,壁率比
λ=λ
2/λ
1や必要耐力比φ =Q
n2/Q
n1を用いると∆𝑄
𝑛= 1 − 𝜆 𝑄 1
𝑛2+ 𝜆
𝑄
𝑛1= 1 − 𝜆
1 + 𝜑𝜆 𝑄
𝑛2(6.1.25)
したがって振られる側のせん断力割増は
∆𝑄
𝑛𝑄
𝑛2= 1 − 𝜆
1 + 𝜑𝜆 (6.1.26)
以上の偏心率(6.1.19)式およびせん断力割増(6.1.26)式はそれぞれ図
6.1.4,5
のように示される。図
6.1.4
によれば,左右の必要耐力比が偏心率に与える影響は小さい。とくに左右の必要耐力が等しい場合(φ=1),壁率比が
0.5
で偏心率は0.35,壁率比が 0.55
で偏心率は0.3
となる。壁率比 が1
の場合は,偏心率は0
となっている。壁率比
λ
必要耐力の割増ΔQ
n/Q
n2必要耐力比
φ=Q
n2/Q
n1φ=0
φ=1
φ= 0.2 0.4 0.6 0.8
図
6.1.5
壁率比λ
による必要耐力の割増偏心率
R
e壁率比
λ
図
6.1.4
壁率比λ
と偏心率必要耐力比
φ=Q
n2/Q
n1φ=0.1 φ=1.0
0.2
142
図
6.1.5
によれば,壁率比が1
であれば,耐力の割増は不要である。また,左右の壁の必要耐力比
φ
が1
で壁率比0.5
の場合の割増は0.33
となる。以上の議論では,四分割のレイアウト条件 は陽に表れていないので,左右の壁量の釣り合いに関して当てはめることができる。以上の壁率比を用いた偏心率(6.1.19)式およびせん断力割増(6.1.26)式やそれらを描いた図
6.1.4
および図
6.1.5
に関して既往の数値計算3,4や告示の低減係数と比較する。木造建築物の軸組みの設置の基準を定める告示
1352
号によれば,壁率比が0.5
以上であること が求められている。壁率比が0.5
以上であれば,偏芯率が0.3
以上となるような大きな偏心を防ぐ ことができると考えられている。その検証として,四分割法と偏心率の関係について大量のコン ピュータ計算が行われて,図6.1.6
のようにまとめられている3。この図に(6.1.19)式で解析的に与 えることのできるグラフを重ね書きする。なお,図6.1.4
と図6.1.6
は縦横軸を入れ替えて示され ている。数値計算の詳細については不明であるが,計算結果は(6.1.19)式と良好に対応している。したがって,膨大な数値計算は,特性を正しく表現できる簡単なモデルの解析解で置き換えるこ とができ,パラメータの意味についてより本質的な理解ができる。
φ=
1.00 0.50 0.20 0.10 0.02
φ=
1.00 0.50 0.20 0.10 0.02
φ=
1.00 0.50 0.20 0.10 0.02
φ=
1.00 0.50 0.20 0.10 0.02
図
6.1.6
四分割法と偏心率の関係(a)長方形平面 1:短辺加振時の辺長比による差 (b)長方形平面 2:長辺加振時の辺長比による差
(c)正方形平面 1:辺長による差 (d)正方形平面 2:外周開口率による差
143 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
せん断力割増(6.1.26)式に対応するものとして,耐震改修促進法関係告示第
184
号では耐力低減係数が表
6.1.1
のように示されている。これを,割増し係数の形に計算すると表6.1.2
のようになるので,水平床構面の影響の小さい床仕様Ⅰについて図
6.1.5
にプロットすると図6.1.7
のように なる。これから,告示の値は,両側端の必要耐力がほぼ同等な場合の割増しに対応している。両 側端の必要耐力比φ
が小さくなると,割増し係数は過小な評価となっている。本研究でまとめる設計法では施行令
82
条の6
および告示594
号に定める偏心率計算を推奨す るので,四分割法の採用は考えない。しかしながら以上のように,簡単なモデル解析により,四 分割法が検証され得ることからも,設計法における解析的な手法の有用性が強調される。床仕様
側端部の充足率
0.33
未満0.33
以上0.66
未満0.66
以上1.00
未満1.00
以上他 端 の 充 足 率
0.33
未満Ⅰ
1.00
0.70 0.60 0.60
Ⅱ
0.50 0.45 0.45
Ⅲ
0.30 0.30 0.30
0.33
以上0.66
未満Ⅰ
0.70
1.00
0.80
0.75
Ⅱ
0.50 0.80
Ⅲ
0.30 0.75
0.66
以上1.00
未満Ⅰ
0.60 0.80
1.00 1.00
Ⅱ
0.45 0.80
Ⅲ
0.30 0.75
1.00
以上Ⅰ
0.60
0.75 1.00 1.00
Ⅱ
0.45
Ⅲ
0.30
ここで床仕様は
Ⅰ:横架材に合板を釘打ちしたもの又はこれと同等以上の性能を有するもの
Ⅱ:火打ち材を設けたもの又はこれと同等以上の性能を有するもの
Ⅲ:その他の仕様
表
6.1.2
壁率比と割増係数の関係表
6.1.1
壁充足率と低減係数の関係床仕様 壁率比λ Ⅰ Ⅱ Ⅲ
0.16 0.67 1.22 2.33 0.19 0.67 1.22 2.33 0.33 0.43 1.00 2.33 0.49 0.33 0.33 0.33 0.59 0.25 0.25 0.33 0.83 0.00 0.00 0.00
壁率比は表6.1.1
の区間の中央値を 用いた。割増係数αは表6.1.1
の低 減係数βからα=1/β-1とした。図
6.1.7
壁率比と割増係数の関係耐震改修告示
184
号と(6.1.26)式の比較(6.1.26)
式 φ= 0.00.2 0.4 0.6 0.8 1.0
表6.1.2の 耐震改修告示 (床仕様Ⅰ)
必要耐力の割増
ΔQ
n/Q
n2壁率比
λ
144 0
2 4 6 8 10 12 14
0 20 40 60
荷重kN/m